4155.中国の対応変化はなぜ



中国は、野田政権を評価した。中国外務省によると、楊外相は「9
月の日本の新内閣発足後、中日関係は良いスタートを切った」と述
べ、野田内閣を評価した。

 その上で「中日関係は得難い発展のチャンスに恵まれており、日
本政府や各界と共に、チャンスをつかみ、戦略的互恵関係の水準を
高めることを願っている」と述べた。

これは、どう意味だか分からないと思うが、日本は対中国包囲網を
短期間で整備して、その上、米国のアジアにおける軍事力削減を止
めることに対して、敵ながらアッパレということである。

戦略的互恵関係の水準を高めることを願っているの意味は、中国と
日本が戦争しない関係を築き、そのレベルを上げようと言うことで
ある。

米国も日本が巻き込んだように中国では、捉えられている。そのパ
ネッタ米国防長官は、軍事費の削減圧力が国内で強まっているもの
の、同国は中国の対抗勢力として太平洋での大きなプレゼンスを維
持すると統合エアシーバトル構想を棚に上げる方向であるとアジア
の同盟国に確約した。

日本は、ベトナムと防衛協力強化で覚書を取り交わして 中国をけ
ん制するなど、日本がイニシアチブを取った動きをしている。

ASEANの非公式国防相会議で、米国の援助が期待できるフィリ
ピンのガズミン国防相は、ASEANの一部加盟国と中国が南沙諸
島などの領有権を争う南シナ海問題に絞って協議する、特別国防相
会議を年内に開催するよう提案した。

しかし、問題解決に向け、領有権を争う国々との「2国間交渉」を
主張する中国側の反発が予想され、実現するかどうか不透明だ。

中国の李克強・筆頭副首相は北朝鮮を訪問して、北朝鮮の中国離れ
を食い止める方向の外交を行い、李副首相は金正日労働党総書記の
訪中を招請する胡錦濤国家主席からのメッセージを伝えた。

というように、柔軟外交を目指す団派の次期ナンバー2が大体、こ
の時点で決まったようである。団派が太子党を今回の一連の国際問
題の政争で圧倒したようである。

米政府のミッチェル・ミャンマー特別代表・政策調整官は24日、
ミャンマーの首都ネピドーでミャンマー政府高官と会談したが、民
主化の方向を確認して、制裁処置を解除する方向のようである。中
国離れを加速させる方向である。

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野田内閣を評価=中国外相
 【北京時事】中国の楊潔◆(タケカンムリに褫のつくり)外相は
24日、日中両国の有識者でつくる「新日中友好21世紀委員会」
(座長・西室泰三東芝相談役、唐家セン前中国国務委員)のメンバ
ーと北京で会談した。中国外務省によると、楊外相は「9月の日本
の新内閣発足後、中日関係は良いスタートを切った」と述べ、野田
内閣を評価した。
 その上で「中日関係は得難い発展のチャンスに恵まれており、日
本政府や各界と共に、チャンスをつかみ、戦略的互恵関係の水準を
高めることを願っている」と述べた。年内で調整されている野田佳
彦首相の訪中に期待を込めたとみられる。 
 西室氏は「(来年の)日中国交正常化40周年を契機に、友好関
係をさらに深めるため、中国側と共に努力していきたい」と応じた。
(2011/10/24-20:17)
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米国防長官、太平洋での勢力維持を言明
2011年 10月 24日 10:57 JST
WSJ
 【バリ島(インドネシア)】パネッタ米国防長官は23日、軍事費
の削減圧力が国内で強まっているものの、同国は中国の対抗勢力と
して太平洋での大きなプレゼンスを維持するとアジアの同盟国に確
約した。

 当局者によると、米国は南シナ海における中国の軍事増強とその
挑発的姿勢に懸念を強めている。しかし、国防総省のトップとして
の初のアジア訪問で、パネッタ長官の発言はトーンダウンしたよう
で、最近の米国による台湾向け武器売却に対する中国の反応を称え
るとともに、米中両国間には深い不信感があるものの、より緊密な
関係は構築しうるとの確信を表明した。
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南シナ海問題で特別国防相会議を 比がASEANに提案
2011.10.24 19:22サンケイ

 東南アジア諸国連合(ASEAN)の非公式国防相会議が24日
、インドネシア・バリ島で開かれた。フィリピンのガズミン国防相
は、ASEANの一部加盟国と中国が南沙(英語名スプラトリー)
諸島などの領有権を争う南シナ海問題に絞って協議する、特別国防
相会議を年内に開催するよう提案した。ASEAN外交筋が明らか
にした。

 来年のASEAN議長国は、中国寄りで南シナ海問題の取り組み
に消極的なカンボジアが務める。自ら領有権を争う対中国強硬派の
フィリピンとしては、比較的中立的なインドネシアが議長国である
今年中に南シナ海問題の議論を進展させたい狙いとみられる。

 しかし、問題解決に向け、領有権を争う国々との「2国間交渉」
を主張する中国側の反発が予想され、実現するかどうか不透明だ。
(共同)
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日越、防衛協力強化で覚書 中国をけん制

 一川保夫防衛相は24日、ベトナムのフン・クアン・タイン国防
相と防衛省で会談し、両国の防衛協力と交流の強化を図る覚書を交
わした。東シナ海や南シナ海で権益拡大の動きを見せる中国をけん
制する狙いがある。ベトナム国防相の来日は13年ぶり。

 会談で一川氏は「覚書は東南アジアの大国であるベトナムとの防
衛協力・交流強化の基盤となる重要な意味を持つ。署名を機に協力
を新たな段階に発展させたい」と表明した。

 タイン氏も「日本とベトナムは戦略的パートナーシップという非
常に大事な関係だ」と指摘した。

 会談では、多国間の安保協議の在り方などについても意見交換し
た。

2011/10/24 17:00 【共同通信】
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米代表がミャンマー訪問 首都で高官と会談へ
2011.10.24 14:41サンケイ

 米政府のミッチェル・ミャンマー特別代表・政策調整官は24日
、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに到着した。同日午後、首都ネピ
ドーでミャンマー政府高官と会談する見通し。ミッチェル氏のミャ
ンマー訪問は9月に続き2回目。

 軍事政権に代わって発足した新政府は今月中旬、政治犯約200
人を含む6千人以上の受刑者を釈放したが、依然収監中の政治犯も
いる。ミッチェル氏は全ての政治犯の無条件釈放を求める米政府の
立場をあらためてミャンマー政府に伝えるとみられる。(共同)
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李克強副首相が訪朝=金総書記の訪中招請
 【北京時事】中国の李克強・筆頭副首相は23日、北朝鮮の平壌
に到着し、朝鮮中央通信によると、崔永林首相と会談した。李副首
相は金正日労働党総書記の訪中を招請する胡錦濤国家主席からのメ
ッセージを伝えた。
 25日までの滞在中、李副首相は金総書記らと会談し、北朝鮮核
問題をめぐる6カ国協議について、日米韓が北朝鮮に求めるウラン
濃縮問題で柔軟姿勢を引き出し、協議の年内再開への道筋を付けら
れるかが焦点だ。
 新華社電によれば、李副首相は到着後、空港で発表した書面談話
で「中国は、朝鮮(北朝鮮)が北南、朝米関係を改善し、6カ国協
議再開に向けて積極的な行動を取っていることを称賛している」と
表明。李氏には国家開発銀行会長や商務次官らが同行しており、北
朝鮮に対する経済協力が協議される見通しだ。(2011/10/24-00:58)


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