4148.パキスタンも中国離れか?



インドの戦略基本は、ヒマラヤ山脈に阻まれて、横方向での友好化
・同盟化戦略である。昔からインドネシア、インドシナ半島といわ
れるように、インド商人はこの地域に展開していたのだ。

この地域に中国が展開してきたのは、戦後であり、その意味では新
しい。この中国の戦略は資源確保のための資源地域確保とシーレー
ン確保の2つのことである。この戦略自体は日本も同様であり、日
中関係は、この問題では競合関係になる。今までは、中国のインド
洋での行動はなかったので、インドとも摩擦が無かった。

しかし、ココに来て中国はシーレーン確保で重要な位置にあるミャ
ンマーとパキスタンの2ケ国に軍事拠点を置き、インド洋を視野に
入れ始めたのである。このため、インドも中国と向き合わないとい
けなくなった。インドは中国対抗上、ベトナムと同盟を組み、その
中印対決が明確化してきている。

親中であると思われたミャンマーが先日、中国離れを起こした。も
う1ケ国のパキスタンの動向に注目をしていた。この2ケ国が中国
離れを起こすと、シーレーンのショート・カットができないことに
なる。

このパキスタンには戦略的なグワダル港もあり、重要な軍事港が存
在している。

このパキスタンを巡り、米国はパキスタン情報部をタリバンに味方
したと敵視したことで、米国とはギクシャクした関係になり、その
隙を狙って中国が、パキスタンに入り込むことになった。

しかし、インドは対中国戦略から、パキスタンとも友好関係を構築
する必要がでていた。このため、インドはパキスタンへの働きかけ
を強化している。これにパキスタンが応じて、貿易量が拡大してい
るという。

しかし、まだ、先日も銃撃戦があったカシミール問題があり、そう
一筋縄では行かないと思うが、中国からパキスタンも離れたいよう
な意志が伝わる?

日本がASEAN諸国を応援したことで、パキスタンも中国離れのようで
ある。インドとの友好関係を急速に高めるようだ。日本のソフトパ
ワーは凄いぞ。葛城王朝(中国)と三輪王朝(日本)のような様相
になってきた。普段、世界の諸国とどう向き合ってきたかが問われ
ているようだ。相手を思いやる気持ちが重要なのに、中国はカネと
力で相手国に押し入ることをしてきた報いが来ている。

さあ、どうなりますか?

世界的なゲームが進行している。それは中東にも押寄せている。サ
ウジのスンニ派対イランのシーア派の戦いであるが、これは次回に

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Pakistan and India in historic trade push
By James Lamont and Farhan Bokhari in Lahore
FT

India and Pakistan are preparing for the biggest liberalisation
 in bilateral trade since partition more than six decades ago, 
reviving commercial ties that have been strangled ever 
since the end of British rule in 1947.
Senior officials on both sides of the border say Pakistan’s politicians 
and generals have softened their traditional insistence 
that expanded business links with India be conditional 
upon resolution of a bitter territorial dispute over divided Kashmir.


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