4142.ユーロ問題は延長戦に



ユーロ危機が拡大して、危機が世界全体へ拡大する可能性もあり、
ここに来て、やっと緊急対応を決定した。しかし、根本的な対策に
は、なっていない。  Fより

欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IM
F)の代表団とギリシャとの協議が10日に終了したが、10日か
かるとこの時点では表明していた。しかし、危機が世界の株式市場
に影響して、世界からEUに対して早くしろコールが起きた。

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズは11日、スペ
イン最大手のサンタンデールの信用格付けを「AA」から1段階落
とすなど、スペインの計10銀行の格付けを引き下げた。フィッチ
・レーティングスも同日、スペインの計6行の格付けを下げた。

このため、当面必要な資金のために、欧州連合(EU)や国際通貨
基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)は11日、財政危機のギ
リシャへの融資を継続し、11月上旬に80億ユーロ(約8300
億円)を払い込むとした。あくまでも対処処置をしただけである。

このような危機的な状況で、スロバキア議会は11日夜、財政危機
のギリシャなどを支援する「欧州金融安定化基金」(EFSF)の
拡充策を否決した。しかし、協議の後、野党が賛成に回る見通しで
、スロバキアの与野党は12日、ギリシャ財政危機の拡大阻止に向け
た「欧州金融安定化基金」の機能強化策を、早ければ13日中にも議
会採決に掛けることで合意した。

なんとか、危機回避できたが、しかし、まだ対処処置の段階である。
欧州委員会のバローゾ委員長は12日、欧州金融機関の資本増強に
向けた提案を欧州議会に説明した。連鎖的な金融危機拡大を防止す
るため、自己資本比率を充実するよう求め、場合によっては欧州金
融安定化基金(EFSF)の資金を活用して公的資金を投入する必
要があるとした。

銀行の資本増強は(1)自力での調達(2)各国政府による公的資
金投入(3)EFSFの活用−−という3段階で実施するとした。

しかし、ギリシャは、インソルベンシー(支払い不能状態)であり
、これだけでは問題は解決しない。このため、同国債務のヘアカッ
ト(債務元本の減免)率は30─50%と、7月21日の首脳会議
で合意した21%から拡大する公算が高い。こうしないと、債務を返
済できない。

ということで、この解決案で合意しても、大きな損害が銀行に出来
ることになり、資本増強が必要である。

もう1つが、いままでのストレステストが甘く、もう一度厳しい基
準で、ストレステストを行うようである。資本増強の必要性を判断
する上で、欧州銀行監督機構(EBA)は9%のコアTier1(
狭義の中核的自己資本比率)を基準とする可能性が高いと言う。

まだまだ先が長い。何かするにも、17ケ国の了承が必要となると
、そう簡単には決まらない。

それまで、ギリシャが持つか、銀行が持つかなど、いろいろなこと
が起きるはず。

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欧州の銀行調査、ソブリン債を時価評価 資本増強は9%コア
Tier1基準=EU筋
2011年 10月 13日 05:09 JST
			
[ブリュッセル 12日 ロイター] 欧州銀行監督機構(EBA
)が行っている銀行の資産に関する調査では、保有するソブリン債
に時価評価が適用され、評価損が生じる公算が大きい。欧州連合(
EU)筋が12日、明らかにした。

 また同筋によると、資本増強の必要性を判断する上で、EBAは
9%のコアTier1(狭義の中核的自己資本比率)を基準とする
可能性が高い。
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基金強化策きょうにも承認 スロバキア与野党合意
2011/10/13中国新聞
 【ブラチスラバ共同】スロバキアの与野党は12日、ギリシャ財政
危機の拡大阻止に向けた「欧州金融安定化基金」の機能強化策を、
早ければ13日中にも議会採決に掛けることで合意した。地元メディ
アが伝えた。最大野党「スメル(道標)」が賛成に回ることを表明
しており、機能強化策が承認されるのは確実な情勢だ。

 スメル党首のフィツォ前首相は、機能強化策への賛成と引き換え
に、早期の総選挙実施を要求。与野党は総選挙実施に向けた議会承
認を13日に行った上で、機能強化策の採決に移るとみられる。ユー
ロ圏全17カ国の議会承認がこれでそろうことになり、ギリシャ危機
の急速な拡大がひとまず収まる見通しとなった。

 スロバキア議会は11日の採決で機能強化策を否決。60議席以上を
有するスメルは棄権した。連立与党との合意により、総選挙は来年
3月に実施される見込みで、機能強化策は議会定数150のうち、
賛成が115前後となるという。
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欧州債務危機:欧州委員長、銀行資本増強を提案 公的資金投入な
ど3段階

 【ブリュッセル斎藤義彦、ロンドン会川晴之】欧州連合(EU)
の行政執行機関である欧州委員会のバローゾ委員長は12日、欧州
金融機関の資本増強に向けた提案を欧州議会に説明した。連鎖的な
金融危機拡大を防止するため、自己資本比率を充実するよう求め、
場合によっては欧州金融安定化基金(EFSF)の資金を活用して
公的資金を投入する必要があると訴えた。

 委員長は、価格が下落しているギリシャなどの国債を厳格に査定
するなど、欧州の主な金融機関の資産査定を改めて実施。その上で
、資本不足に陥った金融機関に資本増強することを求めた。ギリシ
ャやイタリア国債などを大量に保有していた仏ベルギー系大手銀行
デクシアが破綻に追い込まれたが、資本増強を行うことで危機の連
鎖を遮断する考えだ。

 資本増強は(1)自力での調達(2)各国政府による公的資金投
入(3)EFSFの活用−−という3段階で実施。各国の銀行監督
当局に対し、必要な資本増強を行わない金融機関には配当やボーナ
スの支給禁止を求めるなど強い姿勢を示した。

 南欧諸国の国債価格などの下落で、欧州の一部の金融機関の自己
資本は不足しているとの懸念が出ている。国際通貨基金(IMF)
や米国などが資本増強を求めており、1000億ユーロ(約10兆
円)以上の資本不足に陥っているとの指摘も出ている。

毎日新聞 2011年10月13日 東京朝刊
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ギリシャ債務の民間ヘアカット率、30─50%の公算=ユーロ圏当局
者
2011年 10月 13日 00:23 JST
[ブリュッセル 12日 ロイター] 対ギリシャ第2次支援にお
ける民間部門関与(PSI)で、同国債務のヘアカット(債務元本
の減免)率は30─50%と、7月21日の首脳会議で合意した21
%から拡大する公算が大きい。複数のユーロ圏当局者が12日明ら
かにした。

 ユーロ圏当局者4人は、民間ヘアカット率を30─50%とする
方向で現在検討されていることを認めた。ただ最終的な合意には至
っていないとした。

 ある当局者は、「当該事項は依然かなりオープンで、民間投資家
による当初の反応を見極める必要がある」と指摘。「自発的な関与
は少なくとも現時点での目標であり、完全なデフォルト(債務不履
行)に絡むいかなるリスクも絶対回避しなければならないとの考え
が大勢だ」と語った。

 また別の当局者は、「ヘアカットは民間部門関与の自発的性質と
整合する水準に設定されるだろう」と述べた。

 昨年開始した1100億ユーロの対ギリシャ第1次支援のもと、
融資はこれまでに5回実施されている。80億ユーロの次回第6回
分が当初の枠組みで実施される最後の融資となり、残り370億ユ
ーロの融資については、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)
資金を活用した第2次支援の枠組みで行われる公算が大きいとみら
れている。
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仏 赤字削減策に大規模デモ
10月12日 7時38分NHK
ギリシャに端を発する信用不安の波及を防ぐため、フランス政府が
増税など財政赤字の削減策を打ち出したのに対し、フランスの主要
な労働組合は、労働者に負担を強いるものだと大規模な抗議デモを
行いました。
フランスの主要な労働組合は、11日、全国およそ200か所で政
府の財政緊縮策に対する抗議デモを行い、首都パリでは、およそ2
万人が参加しました。フランス政府は先月、信用不安の要因となっ
ている財政赤字を、来年度、138億ユーロ(日本円で1兆4000
億円余り)減らすため、増税や公務員の削減を盛り込んだ予算案を
発表しました。デモの参加者らは、危機的な状況を招いた責任は金
融機関にあると非難し、政府に対しては、「労働者にだけ負担を押
しつけるな」などと抗議の声を上げていました。参加した人たちは
、「バランスのとれた税制が必要なのに、今は富裕層が優遇されて
いる」とか、「緊縮策で国民の購買力は弱まってしまう」などと政
策の見直しを訴えました。ヨーロッパ各国は、財政赤字の削減が大
きな課題となっており、それぞれ、財政緊縮策に取り組んでいます
が、市民に負担を求めるだけに反発も強く、難しい政権運営を強い
られています。
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ギリシャに80億ユーロ融資へ 債務不履行は当面回避
2011年10月12日2時21分

 欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(E
CB)は11日、財政危機のギリシャへの融資を継続し、11月上
旬に80億ユーロ(約8300億円)を払い込む見通しになったと
発表した。これで、ギリシャが突然お金を返せなくなるような「債
務不履行(デフォルト)」は当面避けられる方向になった。 

 一方、ギリシャなどを支援する緊急融資制度「欧州金融安定化基
金」(EFSF)の拡充策について、スロバキア議会は11日、承
認手続きに入った。承認されれば、経営難の銀行に資金注入するこ
となどができるようになり、危機回避に向けた欧州の包括策づくり
が前進する。 

 ただ、スロバキア議会では同日、EFSF拡充策を承認するかど
うかの採決について、連立与党の一つと野党が棄権に回る構えを見
せている。拡充策が同日中に承認されるかどうかは微妙な情勢だ。
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スロバキア議会、欧州金融基金拡充策を否決 再採決へ
2011年10月12日10時10分

スロバキア議会は11日夜、財政危機のギリシャなどを支援する「
欧州金融安定化基金」(EFSF)の拡充策を否決した。ただ、今
週中に再び採決を目指す方針で、最終的には可決される可能性があ
る。11日中の可決を目指したスロバキア内閣が総辞職を表明し、
この日の採決を棄権した最大野党などが賛成に回る見通しが強まっ
たためだ。 

 スロバキアのラディツォバー首相は拡充策の否決後、朝日新聞の
取材に対し、「EFSFの拡充は最優先の課題。数日後に議会承認
を得たい」と述べた。自身が辞職するのと引き換えに、与野党協議
を再開して拡充案への賛同を呼びかけ、週内の可決を目指す。 

 これに対し、野党側は国内総選挙の前倒し実施などを要求。野党
幹部は「総選挙の日程などで折り合えれば、EFSF拡充策の賛成
に回る」と明らかにした。 

 ただし、与野党協議の行方次第のため、週内の可決には流動的な
面も残る。欧州連合(EU)は、政府債務(借金)問題の解決に向
けた包括的な対策を23日までに決める方針だが、EFSF拡充の
決定が遅れれば、包括策づくりにも影響するおそれがある。 
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S&P、スペイン10行格下げ フィッチは6行
2011年10月12日12時2分

 米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズは11日、スペ
イン最大手のサンタンデールの信用格付けを「AA」から1段階落
とすなど、スペインの計10銀行の格付けを引き下げた。スペイン
の景気悪化や金融市場の不安定さなどが悪影響を与えると判断した。 

 フィッチ・レーティングスも同日、スペインの計6行の格付けを
下げた。政府債務(借金)問題の影響で欧州各国の銀行の格下げが
相次いでおり、銀行の経営悪化への不安が広がっている。このため
、各国政府は銀行に公的資金を注入する検討に入っており、議論の
行方が注目されている。 

 ロイター通信などによると、欧州銀行監督当局(EBA)は、欧
州の銀行に対する特別検査(ストレステスト)のやり直しを検討し
始めた。7月の検査で合格した仏・ベルギー系の大手デクシアが経
営破綻(はたん)したことなどを受け、各銀行が持つギリシャ国債
などの価値をより厳しく査定するとみられる。
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ギリシャ財務相:トロイカは報告書に約10日必要−協議が事実上終
了 

  10月10日(ブルームバーグ):ギリシャのベニゼロス財務相は
10日、欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金
(IMF)の代表団との協議が事実上終了したことを明らかにした。 

  同相はギリシャのメガTVとのインタビューで、トロイカは報
告書の準備に約10日間必要になるだろうと語った。同相によると、
ユーロ圏財務相は23日のEU首脳会談の前に報告書に関して会合を
開く可能性がある。 

  同相はまた、「わが国に必要なことは、今月末までにやると言
ったことを実行することだ」と述べ、2012年予算案と新たな財政緊
縮策の議会承認に言及した。

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