4138.石巻・松島・仙台空港



会社の取引先の人や大学の先生から、東北の震災を見に行けと言わ
れて、一度は見に行く必要があると思っていたし、ファンドからも
東北での投資先を見つけてほしいという依頼があったが、復興の邪
魔はしたくないと控えてきた。

しかし、松島のホテルは正常営業しているのに、観光客がいないの
で、困っているという報道があり、それなら松島のホテルに泊まり
、東北の被災地を見ようと思い立ち、いつもの仲間に声をかけたら
、行こうとなり3人組で出かけた。8月に話したが、実現は10月
7日、8日になってしまったが?

仙台から仙石線に乗り換えたが、被害がないかと外を見ていた。残
念ながら??被害があるようには見えない。そのうち松島海岸駅に
着いてしまった。ここから代行バスに乗り換え、石巻に向かう。

その途中の野蒜駅周辺で、1階部分が大きく損傷している家々が多
数あり、電車の線路も架線もなくなっている。津波が1階部分まで
押し寄せたようである。しかし、そこから、50Mも行くと正常な
家が立ち並ぶので、1つの道が分けているようだ。

矢本駅からは気動車で、石巻に行く。元の仙石線は全線電化されて
いるが、津波で途中がやられて、松島海岸駅から先には電気が行っ
ていない。このため、急遽、ディーゼル車での運転に切り替えたよ
うだ。

石巻駅に着いたが、雰囲気が全然違う。駅前の商店街の多くの店の
シャッターが壊れて、中が見えるし大きな破壊があったことが分か
る。ほとんどの店が営業をやっていない。やっていても2階で営業
となっている。もちろん、観光客も我々のほかにはいない。

海岸に出ようとして歩く。海岸に近づくと、電信柱が倒れていると
か、街灯がなぎ倒されている。ヨットや船が打ち上げられている。
ここも家の1階部分が大きく壊れている。更地になっている場所も
多い。多くの建設業者が、家を取り壊している。重機が多数活躍し
ている。

歩いていたら、観光バスが通り過ぎた。被災地観光のバスであろう
か?また、車から背広姿の5人ほどの人が降り立ち、市の職員から
説明を受けている。補正予算の関係か?

海岸の近くにピラミッドのような山を発見したが、地元の人に聞く
と、ガレキの山との答えである。しかし、海岸の近くまで山が迫っ
ているので、3分で山の中腹の神社に行ける。ここから津波の状況
ビデオを採ったようだ。ここからのビデオを見た気がする。このよ
うに逃げる場所が近くにあったのである。

その日は、松島海岸に戻り、ホテルに泊まった。ホテルの人に聞い
たら、ホテルは海岸の近くに建てられているのに、津波での被害は
ほとんどなかったという。しかし、地震で一部壊れて、3ケ月程度
は補修工事で休んだと。松島は多くの島が津波の力を殺ぎ、水位は
上がったが、津波の力はそれほどではなかったと。町の商店の多く
が営業をしている。

しかし、泊まったホテルの客数はすくないようだ。ジャパネット高
田の中継車が止まっているので、ホテルの人に聞いたら、その関係
の人たちが泊まっていたという。しかし、夕食時、朝食時の人はそ
れほど、多いようには見えない。

次の日に、観光船に乗ろうと船着場に行ったら、客引きの係員に捕
まり、塩釜までの観光船に乗りなさいと薦める。こちらは松島一周
の観光船に乗ろうとしていたので、断ろうとしたが、値引きなどの
条件を出されて、とうとう塩釜の船に載せられてしまった。カモに
されたと2人からは言われた。

船に乗ると、やはり、我々ともう1組しかいない。おばあさんの一
群であるが、グリーン席に移っていった。普通席には我々だけであ
る。

ここで、面白い風景を見た。塩釜港の先端部分で松島の島群に守ら
れていない所は家が半壊状態であるが、本塩釜など島に守られた所
は、1階部分まで水はきたが、それほど大きくは壊れていない。

駅前の商店街も行きの電車から見た時点では被害が分からなかった
が、少し壊れていた。その程度の被害である。石巻とは大きく違う
ことが分かる。

これが分かったのは、カモにされたからだと言うと、2人は、これ
を大々的に書くのでしょう。それはサギだという。カモがサギに昇
格したようだ。

この塩釜から仙台に戻り、仙台空港アクセス線に乗る。仙台空港線
が再開したのは10月1日からである。その線は、空港近くで地下
トンネルに入るが、そこが水没したようである。空港駅に被害状況
の写真が飾ってあった。

日航のマークはツルである。空港に来て、その内容を書くというと
、サギから抜け出し、ツルになる気かと2人はいう。カモからサギ
にされて、最後はツルになったようだ。

空港に行きたいのは、平野部での津波の被害状況を見るためである。
このため、空港駅から海岸に向かう。空港から外に出たが、何もな
い。近くにビルがあり、その1階部分は大きく壊れている。ここも
1階部分まで津波が押し寄せたことが分かる。

しかし、海岸まで何もない。海岸近くの松林は、松の多くがなぎ倒
されている。しかし、松の根っこ部分には、新しい芽が芽吹いてい
る。自然界の破壊と再生を見る思いがした。

海岸に出ようとしたが、海岸近くは立ち入り禁止になっている。そ
こにカンバンがあり、6000万円で廃棄物事業工事をしていると
書いてある。重機が多数海岸に設置されていた。何をしているのか
は分からない。

海岸近くに立つ家の1階部分は大きく壊れている。墓石も倒れてい
る。近くの集会所にはアルバムが多数あった。まだ、持つ主がいな
いアルバムが多数あるということの意味を感じた。ここで逃げよう
とすると、近くに山はなく、空港ビルに逃げ込むしかなったようだ。
逃げ先が平野部では少ない。

3地点の比較の考察で、平野部の津波は逃げ場所が少なく、沖合い
に島があると、津波の力は弱まり、浸水程度になる。その中間がリ
アス式海岸地帯があると見る。3地域の津波の高さが大体同じであ
り、この順で地域の復興も進んでいる。松島や塩釜の復興は早いが
、仙台空港近隣は遅い。仙台空港があるために、鉄道は半年掛けて
復興させたようだ。石巻は、多数の重機が入り、更地にしている。

このため、テトラポッドような形の巨大な物を作り、日本の沖合い
に並べて、津波の力を弱めることはできないのかというアイデアが
出た。今のテトラポッドは波消しであるが、津波消しはできないか
というのだ。
東北震災地域の写真

コラム目次に戻る
トップページに戻る