4135.中国・米国と巡る動き



中国の南シナ海での戦争をするかもしれないという脅しは、いろい
ろな方面に、それに対応する動きが出ている。

まずは、当事者であるベトナムは、最高指導者、グエン・フー・チ
ョン共産党書記長が11日から5日間の日程で中国を訪問する。胡
錦濤(フー・チンタオ)国家主席(共産党総書記)との首脳会談で、
南シナ海の領有権問題などでぎくしゃくとする両国関係の改善など
を話し合うと見られる。ただ領有権の主張の隔たりは大きく、実際
の歩み寄りは難しいと見られる。

米軍は統合エアシーバトル戦略へシフトする方向である。この方向
の傾向をつい最近の記事からもうかがい知れる。

日本の航空自衛隊の空中給油機が、米軍戦闘機に空中給油できる覚
書(MOU)を交わした。これは米空軍機が中国などへの爆撃する
とき、日本基地からではなく、グアムなど長距離から飛来して、日
本上空で給油を受けることができるようにすることであり、米空軍
が嘉手納から撤退の可能性を感じさせることである。

と思っていたら、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)で今月実
施する予定だった戦闘・射撃訓練を、グアムの米空軍基地で行うこ
とで合意した。これも嘉手納基地での訓練をグアムでやるというこ
とは、グアム撤退に備えている可能性があるということである。

何かが米軍内で動いているが、まだ全体像が見えてこない。

==============================
対中制裁法案、米上院審議入り 「人民元を過小評価」
2011.10.4 18:37サンケイ

 【ワシントン=柿内公輔】米議会上院は3日、人民元相場をめぐ
る中国に対する制裁法案の審議入りを賛成多数で決めた。人民元の
一段の切り上げを促すのが狙いで、週内にも可決される見通しだ。

 法案は、人民元の過小評価が中国政府による自国企業への事実上
の輸出補助金にあたるとみて、中国からの輸入品に関税を課すもの。
ただ、成立には野党共和党が主導権を握る下院での採決が必要で、
米メディアによると、共和党指導部は消極的だという。
==============================
嘉手納での米軍訓練、初のグアム移転 日米両政府が合意
2011年10月4日13時11分

 日米両政府は4日、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)で今
月実施する予定だった戦闘・射撃訓練を、グアムの米空軍基地で行
うことで合意した。昨年5月の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プ
ラス2)で決めた訓練移転の一環で、初のグアム移転となる。

 在日米軍岩国基地の第12海兵航空群に所属する戦闘機FA18
(約20機)が、グアム島のアンダーセン空軍基地と北マリアナ諸
島のファラロン・デ・メディニラ島の基地に移動。今月10〜31
日に戦闘訓練や空対地射撃訓練をする。防衛省は、訓練場所がグア
ムになることで嘉手納基地の騒音軽減につながるとしている。

 日米は来年3月までに5回程度の訓練移転を計画。うち2〜3回
がグアムに移る見通しだ。経費は日本が約4分の3、米国が約4分
の1を負担。今後2年ごとに負担割合を見直す。
==============================
訓練時、米軍に空中給油 自衛隊が覚書締結
2011年10月3日14時2分

 日本の航空自衛隊の空中給油機が、共同訓練などの際に米軍戦闘
機に空中給油できる覚書(MOU)を交わしていたことがわかった。
自衛隊と米軍が昨年10月に結んだもので、藤村修官房長官が3日
の記者会見で明らかにした。憲法解釈で認められていない集団的自
衛権の行使の可能性をめぐり、運用のあり方が論議を呼びそうだ。

 藤村長官は3日の会見で「過去、(米軍からの)一方通行だった
給油を、日米共同訓練では自衛隊から可能になる覚書を締結した」
と説明した。日米両国は共同訓練や周辺事態、武力攻撃事態などの
際に、相互に燃料などを融通できる物品役務相互提供協定(ACS
A)を結んでいる。今回の覚書も、この協定に基づくというものだ。
これまでの共同訓練では米軍の給油機が自衛隊機に給油していたが
、自衛隊の給油機は米軍機に給油していなかった。

 自衛隊の空中給油機は2008年に初めて配備され、現在は航空
自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)で4機が運用されている。ただ、
空中給油機は戦闘機の航続距離・時間を延ばすことができ、海外で
の攻撃が物理的に可能になることから、「専守防衛の枠を超える」
という批判もあった。

 米軍の軍事作戦として展開する米軍戦闘機への給油は、憲法解釈
で禁じた集団的自衛権の行使につながる恐れがあるが、藤村長官は
「そのレベルの話ではないと判断している」と言及。憲法解釈上、
問題となるような運用はしないという考えを示した。
==============================
ベトナム最高指導者、訪中へ 関係改善めざす狙い
2011年10月4日17時36分

 ベトナムの最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長が11
日から5日間の日程で中国を訪問する。胡錦濤(フー・チンタオ)
国家主席(共産党総書記)との首脳会談では、南シナ海の領有権問
題などでぎくしゃくとする両国関係の改善などを話し合うと見られ
る。

 ベトナム国内の複数の関係者が明らかにした。親中派のグエン氏
にとって、1月に書記長に就任して以来、初の訪中となる。

 中国船舶によるベトナム漁船や資源探査活動の妨害が相次ぎ、首
都ハノイなどで反中デモが起きるなど、両国関係は冷え切っている
。11月中旬にインドネシアで予定される東アジアサミットでも、
南シナ海問題が議論されるのは確実な情勢のなか、トップ会談によ
る解決策を目指すとみられる。ただ領有権の主張の隔たりは大きく
、実際の歩み寄りは難しいと見られる。


コラム目次に戻る
トップページに戻る