4134.1930年代から戦争の時代へ



心配していた事態になってきた。中国は、戦前の日本と同じように
軍の統帥権が、政府にはない構造であるために、軍の暴走が止めら
れない。この傾向が数年前から起こっていたが、とうとう戦争を口
にし始めた。それも本気モードである。    津田より

0.欧州危機と日本のかかわり
まず、ユーロ危機で、欧州は日本に着目し始めた。それを見よう。
欧州のソブリン債危機に伴い、域内の銀行は総額1兆5000億ユーロ
(約160兆円)相当の資産売却が必要となる。米プライベートエクイ
ティ(PE、未公開株)投資会社アポロ・グローバル・マネジメン
トの責任者、レオン・ブラック氏の見方である。

この欧州銀行の資産を買おうとしているのが、三井住友とみずほで
ある。日本以外の銀行は、今後の金融規制で資産規模を小さくする
ために関連分野を切り離しているが、日本の銀行はほとんどの銀行
は、小さな投資部門しか持っていないために、利益率は悪いが、確
実に利益を出し、かつ金融規制でかかる自己資本上乗せ率も小さい
ので、余力を持っている。このため、欧州の銀行の資産を買えるの
だ。

その上に、野田首相は9月20日、日本政府は欧州のソブリン債危機を
めぐる懸念を和らげるため、欧州金融安定ファシリティー(EFSF
)が発行する債券をさらに購入する意向があると述べた。現時点で
27億ユーロのEFSF債を購入している。全体の20%超に相当して
いる。

このEFSF債の追加購入を示唆したので、英国のキャメロン首相
とフランスのフィヨン首相、ドイツのウルフ大統領などが、10月
中旬以降にそれぞれ来日するが、どうも中国の南シナ海での小規模
戦争への対応を話し合うことが必要になり、来る可能性もある。中
国への制裁の準備を西側世界としてどうするかということである。

米国は、すでに粉飾決算と人民元切り上げで中国制裁を仕掛ける方
向であるが、欧州と日本は中国市場への進出をしている企業が多く
、かつ経済的な結びつきも大きいので、米国のような報復を取るか
どうかを判断する必要がある。

すでにユーロ圏諸国は、ギリシャをユーロ圏から脱退させることは
できないという方向で、EFSFの拡充の方向でユーロ圏17カ国
すべての承認が取れそうな方向である。

欧州委員会のバローゾ委員長は28日、欧州議会で演説し、ユーロ
圏はメンバーの17カ国が経済統合を深化させれば共同で債券を発
行できるとした。ユーロ圏諸国は、政治的な結合の深化をするしか
ない方向にいっている。ユーロは不可逆的な統合であることをギリ
シャ危機で、加盟諸国は思い知らせれたようである。

1.米国の状態と戦争期待
バイデン副大統領が訪中して約束したように、米オバマ政権は、台
湾に新型の戦闘機を提供せずに古くなりつつあるF16戦闘機の性能
を向上させることを決定した。バイデン副大統領が訪中して、中国
から米国債の追加引き受けの約束を取り付けたが、中国は、その見
返りとして米国から、人民元切り上げ圧力の緩和、台湾への最新F-
16戦闘機の売却見送り、更には南シナ海問題での圧力緩和を引き出
した。ホワイトハウスは中国から圧力を受け、勝者は中国だった。

中国サイドは、米国の衰退と見た可能性がある。事実、米国内の状
況は、大変なことになっている。財政赤字削減について、米民主党
と共和党による「超党派委員会」は期限の11月23日までに少な
くとも1兆2000億ドルの赤字削減策について合意する必要があ
る。合意できなければ、2013年から同額の歳出削減が自動的に
発動されることになるが、合意できないのではないかとの悲観的な
見方も広がっている。

エタノール生産業者に対する優遇税制の打ち切りなどは確実である
し、軍事予算の大幅な削減になる。グリーン・ニューディール政策
と米国の世界の警察官は破綻する。しかし、完全な合意はできずに
、米国は財政支出削減で、おおもめになる。

もう1つが、米国経済の不調から大量にいる失業者を救済できない
でいる。ルーズベルト大統領と同じ鉄を踏みそうな状況である。こ
の状況をルーズベルト大統領が変えたのは、第2次世界大戦である。
軍事工場を国が建てて、それを民間に26%程度の安値で売却して
、米国経済は持ち直した。

来年は大統領選挙であり、その選挙戦で頭の片隅にルーズベルトの
偉業を思う可能性がある。そのためには、中国を戦争に駆り立てる
必要がある。そのためには、米国は弱く、今は戦争などはできない
と思わせないといけない。

2.世界経済が戦争を意識
9月30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場
は、指標となる米国産標準油種(WTI)が1バレル=79.20
ドルで取引を終えた。2010年9月以来1年ぶりの安値となった。

反対に9月29日(ブルームバーグ):ニューヨーク金現物相場は
上昇。欧州の債務危機で世界の景気が抑制されるとの懸念から、逃
避先としての金の需要が膨らんだ。世界が戦争を意識し始めている
証拠である。金はもち歩きができる資産であるので、戦争などを意
識すると買われる傾向にある。

戦争を意識し始めたために、新興国から資金が流出しつつある。こ
の対抗処置として、アジアや東欧、南米の新興国などの当局が相次
ぎ、通貨防衛に向け自国通貨買い・ドル売りの市場介入を実施した。

特に流出が大きいのは、韓国である。韓国政府も戦争という事態を
避けるために、韓国与党ハンナラ党の洪準杓代表は、「政府の対北
朝鮮政策の原則が、厳格な相互主義から柔軟な相互主義に向かうよ
う党として求める」と声明した。

そして、北朝鮮の元東延(ウォンドンヨン)統一戦線部副部長が10
月中旬に米アトランタを訪問するが、このとき現地で南北の対話が
行われる可能性もあるという。北朝鮮との戦争を防止する意向であ
る。

3.中国の対応
国連安全保障理事会で30日、パレスチナの国連加盟申請を審査す
る委員会の初会合が開かれ、15理事国のうち中国、ロシア、イン
ド、ブラジル、南アフリカ、レバノンの6か国が加盟支持を表明し
た。イスラエルは、中国の軍備近代化で、大きな役割を果たしてき
たが、この結果を受けて、台湾も国連加盟をさせるというように、
中国を敵対視し始めた。2000年当時は、中国を有望な武器市場
と見ていたし、事実J−10は、イスラエル国産ラビ戦闘機であり
、イスラエル人設計者を大量に中国に派遣した。やっと、イスラエ
ルも中国を敵と認定した。

そして、とうとう、中国は南沙諸島での戦争を言い始める。ベトナ
ムが独立後、中国の南沙(英語名スプラトリー)の島や礁を侵犯し
たうえ、中国の西沙(英語名パラセル)に対する主権を要求し始め
たことに根本的原因がある。中国との二国間紛争を国際問題化しよ
うと企んでいる。として戦争で問題を解決するべきというのである
という。これを人民日報が報じるので、これは中国政府の見解とい
うことである。

戦争へ中国が向かうので、対応上ベトナムも準備をし始めている。
徴兵制を復活して、海兵隊を大量に養成していることと、インドと
の同盟強化をしたり、その上にベトナム人民海軍はこのほど、イン
ドから対艦ミサイル「ブラモス」15基を購入したという。「ブラモ
ス」は、ロシアとインドが共同開発している超音速巡航ミサイルで
、陸海空、潜水艦のいずれからも発射できる。

また、尖閣列島についても、中国の海洋調査船が25日に航行した
ことについて、中国外務省の洪磊・副報道局長は27日の記者会見
で、「通常の海洋科学調査であり、正当な主権の行使だ」と述べた
。同諸島が中国の固有領土だと強調した上での発言だ。 

というように、相当強気で中国は周辺諸国に対応している。この根
本はバイデン副大統領が米国は弱く、戦争に介入できないという宣
伝をしたことが効いている。中国は、本気でそう思ってしまった。
1週間も米国はダメと各地で宣伝をしたので、中国軍幹部も本気で
そう思った可能性が高い。やまり、次の行動に出てきた。しかし、
それは米国の思う壺ですよ。中国を戦争に引き込む罠である。

4.日本の対応
このような事態に世界がなっていることに早く気づくことであるが、
新聞社は、人民日報のこの記事をなぜか取り上げない。経済問題と
安全保障問題とではどちらが優先順位が高いか・という優先順位が
日本人は狂っている。損か得の議論と、生きるか死ぬかの議論なの
に、損得の経済問題しか新聞もコラムも取り上げない。

このように、1930年代から戦争の時代になり、世界はブロック
経済に向かう。当然、敵とは交易しないし、できない。このような
見方をすると、TPPは米国ブロック参加になる。もし、このTP
Pに入らないと、貿易さえできなくなるという安全保障上の問題で
あると気づくことである。しかし、まだ、それを公式的に米国もい
えない。中国が戦争を仕掛けてくるまではいえなかったが、これか
らはそうではなくなる。中国が戦争を仕掛けるためである。

日本は戦争を逃げることができない。米軍が日本にいるため、米軍
への奇襲攻撃がいつあるか分からないことになる。米国はベトナム
やフィリピンを裏で支えることになる。このため、米国への奇襲攻
撃を、中国は仕掛けることになる。

日本には、いろいろな選択があるが、米軍を追い出すという選択は
、悲劇的な結果をもたらすと思うので、やめるべきである。そうす
ると、南シナ海戦争にはかかわることが確定する。そのかかわり方
が問題になる。米軍と共に行動することである。米軍はエセックス
などを駆使して行動する。日本は援護行動など、戦争前面での活動
ではなく、あくまでも補給などの面で行動することになる。

さあ、今後、大変な世界が待っている。皆様、心して準備をしてく
ださい。日本企業がアジアへ分散したのはよいが、ベトナム、中国
へ展開した企業は、インドネシアなど中国から離れた地域に、もう
1つの予備的な工場を設けることをお勧めします。また中国から撤
退できる場合は、早く撤退してタイ、インドネシアなどへの移転を
考えるべきでしょうね。

しかし、ベトナム工場はそのままでお願いします。日本の代わりに
ベトナムが中国と戦うのですから、日本は裏からベトナムを支援す
るしかない。ベトナム、ガンバレと応援をしましょう。

さあ、どうなりますか?
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パレスチナ国連加盟、中露など6か国が支持表明

 中東
 【ニューヨーク=柳沢亨之】国連安全保障理事会で30日、パレ
スチナの国連加盟申請を審査する委員会の初会合が開かれ、外交筋
によると、15理事国のうち中国、ロシア、インド、ブラジル、南
アフリカ、レバノンの6か国が加盟支持を表明した。
 
 パレスチナを国家承認しているボスニア・ヘルツェゴビナ、ナイ
ジェリア、ガボンの3か国は加盟への賛否を示さなかった。

 加盟申請が認められるには、9か国以上の賛成と、常任理事国の
中に拒否権を行使する国がないことが条件。パレスチナは9か国の
賛成を確保して、拒否権行使を明言している米国に実際に拒否権を
使わせ、政治的勝利を狙っている。そのためボスニアなど3か国の
説得に力を入れる方針だ。

(2011年10月1日14時33分  読売新聞)
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NY原油1年ぶり安値 エネルギー需要減少観測強まる
2011.10.1 08:22サンケイ

 9月30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相
場は、指標となる米国産標準油種(WTI)11月渡しが前日比
2.94ドル安の1バレル=79.20ドルで取引を終えた。
2010年9月以来1年ぶりの安値となった。

 中国の製造業関連の経済指標がさえなかったことや、欧州中央銀
行(ECB)が景気下支えの利下げに踏み切るのは困難との見方が
広がったことから、世界景気の減速でエネルギー需要が減少すると
の観測が強まった。

 欧米の株価が下落したことも投資家心理の悪化につながった。
(共同)
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欧州危機の追加対策、オーストリアなど3カ国も承認
2011年10月1日1時56分

 オーストリア議会は30日、ギリシャを発端とする欧州の政府債
務問題の追加対策を承認した。29日にはドイツに続き、キプロス
とエストニアでも承認を終えた。追加対策を実行するにはユーロ圏
17カ国すべての承認が必要で、残るのはオランダ、スロバキア、
マルタの3カ国になった。

 ユーロ圏各国は10月14日からの主要20カ国・地域(G20
)財務相・中央銀行総裁会議までに、すべての国で承認を終えるこ
とを求められている。残った3カ国も10月上旬の承認を目指して
いるが、特にスロバキアではギリシャに対する追加支援に慎重な声
が根強く、採決が10月下旬にずれ込む懸念が出ている。
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北朝鮮副部長が訪米へ…南北対話の可能性も
読売新聞 9月30日(金)18時54分配信
 【ソウル=門間順平】韓国政府関係者は30日、北朝鮮の元東延
(ウォンドンヨン)統一戦線部副部長が民間の学術セミナー出席のた
め10月中旬に米アトランタを訪問すると明らかにした。

 セミナーには韓国の国会議員も出席し、現地で南北の対話が行わ
れる可能性もある。統一戦線部は朝鮮労働党で対韓政策を総括する
組織。関係者によると、米政府はすでに副部長ら7人にビザを発給
した。
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韓国政府に柔軟化要求=与党代表、北朝鮮の開城訪問
時事通信 9月30日(金)18時48分配信
 【坡州(韓国)時事】韓国与党ハンナラ党の洪準杓代表は30日、
李明博政権の与党代表として初めて訪朝し、韓国企業が進出してい
る開城工業団地を視察した。洪氏は訪問後に坡州で記者会見し、「
政府の対北朝鮮政策の原則が、厳格な相互主義から柔軟な相互主義
に向かうよう党として求める」と強調、政府が昨年5月に発動した対
北朝鮮制裁措置の弾力的な運用を求めた。
 洪氏はこの中で、「今回は実務訪問だが、機会があれば政治的訪
問も考慮する」と述べ、南北関係改善に積極的に乗り出す考えを示
した。約6時間の訪問中に北朝鮮当局者とは接触していないとしてい
る。
 今回の訪朝の背景には、来年4月の総選挙をにらみ、与党として緊
張緩和、対話ムードを醸成する狙いがある。また、事前に柳佑益統
一相と調整しており、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議再開に向け
南北、米朝が対話局面に入ったことから、南北関係を改善したい政
府の後押しもあったもようだ。
 韓国政府は哨戒艦沈没事件を受けて、昨年5月から南北交流、交易
を原則禁じる制裁措置を発動している。今回の与党代表の訪朝につ
いては、統一省が「実務的性格」として容認した。
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独大統領が10月に来日=英仏首相も日程調整
 外務省は30日、ドイツのウルフ大統領が10月23〜28日の
日程で来日すると発表した。今年は日独交流150周年に当たり、
親善が目的。同24日に野田佳彦首相と会談し、天皇陛下とも会見
する。
 欧州主要国では英国のキャメロン首相とフランスのフィヨン首相
も、10月中旬以降にそれぞれ来日する方向で日程調整している。
11月に仏カンヌで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議を
前に、両首相は野田首相と、ギリシャの財政危機をはじめとする欧
州の経済問題について意見交換したい考えだ。キャメロン首相が来
日すれば、昨年5月の首相就任以来初めてとなる。
(2011/09/30-11:39) 
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専門家:南中国海での武力行使の機は熟した
フィリピンとベトナムを標的に小規模戦争によって大規模戦争を回
避せよ

 1970年代以前は南中国海問題など存在しなかった。世界のどの国
も南中国海の「九段線」内に対する中国の主権に異議を唱えはしな
かった。南中国海に「問題」が現われたのは、南ベトナム政権と後
のベトナムが独立後、中国の南沙(英語名スプラトリー)の島や礁
を侵犯したうえ、中国の西沙(英語名パラセル)に対する主権を要
求し始めたことに根本的原因がある。中国は西沙での反撃戦で南ベ
トナム政権を懲罰したことと、陸上でベトナムへの自衛反撃を行っ
た以外は、南中国海でのベトナムの公然たる侵入行為を速やかに制
止しなかった。その後遺症が今現われている。1つは、他の国々によ
る中国の南沙の島や礁の略奪を触発し、促してしまったこと。もう
1つは、ベトナムが米国を引き込んだうえ、他の小国も丸め込んで中
国を威嚇し、中国との二国間紛争を国際問題化しようと企んでいる
ことだ。(文:龍韜・中華エネルギー基金委員会戦略アナリスト。
「環球時報」掲載)「人民網日本語版」2011年9月29日
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NY金:上昇、世界経済への懸念で逃避需要膨らむ−先物相場は下落

9月29日(ブルームバーグ):ニューヨーク金現物相場は上昇。欧
州の債務危機で世界の景気が抑制されるとの懸念から、逃避先とし
ての金の需要が膨らんだ。

国際投資家の間では、世界経済がリセッション(景気後退)に逆戻
りするとの見方が強まっており、約3人に1人は今後1年以内に世
界経済のメルトダウンがあるとみていることがブルームバーグの最
新調査で明らかになった。欧州証券市場監督局は、銀行に対しソブ
リン債の評価に一貫性を持たせるよう警告した。一部の銀行がギリ
シャ債での損失を十分に計上していないとの懸念が背景にある。

金現物相場は現地時間午後3時12分現在、前日比2.63ドル(0.2%)
高の1オンス=1611.43ドル。一時は1.6%値上がりする場面もあった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12
月限は前日比80セント安の1オンス=1617.30ドルで終了した。   
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米財政赤字の削減協議に悲観的見方も、今後のシナリオは
2011年 09月 29日 14:03 JST

 [ワシントン/ニューヨーク 27日 ロイター] 米議会が自
然災害復旧支援資金の枯渇問題で紛糾し、再び政府機関が閉鎖の瀬
戸際に追い込まれた。この問題は上院超党派指導部が合意に達した
ことで当面の危機は回避されたが、議会での政治的対立があらため
て浮き彫りになった。

 米民主党と共和党による「超党派委員会」は期限の11月23日
までに少なくとも1兆2000億ドルの赤字削減策について合意す
る必要がある。合意できなければ、2013年から同額の歳出削減
が自動的に発動されることになるが、合意できないのではないかと
の悲観的な見方も広がっている。

 以下は、超党派委員会が合意できた場合、部分的に合意できた場
合、合意できなかった場合などに関して、考えられるシナリオ。

 ●部分的な合意
 このシナリオは曖昧で分かりにくいが、実現する可能性は高い。
財政や税の専門家の間からも予想する声が上がっている。

 超党派委員会は1兆2000億ドルの赤字削減策では合意できな
いかもしれないが、例えば、今後10年間に5000億―8000
億ドルの削減策で合意する可能性がある。農業補助金や連邦政府職
員の年金などが減額されるほか、若干の増収策が盛り込まれると予
想される。

 この場合も、1兆2000億ドルから合意した金額を差し引いた
分の歳出削減が、2013年から自動的に発動されることになる。

 超党派委員会は、米政府が長期的な財政健全化に向けた決意を格
付け機関や投資家に示すため、議会の委員会に対し、来年に新たな
削減策を講じるよう求めるとみられる。そうなれば、大がかりな税
制改革が検討される可能性がある。ただ、超党派委員会がどんな形
でそれぞれの委員会に行動を命じることができるかは明らかになっ
ていない。

 超党派委員会が議論を終えた後、議会がさらなる赤字削減策を目
指す姿勢を示せば、格付け機関に対する時間稼ぎとなり、短期的に
米国の格付けが再び引き下げられる事態は回避されそうだ。

 ムーディーズは26日発表したリポートの中で、「政党間の意見
の相違」により、大規模な赤字削減に向けた議論は暗礁に乗り上げ
る可能性が高い、との見解を示した。

 ●合意の先送り
 11月23日という超党派委員会による合意の期限は法律に明記
されているが、議会は法律を修正できるため、絶対的なものではな
い。

 連邦政策グループのマネジングディレクターを務めるケネス・キ
ース氏は「明らかにその(先送りされる)可能性はある。彼らは時
間稼ぎし、来年に持ち越すかもしれない」と語っている。

 民間の財政や税制専門家もその可能性があるとみているが、そう
なった場合、すでに損なわれている議会に対する国民の信頼感がさ
らに落ち込み、金融市場のさらなる動揺を招く恐れがある。

 格付け機関もそれを悪材料と受け止める見通しだ。スタンダード
・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズとも米国の格付け見
通しを「ネガティブ」としており、2012年になれば大統領選挙
を控えて政治的対立が激しさを増すため、合意はさらに難しくなる
とみている。

 このシナリオが実現する可能性は低いが、確率が高まることも考
えられる。

 実際、11月23日という期限は、大きな成果をあげるには厳し
い。現実問題として、議会の予算専門家が合意内容を分析し、最終
的な合意文書に盛り込むには、実質的に11月初めまでに主な決定
が下される必要がある。

 ●合意できず
 超党派委員会が何も合意できないシナリオで、多くの専門家は、
その確率は五分五分とみている。

 その理由は、共和党が増税に反対している一方、オバマ大統領や
民主党は増税なしに政府職員の退職プログラムやヘルスケアプログ
ラムを縮小することを拒否する姿勢を示しているためだ。

 2012年の大統領選挙に向けた選挙戦の幕開けをわずか数週間
後に控えているため、民主党と共和党のイディオロギー的な対立が
激化する可能性がある。

 合意到達に悲観的な見方をしている人々は、議会とホワイトハウ
スが数カ月にもわたって合意できなかったのに、超党派委員会で対
立を解消できると考える理由は何もないと指摘している。今週、自
然災害復旧支援資金をめぐって議会が紛糾したことも、合意が難し
いと考える理由だとしている。

 超党派委員会で合意できなければ、2013年1月1日から1兆
2000億ドルに上る歳出が自動的に削減されることになる。

 ただ、2013年はまだ先のことであり、2012年11月6日
の選挙で新たな大統領と議会が選出されれば、自動的な支出削減措
置が停止あるいは修正される可能性もある。

 このシナリオ通りになれば、さらなる格下げが現実味を帯びてく
る。米議会が中身のある赤字削減策で合意できないというS&Pの
見解が裏付けられることになり、今後2年以内に米国の格付けがさ
らに引き下げられる可能性が高まる。
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ベトナム海軍、インドから対艦ミサイル15基を購入
2011/09/28 20:46 JST VIETOJO

 中国のウェブサイト「www.junshijia.com/」によると、ベトナム
人民海軍はこのほど、インドから対艦ミサイル「ブラモス」15基を
購入したという。「ブラモス」は、ロシアとインドが共同開発して
いる超音速巡航ミサイルで、陸海空、潜水艦のいずれからも発射で
きる。27日付ダットベト紙が報じた。

 ベトナムとインドの両国海軍は、2009年に軍事協力関係を結んで
おり、今回の「ブラモス」購入も、その軍事協力プランの一つとさ
れている。現在のところ「ブラモス」がベトナム以外の第三国に配
備される予定は無いが、多くの国が購入に関心を示しているという。  
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ユーロ圏、経済統合深化させれば共同債の発行可能に=欧州委員長
2011年 09月 28日 22:55 JST

 [ストラスブール(フランス) 28日 ロイター] 欧州委員
会のバローゾ委員長は28日、欧州議会で演説し、ユーロ圏はメン
バーの17カ国が経済統合を深化させれば共同で債券を発行できる
との考えを示した。

 同委員長は「ユーロ圏が統合と規律を確保するために必要なツー
ルを完全に身につければ、共同債の発行は皆にとって自然で利点の
あるステップとなる」と述べ、その債券は財政目標を守った国に有
利となり、守らなかった国に不利になる仕組みとすべきだ、と指摘
した。

 委員長はその債券を「安定債」と呼んだ上で、「既に明らかにし
ているように、欧州委員会は今後数週間のうちに『安定債』に関す
る選択肢を提示する。選択肢のいくつかは現在の(EU)条約の枠
内で実行できる可能性があるが、完全な債券は条約の修正が必要だ
」と語った。

 バローゾ委員長はまた、欧州連合(EU)では信頼感の危機が経
済や社会的な問題を複雑化させており、発足以来最大の困難に直面
しているとの認識を示し、「過去何十年もなかったような信頼感の
危機が起きている」と述べた。

 さらに、ギリシャは今後もユーロ圏のメンバーにとどまる見込み
だとした上で、EU各国が経済統合を深化させなければEUがバラ
バラになる恐れがあると警告した。

 同委員長は、ユーロ圏の安定確保のため、欧州中央銀行(ECB
)が必要なあらゆる措置を取ると確信しているとも発言。ECBに
全力を挙げるよう求めた。

 欧州委員会は、ギリシャの銀行による実体経済への融資を支援す
るため、保証メカニズムの拡大を検討するとも述べた。
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中国側「通常の海洋調査で正当な権利」 尖閣周辺航行
2011年9月28日0時9分

 沖縄県・尖閣諸島付近の排他的経済水域(EEZ)で中国の海洋
調査船が25日に航行したことについて、中国外務省の洪磊・副報
道局長は27日の記者会見で、「通常の海洋科学調査であり、正当
な主権の行使だ」と述べた。同諸島が中国の固有領土だと強調した
上での発言だ。 

 中国の調査船は25日、日本政府から事前に同意を得ていた海域
から外れたEEZ内で科学調査を実施。日本側は北京の日本大使館
を通じて抗議していた。(北京=峯村健司) 
==============================
新興国、通貨防衛へ一斉市場介入 資金流出に対応

 アジアや東欧、南米の新興国などの当局が相次ぎ、通貨防衛に向
け自国通貨買い・ドル売りの市場介入を実施したことが24日、分
かった。世界的な市場の混乱を背景に、新興国から資金が流出しつ
つあることに対応するのが狙い。国際競争力を目的とした従来の「
通貨安競争」から状況が一変、混乱の深刻さが浮かび上がった。

 欧米メディアによると、韓国、インド、タイ、フィリピン、ブラ
ジル、ポーランドが自国通貨買い介入を実施。ロシア、シンガポー
ル、インドネシア、台湾も介入との市場の見方を伝えた。(共同)
011/09/24 20:35 【共同通信】 
==============================
野田首相の早期インド訪問で一致 日印首脳会談
2011年9月24日9時46分

 米ニューヨーク滞在中の野田佳彦首相は23日午前(日本時間同
日夜)、インドのシン首相と会談し、野田首相が早期にインドを訪
問することで一致した。

 東京電力福島第一原発事故の影響で交渉が停滞している日印原子
力協定について、シン首相は「原子力協力は進めていきたい」と、
早期締結に期待感を示した。野田首相は「原発事故の収束は政権に
とって最大の課題だ」としたうえで「(事故の)総括を踏まえて協
力を進めたい」と応じた。

 両首脳は、先月1日に発効した日印経済連携協定(EPA)が両
国の経済交流の発展に追い風になるとの認識でも一致。日本政府が
協力する「デリー・ムンバイ産業大動脈構想」(DMIC)の実現
に向けて引き続き協力することも確認した。(ニューヨーク=堀口元) 
==============================
ユーロ圏は世界的危機の震源、リーマン破たん時より不透明な状況
=トリシェECB総裁
2011年 09月 24日 07:27 JST

 [ワシントン 23日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)の
トリシェ総裁は23日、ブレトンウッズ委員会で演説し、ユーロ圏
がより広範囲に及ぶソブリン債危機の震源であるとの認識を示した。

 債務問題を抱える国をめぐる金融市場の不安はユーロ圏に集中し
ているが、問題は実際より広範囲に及んでいると指摘し、「われわ
れは世界的なソブリンリスクの危機に直面しており、ユーロ圏がこ
の世界的危機の震源だ」と述べた。

 また、主要国の国債はデフォルト(債務不履行)しないという確
信がもはや市場に存在しないため、現在の状況はリーマン・ブラザ
ーズの破たんを受けて世界経済が悪化した2008年終わりごろよ
りも予測が困難との見方を示した。
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台湾を守るふりする米国―新型戦闘機は提供せず
REVIEW & OUTLOOK
2011年 9月 23日  13:40 JST
WSJ
 米オバマ政権は、台湾に新型の戦闘機を提供せずに古くなりつつ
あるF16戦闘機の性能を向上させることを決定し、それを米国が台
湾の防衛に強く関与し続けている証拠だとした。だが、米政府関係
者によるコメントは、それでは誰もごまかされないことを示してい
る。

 米ワシントンポスト紙に引用された匿名のコメントは、台湾の楊
国防副部長が、米国は台湾に最新鋭のF35を売るかもしれないと示
唆したことに答えたもの。F35は中国が所有するどの戦闘機にも勝
り、台湾の優位性を回復させる可能性がある。これに対してその米
国政府関係者は「プリウスではなく、代わりに特注のフェラーリを
要求するようなものだ」と話した。

 このように即時に否定的なコメントを出したことは、米政府が台
湾に最新の戦闘機を売るつもりがないことを示している。特に、ス
テルス戦闘機F35についてはそうだと言える。F35は米国にも配備
されておらず、その先進的な技術は他国のスパイから守る必要があ
る。

 22日の米上院では、共和党のジョン・コーニン議員が民主党のロ
バート・メネンデス議員と共に、米国が台湾に新たな戦闘機を66機
売るという法案を提出しようとしていた。そうすることで、米国の
F16の生産ラインは稼働し、台湾を防衛するという条約も守ること
になる。この法案はホワイトハウスからの圧力を受けた民主党員に
よって阻止された。ホワイトハウスは中国から圧力を受けていた。
結局、勝者は中国だった。

記者: Jeremy Page  
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【インタビュー】日本政府、EFSF債の追加購入も=野田首相
2011年 9月 20日  19:58 JST
WSJ
 野田佳彦首相は20日、日本政府は欧州のソブリン債危機をめぐる
懸念を和らげるため、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が
発行する債券をさらに購入する意向があると述べた。

 首相はダウ・ジョーンズ経済通信とウォール・ストリート・ジャ
ーナルとのインタビューで、まず欧州連合(EU)内で危機にどの
ように対処するかのコンセンサスを作っていく必要があると言及。
その上で、政府はユーロ圏の債務混乱を抑制するために役割を果た
す用意があると語った。

 野田首相はEFSF債について、「欧州の経済・金融の安定化の
ために、EFSF債をこれまで購入するなどわが国としてできるこ
とで貢献してきたつもりだし、これからも一定程度の貢献、EFS
F債を含めてある程度の貢献は必要だと思う」と述べた。

 政府は今年1月以来、アイルランドとポルトガルの支援に向け、
1兆2000億ドル(約92兆円)規模の日本の外貨準備から、27億ユーロ
のEFSF債を購入している。全体の20%超に相当する。

 野田首相は、円の動向が過度になれば為替市場で介入する準備が
引き続きあるとし、主要7カ国(G7)は日本の立場を理解している
と続けた。

 首相は、円相場について「今までどおり無秩序な動きであるとか
、過度な変動があると認識したとき、必要なときには断固たる措置
を取るという姿勢は変わらない」と明言した。
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欧州の銀行、160兆円相当の資産売却が必要に−米アポロのブラック
氏

9月16日(ブルームバーグ):欧州のソブリン債危機に伴い、域内
の銀行は総額1兆5000億ユーロ(約160兆円)相当の資産売却が必要
となる−。米プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社
アポロ・グローバル・マネジメントの責任者、レオン・ブラック氏
が16日、こうした見方を示した。
同氏はロシア南部のリゾート地ソチでの投資フォーラムで「大規模
な売却となるだろう。売却はすでに始まっている」と述べた上で、
資産売却が今後数年続くと予想した。
  ブラック氏によれば、ギリシャとポルトガル、スペイン、それ
に恐らくイタリアの公的債務水準をめぐる懸念が銀行に身売りや不
動産ローン債権と不良債権の売却を促すことになる。
  同氏は、こうした資産売却は投資対象をソブリン債から多様化
する上で「類まれな好機」をもたらすと指摘、アポロはこうした資
産の一部にロシアと共同で投資することに関心を持つだろうと語っ
た。

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