4126.日本を取り巻く情勢



米国が東半球からの撤退を統合エアシーバトルから明らかにしたこ
とで、中国の対応が大きく変化し、その中国の強硬な姿勢に周辺国
が反発している。これの様子を見たいと思う。  津田より

0.南シナ海+米国の撤退問題
11日、オバマ米大統領は「戦争の10年」に疲れた国民感情に配
慮し、テロを機に始めたイラクとアフガニスタンでの戦争に区切り
をつける意向を強調した。これは東半球から米国は撤退すると宣言
したことになる。特にユーラシア大陸への派兵はしないことにした
ようだ。

このため、一番の焦点は、南シナ海になる。この南シナ海問題は、
日本も巻き込み、展開することになる。米軍予算が縮小するので、
米軍だけでは、中国に対応するのは無理がある。

しかし、ドイツ・マーシャル基金が行った米国人と欧州人の相互に
対する態度に関する調査で、EUの回答者の52%は、自国の利益に
とって最も重要な関係は、米国との関係だとしたが、米国では51%
が、日本や中国、韓国といったアジア諸国との関係がEU諸国との関
係よりも優先されるという。このため、米国も海軍艦艇の60%を西
太平洋に投入するという。

このため、米豪間の相互安全保障条約(アンザス条約)に基づく相
互防衛の米豪外務・国防閣僚会議(2プラス2)で、米艦船の基地を南
シナ海に近い西海岸に作ることも決めた。

9日、日本、フィリピン両政府は外務省で海洋の安全保障に関する
初の実務者協議を開き、南シナ海や東シナ海で海洋活動を活発化さ
せている中国を念頭に、海洋をめぐる問題は国連海洋法条約などの
国際ルールに従った解決が必要との認識で一致。今後両国間で実務
者協議を定期的に開催し、連携を強化することで合意した。

玄葉光一郎外相は21日午前、インドネシアのマルティ外相と会談
し、11月にインドネシアのバリ島で開かれる東アジアサミット(
EAS)で、政治・安全保障分野に関する域内共通の理念・ルール
づくりを目指すことで一致した。中国をけん制する狙いとみられる。

インド企業、ベトナムへの投資拡大しているが、南シナ海の島々の
領有権を巡り、中国と対立しているベトナムは、インドと安全保障
上の協力を強化するとともに、南シナ海の油田開発などを合同で行
うことで合意し、中国をけん制した。これに対して、中国がインド
側に抗議した。

というように、南シナ海を巡る諸国情勢は、中国周辺国連合ができ
つつあり、その中心的な存在インドが12日に自国領内に北大西洋
条約機構(NATO)ミサイル防衛(MD)システムの配備を認め
る方針だとの見方を示した。欧米諸国からの支援を得ることで、中
国とパキスタンに対抗する姿勢とみられる。ここにSM3ブロック
2Aが輸出されることになる。

このために、民主党の前原誠司政調会長は7日、武器輸出三原則の
見直しについて積極姿勢を示し、武器の国際共同開発や生産に参加
することが「日米同盟、米国以外の国々との安全保障協力の深化に
つながる」と語った。

17日、日米両政府がミサイル防衛(MD)の一環として共同開発中
の海上配備型迎撃ミサイル(SM3ブロック2A)について、米側
が弾頭など担当分野の完了までさらに検証続行の時間が必要として
、開発期間の約2年延長を日本側に通知してきた。

最初にこのMDが必要なのは、インドになるはずで、それを実戦配
備するためにインドの要望を米国が聞く時間も必要になる。また、
日本に武器3原則の国内議論の深化を求めているようにも見える。

1.沖縄基地移転問題
米国防副長官に指名されたカーター国防次官は13日、上院軍事委
員会で、国防予算削減を進める中で、レビン軍事委員長らが提示し
ている、米軍普天間飛行場の空軍嘉手納基地への統合案を検証する
考えを示した。 

19日、米ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン氏は、軍
事費削減の制約がある中、普天間飛行場を閉鎖して米カリフォルニ
ア州に部隊を移転して人件費を抑制し、有事の際に派遣される部隊
が佐世保基地などを活用する新たな米海兵隊の展開方法を提案した。

仲井真弘多・沖縄県知事は、20日、連邦議会上院で、レビン軍事
委員長(民主)、マケイン筆頭委員(共和)、ウェッブ外交委員会
東アジア太平洋小委員長(民主)とそれぞれ面談し、米軍普天間飛
行場を沖縄北部の名護市に移すとの日米合意について、実現は難し
いとの見解を説明。また、嘉手納基地への統合案についても、騒音
問題などで困難との見方を伝えた。 

この関連で、野田政権の沖縄振興策の基本方針が明らかになった。
3千億円まで増額し、全額を自由に使える沖縄県からの要望が強い
、「沖縄振興一括交付金」の創設を初めて明示。県側の要望に応え
ることで、米軍普天間飛行場の移設問題の進展を図る狙いがある。

野田佳彦首相は21日午後、ニューヨークの国連本部でオバマ米大
統領と初めて会談した。オバマ大統領は冒頭、「日本は最も緊密な
友好国、同盟国の一つだ。同盟を21世紀にふさわしいものに近代
化していきたい」と訴えた。

報道と違い普天間の話はでなかったというが、キャンベルの対日要
望書にそれがある。キャンベルは国務省・東アジア担当で、主に財
政上から沖縄から海兵隊が撤退するのを心配している。早くしない
と、米国の財政上から沖縄は見捨てられるよと言っているのである。

日本と米国の問題として、普天間基地移転問題が出ているが、米国
はすでにオフシェア・バランシングに舵を切っているので、あまり
沖縄に執着をしていない。その証拠に、台湾切捨てが進んでいる。
その様子を見よう。

2.台湾切捨て
16日、オバマ大統領が台湾に総額42億ドル(約3200億円)
の武器売却を決めたと報じた。近く正式発表する。中国の強い反発
が予想されるが、焦点となっていたF16戦闘機の新型モデルは米
中関係に配慮し、売却を見送る。

米国は、中国の要請で台湾を守るふりするが、台湾に最新型F-16を
売らないとした。ホワイトハウスは中国から圧力を受けていた。

しかし、中国外務省は21日、米政府が台湾への武器売却方針を議
会に通告したことに対し、張志軍外務次官がロック米駐中国大使を
呼び出して、「強い怒りと断固たる反対」を伝えて抗議したと。

中国の反発で、米議会上院の超党派グループは22日、中国の為替
政策に圧力をかける法案が10月中に上院で可決されるとの見通し
を示した。しかし、オバマ政権は法案を支持していないことを明ら
かにした。

台湾防衛を米国はすでに放棄したような印象を受ける。米空母が台
湾には近づけないので、防衛ができないし、台湾人が大量に中国へ
行っているために、対米スパイ活動を警戒している。また、現馬政
権は中国と親しいことも影響しているようだ。親中政権では、米国
も日本も警戒するしかない。このため、新鋭のF−16も引渡しは
できないと米国は断ったのである。

3.今後はどうなるか?
中国も最新型F−16が台湾へ売却しなかったことで、米国からの
シグナルを受け取ったはず。これは、非常に高価な代償を払うこと
になると思うが、今は米国も米国債を買ってもらう中国へ配慮して
いる。短期の得で、長期の損をしているように感じる。

バイデン副大統領の訪中で、中国から米国債の追加引き受けの約束
を取り付けたが、中国側は見返りとして米国から、人民元切り上げ
圧力の緩和、台湾への最新F-16戦闘機の売却見送り、更には南シナ
海問題での圧力緩和を引き出した。

しかし、台湾国防部は中国による米軍沖縄基地への「真珠湾攻撃」
を警告している。台湾の国防部は7月に発表した2011年版の『国防白
書』で、中国軍は「2020年までに、台湾海峡有事に対する外国軍の
介入を防いだ上で、台湾統一に向けた大規模作戦を実行する能力を
持つ」ことを最重要目標にして軍備を急ピッチで増強していると分
析し、米空母が有事の際に台湾海峡に近づくことを防ぐ対艦弾道ミ
サイル「東風21D」の量産・配備も2010年から始まり、沖縄攻撃用と
してDF-16を配備していると。

つまり中国が10年以内に台湾から500kmほど北の沖縄に駐留している
米軍を無力化できるようにするということだ。言い換えれば、米軍
の嘉手納基地や普天間飛行場への「中国による真珠湾攻撃」がなさ
れる可能性もある、という報告書だ。

米海軍が沖縄など日本への対応ができなくなるということと、統合
エアシーバトルではグアムがあるマリアナ諸島までの防衛計画であ
り、そこから先は日本の自衛隊の防衛範囲になっている。また中東
へのシーレーンの防衛も日本の範囲である。このため、インド洋ま
での防衛やインド洋でのシーレーン防衛も考えざるを得ないことに
なる。

しかし、陸自のメインが今いるのは、北海道であり大部隊の移動が
必要になり、まず「おおすみ」型輸送艦を配備、続いて「ひゅうが
」「いせ」を現在ペリ搭載駆逐艦として配備している。この発展系
として「22DDH」を整備予定している。これが完成すれば、日本
の遠隔地への兵力投入能力が大幅に高まる。イージス艦などの防空
力が備われば、南シナ海だけでなく、インド洋まで日本の艦隊は容
易に到達できる。

この22DDHは、世界の軽空母と同じ大きさがあり、F-35BVTOLを積
めば、軽空母にもなる。

一方、日本は中東の石油からカナダ・オーストラリアの石油・天然
ガスにエネルギーを転換する必要にもある。この面で、中東の石油
から自国の自然エネルギーへの転換も重要なことになっているのだ。

というように、中国との関係は、多方面に大きな影響を与えて、日
本の大戦略を根本から変える必要にある。

それをどうして、議論しないのか不思議な感じをしているこのごろ
である。どうか、日本人よ、まともになってほしい。

さあ、どうなりますか??
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台湾を守るふりする米国―新型戦闘機は提供せず
REVIEW & OUTLOOK
2011年 9月 23日  13:40 JST
WSJ
米オバマ政権は、台湾に新型の戦闘機を提供せずに古くなりつつ
あるF16戦闘機の性能を向上させることを決定し、それを米国が台
湾の防衛に強く関与し続けている証拠だとした。だが、米政府関係
者によるコメントは、それでは誰もごまかされないことを示してい
る。

 米ワシントンポスト紙に引用された匿名のコメントは、台湾の楊
国防副部長が、米国は台湾に最新鋭のF35を売るかもしれないと示
唆したことに答えたもの。F35は中国が所有するどの戦闘機にも勝
り、台湾の優位性を回復させる可能性がある。これに対してその米
国政府関係者は「プリウスではなく、代わりに特注のフェラーリを
要求するようなものだ」と話した。

 このように即時に否定的なコメントを出したことは、米政府が台
湾に最新の戦闘機を売るつもりがないことを示している。特に、ス
テルス戦闘機F35についてはそうだと言える。F35は米国にも配備
されておらず、その先進的な技術は他国のスパイから守る必要があ
る。

 別の政府関係者はウォール・ストリート・ジャーナルに対して、
「性能を向上したA/Bは、C/Dと同様の性能となる」と述べた。
ここでA/Bは台湾がすでに持っているF16を指し、C/Dは台湾
の手には渡らない新型戦闘機を指す。この関係者はさらに、「台湾
はA/BをC/Dよりもじん速に、かつ安く手に入れることができ
る」と話した。

 台湾はこの意見を鵜呑み(うのみ)にはしていない。事情をよく知
る台湾の国会議員は、性能を向上させた戦闘機が新型戦闘機と同等
だというのは「正直な意見とは言えない」と言う。特に劣る点とし
て、改修された戦闘機のエンジンは新しいものではないことが挙げ
られる。またこれにより、台湾は年数が経過したF5戦闘機を引退さ
せられなくなる。

 22日の米上院では、共和党のジョン・コーニン議員が民主党のロ
バート・メネンデス議員と共に、米国が台湾に新たな戦闘機を66機
売るという法案を提出しようとしていた。そうすることで、米国の
F16の生産ラインは稼働し、台湾を防衛するという条約も守ること
になる。この法案はホワイトハウスからの圧力を受けた民主党員に
よって阻止された。ホワイトハウスは中国から圧力を受けていた。
結局、勝者は中国だった。

記者: Jeremy Page  
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対中為替法案、米上院が10月中に可決する見通し=超党派
2011年 09月 23日 09:18 JST

 [ワシントン 22日 ロイター] 米議会上院の超党派グルー
プは22日、中国の為替政策に圧力をかける法案が10月中に上院
で可決されるとの見通しを示した。

 同法案の柱は、米商務省が貿易に関する国内法に基づき、為替相
場の過小評価は貿易助成金の支給に相当すると認定するもの。これ
により、中国からの輸入品に対し企業が相殺関税をかけるよう要請
することが可能になる。

 シューマー議員(民主党、ニューヨーク州)は「この法案の可決
以上に米国の雇用増に貢献する措置はない」と指摘。上院で休会明
け後、10月最初の数週間で法案が可決される見通しと述べた。 

 現行法では、不公正貿易のために為替を操作している国がないか
、半年ごとに見直しを行うよう財務省に義務付けている。これに対
し同法案は「基本的な不均衡が存在する(fundamentally misaligned
)」通貨を特定し、一定期間内に不均衡が是正されない場合に行動
を取るよう財務省に義務付けることを盛り込んだ。

 シューマー議員は記者団に対し、オバマ政権は法案を支持してい
ないことを明らかにした。
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中国、米大使呼び抗議 台湾への武器売却「強い怒り」
2011年9月22日12時53分

 中国外務省は21日、米政府が台湾への武器売却方針を議会に通
告したことに対し、張志軍外務次官がロック米駐中国大使を呼び出
して、「強い怒りと断固たる反対」を伝えて抗議したことを明らか
にした。張次官は「両国関係や両国の軍事分野での交流や協力に損
害を与えることは避けられない」とし、売却方針決定の撤回を求め
た。

 中国は昨年1月に米政府が台湾への武器売却を議会に通告した際
はその直後に、両軍の相互訪問の一時停止や武器輸出をした米企業
への制裁などの具体的な対抗措置を発表していた。

 中国国防省の耿雁生報道官も22日に談話を発表し、「中米両軍
の正常な交流に重大な障害を生じさせるだろう」と非難した。
(北京=古谷浩一)
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日米首脳会談:大統領「普天間結果を」首相に事態打開要請

 【ニューヨーク高塚保】野田佳彦首相は21日午後(日本時間
22日未明)、ニューヨークの国連本部でオバマ米大統領と初めて
会談した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題につい
て、首相は同県名護市辺野古に移す昨年5月の日米合意の履行に全
力を尽くすと表明したが、大統領は「結果を求める時期が近い」と
述べ、進展に向けて日本側の努力を強く求めた。両首脳は日米同盟
をより深化させることで合意。世界経済の安定に向け、両国が連携
することでも一致した。

 会談は約35分間。オバマ大統領は冒頭、「日本は最も緊密な友
好国、同盟国の一つだ。同盟を21世紀にふさわしいものに近代化
していきたい」と訴えた。

首相は「日米同盟は日本外交の基軸だとの信念を持っているが、(
東日本大震災への支援で)その信念が改めて揺るぎない信念になっ
た」と応じた。

 普天間問題について、首相は「日米合意にのっとり、沖縄の負担
軽減を図りながら、沖縄の理解を得られるよう全力を尽くしていく
」と強調。大統領は「これからの進展に期待している」と述べ、事
態の打開を促した。辺野古移設に地元の理解が得られる見通しがな
い中、大統領が「結果」を求めたことで日本政府は厳しい立場に立
たされた。

 また首相は、米軍による被災地支援「トモダチ作戦」に謝意を表
明し、大統領は震災復興に今後とも全面協力する考えを示した。

 北朝鮮の核開発問題では、日米韓の連携を維持し、南北間や米朝
間の対話を注視していくことを確認した。拉致問題については、首
相は引き続き米側の協力を求めた。

 経済問題では、世界経済の後退懸念が強まる中、日米双方が経済
成長と財政健全化を両立させる必要があるとの認識で一致した。

 米国産牛肉への日本の輸入制限に関し、大統領は「進展が必要だ
」と緩和を要求。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)では、
首相は「議論を積み重ね、できるだけ早い時期に結論を出したい」
と述べ、大統領は「(日本が)議論していることを歓迎している」
と期待感を示した。

 首相は会談後、ニューヨーク市内のホテルで記者団に「個人的な
信頼関係を築く、いいスタートが切れたと思う」と語った。

 会談には、玄葉光一郎外相、クリントン国務長官、ガイトナー財
務長官らが同席した。

毎日新聞 2011年9月22日 12時26分
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安保で共通ルール必要=日・インドネシア外相が一致

 【ニューヨーク時事】玄葉光一郎外相は21日午前(日本時間22
日未明)、ニューヨークの国連本部でインドネシアのマルティ外相
と会談した。11月にインドネシアのバリ島で開かれる東アジアサ
ミット(EAS)で、政治・安全保障分野に関する域内共通の理念
・ルールづくりを目指すことで一致した。東・南シナ海の海洋権益
をめぐり、周辺国と摩擦を起こしている中国をけん制する狙いとみ
られる。(2011/09/22-07:21) 
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沖縄に一括交付金 野田政権、普天間進展狙い提示へ
2011年9月22日3時3分

 野田政権の沖縄振興策の基本方針が明らかになった。沖縄県から
の要望が強い、使途を限定しない一括交付金の創設を初めて明示。
県側の要望に応えることで、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)
の移設問題の進展を図る狙いがある。26日にある沖縄政策協議会
の部会で、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)県知事に提示する。

 基本方針では、沖縄振興に向けた新たな交付金として「より自由
度の高い沖縄の一括交付金を創設する」と明記した。具体的な金額
や制度の仕組みは「予算編成過程において全国ベースでの制度設計
を踏まえ、国の責務としての沖縄振興のあり方を勘案しつつ、検討
する」としている。

 菅前政権は今年度当初予算で沖縄関連予算として計2300億円
を計上。このうち321億円が、他の都道府県と同じ一括交付金だ
った。ただ、使途が一部の事業に限られるため、県は予算全体を3
千億円まで増額し、全額を自由に使える「沖縄振興一括交付金」と
するよう要望している。
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普天間閉鎖を提言 沖縄クエスチョン公開討論
2011年9月21日琉球新報 

 【ワシントン19日松堂秀樹】日米同盟や沖縄の基地問題につい
て日米の有識者が議論する「沖縄クエスチョン」のパネルディスカ
ッションが19日(日本時間20日)、米首都ワシントンのジョー
ジ・ワシントン大学で開かれた。米シンクタンク・ブルッキングス
研究所のマイケル・オハンロン氏は、軍事費削減の制約がある中、
普天間飛行場を閉鎖して米カリフォルニア州に部隊を移転して人件
費を抑制し、有事の際に派遣される部隊が佐世保基地(長崎)など
を活用する新たな米海兵隊の展開方法を提案した。

 オハンロン氏は普天間飛行場を閉鎖する条件として(1)日本が
米軍の後方支援を行う(2)有事に備え、事前に倉庫や装備品の保
管施設を確保しておく―ことを挙げ「日米同盟の弱体化ではなく、
経済的な制約と沖縄問題の下で、よりよい解決策を導き出すことが
重要だ」と述べた。

 軍事アナリストの小川和久氏は「現行計画はベストの案ではなく
、日米両政府で専門的な検討はされていない」と指摘。「有事の際
に必要となる滑走路としては短すぎる上、施設は物資を集積する広
さとしてまったく足りない」と述べ、キャンプ・ハンセン内に移設
する陸上案を提起した。
 高良倉吉琉球大教授は、米軍基地が与える沖縄経済への影響につ
いて「米国統治下では確かに大きな経済効果があったが、現在は県
全体の経済活動の5〜7%ほどだ」と紹介。米軍基地の全面返還が
県民の願いとする一方、「米軍基地に対する県民の意識は現実的だ
。米国は東京経由ではなく直接県民の意識を把握してほしい」と述
べた。
 座長の橋本晃和桜美林大学大学院客員教授やジョージ・ワシント
ン大のマイク・モチヅキ教授らも登壇。モチヅキ教授は「普天間移
設の現行計画は暗礁に乗り上げている。日米両政府が同盟を強化・
維持するために現実的な代替案を模索することが重要だ」と強調し
た。
 仲井真弘多知事の講演も含め、会場は大学教授や研究者、学生な
ど約80人の聴衆で埋まった。聴衆の一人、歴史学者のキャロル・
サンク氏は「日米両政府は沖縄のことをきちんと考えているのだろ
うか。基地を沖縄だけに集中させるのはおかしい」と感想を述べた。
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沖縄知事、日米合意実現の難しさ説明 米軍事委員長らに
2011年9月21日10時22分

 米ワシントンを訪問中の仲井真弘多・沖縄県知事は20日、連邦
議会上院で、レビン軍事委員長(民主)、マケイン筆頭委員(共和
)、ウェッブ外交委員会東アジア太平洋小委員長(民主)とそれぞ
れ面談した。 

 知事は、同県宜野湾市の米軍普天間飛行場を沖縄北部の名護市に
移すとの日米合意について、実現は難しいとの見解を説明。3議員
が連名で5月に提案した嘉手納基地への統合案についても、騒音問
題などで困難との見方を伝えた。 

 知事は記者会見などで面談結果について「(日米合意を)考え直
した方がいいと皆さんが弾力的に考えておられると感じた。嘉手納
統合案は一つの例に過ぎないとのことで、現実的な解決策を探るべ
きだとおっしゃっていた」と述べた。 
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日本、駆逐艦に名を借り、再び空母建造か?(1)=中国
2011/09/18(日) 13:43 サーチナ
    
  日本は米国と対空ミサイルシステム「SeaRAM」の購入契
約を取り交わした。「SeaRAM」は現役ヘリコプター搭載空母
「ひゅうが」の発展型駆逐艦「22DDH」に配備される。中国網日
本語版(チャイナネット)は、「日本が駆逐艦の名のもとに、再び空
母建造か?」と報じた。

  第二次世界大戦中、日本は航空母艦を保有していたが、戦後、
法的規制により、海上自衛隊は空母を配備できなくなった。近年、
日本はヘリ搭載駆逐艦の大型化を図っている。「22DDH」は排水
量24000トン、全長248メートルで、14機のヘリを搭載可能。その排
水量は、英国、スペイン、イタリアの小型空母を凌ぐ。日本はヘリ
搭載駆逐艦に名を借りて、ヘリ搭載空母を建造するのではないかと
の声もある。

  ◇F−35B戦闘機搭載可能

  「22DDH」が完成すれば、日本の海上軍事力が大幅に高まる
のだろうか?尹卓海軍少将は、「完成すれば、日本の遠隔地への兵
力投入能力が大幅に高まる。防空力が備われば、南シナ海だけでな
く、インド洋まで日本の艦隊は容易に到達できる」と話す。

  西側メディアの報告によると、日本は現在、「F−35B」導入
問題について直接米国と交渉しているという。F−35Bはおそらく
最初に「22DDH」に搭載されるだろう。「22DDH」は明らかに
小型空母だ。平甲板はF−35Bのような戦闘機が直接甲板から垂直
離着陸可能なことを意味する。

  「22DDH」の格納庫も非常に大きい。格納庫の高さ、広さは
F−35Bを多数収容できるようになっている。構造からみても、排
水量からみても、多くのメディアが伝えているように、日本は小型
空母を建造しようとしている。(つづく 編集担当:米原裕子)
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ベトナム インドと協力を強化
9月17日 8時54分NHK
南シナ海の島々の領有権を巡り、中国と対立しているベトナムは、
インドと安全保障上の協力を強化するとともに、南シナ海の油田開
発などを合同で行うことで合意し、中国をけん制するねらいがある
ものとみられます。
ベトナムのミン外相は、16日、ベトナムの首都ハノイを訪れてい
る、インドのクリシュナ外相と会談し、両国が国防や安全保障の分
野で戦略的パートナーシップを強化していくことで一致しました。
さらに、ベトナム沖の南シナ海の海底の油田開発を合同で行うなど
、エネルギー分野でも協力を深めていくことで合意しました。会談
ではまた、ベトナムが南シナ海の島々の領有権を巡って、中国と対
立している問題も取り上げられ、両外相は「南シナ海での船舶の航
行の自由を保障し、国際法に基づいた交渉による問題の解決を目指
すべきで、武力の行使や威嚇行為は控えるべきだ」という考えを確
認しました。ベトナムとしては、軍事面でも経済面でもインドとの
連携を強めることで、南シナ海の領有権を巡る問題で、中国側をけ
ん制するねらいがあるものとみられます。
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中国“横やり” インドとベトナムの油田共同開発
産経新聞 9月17日(土)7時56分配信

 【ニューデリー=田北真樹子】ベトナムとインドが南シナ海の天
然ガス・石油の共同開発に向けた協議を進めていることに、南シナ
海の領有権を主張する中国がインド側に抗議していたことが明らか
になった。インドは国際法を順守した合法的な活動だとして協議を
進める考えで、さらにベトナムとの関係強化を図る意思を明確にし
ている。

 15日付のインド紙は、インド国営石油・天然ガス公社(ONG
C)とベトナム国営石油会社ペトロベトナム(PVN)によるベト
ナム沖海底2鉱区の調査計画について、中国が数カ月前にインド側
に「開発は違法だ」と抗議したと報じた。

 PTI通信によると、中国外務省の姜瑜報道官は、同日の記者会
見で「南シナ海と周辺の島の主権は明らかに中国にある。これは歴
史的事実と国際法に立脚したものだ」とインドへの言及は避けつつ
も、共同開発への不快感をあらわにした。

 これに対し、インド外務省のプラカシュ報道官は同日の記者会見
で、「インドはベトナムとの協力、また世界のどの国との共同開発
も国際法などにのっとって行っている」と中国側の主張を間接的に
拒否し、エネルギー開発におけるベトナムとの協力を「さらに拡大
させたい」と応酬した。

 南シナ海をめぐり、ベトナムは中国の強硬姿勢に対抗するため、
対印関係を強化している。

 中国はいらだちを強めているとみられ、7月に南シナ海を航行中
のインド海軍艦船に「中国の領海だ」と警告している。
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迎撃ミサイルの共同開発2年延長 米側が日本へ通知

 日米両政府がミサイル防衛(MD)の一環として共同開発中の海
上配備型迎撃ミサイル(SM3ブロック2A)について、米側が弾
頭など担当分野の完了までさらに検証続行の時間が必要として、開
発期間の約2年延長を日本側に通知してきたことが分かった。複数
の日米関係筋が16日、明らかにした。これにより2020年を予
定していた海上自衛隊イージス艦への配備も数年程度遅れる可能性
が出てきた。

 この迎撃ミサイルは開発が終われば、海自イージス艦に配備中の
SM3ブロック1より防護範囲が広がり、さらに高い高度の弾道ミ
サイルの迎撃が可能となる。

2011/09/17 02:02 【共同通信】
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米F16戦闘機新型モデル 台湾に売却見送り
2011/09/16 16:48サンケイ

 米紙ワシントン・タイムズ(電子版)は16日、複数の米政府や
議会関係者の話として、オバマ大統領が台湾に総額42億ドル(約
3200億円)の武器売却を決めたと報じた。近く正式発表する。
中国の強い反発が予想されるが、焦点となっていたF16戦闘機の
新型モデルは米中関係に配慮し、売却を見送る方針。
 攻撃能力が高いF16の新型モデルをめぐっては、台湾が66機
の売却を米政府に働き掛けてきたほか、急速に軍拡を進める中国と
の軍事バランスが崩れることを懸念する超党派の米議員団も大統領
に売却の決断を促してきた。

 複数の米政府当局者は、中国との軍事面での交流強化を模索する
オバマ政権の方針が反映されたと語った。政府内では主に国務省が
新型モデル売却に難色を示していたという。

 今回売却する武器には、台湾が保有する現行のF16戦闘機の性
能を向上させる部品が含まれる。(共同)
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インド企業、ベトナムへの投資拡大を検討
2011/09/16 19:40 JST VIETJO

 インド商工会議所連合会(FICCI)の訪越を記念してホーチミン市で
13日、両国間のビジネスフォーラムが開催された。フォーラムに出
席したアブヘイ・タクール在ホーチミン・インド総領事は、2011年
年初から現在までに、インド企業はベトナムで9つの投資案件認可を
受け、投資額は合わせて1120万ドル(約8億6100万円)に上ると明らか
にした。13日付サイゴンタイムス紙(電子版)が報じた。

 また、FICCI代表団団長のニナド・ケルペ氏 は、今回ベトナムを
訪れたインド企業約20社がインフラ、製造、サービスなどの分野で
ベトナムへの投資を計画しており、現在、事業パートナーを探して
いると述べた。

 これに対して、ベトナム商工会議所(VCCI)のボ・タン・タイン会
長は、今後5年〜10年の間にベトナムでは、各交通・運輸インフラの
整備に向けて700億ドル(約5兆3830億円)〜800億ドル(約6兆1520億円
)の投資が必要とされているとして、インフラ分野における投資の可
能性を強調した。

 なお、両国間の2010年における貿易額は、27億5000万ドル(約2114
億円)、2011年年初7か月は20億8000万ドル(約1599億円)となってお
り、年内に38億5000万ドル(約2960億円)に達すると予想されている。
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サイバー攻撃も安保条約対象に=米豪が共同声明へ
時事通信 9月15日(木)20時43分配信

 【シドニー時事】オーストラリアのスミス国防相は15日、ニュー
ス専門テレビ局スカイニュースとのインタビューで、米豪間の相互
安全保障条約(アンザス条約)に基づく相互防衛の発動対象に、軍
の通信網の妨害などを狙ったサイバー攻撃を含める方向であること
を明らかにした。サンフランシスコで同日開かれる米豪外務・国防
閣僚会議(2プラス2)の共同声明に盛り込まれる。
 スミス国防相はサイバー攻撃の恐れについて、通常攻撃の「前触
れとなる可能性がある」と指摘。「これは未来の戦場の一つだ」と
述べた。条約の拡大により、深刻なサイバー攻撃があった場合、両
国の関係機関が協力して対処することになる見通し。
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欧州よりアジア重視の米国人が増加、世論調査
2011年09月15日 18:49 

【9月15日 AFP】米国人は歴史的に長い欧州とのつながりを大切にし
ているが、近年深まっているアジアとの関係をより重視する人が増
えていることが、世論調査で明らかになった。アジアの国々の存在
感の高まりが、グローバルな地政学を様変わりさせている。

 ドイツ・マーシャル基金(German Marshall Fund)が行った米国
人と欧州人の相互に対する態度に関する調査で、欧州連合(EU)加
盟国の回答者の52%は、自国の利益にとって最も重要な関係は、米
国との関係だと考えていた。

 対照的に米国では51%の回答者が、日本や中国、韓国といったア
ジア諸国との関係がEU諸国との関係よりも優先されると考えていた。

 大西洋を挟む米国と欧州の関係に、アジアの台頭が与えている影
響を政策立案者たちが評価する材料として行われた調査だが、米国
では若年層が特にアジアを重要視していることが示され、18〜24歳
の米国人回答者のうち4人に3人が、米国の国益にとって欧州よりも
アジアが重要と答えた。64歳より高齢の米国人では、同じ回答は4人
に1人だった。

 マーシャル基金ではこの調査結果について、特に欧州系のルーツ
や、冷戦時代の同盟関係からくるポジティブな連想を必ずしも持た
ない若年層の米国人を中心に、欧州は今一度、米国でのイメージア
ップに努める必要があると結論づけている。

 回答者の国籍は、米国とEU加盟国中12か国(ブルガリア、フラン
ス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルー
マニア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、英国)。(c)AFP
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嘉手納統合案を検証=予算大幅削減で−次期米国防副長官 

 【ワシントン時事】米国防副長官に指名されたカーター国防次官
(調達・技術・補給担当)の指名承認公聴会が13日、上院軍事委
員会で開かれた。カーター次官は国防予算削減を進める中で、レビ
ン軍事委員長らが提示している、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾
市)の空軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合案を検証する
考えを示した。 

 普天間移設は在沖縄海兵隊グアム移転とセットとなっている。日
米は普天間を同県名護市辺野古に移設する現行案を堅持しているが
、グアム移転の予算審議の権限を握る議会の提言だけに、国防総省
は統合案を排除できない事情もある。 

 カーター次官は、レビン委員長らの移設計画見直し案について「
テーブルの上にある」と証言し、検証対象になっているとした。  

 レビン委員長は、日米合意を大幅に上回るコストが政府監査院(
GAO)に指摘された在沖縄海兵隊のグアム移転費も精査するよう
要請した。 

 同委員長はこの日の公聴会で、在外米軍のコスト削減のために、
欧州駐留米軍の体制についても見直すよう求め、「米本土帰還を含
めた海外駐留米軍の再配置を検討する必要がある」と指摘した。
(2011/09/14-10:18)
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F35関連予算の削減法案を可決 米上院委
2011年9月14日20時29分

 米議会上院歳出委員会の国防小委員会は13日、2012会計年
度(今年10月〜2012年9月)の国防予算で、米軍が開発中の
最新鋭ステルス戦闘機F35の関連経費を約6億9500万ドル(
約538億円)削減することなどを盛った法案を可決した。

 F35は航空自衛隊の次期戦闘機の有力候補だが、この法案通り
に関連予算が削減された場合、開発がさらに遅れるおそれがある。
法案は15日の歳出委で可決する見通しだが、最終的な国防予算は
上下両院の承認を経て決まる。

 歳出委のダニエル・イノウエ委員長は13日の声明で、F35の
開発を強く支持する考えを表明。一方で開発に伴う試験プログラム
が予定の10%しか実施されていないとし、12、13両会計年度
は開発段階の生産機体数を11会計年度程度の水準に据え置くよう
勧告した。  
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米の国防予算削減、普天間固定化の恐れも 米高官が示唆
2011年9月14日15時1分

 次の米国防副長官に指名されているカーター国防次官は13日、
国防予算削減を受けて行う在外米軍基地のあり方の検証対象に、在
沖縄海兵隊のグアムへの移転計画も含まれるとの考えを示した。副
長官人事の承認に関する米議会上院軍事委員会の公聴会で証言した。

 レビン軍事委員長(民主)が、軍事費削減をふまえ、欧州や東ア
ジアの基地計画も検証するかを尋ねた。米軍普天間飛行場(沖縄県
宜野湾市)の米軍嘉手納基地への統合を提言しているレビン氏は、
「私は沖縄やグアムでの米軍基地の再編計画の変更を提案した。こ
れらもすべて(検証対象として)机上にあるのか」と質問。カータ
ー氏が「ある」と答えた。

 レビン氏は在沖縄海兵隊の移転費が2兆円を超すとした米政府監
査院(GAO)の指摘に言及し、「現在の財政状況では、こんなに
巨大な再編計画は続けられない」とも述べた。

 日米両政府は、普天間飛行場を移設し、沖縄の海兵隊員8千人と
家族をグアムに移転させることで合意している。だが、普天間代替
施設の建設やグアムの受け入れ態勢の整備の遅れで、2014年ま
でとしていた移設期限を断念。米側が今後、計画を本格的に検証し
た場合、普天間の固定化につながる可能性もある。   
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インドが米ミサイル防衛システム参加か、中国、パキスタンに対抗
2011/09/14(水) 12:09サーチナ 

  ロシアの軍事専門家の多くが、インドが自国領内に北大西洋条
約機構(NATO)ミサイル防衛(MD)システムの配備を認める
方針だとの見方を示している。欧米諸国からの支援を得ることで、
中国とパキスタンに対抗する姿勢とみられる。多維新聞網が伝えた。

  ラジオ「ロシアの音」は、インドが米国とMDシステムで協力
を始めたことを伝えた際、専門家の見方として「インドがNATO
ミサイル防衛システムに参加することは、特に驚くべきことでもな
い。インドがアフガニスタン情勢正常化、反テロ、麻薬撲滅、サイ
バー空間での安全保障などの分野で欧米諸国と協力し、重要な役割
を担うことになれば、地域・世界のミサイル防衛システムの問題に
ついても避けては通れない」と報じた。

  また、NATO常駐アメリカ政府代表のアイヴォ・ダールダー
(Ivo H. Daalder)氏は、インドはNATOに加盟
するべきだと主張している。ロシア戦略研究所の専門家は、「ここ
数年の世界の地域紛争は、全てNATOの主導によって引き起こさ
れた。インドなどを同盟国に引き入れることで南アジア・西南アジ
アでの米国の地位を固め、さらには東アジアの巨龍・中国を他国と
協力して押さえこもうとしている」との見方を示した。

  ロシアの専門家は、インドは現在、ミサイル防衛システムの独
自開発を進めているが、欧米と組むことになると、米国の陸・海、
空、宇宙空間ミサイル防衛システム主要メーカーに市場を開放する
ことになると指摘。たとえば、ボーイング、レイセオン、ノースロ
ップ・グラマンなど軍需大手がインドと大口契約を取り交わす可能
性が高い。

  インドが米国といかなるタイプの迎撃ミサイル配置について同
意するのか、また、どのような形でミサイル防衛システムを進める
かに関係なく、中国、パキスタン、イラン、ロシアなど周辺各国か
ら大きな関心を集めることは確実といえよう。(編集担当:松本夏
穂)  
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10年戦争終結急ぐ考え強調 オバマ大統領9・11演説
2011年9月12日11時32分

 米同時多発テロから10年の11日、オバマ米大統領はワシント
ンで演説し、米中枢を襲った「痛烈な打撃」から立ち直った米国の
強さを訴えた。一方で「戦争の10年」に疲れた国民感情に配慮し
、テロを機に始めたイラクとアフガニスタンでの戦争に区切りをつ
ける意向を強調した。

 大統領はテロが起きた当時を「我々の世界に邪悪なものが近づき
、未来は不透明さにおおわれていた」と回顧。さらに、米国がこの
10年に戦争と経済不況、政治的な対立などに直面してきたことを
指摘した。

 一方で、自由や平等といった理想を追い求める米国民の本質は変
わっていないと強調。「夜通し泣き明かすことがあろうと、朝には
喜びが訪れる」という聖書の一節を引用し、「(10年後の米国人
は)米国は痛烈な打撃を受けたが、より強くなったと語るだろう」
と述べた。

 イラクとアフガンでの戦争については、派兵された米兵200万
人をたたえる一方で、「戦争そのものは輝かしくはない」と指摘。
「米国の強さは、平和の未来へ向かうことで生まれる」とし、早期
終結を目指す考えを示した。
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日比が初の海洋協議 中国念頭に定例化へ 国際ルールに従った解
決が必要と認識一致
2011.9.9 21:23サンケイ
 日本、フィリピン両政府は9日、外務省で海洋の安全保障に関す
る初の実務者協議を開いた。南シナ海や東シナ海で海洋活動を活発
化させている中国を念頭に、海洋をめぐる問題は国連海洋法条約な
どの国際ルールに従った解決が必要との認識で一致。今後両国間で
実務者協議を定期的に開催し、連携を強化することで合意した。

 フィリピンは南シナ海の南沙(英語名・スプラトリー)諸島の領
有権をめぐり中国と対立。中国は沖縄・尖閣諸島を含む東シナ海で
も活動を強化している。実務者協議の定例化で中国に共同で対抗す
る狙いがあるとみられる。

 協議には日本側から外務省や防衛省、海上保安庁などの担当者、
フィリピン側は外務省や沿岸警備隊関係者が出席した。
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MALDの新しい作戦用途
http://aviation-space-business.blogspot.com/2011/09/mald.html
2011年9月4日日曜日
ISR(情報収集・偵察・監視ミッション)に電磁スペクトルの領域が
加わり、新しい性能が浮上してきた。サイバー戦、電子・情報戦能
力だ。

そ の中で2つの兵器体系が注目を集める。ひとつが高速対放射線ミ
サイル(HARM)により地対空うミサイル(SAM)陣地を運動学敵に破壊
する策とミニチュ ア上空発射おとり miniature air-launched decoy
(MALD)でSAMを惹きつけてその位置を電子的に探知する方法だ。
電子ネットワーク攻撃でこの2つが重要となり今後はその性能が拡充
 されるだろう。

MALDは各種航空機の特性をシミュレートすることで おとり目標と
なる。2010年にF-16とB-52仁搭載されて実戦化された。
「B- 52機内でMALDはSmart1760バスに接続され操作員あるいは情報
部員が飛行中にプログラムを変更できます。発射後のMALDは特定の
機体として 認識され、SAMやレーダー基地を目標とすることができ
ます。その情報から敵のIAD(統合防空網)の種別や位置を割り出す
ことが可能です。または HARMを使って敵施設を破壊することができ
ます」(レイセオンのMALD-Jプロジェクト責任者).

米 海軍もMALDに関心を示し、F/A-18E/Fスーパーホーネットに装備
する可能性が高い。作戦立案では攻撃ジャミング装置の検討をして
おり、MALD は独立したミッションを近接範囲出実施可能であるので
有望な候補だ。MALDの重量は300ポンドを下回り、ここに80ポンドの
燃料が入っている。これで 2時間以上の飛行が可能で500マイルの有
効距離がある。空軍、海軍が着目しているのは電子ジャミング機能
を搭載した派生型MALD-Jで空軍が2012 年に配備を開始する。

レイセオンはMALD-Vの採用を期待する。これは弾頭部分に任意のペ
イロードを搭載できる設計だ。同社はここに電子攻撃・通信ペイロ
ードの搭載を検討中 で、高出力マイクロウェーブまたは無線周波数
バースト装置を組み込む。このため同社はその分野ヲ専門とする企
業を買収している。
MALD は外寸が小さいことから探知は難しく、目標に接近できる点で
有人機や大型無人機よりも優位性がある。これにより多くのミッシ
ョンに最適と考えられており、 電磁パルスによる電子攻撃への応用
も想定される。これにより無動力誘導爆弾と長距離巡航ミサイルの
間のギャップを埋めることができる。運用は上空 35,000フィート上
限で可能で、飛行速度はマッハ0.2から0.9の間になる。
こ れに対しHARMに非運動性志向エネルギー弾頭を搭載することで、
対電子兵器とする検討も進むだろう。HARMコントロールセクション
改修の製作が進行中 だ。GPSと性能向上型IMU(慣性測定装置)を組
み合わせて命中精度を上げるのが目標。付随被害、自軍攻撃を減ら
すのも期待できる。
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前原氏「武器使用緩和を」 PKO見直し 他国軍も防衛
2011年9月8日14時57分

 民主党の前原誠司政調会長は7日、米国・ワシントンで講演し、
国連平和維持活動(PKO)で自衛隊と一緒に活動する外国部隊が
攻撃を受けた場合、自衛隊が反撃できるようPKO参加5原則を見
直す考えを表明した。すべての武器輸出を禁じる武器輸出三原則の
見直しにも言及した。 

 野田政権は政策決定過程で党政調の権限を拡大する方針。党の政
策責任者である前原氏が見直しを表明したことで、党主導で議論が
進む可能性がある。ただ、他国の部隊を守るために自衛隊が武器を
使うことは、憲法9条が禁じる「海外での武力行使」や「他国の武
力行使との一体化」につながりかねない。 

 前原氏は「3・11後の日米同盟」と題したシンポジウムで基調
講演。海外における自衛隊の活動について、「米国の手の回らない
パズルのピースを日本や他の友好国が埋めていく」と位置づけ、「
他の主要国と比較して十分な水準とは言えず、改善の余地がある」
と指摘した。 

 そのうえで、隊員の武器使用を制限したPKO参加5原則につい
て、「自衛隊とともに行動する他国軍隊を急迫不正な侵害から防衛
できるようにする」と述べ、見直す考えを強調。「自衛権や武力行
使の一体化の問題にしてしまうのでおかしな議論になってしまう」
として、集団的自衛権の行使の禁止には抵触しないとの認識を示し
た。 

 前原氏は武器輸出三原則の見直しについても積極姿勢を示し、武
器の国際共同開発や生産に参加することが「日米同盟、米国以外の
国々との安全保障協力の深化につながる」と語った。さらに外相当
時の昨年末に閣議決定した防衛計画の大綱(防衛大綱)で三原則見
直しが明記されなかったことを「残念だ」と振り返った。 

 また前原氏は、中国を既存の国際ルールの変更を求める「ゲーム
チェンジャー」と表現。「主張するルールの特異さとその価値観の
違いも大きな課題。日米が新興のゲームチェンジャーと新たな地域
秩序の形成に正面から取り組むのが最優先だ」と語った。
(ワシントン=河口健太郎) 
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トシ・ヨシハラ米海軍大学(U.S. Naval War College)准教授
2011年7月4日付「在外戦力:豪州における米軍のプレゼンス強化」
ヨシハラ論文の要旨は以下のとおり

1 今後、中国とインドが台頭してくることから、ユーラシア大陸の
東側と南側の周縁部(rimland)でパワーの衝突が生じると予想され
、その衝突点はマラッカ海峡となる可能性が高い。このため米海軍
はその力を東アジアと南アジアの双方で行使しなくてはならなくな
り、インド−太平洋海軍(Indo-Pacific Navy)への変貌を余儀なく
され、その目的に合致した海外基地配備を考えていかなければなら
ない。

2 アジア太平洋地域における米海軍基地の展開状況を見てみると、
日本、韓国、グアムに分散しているが、これらは今後衝突の展開が
予想される地域から遠い上に、艦艇が同地域に到達するまでの間に
ルソン、マラッカ、ロンボク、スンダ海峡といったチョークポイン
トを通過しなければならず、通過中に中国などから攻撃される可能
性が高い。

3 在日米軍基地のうち、例えば嘉手納基地は中国の短距離弾道ミサ
イルの射程に入ってしまっており、従来と比べると基地の有効性が
減少してきている。このため、他の戦力展開拠点を探す必要がある。
その場所として、シンガポール、グアム、ディエゴ・ガルシアが考
えられる。しかし、シンガポールは中国に反感を持たれることを嫌
う傾向にあり、また中国の戦域打撃システム(theatre strike 
systems)の射程に入ってしまっている。グアムはインフラ整備が整
っておらず、またディエゴ・ガルシアは極小の環礁であるがゆえに
、それぞれにおいて保有可能施設規模には限界がある。このため、
これらの地域はあまり適切ではない。

4 アジア太平洋地域における米軍の前方展開で考慮すべき点は、
(1)兵力の域内均一分散に供すること、(2)継続性及び残存性に
優れ作戦支援に供し得ること、(3)当該国政府及び国民が受け入れ
に寛容な政治的環境にあること、の3点である。

5 豪州はこれらの条件をほぼ満たしている。インド洋と西太平洋の
両海域に進出しやすい場所にあり、中国からの距離も離れているた
め、今後しばらくの間は中国からのミサイル攻撃にさらされる可能
性が少ない。また世論調査によると、豪州国民の半分以上は米軍の
受け入れに前向きである。さらに豪州西南部にあるスターリング海
軍基地(HMAS Stirling)に米軍の原子力潜水艦が配備できれば、南
シナ海などにおいてその威力を発揮することが可能となる。これら
のことを考慮すると、今後、米海軍は太平洋地域におけるプレゼン
ス確保のため、豪州にさらなる展開をしていくべきであると言える。


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