現時点、あまりにも多くの重大な問題点が日本にあるため、そのす べてを解決することはかなり難しい。優先順位をつけて、1つ1つ 解決するしかない。国債問題と復興問題、原発事故対応問題は並列 に進めることが重要であるが、中国の軍拡と米国のオフシェア・バ ランシングで安全保障関係にも問題が出ている。 しかも一挙に、出ている。このほかに円高問題、TPP加盟問題、 企業が海外に脱出しているので空洞化問題、人口減少問題、年金問 題など 整理して順序だてて解決する必要がある。 一番、問題なのが、国債問題である。 日本国債を買っているのは、95%が国内で、銀行・保険などが約 70%を占めている。年金基金・公的年金が20%、家計5%だ。 公的年金の資金は徐々に取り崩し方向、銀行預金も減少している。 その銀行と保険は、企業への貸し出しを減らし、国債を買っている が、その元の預金が減り始めている。 個人と企業の預金が減り始めると、国債の発行量積み増しができな いのと、海外での消化ではAaーなので、5%程度の金利が必要。 そうすると、今の国債は金利1%程度である。 金利が4%程度大きくなるが、銀行が売るときは金利5%にするこ とは値引きになり、損失が生まれる。それを国債を買い換える時に 、より大きな金額の国債を日本も必要になり、徐々に金利負担がで きなくなる。もう限界であることを日本国民も気がつく必要がある。 もし、財政赤字であるのに、国債が消化できずに、IMFから資金 を援助してほしいとなると、IMFは消費税の増税、社会福祉費の 減額を即座に要求してくる。このまま、国民のわがままを聞く政党 があると、IMF管理で政治をすることになる。それこそ、本当の 属国化である。オバカな人たちはわからない。 しかも、財政を大幅に切り詰めると、景気が大幅に後退して税収も 大幅に減り、1ドル=150円以上の円安になる。海外からの物資 が大幅に価格上昇する。その一番大きいのは、石油の値段で、それ を使う電気料金も値上げ、食料品も値上げになる。海外からの農産 品の輸入も価格が高騰して食費も切り詰める必要になる。 悲惨な状態になることがほとんど確定している。しかし、海外に逃 げた製造業は、日本に戻る可能性はある。 これだけではない。円高問題、ユーロ危機で景気問題も出てきてい る。今まで日本の政治が空回りをしている間に、世界の環境も大き く違うことになっている。世界が順調なときに日本の問題を解決し ておけば、簡単であったのに、世界環境が悪化しようとしている時 期に問題を解決することになっている。 民主党政権も謙虚に事態を見て、断固として政治をする必要がある。 円高を放置してTPPに行こうとしているが、それは順番がおかし い。円高を解決してからTPPであり、増税である。内需は無理。 外需に活路を見つけるしかない。TPPはブロック経済で米国陣営 に入ることであり、今後のブロック経済をどの陣営で経済を立て直 すかの選択になる。米国か中国かの選択だ。 1930年代と同様な雰囲気のする時代になっている。中国の横暴 な要求が各所に出てきて、それに周辺国家が不満を持っている。そ のため、米国が裏から不満国をサポートしている。次にくるのが、 ブロック経済圏での貿易しかできないことになる。日本は戦前、ブ ロック圏に属さないことで経済危機になる。 これを同じ様になると見て、今から準備をすることである。