4112.ロシアの意図は何か?



東アジア、南シナ海が騒がしくなった。中国が刺激して、東南アジ
ア諸国が軍拡競争になったことと、ロシアがこの軍拡競争にアジア
で参加する方向である。ウラジオストックの太平洋艦隊に最新鋭艦
を配備して、アジア軍拡の仲間入りを果たしている。  Fより

最新鋭原子力潜水艦「ユーリ・ドルゴルキー」を年内に太平洋艦隊
(司令部ウラジオストク)に配置する。そして、フランスから導入
したミストラル級強襲揚陸艦も太平洋艦隊に配置する計画だ。ロシ
アの動きを見ると、アジアシフトがよくわかる。

そして、ロシア太平洋艦隊が9月上旬から日本、米国と連続して合
同演習する。ミサイル巡洋艦ワリャークを投入し、海上自衛隊と日
本海で海難救助演習を実施。京都府舞鶴に寄港した後、米軍との演
習の舞台であるグアムに向かう。ロシアは台頭する中国をにらみ、
安全保障面で日米との関係強化を狙う。その目標は中国である。グ
アムでの演習は、統合エアシーバトル構想での演習であり、米露が
組んで演習というのは初めてではないか?

この前哨戦として、8日ロシアの爆撃機2機が、日本列島を周回す
るように飛行し、航空自衛隊が戦闘機などを緊急発進(スクランブ
ル)させたし、そして、千島列島周辺とカムチャツカ半島東側の沖
合の3カ所で射撃の訓練海域を設定している。9日にはロシア国防
省が今月中旬からカムチャツカ半島付近で大規模な海上軍事演習を
実施すると発表。最大で1万人の兵員、50以上の艦艇と航空機が
参加する。もちろん、ミサイル巡洋艦ワリャークも参加するという。

経済面でも、ガス田の開発が進むサハリンから、ロシア極東最大の
港町、ウラジオストクに延びる全長1800キロ余りのパイプライ
ンが完成した。ロシア政府は、今後、液化天然ガスの工場などを建
設して、日本をはじめアジア太平洋諸国へのガス輸出を強化する方
針である。このパイプラインを北朝鮮経由で韓国まで延長する計画
も出ている。

この計画に伊藤忠が大きくかかわっている。伊藤忠は、中国の港湾
に、LNG積み上げ基地を作っているが、ロシアの計画と整合性が
高い。中国は、ロシアのLNGを値下げするように求めて交渉が決
裂している。

また、シベリア鉄道での輸送力を冬場でも持続させるために、冬場
使えない可能性があるウラジオストック港ではなく、北朝鮮の不凍
港・羅新まで延長して、冬場でも輸送が可能なようにする。この線
路沿いにパイプラインも設置するようである。ロシアの経済権益を
アジアで拡充する方向にある。シベリア鉄道の弱点は冬場の積み出
し港湾の脆弱性であったが、これを解決するようである。

バルト海の港ウスチ・ルガとウラジオストックのランドブリッジと
してのヨーロッパへの輸送という意味では、時間的に大幅に短縮で
きる。洋上輸送では40日であるが、シベリア鉄道経由では20日
と半分に短縮できる。このメリットは大きい。トヨタなどが試験的
にシベリア鉄道を利用し始めている。

しかし、ロシアと日本EUなど国際的に「経済がオープンな状態」
というのは、経済相互依存が根付いて繁栄するのに必要とされる「
安定的な国際安全保障の秩序」というものを、ある覇権国が意識的
に創設・維持した場合にだけ発生するものだ。(クリストファー・
レイン)ということで、米国が世界全域の海洋に安全保証の秩序を
確立した。しかし、これは歴史上ではきわめて特殊な時代である。

この米国の世界秩序を中国が崩す動きに出て、ある程度成功を収め
つつある。このため、世界的な自国生存権の拡張競争が起き始めて
、それにロシアも参加し始めている。ロシアの意図は、柴崎さんに
よると、以下の5つであり、

1)鉄路でのユーラシアランドブリッジをロシア領土内経由とする。
 シベリア鉄道の優位性を大きくする。これに対して、中国は新シ
 ルクロード鉄道計画が作っている。
2)北極海航路は対馬海峡〜日本海〜津軽海峡を経由するから北朝鮮
 の不凍港(羅新)でランドブリッジと北極海航路を繋げる。ウラ
 ジオストックも不凍港であるが、流氷が来ると砕氷船で港湾から
 海までを砕氷する必要がある。
3)核原潜の潜むオホーツク海の死守。核戦略の基礎。
4)ロシアは、いまもって、国内を東西に結ぶ陸路の輸送力の限界か
 ら、黒海沿岸と沿海州を結ぶユーラシア大陸南回りの国内航路を
 必要とする。SLOCSの共同管理に参加する大きな動機。ソマリア沖
 に艦艇を出している理由でもある。
5)ロシアには、中国の人口浸透圧からウラル以東の領土を守るため
 に、資本と人口を中国とは同化しない他国から導入する必要があ
 りそう。現在の所、ロシアから他国へ過去数世紀の間に移民した
 子孫を本国帰還させる試みをやっている。北朝鮮の住民を狙って
 いる。

最後のシベリアへの人口を増加させるために、中国人ではなく北朝
鮮の住民を入れさせようとしている。ロシアでは2011年上半期
、人口が約8万7500人減少した。このため、ロシア極東では人
口不足で耕作できない農地が大量に余っており、数十万ヘクタール
規模で、北朝鮮に貸し出し、北朝鮮の労働者がコメや大豆、小麦な
どを生産するという。

東アジア、東南アジアのアクターが、そろいました。そのアクター
のシナリオを書くことが必要になる。誰が書くのでしょうね。
ディレクターは誰ですかね。

さあ、どうなりますか?
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アジア太平洋地域におけるロシアの野望
10.09.2011, 16:18ロシアの声

 ロシアのシュワロフ第一副首相は、ロシア極東ウラジオストクで
の第5回太平洋経済会議の開会式で演説し、アジア太平洋自由貿易
圏の創設においてロシアが重要な役割を演じることが出来ると述べ
た。
 専門家らは太平洋経済会議を、2012年にウラジオストクで開
催されるアジア太平洋経済協力(APEC)サミットのリハーサルで
あると性格づけた。

 アジア太平洋自由貿易圏構想は、2010年に横浜で開かれた
APECサミットで前進した。現在は米国が積極的に推進している
。中国、日本、韓国による自由貿易圏創設に関する公式的な協議は
、2012年に予定されている。シュワロフ第一副首相の発言は、
そこにロシアが加わることも可能であることを意味している。

 ソウル大学の教授を務めるアンドレイ・ランコフ経済学者は、太
平洋地域での協力に参加することでロシアが得られる利益について
、次のように語っている。

ーロシアにとっての利益は、2つの要素から生まれる可能性がある
。1つ目は、同地域における主要国との関係が向上される可能性が
あり、地域がより安定したものとなることだ。2つ目に、自由貿易
圏の創設は、その全ての参加国の経済発展を促進する。参加国は全
て、資源に関してロシアの消費国となり得るほか、技術について消
費国となる国もある。すなわち、経済や生産活動が発展し、ロシア
の資源に対する需要も高まるだろう。だが残念なことに、それは現
在のところ資源に限られている。

 総合戦略研究所のアナリストであるドミトリー・プレハノフ氏は
、 「アジアの発展は、シベリアと極東の経済が発展するための大き
な前提条件を構築している」と述べ、次のように語っている。

ーアジア太平洋地域におけるロシアの戦略は、策定され始めたばか
りだ。アジア諸国の高い経済成長の可能性を考慮した場合、ロシア
の経済協力は現在、十分に低いレベルにある。だがロシアにはメリ
ットがある。それはまず、資源の開発および供給と関連しており、
その点において同地域には、十分に大きな需要がある。全てのアジ
ア諸国は、資源の供給多角化に懸念を持っている。これに関連して
ロシアは、経済プロセスへの重要な参加国として考えられている。
ロシアの関心は、客観的に見て魅力的な資源プロジェクトだけでは
なく、さらにそれらの資源を自国で加工するプロジェクトを発展さ
せることにある。

 ロシアは、ウラジオストクの太平洋経済会議で、69の優先的投
資プロジェクトを発表した。それらは、中国、韓国、その他のアジ
ア諸国の投資家らの関心を呼んだ。

  日本の玄葉光一郎外相は9日、同会議の開会式に祝電を送り、極
東およびシベリアにおけるロシアと日本の経済協力の発展がアジア
太平洋地域の存在にとっての不可欠な条件であると指摘した。

  ウラジオストクでの2012年APECサミットまで残すところ
約1年。太平洋経済会議では、アジア太平洋地域における国際貿易
システムの発展、食料安全保障、物流センターや輸送の発展が主要
テーマとなった。
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ロシア原潜「ドルゴルキー」が日本海へ…中国は空母艦隊創設へ
2011年09月09日10時02分中央日報

  東アジアで中国とロシアが競い合うように海軍力を増強し、領域
内の海域で緊張が高まっている。ロシアは今年中に最新鋭原子力潜
水艦を太平洋艦隊司令部に配置する計画だ。中国は試験運航に入っ
た「ワリャーグ」のほか、新型原子力空母を建造し、これを中心に
した攻撃用の新艦隊の創設を進めている。中国と米国が南シナ海で
覇権競争を繰り広げているなか、ロシアまでこれに合流し、東アジ
ア海域で海上軍備競争がさらに加熱する様相だ。 

  8日の日本読売新聞によると、ロシアがソ連崩壊後初めて建造し
た最新鋭原子力潜水艦「ユーリ・ドルゴルキー」を年内に太平洋艦
隊(司令部ウラジオストク)に配置する予定だ。同紙によると、ロ
シアのプーチン首相は5日、与党・統一ロシアの集会に出席し、「
新しい潜水艦のテストがうまく進行中で、年内に太平洋艦隊に引き
渡す」と述べた。 

  ロシアは1990年代、「ユーリ・ドルゴルキー」の開発に着手
し、07年に進水した。しかし潜水艦に搭載される射程距離8000
キロの弾道ミサイル「ブラバ」の発射試験に失敗し、実戦配備が数
年遅れた。そして今年6月と8月、ブラバ発射試験が相次いで成功
したことで、プーチン首相は年内に太平洋艦隊に配置する計画を明
らかにした。新しい潜水艦の母港はカムチャツカ半島の軍港になる
という。 

  ロシアはこのほか、フランスから導入したミストラル級強襲揚陸
艦も太平洋艦隊に配置する計画だと、読売新聞は伝えた。この場合
、東アジア海域でロシアの海軍力が大きく高まり、韓国・米国・日
本にとって相当な脅威になると予想される。

  中国も海軍力の増強に拍車を加えている。ロイター通信などは上
海付近にある長興島の江南造船所で5万−6万トン級の空母2隻を
製作中だと伝えた。ディーゼルエンジンを使用する「ワリャーグ」
とは違い、2隻とも原子力空母になるといううわさも広まっている。
これに関し香港の軍事専門家らは「中国が複数の空母艦隊を構成し
、領土紛争がある南中国海はもちろん、西太平洋やインド洋にまで
作戦半径を拡大する案を推進している」と分析した。 

  これとともに中国は北・東・南海の従来の3つの艦隊のほか、南
シナ海の戦略要衝地である海南島三亜に第4艦隊を新設する計画だ
と、香港明報が7日報じた。中国が第4艦隊の創設に乗り出したの
は攻撃型艦隊を別に置くための布石と解釈される。 

  ◇ユーリ・ドルゴルキー(Yuri Dolgo rukiy)
=ソ連崩壊後にロシアが初めて建造した最新鋭原子力潜水艦。07
年に完成された。12世紀にクレムリンの城壁を築いて今日のモス
クワの起源をつくった英雄ユーリ・ドルゴルキーにちなんで名付け
られた。「ユーリ・ドルゴルキー」はロシア語で「長い腕(ドルゴ
ルキー)のユーリ」という意味でもある。	
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ロシア鉄道 北朝鮮のラジンまで 10月にも
9.09.2011, 11:09ロシアの声

 ロシア鉄道のウラジーミル・ヤクーニン社長はハバロフスクで9日
、ロシア国境の都市ハサンから朝鮮民主主義人民共和国の港町ラジ
ンまでの鉄道について、最初の列車を10月にも走らせる考えを示し
た。
 またヤクーニン社長は、増える輸送需要を支えるためにシベリア
鉄道の発展にも取り組んでいくことを明らかにした。

 ハサン−豆満江−ラジンを結ぶ鉄道区間の改修については、2006
年3月に行われたロシア、韓国、北朝鮮の3カ国の鉄道関係省による
会議で決定されていた。今回の区間が開通することにより、シベリ
ア鉄道と北朝鮮の港が結ばれることとなる。

 投資額は80億ルーブル(2億7000千万ドル以上)で、2013年の完成
が予定されている。
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ロシア 極東海域で演習 爆撃機周回 空自が緊急発進
09/09 10:04北海道新聞

 【モスクワ西田浩雅】ロシアが北海道北東の日本領空に近接する
オホーツク海上空に「飛行危険区域」を設定した問題で、複数のロ
シア軍関係者は8日、極東海域での大規模な演習が2日から始まり
、ロシア太平洋艦隊の艦船がカムチャツカ海域に向かっていると述
べた。飛行危険区域はこれに合わせて設定されたとみられる。 

 ロシア国防省によると、演習はオホーツク海、日本海、カムチャ
ツカ半島東側で今月中旬まで行われる。軍と国境警備隊などから85
隻以上の艦船、50機以上の航空機・ヘリコプター、1万人以上の
人員が参加。太平洋艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「ワリャク」のミサ
イル発射も予定される。 

 防衛省統合幕僚監部によると、ロシアの2機の爆撃機ツポレフ
TU95が8日、日本周辺空域を1周した。領空侵犯はなかったが
、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。爆撃機2
機はオホーツク海上空の飛行危険区域内で、空中給油機2機から給
油を受けた。今回の演習の一環かどうかは不明。 

 ロシア東部軍管区のムギノフ報道官は北海道新聞に「飛行危険区
域は通常、ミサイルなどの発射に伴い設定される。ただ今回、実質
的な演習はカムチャツカで行われる」と述べた。太平洋艦隊のマル
トフ報道官は「艦船は北海道沖を通るかもしれないが、周辺での発
砲やミサイル発射の計画はない」と述べた。
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パイプライン完成 ガス輸出強化
9月9日 5時47分NHK
ガス田の開発が進むサハリンから、ロシア極東最大の港町、ウラジ
オストクに延びる全長1800キロ余りのパイプラインが完成し、
ロシア政府は、今後、液化天然ガスの工場などを建設して、日本を
はじめアジア太平洋諸国へのガス輸出を強化する方針です。
ロシア最大のガス会社「ガスプロム」は、日本企業も参加してガス
田の開発が進むサハリンからウラジオストクまで、全長1800キ
ロ余りのパイプラインを完成させ、8日、ウラジオストク近郊で記
念式典が行われました。式典に出席したプーチン首相は、「ロシア
極東の発展のために、さらにインフラ整備を続けていく。エネルギ
ーが、その発展を支えることになる」と述べ、立ち遅れた極東地域
の経済の活性化につなげる考えを強調しました。このガスパイプラ
インを巡っては、日本などへ輸出するため、日ロの企業がウラジオ
ストク近郊にLNG=液化天然ガスの工場建設を検討しています。
また、先月行われたメドベージェフ大統領と、北朝鮮のキム・ジョ
ンイル総書記の会談でも、このパイプラインを北朝鮮経由で韓国ま
で延長させる計画の実現に向けて協力していくことで合意していま
す。ロシア政府は、今後、東シベリアでも新たにガス田を開発して
、生産量を増やし、このパイプラインを利用してアジア太平洋諸国
への輸出を強化する方針です。
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ロシア、日米と連続演習 中国の軍拡けん制 
2011/9/1 2:04nikkei 

 ロシア太平洋艦隊が9月上旬から日本、米国と連続して合同演習
する。ミサイル巡洋艦ワリャークを投入し、海上自衛隊と日本海で
海難救助演習を実施。京都府舞鶴に寄港した後、米軍との演習の舞
台であるグアムに向かう。ロシアは台頭する中国をにらみ、安全保
障面で日米との関係強化を狙う。 

 ロシアが日米と連続して演習するのは異例。米海軍との軍事演習
にあわせ、ロシア側が日本に人道的な訓練の実施を働きかけた。日
米との一連の演習について、ロシア政府高官は「日米ロ3カ国によ
る安全保障の枠組みを構築する足がかりとしたい」と言明した。 

 ロシア艦は9月上旬に極東ウラジオストクを出港、日本との演習
を経て、米海軍との洋上演習「パシフィック・イーグル2011」を実
施する。カナダのバンクーバーにも寄港する予定で、津軽海峡を通
過して12月にウラジオに帰還する計画という。ロシアには太平洋国
家としての存在感をアピールする狙いもある。 

 ロシアは8月、北朝鮮と9年ぶりの首脳会談を実施するなど、ア
ジアへの関与を強めている。背景には軍事面で台頭する中国への警
戒感があり、アジア太平洋地域では日米との関係強化に動いている
。日ロ関係はロシア政権幹部の北方領土訪問などで悪化したが、東
日本大震災後にロシアはエネルギー協力などを打ち出し、日本への
接近を図っている。 

 米ロが太平洋上で軍事演習を実施するのは06年のマーシャル諸島
沖以来。08年のグルジア紛争などで緊張した米ロ関係はオバマ米政
権発足後は改善し、軍事交流も活発になっている。ロシアは海上自
衛隊と08年に舞鶴で同様の訓練を実施している。
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ロシアの人口動態問題
29.08.2011, 17:18ロシアの声
 国家統計局の情報によると、ロシアでは2011年上半期、人口
が約8万7500人減少した。つまり0.06パーセントの人口減
となる。
 平均寿命は延びており、2005年の65歳から、2010年で
は69歳にまで上がった。ロシアの人口は現在、1億4280万人。
ロシアの人口動態政策の概念には、保健の向上、家族支援などに向
けられた多くの対策が含まれている。

 ロシア保健社会発展省は、2015年までにロシアの人口は1億
4200万―1億4300万のレベルで安定し、2025年までに
は1億4500万人にまで増大すると予測している。ロシア社会院
・社会問題・人口動態政策委員会のエレーナ・ニコラエワ議長は、
人口動態の肯定的な傾向を維持するためには、正しい政策が必要だ
との考えを表し、次のように語っている。

ー人口動態に立ちはだかる主な課題は、第2子、第3子、それ以降
のたちの子供たちの出生率を促進することだ。それが成されなけれ
ば、人口の減少から抜け出すことは出来ない。もちろん、住居の問
題だけでなく、社会問題を解決し、経済を発展させることが不可欠
だ。

 2011年上半期で、移民の数は37パーセント増大し、ロシア
人の人口減少を穴埋めした。一方でニコラエワ議長は、移民の誘致
ではなく、ロシア国民の出生率増大に重点を置いていると述べ、次
のように語っている。

ー私は、熟練した専門的技術を持つ移民が必要だという考えを排除
してはいないが、まず初めに、我々はロシア人の出生率を促進しな
ければならないという立場に確固として立っている。基本的な問題
はロシア人にある。タタールスタン共和国、バシキール共和国、カ
フカスなどにこの問題はない。問題はロシア中央部、シベリア、ウ
ラル地方にあり、まず第一にこの問題に取り組まなければならい。

 ニコラエワ議長は、人口動態問題をロシア政府の優先課題としな
ければ、その他の全ての政策は、意味のないものとなると語ってい
る。
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北朝鮮、ロシアで「農地賃借」検討 自国民が耕作
2011年9月9日15時1分

 慢性的な食糧不足が続く北朝鮮がロシア極東の広大な休耕地を借
り受け、自国の労働者を使って耕作する案をロシア側と協議してい
ることが分かった。8月24日のロ朝首脳会談で北朝鮮が求めた最
大40万トン規模の食糧支援にロシアが難色を示し、この案が浮上
した。

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記はメドベージェフ・
ロシア大統領との会談で、30万〜40万トン規模の食糧を無償で
提供するよう求めた。ロシア側は有償での支援なら応じる考えがあ
るとし、休耕地の賃貸案を話し合った。ロシア・アムール州で実務
協議が始まっており、借り受け面積は数十万ヘクタール規模になる
と見られている。北朝鮮の労働者がコメや大豆、小麦などを生産す
るという。

 韓国政府関係者らによれば、ロシア極東では人口不足で耕作でき
ない農地が大量に余っており、韓国企業や宗教団体が農地を借り受
けている例もある。1千ヘクタールの耕地面積あたり年間約1500ト
ンの食糧を生産した実績もあるという。


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