4111.前原発言(武器三原則)について



安全保障面で、民主党と自民党の考え方が、今までは大きく違って
いた。これでは、国家運営を2大政党のいう形で行うことができな
いと思っていた。

しかし、前原さんの見識は、自民党の石破さんと同じとなり、民主
党の政権能力が、この方向でいけば、確実に政権党として成り立つ
と期待している。やっと政権交代が出来る党が野党と与党に分かれ
てできることになる。

国家の基本は安全で国家サービスの最大なものである。それをおろ
そかにする政党には政権党としての資格はない。この意味からも、
福島社民党には政権党になる覚悟がないことが分かる。

辻本さんが、社民党を飛び出す理由でもある。

中国や南シナ海の状況など、世界は日本一国平和主義では戦争の危
険性を帯びた状況になっている。また米国のオフシェア・バランシ
ングなどで、今までの状況とは大きく違う。このことを分からない
政治家が多すぎる。

もし、前原さんを、全面否定するなら、日本をどう守るのかのアイ
デアを出すべきである。そこから議論が起きることになる。

今の批判は、今までと違うことを言ったいうことであり、それでは
意味がない。この中国の軍拡と米国の軍縮という事態をどう考える
のかの議論が、日本で沸き起こることが必要なのにである。

その議論の種として、前原発言を捉えるべきである。

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福島党首 前原氏の発言を批判
9月8日 17時49分NHK
社民党の福島党首は、記者会見で、民主党の前原政策調査会長が、
「武器輸出三原則」の見直しなどに積極的に取り組む考えを示した
ことについて「極めて重要な原則を変えるようなことを簡単に口に
するな」と述べ、批判しました。

この中で福島党首は、民主党の前原政策調査会長が「武器輸出三原
則」の見直しなど、安全保障を巡る一連の課題に積極的に取り組む
考えを示したことについて「極めて問題だ。『不完全だから』と国
会の論争も十分にやらないまま、極めて重要な原則を変えるような
ことを簡単に口にするな」と述べ、批判しました。また、福島党首
は、野田内閣について「財務省の官僚主導内閣で、消費税増税をや
り切りたいと野田総理大臣は心の底で思っているのではないか。

また、民主党は、衆議院の憲法審査会長の人事を内定しており、憲
法改正に向けて動き出してしまうのではないかと大変警戒感を持っ
ている」と述べました。そのうえで福島党首は「野田内閣が、消費
税増税と憲法改正、それに原発の再稼働促進に取り組むとすれば、
全面対決していかざるをえない」と述べました。
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前原・民主政調会長:「武器輸出」見直し発言 困惑拡大 防衛相
「寝耳に水」

 民主党の前原誠司政調会長が7日、ワシントンでの講演で、すべ
ての武器輸出を禁じる武器輸出三原則の見直しや海外に派遣された
自衛隊の武器使用基準緩和で踏み込んだ発言をしたことに対し、政
府・与野党に困惑が広がっている。野田政権の政策決定システムは
、前原氏率いる党政調の影響力が大きい。しかし民主党の外交・安
全保障政策の全体像がはっきりしない中、事前の党内調整をほとん
ど経ない唐突な発言は、新たな党内対立の火種となる可能性もある。

 「何も連携していない。直接、前原さんからその話を聞いたこと
はない」。一川保夫防衛相は8日、毎日新聞などのインタビューで
、前原氏の「三原則見直し発言」は「寝耳に水」だと強調した。藤
村修官房長官も同日の記者会見で「三原則の基本理念は引き続き堅
持する。基本的に前原氏が持論を発言したものだ」と釈明に追われ
た。

 三原則は1967年に佐藤栄作首相(当時)が国会で(1)共産
圏(2)国連決議で禁止した国(3)紛争当事国−−への武器輸出
を認めないと答弁したのが始まり。三木武夫首相(当時)が76年
に、それ以外の国への輸出も「慎む」とした。その後は、米国への
武器技術供与や米国との弾道ミサイル防衛システム共同開発などを
例外的に認めてきた。

 しかし、兵器のハイテク化や高価格化が進み、国際社会では各国
による共同開発・生産が主流となり、防衛省や産業界からは見直し
論が台頭。このため菅政権は昨年12月の「防衛計画の大綱」(防
衛大綱)で見直し明記を目指したが、当時、政策面での連携を期待
した社民党が反対し、大綱では必要性を指摘するにとどめた。

 米国は三原則見直しを期待しており、6月の日米安全保障協議委
員会(2プラス2)では、国際共同開発について「現在の検討を促
進する。米国は日本の努力を奨励する」と明記した。前原氏は親米
派で、日米同盟重視の姿勢をアピールし、今月の野田佳彦首相の訪
米を地ならしする狙いもあったと見られる。

 しかし、防衛大綱をめぐる昨年の党内議論では、平岡秀夫法相ら
中堅・若手の護憲派でつくる「リベラルの会」が反対声明を発表。
同会世話人の近藤昭一前副環境相は8日、毎日新聞の取材に「党で
議論してから言うべきで、憲法9条の精神を大事にすべきだ」と反
発した。党内には護憲派も多く「格好付けているだけ」(中堅)と
冷ややかな反応もある。

 野党側は、自民党の谷垣禎一総裁が会見で「個人の見解か、党の
政策を発言しているか分からない。不安定なものにコメントしない
」と語った。公明党の山口那津男代表も記者団に「政府としての政
策変更なのかがはっきりしないまま発信されると、混乱と誤解を与
える」と批判。一方、自民党の石破茂政調会長は記者団に「方向性
は正しい」と評価した。【坂口裕彦、影山哲也】

毎日新聞 2011年9月9日 東京朝刊
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「中国はゲーム・チェンジャー」=国際規範順守へ日米連携を−前
原氏
 【ワシントン時事】民主党の前原誠司政調会長は7日、ワシント
ンに到着し、同市内で講演した。台頭する中国について、前原氏は
「地域の勢力均衡を変えようとする『ゲーム・チェンジャー』だ」
と指摘。「いかに既存の国際システムに軟着陸させるかがわれわれ
の主要課題だ」と述べ、航行の自由など国際規範を順守させるため
、日米が連携していくことが重要との認識を示した。
 昨年9月の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に触れ、「中国の特
殊性が強く認識された」とも強調した。
 前原氏は、国連平和維持活動(PKO)などを念頭に「自衛隊が
、ともに活動する他国の部隊を急迫不正の侵害から保護できるよう
にすることが必要だ」と述べ、必要最小限度の範囲しか認めていな
い武器使用基準の緩和を主張。「(憲法解釈で行使が禁じられた)
集団的自衛権の問題も解決されていない」と解釈見直しに言及した。
 また、防衛装備品の国際共同開発・生産の流れに乗り遅れないた
め、その制約要因となっている武器輸出三原則について「見直しを
しなければならない」と語った。 
 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に関しては、「(解決には)
一定の時間が必要だ。全く進んでいないように見えても進んでいる
こともある」と訴えた。6月の日米安全保障協議委員会(2プラス
2)で日本側が当時のゲーツ国防長官に今後1年間で「具体的な進
展」を遂げるよう迫られたことを受けた発言とみられる。
(2011/09/08-13:00)

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