追悼アゴタ・クリストフ、浦上に原爆が落とされたわけ From: tokumaru みなさまへ −1− 追悼アゴタ・クリストフ 亡命ハンガリー人で、スイスで女工をしていて作家となったアゴタ ・クリストフが亡くなったと報道されていた。享年75歳。謹んで ご冥福を祈る。 処女作である『悪童日記』について、ぼくが15年前に書いた文章 がある。 http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak3/1302022.htm 共産党政権下のハンガリーから逃れてスイスで生活し、冷戦の終結 を予感した彼女は、おそらくなにものかに突き動かされるようにし て小説を書いた。 それは共産党政権がなくなって、めでたしめでたしとはけっしてな らないだろうという予感だったのではないだろうか。 人間はあまりにものを考えないで生きている。テレビや新聞のおく りつけてくるスキャンダルやドラマに一喜一憂して、もっとほかに 大切なことを考えなければならないのに忘れている。 −2− 浦上に原爆が落とされた理由 福島第一にプルサーマル燃料がもちこまれた日が、去年の8月9日 だったことから、長崎の原爆はなぜ浦上天主堂に落とされたのかと いうことについて、今月の読書会で話題にしたけど、ちょっと考え が変わった。 アメリカは日本政府から教えられた緯度経度が浦上天主堂であるこ とを知った上で、そこに原爆を落としたのではないだろうか。 明治維新になってからも、明治政府は、キリスト教を禁教とする政 策をあらためず、明治初年から6年にかけて、3400人もの浦上 のキリシタンたちが囚人となって、北陸その他の町に移送されて棄 教を迫られた。半数が命を落とすという非常に厳しい弾圧であった という。 しかし遠藤周作の『沈黙』にあるように、じつは、浦上の隠れキリ シタンたちが祈りの対象としていたのは、ゼウスという名の大日如 来だったのではないか。 それがバチカンからも異教として認定されたからこそ、浦上にプル トニウム原爆が落とされたのではないだろうか。つまり、日本政府 が差し出した緯度経度が浦上天主堂であることを承知の上で、アメ リカはそこに原爆を落とした。 長崎の造船所で働くアメリカ人の命を救わなければならないという 思いはあったが、太陽神を神と仰ぐ異教徒のキリシタンの命には配 慮する必要はないと思ったのでは。 昭和30年代に、浦上天主堂を文化遺産として後世に伝えようとす る長崎市の思いを打ち砕く必要があったのは、間違ってキリスト教 の建物を爆撃したことを恥じたのではなく、弾圧して根絶やしにし ようとした太陽神を信じる異端キリスト教が、原爆にも負けずに丘 の上に勇姿をとどめたことに対する怒りや恐怖ではなかったか。 このように考えるほうが、つじつまがあうような気がしてきた。 とくまる ============================== 1:死んじゃったんですね、アゴタ・クリストフ。 夢中になって4部作は読んだのに、それっきりにな っていました。 2:原爆投下の得丸説が面白ければ面白いほど逆に 腰が引けてしまうのは、聞き手に問題があるにして も、明治政府の弾圧がそれほど厳しかったのならア メリカにとっても今更だったのではないかというよ うな気がしてしまいます。 それと、こんなふうによくわかっていない私のよう な人間でも反論(とまではいかないにせよ)できて しまうということまでがひっかかります。 (広島や)長崎が選ばれたのは、都市として機能し (ある程度の規模があること)、あの時点で大規模 な空襲を受けていない……などの通説の方が素直で やはり説得力があるのですが……。 盛 利泰 ============================== 迫真の児玉発言を見て 皆様 皆様に是非見ていただきたいyoutubeがあるので、ご紹介します。 東大アイソトープ研究所の児玉龍彦医師が衆議院厚生労働委員会で 発言したものです。 現状に対し、怒りに震えながらも、科学者として客観的に語り、今 何ができるかについて具体的に提言しています。 感動しました。 これは、得丸さんが、一昨日の鷹揚の会(石川さん、レポートよか ったです)で、ちらりと発言されていたものなのですが、私として は、そのときは深く心に止めず、翌日別のことを調べているときに ”偶然”見つけ、得丸さんが言っていたことを思い出しました。 そして、 驚いたことに、今は、昨日見られたyoutubeのアドレスでは、もはや 見られなくなっています。 昨日の段階では、 発言のあった7月27日のyoutubeで、一日のアクセス数が最大だった (23〜4万件)らしいのに、その後削除され、現状ではこの発言 のアドレスが探しにくい状態になっています。 まさか、抹殺???と不気味です。 また、息子さんが、勇気ある父を敬愛し、応援しているtwitterも見 つけたので、参考にお出しします。 http://t.co/dsalIHP http://blog.goo.ne.jp/mithrandir9/e/bc80173c003435e8b6388982e2368125 袖川 ============================== 皆様 仁衡です。 得丸さんが紹介下さったアドレスではYouTubeが見られなくなっておりますのは 袖川さんが書いて下さいました。 原状でもYouTubeで「児玉龍彦」で検索すると沢山上がっていますので見る事は 可能です。一例を挙げれば以下です。 http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M 参考人発言の画像を見ると、左上前方にある時計を何度も気にしながら 制限時間内に全てのことを言い切ってらっしゃいます。原稿にも殆ど目を 落とさず裂帛の、実に貴重な発言だと思います。 これも袖川さんが書いて下さった息子さんのtwitterから、児玉さんが参考人 発言した際に用いた資料も見ること、ダウンロードすることができます。 http://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725299 こちらはちょっと手続き等が必要ですが。うまく見られないという方が いらっしゃったら個別にメール頂ければお知らせしたいと思います。 発言の方でほぼ言い切ってらっしゃるので資料が無くてもいいとは思います。 資料の方は詳細に実際に測った値や、放射線の影響などを判りやすくまとめて ある感じです。 ============================== 皆様、盛さん、小川さん、石川さん 1 福島 > もうご存じかもしれませんが、児玉龍彦教授の発言 > に疑問を呈している人がいました。 誰の言葉を正しいと受け止めるか、そして、受けとめた以上、 それをなんらかの行動に移せるか、言葉という情報とどう付 き合うかはむずかしいですね。 信じるか、信じないかは、宗教ですが、徹底的に科学的に判 断したいと思っても、その判断基準を持たない人間にとって は、判断基準の何を受け入れるかというところで宗教になる。 児玉教授の言葉の何割が正しいのか、どこに誤りがあるのか、 判断がむずかしいところですが、僕は今日ご紹介いただいた ブログの第三者的批判よりも、仮にいくつか誤りが混じって いたとしても、児玉教授のほうを「信じる」かな。 それに、明らかに、政府は無策であると思うから。科学的で はないところで、児玉教授が述べられたことは、間違ってい ないように思います。 2 広島・長崎 > けれど、こんな防空壕があるのなら、より原爆投下 > 候補になりやすかったようにも思えます。あ、でも > 爆心地からは 2.7キロも離れてるのかぁ……。 これらの防空壕がいつ建設されたのか、私も知りませんが、 私の推測では、昭和18年4月以降、つまり広島に原爆が 落ちることになって、粟屋仙吉が広島市長となった頃より 後ではないでしょうか。 長崎に原爆が落とされることがいつ決まったか知りません が、立山防空壕がいつから掘られたかという記録があれば その時よりも前に決まったといえるでしょう。 広島も、長崎も、爆心地に適度に近く、爆風が防空壕内に 入ってこないような立地条件・構造になっています。これ は、爆心地まで指定してアメリカに投下地点を伝えたから ではないかと思っています。 どちらの防空壕も、原爆投下を最初に知らせたのはこの防 空壕からという説明ですが、まさにその目的で特別に作ら れた防空壕だったのでしょう。 あまりに長い間秘密にされていたから、誰もこれらの防空 壕の意味を考えることができないのではないでしょうか。 3 現地 小川さんも石川さんも言っておられるように、現地を見る ことはとても重要であることには同感です。 しかし、現地を歩くときに気をつけなければならないのは、 そこが「今」であることと、観ているのが「余所者の自分」 であることではないでしょうか。 現地に行けば、より正しい姿が見える可能性は高いですが、 絶対ではありません。 逆に、言語情報は、時間的にも空間的にもかけ離れたとこ ろで解読・解析しますが、現地調査以上に真実を読み取る こともできると思います。 言語情報も、検閲を受けたり、改ざんされたりしますし、 現地情報も、作り変えられていたり、その日の自分の気分 に左右されたり、本やマスコミによって刷り込まれていた 先入観に左右されることもあります。 ものを正しく見る、正しく読むということは、思っている 以上に大変なのでは。 得丸 ============================== 藤波心さんのブログ 皆様 仁衡です。 藤波心という14歳の女の子(本人曰くB級アイドルとのこと)が書いている ブログが侮れません。原発事故について、その人体への影響について、被害の 広がりについて、真摯に考え発言しています。 7月15日に書かれた「食事とは、食べ物と結婚することです。しかも、離婚 できない結婚です。」という記事 http://ameblo.jp/cocoro2008/entry-10953339863.html など読んで頂ければと思います。勿論その他の記事も興味深いです。 ある意味14歳だからこそ書けるのかもしれない、疑問、意見などが新鮮に 感じました。 3月以降、臆せずにそういう記事を書いてきて、多くの中傷的なコメントも 寄せられたようですがそれに負けずに書いているところも立派だなと思い ます。 「14歳のココロ」という本にもなっています(徳間書店刊)。 以上御紹介いたします。