4096.最新技術の話を3つ



久しぶりにEVの先生のところに行くと、風洞型の風力発電が四国
で実験開始であることを知った。今の風力発電は、いろいろな問題
があり、効率が上がらない。しかし、この風洞型では6方向から風
を入れるので、反流が起き難いと。しかし、その形が風洞型の太陽
熱発電とよく似ている。面白い一致だ。 Fより

しかし、風洞型風力発電を建設するコストが日本の半分以下でイン
ドネシアなど東南アジアではできるし、マイクロ水力でも日本製は
高い。私もガボンの友人から頼まれてマイクロ水力発電を考えたが、
日本製品の値段が高く、世界的に見るとマイクロ水力発電は、カナ
ダ製が30万円で買えるが、日本製は200万円もする。これでは
勝負にならない。連係インバータも日本では30万円程度するが、
電気事情が悪い地域で販売している同期インバータなら3万円程度
で買える。日本製は、1桁も高いので勝負にならない。

先生は太陽光発電も考えているが、日本製ではなく、中国製などの
安い製品の実験場を四国に作る計画が進んでいると。この分野でも
日本製は高く、もう日本製に魅力がなくなっている。これは風力や
太陽光などの日本製だけではなく、日本製の全商品で国際競争力を
失っている。

トヨタのカムリはメキシコ産と日本産では3割も値段が違う。日産
は、タイからの輸入車を日本に入れた。日産の車体研究所は英国に
移したなど、日本からどんどん海外に流出している。円高は大手企
業では国際化が進み、対応ができるレベルになっているが、中小企
業は、ほとんど無理で輸出が出来ず、国内市場には輸入製品があふ
れることになる。

先生も現状として、日本政府の対応は日本の衰退に向かわせている
し、国民も政府に要求と上げないから難しいと。日本は、これから、
R&Dしか残らない可能性が高いと見ているようだ。しかし、それ
では、日本はどう生きていけばよいのかと先生に聞いたが、それは
わからないとの回答で、私も少しガックリきた。

もう1つが、P-1対潜哨戒機の話である。P−1の機体を民間航空機
にする予定で進んでいたが、どうも米国からの圧力で、日本政府は
、民間航空機としての転用を認めないようであると。民間航空機と
してはMJがあるが、これは米国が生産している機種とはバッティ
ングしないのでよいということだ。

日米の航空機製造で、日本は米国の下請けに徹しろということにな
る。その代わりMJについては、ボーイングも応援すると言う方向
で話がまとまったようである。ボーイングとしては日本への生産量
を増やすことになるのかが見物である。日米の合同チームとしてい
くしかないのか??

今後、軍事的な製品については、日米合同チームとして製品を売る
ことになりそうだ。SM3B2aもそうなりそうであり、日米の合
同的な軍事製品開発をして、その一部の生産を日本が受持ち、米国
が売ることになると強く思った。

米国の軍事費が大幅に減額されると、研究開発においても日本と合
同で開発することになる。日本も民生用の開発費が多くあり、この
研究で軍事に有効な技術が多数ある。これは、両方の利益になるの
でやるべきだ。そして、日米の同盟国に売ることだ。特に越印など
中国対抗勢力に売るべきである。

日本は今後、米国がオフシェア・バランシングになると、中国の軍
事力拡大に向けて、バランシングを自分の手で取るしかなくなる。
このとき、どう軍事的な技術を確保するか、米国との合同で研究し
かない。そして、急速にエンジンなどの技術を取得することである。

最後に、トヨタは、東北震災対応と米国での欠陥問題事件の裁判も
終わり、当分は工場分散と基本部品の現地化などを行うので、今は
ハイブリッド車で行くといい、EVなどは当分出さないようである。
小型車IQは実を言うと、EVでも使える構造にしていたが、それ
をEVにすることはないようである。期待して待っていたが残念だ。

マツダのロータリーエンジンの水素燃料での動作が良いので、これ
をある方法で改良して利用できないか考えていると。水素エンジン
は、武蔵工大の普通エンジンの改良車とマツダのロータリーがある
が、水素はオクタン価が低いので、ある回転数でのトルクが少なく
なるという欠点がある。この欠点を埋める手法が改良のポイントだ
そうである。これ以上は、マツダが研究しているので、先生の話を
全部は公開できない。

日本のR&Dの特徴は、昔の研究者が空想したことや経験で得た技
術の片割れを探し出して、それを実験で丹念に積み重ねることであ
ると。ホンダジェットのエンジン位置も、昔から知られたことであ
るが、それを解析したことで得たと。これと同じ様な方法でどんど
ん発見・発明が出ているというが、皆さんもどうですか。挑戦して
見ては!!!


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