4094.福島第一の事故の結果



Re:東京新聞8/3 こちら特報部 児玉龍彦教授の発言特集。
From: tokumaru  

皆様

1 福島

> もうご存じかもしれませんが、児玉龍彦教授の発言
> に疑問を呈している人がいました。

誰の言葉を正しいと受け止めるか、そして、受けとめた以上、
それをなんらかの行動に移せるか、言葉という情報とどう付
き合うかはむずかしいですね。

信じるか、信じないかは、宗教ですが、徹底的に科学的に判
断したいと思っても、その判断基準を持たない人間にとって
は、判断基準の何を受け入れるかというところで宗教になる。

児玉教授の言葉の何割が正しいのか、どこに誤りがあるのか、
判断がむずかしいところですが、僕は今日ご紹介いただいた
ブログの第三者的批判よりも、仮にいくつか誤りが混じって
いたとしても、児玉教授のほうを「信じる」かな。

それに、明らかに、政府は無策であると思うから。科学的で
はないところで、児玉教授が述べられたことは、間違ってい
ないように思います。

2 広島・長崎

> けれど、こんな防空壕があるのなら、より原爆投下
> 候補になりやすかったようにも思えます。あ、でも
> 爆心地からは 2.7キロも離れてるのかぁ……。

これらの防空壕がいつ建設されたのか、私も知りませんが、
私の推測では、昭和18年4月以降、つまり広島に原爆が
落ちることになって、粟屋仙吉が広島市長となった頃より
後ではないでしょうか。

長崎に原爆が落とされることがいつ決まったか知りません
が、立山防空壕がいつから掘られたかという記録があれば
その時よりも前に決まったといえるでしょう。

広島も、長崎も、爆心地に適度に近く、爆風が防空壕内に
入ってこないような立地条件・構造になっています。これ
は、爆心地まで指定してアメリカに投下地点を伝えたから
ではないかと思っています。

どちらの防空壕も、原爆投下を最初に知らせたのはこの防
空壕からという説明ですが、まさにその目的で特別に作ら
れた防空壕だったのでしょう。


あまりに長い間秘密にされていたから、誰もこれらの防空
壕の意味を考えることができないのではないでしょうか。


3 現地

小川さんも石川さんも言っておられるように、現地を見る
ことはとても重要であることには同感です。

しかし、現地を歩くときに気をつけなければならないのは、
そこが「今」であることと、観ているのが「余所者の自分」
であることではないでしょうか。

現地に行けば、より正しい姿が見える可能性は高いですが、
絶対ではありません。

逆に、言語情報は、時間的にも空間的にもかけ離れたとこ
ろで解読・解析しますが、現地調査以上に真実を読み取る
こともできると思います。

言語情報も、検閲を受けたり、改ざんされたりしますし、
現地情報も、作り変えられていたり、その日の自分の気分
に左右されたり、本やマスコミによって刷り込まれていた
先入観に左右されることもあります。

ものを正しく見る、正しく読むということは、思っている
以上に大変なのでは。

得丸
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原発話のなかで見つけた記事二つほどご参考までにお送りします。
 
1.児玉教授の国会での熱弁のあとの
インタビューがUstreamのサイトにでています。
信頼できるデータとは何かについて現実的な研究者の示唆に富む見
解と思います。。
http://www.ustream.tv/recorded/16442790
 
2.先日NHKのドキュメントでも放映されていましたが、1996年
にBroken Arrowという映画で紹介された。スペインのパルマレスと
いう田舎町に落ちた核弾頭は、町を原爆4発分で100倍の放射能汚染
させたにもかかわらず、核兵器を紛失処理しその後の巧みな情報操
作で安全宣言した事件がありました。

また1998にはグリーンランドのチョーレ軍基地で核兵器を積んでい
たB52が墜落し、被爆した被害者に和解金で処理した文書が後に
公開された事故などを紹介していました。
放射能問題は機密保持と安全宣言が混乱して不明瞭な事件が多いよ
うです。政府が提供する数値が信頼できない場合国民は、自ら信頼
できるのものを探すしかありません。
WikiのBroken Arrowにも一部紹介あります。
https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20110722-10-00206
 
小川
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福島第一の事故の結果、ますます言葉が信じられない時代になった
ことは悲しいことです。

1. YOUTUBEで福島第一から今も大量の放射能が出ているという報告。

バズビー教授 8月17日 ロシア・トゥデイ いまも毎時10兆????? 

http://www.youtube.com/user/dancingparticles3

2. また、純情仔猫物語のKAZUさんは福島に立ち入っていないという
ブログ運営者の発言。行きがかり上報告します。

http://kazurinn.jugem.jp/

ミッキー部長 (2011/08/18 4:16 PM)
KAZUさんが福島原発から半径20km圏内で保護活動していた
、そしてそれが原因で急性白血病を発症したとの誤情報がツイッタ
ーなどで流れています。
KAZUさんが福島原発半径20以内に入ったこともありませんし
、そこの犬猫の救助活動を行っていた事実もありません。
間接的に保護犬の募集をこのブログで行ったことはありますが、直
接的にかかわっていません。
また、その誤情報、誘導記事を流していたブログ、記事は現在、訂
正、削除されています。
この情報のツイッターの発信源(発信者)は特定されております。
発信者本人による訂正ツイートがなされていますが、情報の真偽も
確かめぬままの安易なツイートのため多くの方が迷惑しております。
ここに、そのような事実はなかった旨、報告いたします。

ミッキー部長でした。

です。

とくまる
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現代という芸術アラカワ
From: tokumaru

みなさま

別府、韓国、台湾に行く前の4年前の筑波山合宿では、保田與重郎
を取り上げました。

それまで夏合宿のテーマ本といえば厚い大著が多かったので量的に
読むのが大変でしたが、保田は質的に大変でした。二回や三回読ん
でも、何を書いているのかさっぱり理解できなかったのです。

しかし、さらに読み込むこと、保田が言及している同時代のテキス
トを読むことなどによって、徐々に意味がわかるようになりました。
おかげで最上の読書法を体得させていただきました。

読んでもさっぱりわからない本こそ良い本であり、それを理解する
ためには、何度も何度も繰り返し読む、その本にまつわる体験を積
む、そして、先入観なく本に書いてある言葉を受け入れると、意味
が自然とわかるようになる。

この手法で、量子力学に関しても意味を生みだす土壌づくりのため
に、保江邦夫・治部真理著『1リットルの量子論』や同『脳と心の
量子論』や、シュレディンガーの伝記や、W. ムーア著『シュレー
ディンガー その生涯と思想』(培風館)や、J.L. ハイルブロン著
『マックス・プランクの生涯』(法政大学出版局)を読んでいるとこ
ろです。

プランク定数を提案したプランクが、ルター派の牧師や神学者を輩
出した家系の出身であり、1947年に亡くなる半年前にはカトリック
に改宗していたらしいというような話も、そのうち量子力学を理解
する上で意味をもってくるのではないかと思っています。

先日、アラカワさんの『意味のメカニズム』を読んでいたら、ああ
、これは量子力学の現状を描いた絵だと思うことがあり、今月のコ
ラムに書きました。

とくまる
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現代という芸術アラカワ − 抽象概念にふりまわされる量子力学
得丸

「意味のメカニズム」はなぜかドイツで人気を博し、ドイツ巡回展
をみた物理学者のウェルナー・ハイゼンベルグは、彼が所長をして
いたマックス・プランク研究所にアラカワを招き、アラカワが講演
したという逸話が残っている。この作品は、そのきっかけを生みだ
したか、あるいは講演の後で理論物理学の現状を図式化したものだ
ろう。

「カードが足になる」なんて、いったいなんのことだろう。しかも
それがすべて色彩のない白黒で表現されているのは、脳内の言語記
憶の、純粋に抽象的論理的な言語世界のことだからだ。

左半分には足首から足先までの絵、右半分は画面いっぱいにジグザ
グな矢印とカードの移動跡らしきもの。下に手書きされているのは
、ニュートンの万有引力の法則、熱力学の第一法則(エネルギー保
存則)、静電気の位置エネルギー、クーロンの法則、電磁波の伝搬
に関するマックスウェル方程式、プランクの量子エネルギー仮説な
どなど、19世紀の古典物理学から20世紀の量子物理学に移行するに
あたっての重要な法則・方程式である。そして、それらの式をまと
めて「間違い(Mistake)」と消去している。

おそらく一連の「意味のメカニズム」の中でももっとも人々の興味
をひかない作品ではないだろうか。私自身、この作品をみて、何か
を思いつくとは正直期待していなかった。しかし、この二カ月ほど
、量子力学についていろいろと調べていたためか、今朝一番興味を
もったのがこの作品だた。これは量子力学の現状を物語ってる。こ
の右側部分の絵のように、抽象概念をあれこれもてあそんで、もっ
ともらしい理屈をこねくり回しているだけの不毛な状態。一刀両断
に否定したいのだけど、ゾンビのようにまとわりついてくる。

頭の中で理論をこねくり回しても、何も生まれない。目の前にある
ものを見よ。そして簡潔で地に足のついた言葉を紡ぎだせ。基本に
帰るのだ。抽象概念をもてあそぶことをやめて、現実世界と一体化
せよ。21世紀になっても理論物理学の混乱は続いている。


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