今回の妥協案は、下院共和党の案を大幅に取り入れている。このた め、共和党茶会派の反対でも、下院で可決されたが、実は上院民主 党の多くの議員の意に沿わない案になっている。 上院で、共和党は増税もない、赤字削減がメディケア・メディケイ トに及ぶので賛成が多いと思うが、民主党議員の反対が多く出るは ず。 また、財政再建として、S&Pは4.5兆ドルの削減が必要として いたが、削減額が2.5兆ドルと少なく、米国債の格付けを引き下 げる可能性があるようだ。 しかし、米国債の格付けを引き下げると同時に、日本国債AA−の 格付けも引き下げる方向であり、日本国債の金利が上がり、予備金 の積み増しも必要で、大きな損失が出る。 こちらの方が、国債を大量に持つ日本の銀行・保険などでは大きな 問題になるはず。 また、米国の財政緊縮になると、米国の景気が下がり、米国に輸出 している東南アジア各国の景気が下がり、そこに部品を供給してい る日本の景気も下がることになる。欧州も緊縮財政になり、世界的 な景気の下り坂になってきている。 大恐慌後、景気が一時的に復活したが、そのより大きな景気の底に なり、最後には、第2次世界大戦になったころと同様な動きになっ ている。1930年代が再び、2010年代に再現している。 もう1つ気になるのが、中国軍部の強硬姿勢である。南シナ海での 国境紛争に実力で対応すると言うようである。戦争の危機もあると 中国軍部は語っている。第3次世界大戦が起こる可能性を中国の軍 部の動きで感じてしまう。 さあ、どうなりますか?? ============================== 米下院、債務上限法案可決 2日成立へ、債務不履行回避 2011年8月2日8時41分 米下院本会議は1日、米国の債務上限を引き上げる法案を賛成多 数(賛成269票、反対161票)で可決した。共和党内の強硬派 「茶会(ティーパーティー)」(約60人)らの反対を乗り越えて 、下院の通過にこぎつけた。2日に見込まれる米上院での可決後、 大統領の署名を経て、法案は成立する見通しで、米国の債務不履行 (デフォルト)危機は回避されることになった。 (ワシントン=尾形聡彦) ============================== 中国軍に強硬論浮上 海洋権益確保へ :日本経済新聞 2011年8月2日 章泌生副総参謀長は最近、党幹部向け機関紙で防衛名目の先制攻撃 を認める考えを示唆。南シナ海の領有権問題でも権益確保の重要性 を指摘し「戦争につながる可能性を排除できない」と強調