4064.米債務上限引き上げ後の世界



今回の妥協案は、下院共和党の案を大幅に取り入れている。このた
め、共和党茶会派の反対でも、下院で可決されたが、実は上院民主
党の多くの議員の意に沿わない案になっている。

上院で、共和党は増税もない、赤字削減がメディケア・メディケイ
トに及ぶので賛成が多いと思うが、民主党議員の反対が多く出るは
ず。

また、財政再建として、S&Pは4.5兆ドルの削減が必要として
いたが、削減額が2.5兆ドルと少なく、米国債の格付けを引き下
げる可能性があるようだ。

しかし、米国債の格付けを引き下げると同時に、日本国債AA−の
格付けも引き下げる方向であり、日本国債の金利が上がり、予備金
の積み増しも必要で、大きな損失が出る。

こちらの方が、国債を大量に持つ日本の銀行・保険などでは大きな
問題になるはず。

また、米国の財政緊縮になると、米国の景気が下がり、米国に輸出
している東南アジア各国の景気が下がり、そこに部品を供給してい
る日本の景気も下がることになる。欧州も緊縮財政になり、世界的
な景気の下り坂になってきている。

大恐慌後、景気が一時的に復活したが、そのより大きな景気の底に
なり、最後には、第2次世界大戦になったころと同様な動きになっ
ている。1930年代が再び、2010年代に再現している。

もう1つ気になるのが、中国軍部の強硬姿勢である。南シナ海での
国境紛争に実力で対応すると言うようである。戦争の危機もあると
中国軍部は語っている。第3次世界大戦が起こる可能性を中国の軍
部の動きで感じてしまう。

さあ、どうなりますか??

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米下院、債務上限法案可決 2日成立へ、債務不履行回避
2011年8月2日8時41分

 米下院本会議は1日、米国の債務上限を引き上げる法案を賛成多
数(賛成269票、反対161票)で可決した。共和党内の強硬派
「茶会(ティーパーティー)」(約60人)らの反対を乗り越えて
、下院の通過にこぎつけた。2日に見込まれる米上院での可決後、
大統領の署名を経て、法案は成立する見通しで、米国の債務不履行
(デフォルト)危機は回避されることになった。
(ワシントン=尾形聡彦)
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中国軍に強硬論浮上 海洋権益確保へ  :日本経済新聞
2011年8月2日

章泌生副総参謀長は最近、党幹部向け機関紙で防衛名目の先制攻撃
を認める考えを示唆。南シナ海の領有権問題でも権益確保の重要性
を指摘し「戦争につながる可能性を排除できない」と強調

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