4060.日本の生きる道(人材開国)



戦略研究所の検討会が昨日あり、人材開国のテーマで検討したが、
途中で、日本の生きる道になっていた。

この検討会では、単純な移民は、すでに欧州ではテロなどの多発で
失敗であるという結果が出ているし、日本古来の出自が違う弥生人
同士の激しい紛争の歴史を踏まえても単純な移民政策はないと、こ
こまでは参加者全員が合意した。

このため、日本の人口減少を食い止めることと、日本企業や産業が
海外に流出して、雇用が少なくなる状態で、どう日本は生き残れば
よいのかという問題に突き当たることになる。

このアイデアとして、日本は中国を取り囲んでいる地理的な位置に
あり、中国や大陸の発展で、日本の位置は中国の防御に適している
ことと、物流の拠点になる。また日本人の手の器用さや感覚の鋭さ
、目に見えない皮膚感覚などが発展していることなど日本文化が持
っている優位なポイントを最大限、利用するしかないとなった。

最初に出てきたのが、バブ空港、ハブ港などを整備して、その傍に
倉庫を作り、ロジスティックスを増強することであると。大陸への
ゲートハブ機能である。日本は安定していて、紛争や荷物の紛失が
少ないので、ここに倉庫を持ち、必要な個数分を大陸に送ることが
できる。このためには、滑走路を6本程度を持つ24時間空港が必
要である。羽田、中部、沖縄などが候補になる。

韓国の仁川空港などと競合するが、あそこは北朝鮮に近く、戦争が
起きたら危険地域になり、荷物が運べないために、競合にならない。
シンガポールなども競合相手になるが、地理的な位置は日本のほう
が優位である。

2番目に、R&D機能を拡充して、熟練工を要する中小企業が活躍
できるように、世界の企業のR&D基地を作ることであると。

問題は、日本人の熟練工を海外企業も狙っていることで、高給で引
き抜くことである。このため、どんどんノウハウが海外にもれてい
る。ベトナム人や台湾人も日本人と同様に手先が器用であり、まね
される危険性はある。日本企業もR&Dセンタを海外に持っていっ
ているので、日本に残らない可能性もある。

3番目には、中国を防御できる基地を置いてもらうことである。
NATO軍や米軍などとともに、日本も安全保障的な対応で軍隊を
増強する。その基地の兵器を修理するなどのメンテなどを行うこと
と、軍事産業を拡大して、日本の武器を世界に売ることである。

4番目に、世界から優秀な人を来てもらうためには、日本企業が海
外に逃げた拠点に日本学校を作り、その学校を地元民にも開放して、
日本語を広めることが重要だ。日本企業も現地で幹部候補生を採る
ようになるが、その人たちは日本の本社に来ることになり、日本語
が世界的に広まる。この日本語ができる人たちを日本国籍化するこ
とである。

しかし、国内雇用がそれだけでは不足することになる。3割は海外
に大企業とともに出て行くが、7割の人たちは国内に残る。この人
たちの雇用はどうするかの疑問となる。

この雇用を生み出すには、大きな新産業がないと難しい。これは藻
からの石油であり、プラスチックを代替できるリグパルなどである。
海外に出ていたマネーが国内で循環するので、非常に大きな効果が
ある。もう少し、この辺は深堀する必要があるようだ。

つい最近でも、三菱化学の塗るだけ太陽電池やバイオプラスチック
などいろいろなものができている。このコストを下げることができ
れば、一大産業になる可能性もある。

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石油系超えた? バイオプラスチックの実力
2009年02月02日 日経BP

■植物由来のプラスチック
 植物由来の原料から作られるバイオプラスチックをめぐる動向が
活発だ。「環境に配慮したプラスチック」という点からは、これま
で生分解性を有した素材というイメージが強かったが、最近では温
暖化防止や石油エネルギーの消費削減の観点から、植物由来の原料
を用いたプラスチックに注目が集まっている。日本バイオプラスチ
ック協会(東京都中央区)では、前者を「生分解性プラスチック(
グリーンプラ)」、後者を「バイオマスプラスチック(バイオマス
プラ)」と区別しており、それぞれに識別表示制度を設けている。

 「バイオマスプラ」の識別表示制度は世界に先駆けて発足したも
ので、「同協会が認定した素材のリストに記載されたバイオプラス
チックを使用すること」「製品に含まれるバイオプラスチック組成
中のバイオマス由来成分の全体量に対する割合(重量比)が25%以
上であること」「同協会指定の使用禁止物質を含まないこと」が条
件だ。国際的にもこの制度への関心は高く、EU(欧州連合)などで
も同様の制度導入が検討されている。 

 現在、バイオプラスチックの原料として主流になっているのは、
トウモロコシやサトウキビなどの植物から取り出したでんぷんを発
酵させてつくるポリ乳酸であり、バイオプラスチックの原料として
は唯一、工業用原料として量産プラントが立ち上がっている。2002
年にカーギル・ダウ(現・ネイチャーワークス:米ミネソタ州)が
工業用原料として供給を開始したのを転機に、多くのバイオプラス
チック製品が市場に投入されるようになった。業界最大手の同社は
、年産14万tの生産プラントを稼働している。ポリ乳酸からつくられ
るバイオプラスチックはこれまで、通常の石油系プラスチックに比
べ耐熱性および耐衝撃性、そして燃えやすいことが欠点とされてい
た。そのため、従来はそのほとんどが包装材として使用されるにと
どまってきた。しかし、ここにきてポリ乳酸からつくられるバイオ
プラスチックに耐熱性や難燃性などの特性を加える取り組みが活発
化している。 

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塗る太陽電池、実用化めど 三菱化学、13年春ごろ発売「塗る太
陽電池」の使い道
 
 ビルの壁や車のボディーで使える「塗る太陽電池」の実用化のめ
どが立った。従来の太陽光パネルでは置きにくかった場所に塗るこ
とができ、量産もしやすい。2013年春ごろに出回ることになり
そうだ。 

 三菱化学が、光を電気に換える効率が実用レベルの10%を超え
る試作品づくりに、世界で初めて成功した。従来のガラス板で挟む
結晶シリコンではなく、炭素化合物を使う。乾いて固まると「半導
体」の役割を果たすようになり、配線を施せば、光に反応して電気
を起こす。 

 煙突や高速道路の屋根など丸みがある物のほか、衣服など曲がる
素材に対応できる。通常の太陽光パネルはガラス込みで厚さは数セ
ンチ必要だが、この方式だと1ミリ弱で済む。重さも同じ面積なら
、結晶シリコン系の10分の1未満に抑えられるという。 

 塗る太陽電池は、変換効率が課題とされ、世界中で開発が競われ
てきた。三菱化学は成分や構造を見直し、変換効率10.1%と
10%超えに成功。結晶シリコン系の約20%には及ばないが、薄
型として市販される膜状シリコン系の太陽電池の水準に追いついた。



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