4037.ストレステスト項目と予想結果



ストレステストの項目についてであるが、安全審査基準は現在、原
子力安全委員会で作成中で、今年度末にまとめる予定である。しか
し、突如、ストレス実施となり、7月6日に急遽、保安院に向けて安
全性に関する総合評価を送りつけている。その報告書の趣旨が下に
あるような項目である。

テスト細目は経産省保安院で作ることを求めている。その細目を安
全委員会は待つ姿勢である。細目を評価した上でテストの実施にな
る。

しかし、保安院は、すでに福島原発事故の問題点のテストを実施し
たという立場であるが、班目委員長は、「万一、安全性が確保でき
ていないということがわかった場合には、それなりの対応をするま
では、当然、運転すべきではない」という。

保安院は、原発を動かす目的で、問題点の対応は計画書を提出すれ
ば、当面は運転ができるということで安全審査をしていたが、安全
委員会は、問題があれば、すべて止めることであるという。

2つの機関の考え方に、大きな違いがある。

安全委員会の項目をみると、過去の地震や津波の情報を網羅して考
えることと、活断層の情報を重要視することである。

原発銀座の若狭湾でも、今までは津波がないとされていたが15m
以上の津波が来た歴史的な文献が発見されている。関電原発のほと
んどが若狭湾にあるので、橋下知事の原発停止の主張が実現される
ことになり、おめでとうございます。関西の住民の皆様、ご愁傷様
です。夏には知事の言うようにエアコンを消してお過ごしください。

そして、この近くの志賀原発も津波対応ができないのでダメ。もち
ろん、プレートに近く地震と想定以上の大きな津波が来る浜岡、東
通、女川、東海、川内、伊方は当然ダメでしょうね。防波堤を作る
のに2年程度はかかるからそれまでは無理。

東電の柏崎刈谷原発も近くに活断層があるので停止になる。この時
点で稼動可能な原発は泊、島根、玄海の3つの原発しかなくなる。

しかし、既存原発は全交流電源喪失を考慮していないので、予備電
源を持つとするが、多重障害に配慮するというので無理があり、新
型の全交流電源喪失でも冷却ができる原発にしないと稼動できない
ことになるそうである。

ということで、全原発停止が、来年の5月まで待たずに実現するこ
とになる。

原発を止めたいという一念で経済などを考慮しない駄々っ子が首相
を勤めると、ストレステストも原発を停止させる手段になる。

これまでは、原発を動かすために、ストレステストを実施して安全
性と経済的な観点を両立させようとしたが、残念ながら、それを止
めるために強引に実行するようである。

こうなると、本腰を入れて火力増強に邁進するしかない。当面は過
去に動かした石油火力や石炭火力を再度稼動可能にすることである。
また、自家発電の系統への接続で買取り強化と、2万kw程度のLNGガ
ス火力を都市で行い、コジェネとして使いことである。

また、流水式水力や地熱についても本腰を入れて取り組む必要があ
る。そのためには、規制の緩和が重要だ。水利権という問題がネッ
クになるが、水力権は別次元にする必要がある。


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原子力安全委員会の東電福島原発事故を踏まえた季節の原発の安全
性に関する総合評価に関する報告について
平成23年7月6日

1.地震および津波といった自然現象
2.全交流電源喪失時対応
3.シビアアクシデント対策

について多重防護を明示、失敗時を仮定してシナリオを描くこと
地震などについては、過去の事例の知見を活用すること
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全国原発「ストレステスト」実施へ 班目委員長、結果次第で原発
停止につながるとの認識
FNNニュース

全国の原発を対象に実施されることになった「ストレステスト」と
呼ばれる安全確認作業をめぐって、原子力安全委員会の班目委員長
は、テストの結果次第では、原発の停止につながるとの認識を示し
た。
原子力安全委員会の班目委員長は「万一、安全性が確保できていな
いということがわかった場合には、それなりの対応をするまでは、
当然、運転すべきではない」と述べた。
ストレステストは、原発が地震や津波などの重大事故に、どの程度
耐えられるかを評価するもので、海江田経済産業相が、全国の原発
を対象に実施すると発表した。
これに対して安全委員会は、テストの実施計画などを作成するよう、
原子力安全・保安院に対して要請し、6日の会見で班目委員長は、テ
ストの結果、大きな問題が判明するなどした場合、原発の停止につ
ながるとの認識を示した。 
(07/07 06:19)



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