4034.原発と経済



原発と経済
          虚風老    

原子力発電所には、3つの<嘘の神話>がある。
一つは「安全神話」であり、もう一つは「環境にいい」という神話
である。
これが、どれだけ<おかめゴカシ>かみんなが知ることになった。

もう一つは、「経済的である」という神話である。
これも、顕かに間違っていることは、すでにたくさんの実証がある。

原子力は初期費用が高くランニングコストが安い
火力等他の一般発電所は、初期費用が安く、ランニングコストが高
い、自然エネルギーといわれるものは、初期費用が高く、ランニン
グコストは安い。と普通はいわれておる。

だが、ランニングコストも「火力と同等でしかない」ではないかと
いう研究者が各電力会社の会計報告書を分析してだした試算もある。

しかも、ここに隠された、費用がある。
原子力は放射性廃棄物の処理なで、後年度(発電しなくなっても)
の負担が膨大である。
ということだ。これはコストとして算入されていない。他にも、直
接発電に関わらない経費も膨大で、立地対策費などで、これれは算
入されない。
(この、立地対策費や、後年度負担は結局「税金」の投入をあたに
しているようじゃ。

また、止めても、廃止してもランニングコストがかかり続ける。
止めても、運行している(金を稼いでいる時)ときとほぼ同じ体制
が要求される。
これは他の発電ではあまりみられないか、その費用は桁違いである。

あえて、賠償金等の今回の事故に起因する費用は含めないが、それ
がなくても、そもそも原発は経済的とはいえないのではないかとお
もってしまう。。

これは、サブプライムローンの処理にも似ている。
利益を得るのは、事業者(経営者や従業者)や、株主(配当の形で
うけとる)、や利用者電気料金を低く押えられる。サブプライムで
は利益を受けたのは金融業者で、税金で処理されたので、納税者と
いうことになる。

しかし、このリスクや後年度負担は、<税金>で処理されるため、
国民につけが回される。
リスクをとる=利益だが、リスクの顕在化=損は、その受けてか違
っておる。
「リスクをとることで受ける利益享受者」と「リスクが顕在化した
時に受ける損害者」が一致していれば問題がないが、そうはなって
いない。

これは、国債の問題も同じ構造を持っている、この場合利益を得る
のは現世代で不利益を蒙るのが未来世代であるということだ。

しかし、原発は利益的には電力会社には都合がいい。日常的な燃料
コストの増大変動に神経質でなくてもすむ。
巨大技術なので、他の資本が算入しにくい。独占を維持できる。ま
た配電する時の電力計画が立て易く、運用がしやすい。経営が殿様
商売でいられる。
また、原油という、世界の争い・戦争の原因からやや離れていられ
る。(近代の大戦争はエネルギーを巡って争われる)

産業界にしても、旧財閥系の重電産業がこぞって参加しているが、
あまり競争がなく利益を確保した上で巨額の設備の需要、運行保守
でも安定した利益がみこめる。(性質としては、安定した公共事業
の性格をもつ、しかも民・民契約だからあまり縛りもない安全上コ
ストカットなどあまりかんがえなくていい。)
だがそれらは、必ず電気料金に負担して載せられるというシステム
が法的にも確立している。
つまり「独占という形態」を崩させないことが、優先事項として、
経営者達が、各方面に働きかけることになる。

そして産業界でも「おいしい」場所だ。もちろん産業界にはランニ
ングコストで決まる電気料金のほうが問題であろう。それらは、自
分達にかかるコストであり、<国際競争力>に影響を与える。これ
は割引制度がある。そうして、産業と電力会社は共犯関係ができあ
がる。

だが、これも、本来のコストが時間的に移転されることによって、
自分が負担すべきところを未来の誰かに押し付けておるにすぎない。

本当は自分が生産した(儲けた)以上のものを消費するというのは
、歪みがある。
一時的に大きな借金や先食いが先行投資として、次ぎに生産(儲け
)の増大に結びつくならいいが、ただの転嫁では、先行き詰まって
くる。(ネズミ講と同じになる)
結局、今が良ければ…という人には、破綻するまで、わからないの
かもしれないし、解かっていても止められないのかもしれない。

原発はけっして、経済的ではない。だが、電力事業っというのは、
産業システムのコアにも、生活システムの基盤ガッチリとくみこま
れている。
だからシステムを変えて動かすのは容易ではない。しかしやらなけ
ればならない。
なぜなら、高レベル放射性廃棄物=使用済み燃料は、もう日本国内
でどこにも持っていきようがない。すまり糞づまりで死んでしまう
からじゃ。

             虚風老
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原発の後処理と経済的な枠組みについて。 

現在、産業界はどうも、原発での発電がなくなると電気料金が上が
ってしまい産業コストが上がってしまうと怯えて、原発はなくせな
いよね。といった、従来の思考枠から離れられないようじゃ。 

しかし、考えてみて欲しい。再生可能な自然エネルギーに急速に大
転換するということは、関連する、新しい大需要が国内に生まれ、
それに伴う国内投資・近接する需要が(これが伸びないことがいつ
も問題とされた)盛んになり、ビジネスチャンスが大々的にうまれ。
産業界のあらゆる方面で、売り上げが増大し、雇用が生まれるとい
うことを意味しておる。(ついでに、そうなれば、税収も増える) 

大口の需要家は、今でも、電力を買う契約先は自由化されているの
で、グループ買いすれば、自ら安い「発電」=電力料を契約できる。
(大阪などの自治体がすでに関電でなかったというのは驚きじゃっ
たけど)自家発電というシステムも既に機械としては(多くは非常
用のようであるが)あるらしい。 

これから問題になりそうなのが、原発の後年度負担(廃炉や放射性
廃棄物の処理費用)である。これれの巨大さが見えてきて、各電力
会社は怯えていることじゃろう。 
しかも、これから事故などがおきれば、その賠償費用を賄いきれな
いと考えておるじゃろうし、原子力の利用を民間企業ベースでは経
営的にも危険であるという認識は広まっている。 

電力料金などから考えれば、自然エネルギーの全量買い取りは当然
として、その金額を、税法上の原価償却時間は、かなり高く買い取
って、早く負担を減らすとともに、原価償却(投下資本の回収)が
終わったら、今度は配電会社の「一般売価より二割くらい(この割
合は各種の合理的基準になるであろううが)低い」金額を買い取り
価格になるというような劇的(かつ合理的)な、買い取り制度にし
てはどうじゃろう。 

資本(設備)投下っを安全にかつ早く回収したいだろうし、自然エ
ネルギーの特性としては、(その後は長い期間にわたって保守メン
テナンス等の費用はいるであろうが)、ランニングコストが低いと
いう性質があるのっで、それでも益はでると思うが。 

また、各電力会社の「原子力発電部門」を分離して、国が買い取る
(各電力会社にとっては、資産だから会計上の価値で)ことによっ
て、先に述べた<後年度の負担>から逃れることができるし=その
分は国民の負担になるが、 
原子力発電を国が引き受けることによって、それが稼働している間
の発電からの利益でもって、廃炉や放射性物質の処理費用を捻出し
ていくというわけじゃ。 
そして、産業界から文句がでないくらいの金額で電気を配電業者に
卸す。 
まあ、一応安定的なエネルギーとしての立場が急転回するんじゃな
いかいという産業界の懸念をとどめる。 
ただ、国策にした場合、国民の意思で、そうそう脱原発へ向かうと
いうことにはなるじゃろうがの。 

これらは、実質的に電力の発・送分離を意味しておるが、現在の送
電を担っている、東電や関電等の電力会社に発電するなというモノ
ではない。むしろ新しい産業の興隆を促してほしい。 
しかも、これらの現在の電力会社間を結ぶ基幹の送電網だって、電
気事業連合会みたいなところで運営するほうがのぞましいと考えて
おる。 

「原子力」という経営リスクは減らして、新しい送・発電に経営資
源を(国に原子力発電を売りつけて捻出する)シフトしていくとい
うはなしじゃ。 

そうすれば、この国が国外に払っているエネルギーコストが言わば
日本内部に落ちる金になるというわけじゃ。 
立ち上がりは高くつくかもしれないが、その内、国外に支払うのと
変わらなくなる可能性を秘めておる。 

産業界もマスコミも一斉に頭を切り替えて、新しい産業とそれに加
わっていけることの利点を考えたほうがええ。 
それも、できるだけ早く。既に世界は走りだしておるわけじゃからの。 

虚風老 
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日本人にとって、ロボットは友達だったはずじゃ。
 yo

>原子炉に偵察ロボットを入れるのに、アメリカなどの戦場偵察ロ
ボットが利用され、国産で何十億も掛けて試作していたロボットは
、何年も前に使用機会がないということで、お蔵入りになっていた
ということがあったそうじゃ。

ロボットの軽視は どの政権でも変わりませんでしたが、
311後の社会は 無人化の技術を拒んではならない と強く思います。


>日本のアニメなどに登場するのは、二足歩行の人型で、アトムや
鉄人28号(そういえば、こいつは、すごく単純そうな無線操作機
で動くのであった)のようにそのタイプにロマンを感じるものらし
いわい。

子供に与えられる人形は、人の形で親しみを感じさせて、
その人形が抱える社会的課題に 子供を取組ませる教材 かもしれま
せん。日本のロボットアニメと言えば、ロボット≒すごい宿題とい
うイメージです。

そういえば、映画DarkCircleの場面に、光の巨人がありました。
 ttp://www.youtube.com/v/y9Q7kKzgenk&rel=0&start=215
 “核は友人だ”
 “核は文化の一部であり
  私たちを守ってくれる”
 “核兵器は人を殺すが”
 “原子力は人を生かすものだ”と
↑
光の巨人が 荒野を文明化する の図、
光の巨人が 合体して巨大(国際)化する の図、
原子力cultureの極みですね。


>だが、実用から考えれば、ケンタウルス型になるべきなのじゃろう。

将来の実用ロボットの形は 既知の動物やキメラの様である かもし
れませんが、特に、目的に合わせて対象と環境を 丸ごと設計 でき
ることは重要です。
ファンタジー小説やテーマパークの設計に似ています。


>長時間の苛酷な条件下での作業を遠く離れた安全なブースの中で
できるのはすばらしいことじゃ。

>これらの重機作業車やなどは、放射線汚染された場所で働くのに
ぴったりである。

まさに科学技術の勝利ですね。
私の結論は、最も「安全な原発」は無人プラントである ということ
です。


>あまりスペックを上げ過ぎないで、(ややもすると凝り過ぎて一
機の値段が途方も無いものはよくつくられるが)普段着で使用でき
るくらいのモノを、手持ちの技術を持ちよることで、一夜にしてつ
くるくらいの技術の蓄積はあるはずじゃ。

ロボットの費用が高かったのは、環境の複雑さを減らせず、
機能を絞りきれなかったせいでしょう。
もし アウェイを強いられてきたロボットにホームがあれば どうな
るか。
環境とロボットを一体の存在として設計すればコスパ最高 だと思い
ますよ。

==============================
ロボット技術者結集の話しじゃけど。
      虚風老

わしはあまりネットの中をうろつかないから知らないが、(せいぜ
い、このコラムのbbsに書き込むだけぐらいしか発言しないし)
ネットの中にこういったロボットや工作機械を扱うようなフォーラ
ムかなにかあるのじゃろうか?
みんな企業に勤めていれば、忙しいし、いろんな現実の壁があって
、技術を交換することは、容易ではない。

だが、本来こうゆう技術を嬉々として、研究したり実際に使ってい
る人は、機械に対して「オタク」に近い感覚を持っておるのではな
かろうか。

ネット上にフォーラムを開いて、どんなスペックの機械が欲しいとか、
それなら、ウチの技術でできますよとか、いや、そこはこうした方
がいいんだとかアイデアを出し合い(所属もあきらかにしないで、
匿名でいいから)

おお、こんなのが出来たらいいなあ。となれば、経営が得意なひと
は、じゃあ出資方はこんなのがありますとか、会社同士の特許の調
整に一肌脱ぎましょうとか、試作機はウチでできるか企業サイドに
掛け合ってみなしょう。とか、工学以外の人でも知恵と協力を申し
出る人もでてくるかもしれない。

現実的にそのプランができそうなら、
もちろん大きな企業の中で働く人で、ウチのこの技術を提供しまし
ょうと上司を説得するかもしれない。(もちろん権利は確保して)

なにせ、京大の試験の問題を尋ねたら、あっという間に答えが返っ
てくるのがネットである。
現実化はそこから、オフしていければいいんじゃないか。
趣味的なフォーラムで肩書きも会社の立場も一度棚上げして、わい
わいがやがややってみるのは楽しいかもしれないし、本業でのヒン
トをみつけられるかもしれない。

どうじゃな、ネットでやるのは、、、、、。コーディネーター呼び
かけ方と、腕次第ともいえるのじゃろうが、、、、。それなりの人
脈を持ったひとに最初に参加を呼びかけねばならないだろうし。。。

60を過ぎて、それなりの成功と生活の安定が得られるくらいの金
を持った人間が最後に楽しめるのは、社会に貢献することじゃろう。
誰か力と意欲のある人が一肌ぬいでくれないものかのう。

虚風老
==============================
ロボット技術のクロスオーバー 

わしはあまりネットの中をうろつかないから知らないが、 
ネットの中にこういったロボットや工作機械、重機を複合的に扱う
ようなフォーラムかなにかあるのじゃろうか? 
みんな企業に勤めていれば、忙しいし、いろんな現実の壁があって
、技術を交換することは、容易ではない。 

だが、本来こうゆう技術を嬉々として、研究したり実際に使ってい
る人は、機械に対して「オタク」に近い感覚を持っておるのではな
かろうか。 

ネット上にフォーラムを開いて、どんなスペックの機械が欲しいとか、 
それなら、ウチの技術でできますよとか、いや、そこはこうした方
がいいんだとかアイデアを出し合い(所属もあきらかにしないで、
匿名でいいから) 

おお、こんなのが出来たらいいなあ。となれば、経営が得意なひと
は、じゃあ出資方はこんなのがありますとか、会社同士の特許の調
整に一肌脱ぎましょうとか、試作機はウチでできるか企業サイドに
掛け合ってみなしょう。とか、工学以外の人でも知恵と協力を申し
出る人もでてくるかもしれない。 

現実的にそのプランができそうなら、 
もちろん大きな企業の中で働く人で、ウチのこの技術を提供しまし
ょうと上司を説得するかもしれない。(もちろん権利は確保して) 

なにせ、京大の試験の問題を尋ねたら、あっという間に答えが返っ
てくるのがネットである。 
現実化はそこから、オフしていければいいんじゃないか。 
趣味的なフォーラムで肩書きも会社の立場も一度棚上げして、わい
わいがやがややってみるのは楽しいかもしれないし、本業でのヒン
トをみつけられるかもしれない。 

どうじゃな、ネットでやるのは、、、、、。コーディネーター呼び
かけ方と、腕次第ともいえるのじゃろうが、、、、。それなりの人
脈を持ったひとに最初に参加を呼びかけねばならないだろうし。。。 

60を過ぎて、それなりの成功と生活の安定が得られるくらいの金
を持った人間が最後に楽しめるのは、社会に貢献することじゃろう。
誰か力と意欲のある人が一肌ぬいでくれないものかのう。 

虚風老 



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