電気の自由化は、1995年に発電市場から始まり、99年に法改 正そて自由化範囲の拡大、2000年に大口利用者への直接的な売 買が可能にした。2003年に日本卸電力取引所を開設。今後、自 由化範囲を拡大する予定であった。 今の交流送電ではなくて、ちょうど長距離海底通信ケーブルとおな じように日本列島を取り囲む電力直流送電ネットワークを構築する 。そして、沿岸部の発電所から海底ルートを利用すれば、送電鉄塔 も不要になる。このような直流送電網が出来る、電力自由化に向け て、大きな前進になる。 そして、おそらく電力の自由売買がされると、田舎の小水力や地熱 など定常的電力は、十分利益させるはずである。石油、LNGなどは、 価格が高騰して、この燃料より安いことになる。太陽光や風力は LNG火力と併用になるためである。家庭はEV+太陽光+蓄電池 で自給自足ができるが、工場やビルなどの産業用電力はエネルギー 消費密度が高いので、自給は出来ない。このため、電力自由市場か ら買うことになる。 原発がなくなると、安い電力は中小水力発電と地熱発電の電気にな る。この電気を電気自由市場に出せば、利益が出ることになる。風 力発電事業者、太陽光事業者は、安定的な電力供給責任が果たせな いと、電気自由市場での売買ができないはずであり、蓄電池か火力 を併用した事業者に変更する必要がある。 風力発電は安いが、その安定化のために蓄電池や火力が必要になり 、そのコストは高くなる。太陽光も不安定であり、パネルが安くな っても安定化のために蓄電池や火力が必要になり、そのセットでし か電気自由市場に電気を売り出せない。今はその不安定性のカバー を地域独占の電力会社に依存している。このため、不安定な太陽光 と風力などの自然エネルギーを全電力量の5%に制限するしかない。 もう1つが、風力発電の全国網で平準化することであるが、送電線 は他社であり、平準化しても変動するので、その変動幅の火力は持 つ必要がある。太陽光でも同じだ。このように不安定な自然エネル ギーは設備を冗長に持つ必要があり割高になる。 このため、風力や太陽光などの不安定な自然エネルギーでの電力供 給は、小資本では出来ずに、大資本の企業しか出来ない。ベンチャ ー企業には勿論無理である。できるのは、安定的な自然エネルギー である中小水力や地熱発電であり、これは火力や蓄電池のバックア ップは必要がない。 電気の自由化を想定すると、地熱や中小水力がある地方は今後、発 展する可能性があるということである。風力適地と太陽光適地は大 資本での開発になる。電力会社や石油会社、NTT、ガス会社など であるようだ。 電気の完全自由市場が出来た時点で、太陽光や風力発電事業者は、 大変なことになる。