4018.普国強民または復国強民



昨日は、栄Gと園遊会Gの検討会があった。この中で東日本大震災
復興計画と今後の日本の大戦略、世界観を話し合ったが、この中で
奥山さんが仕掛けた、今後の日本を形作る大戦略は何かという議論
が面白かった。戦略の七階層、大戦略とは国家の資源の配分や獲得
をどうするかの問題である。一番高い位置にある世界観は、人それ
ぞれの思いが違い、和や輪というYSさんや日本文明と言うOさん
と、植生文明という私Fなどと、まとまらなかったが、大戦略の議
論では、全員の議論がまとまってきた。

明治維新で、日本は富国強兵という大戦略で、殖産工業で経済と兵
器を近代化して、世界に乗り出す。しかし、明治以後70年にして
世界との戦争に負けて、明治期の大戦略を破棄して、戦後、吉田ド
クトリンで、富国弱兵という大戦略に変更した。経済優先、軍事は
なるべく米国に依存していくという方向である。

しかし、この戦後の吉田ドクトリンが昔から問題であると見ていた
が、やっと戦後60年にして、限界に来たことを国民の多くが気が
ついてきた。今回の天皇の震災復興に向けたお言葉を敗戦宣言とみ
たし、お言葉の最初に自衛隊の苦労とおっしゃったのが、重要なの
である。日本の大戦略の変更を宣言したのである。

安全保障が大切であると言う意識を国民が放棄したことで、国民の
規律が緩み、会社でも顧客と常識的な動作や行動が出来ない若者が
増えている。この規律の意識が重要であることを日本国民は、この
頃、思い知ったのである。

栄さんからは、弁護士の数は増えたが、弁護士でも法律の知識はあ
るが、どう弁護するかの会話が出来ない若い弁護士が増えている。
難しい国家試験を受かっているので、優秀であると思われている弁
護士でもそのような状態だというのである。

そして、東北の被災現場にいる積極的にボランティアで活躍する若
者と、ひきこもりのような若者と、意識の二極化を起こしている。

国民が安全保障(災害、戦争)を意識しないと、国家に何でも頼る
弱民になることが、この戦後60年で日本は経験したようである。

今後は、普通の国家の意識を取り戻すことが重要であると意見が一
致した。このため、元の日本の安全保障意識を取り戻すと言う意味
の復国や普通の国の意識と言う意味の普国になった。

安全保障意識を国民に植え付ける方法としては、ドイツやイスラエ
ルなど多くの国でやっている兵役か屯田兵(ギブツ)、災害等のボ
ランティア、海外協力隊(ドイツ)などを義務付けることであろう
となった。危機的な状況を経験すると規律が重要であると言うこと
が分かる。

そして、そこで国民が規律を身につけ、会社員でも弁護士でもでき
る基盤を整備することであると意見が一致した。この規律を身に付
けた国民と言う意味で、強民としたのである。日本人のよさは我慢
強いこと、秩序正しいことであると今回の大震災でも世界に証明し
たが、しかし規律意識が不足していた。この規律意識が付け加わる
ことで世界的にも、日本国民は優秀で精神的にも強くなる。しかし
、教育だから規律正しくなるのは今後、50年ぐらいの時間がかか
る。

政治家の劣化にも話が拡大した。いまの政治家は民間企業で組織人
として働いたことがない人たちが多い。このため、組織を動かす方
法を知らない。政治家も最低5年間は民間企業に就職してから政治
家になる必要があるという意見が多かった。

また、兵器輸出三原則を民主党政権は破棄した。これにより、軍事
産業が日本でも出来るし、米国との軍事産業の技術交流ができるの
で、その当たりの産業が、次の日本を支える可能性がある。この軍
事産業は国内から出にくいので、民生産業の工場が日本から脱出し
た後、日本に残る可能性が高く、兵器の輸出が可能となれば、大き
な産業になるとみている。

また、米国の没落が進んでいるので、日米が本当の意味での共同防
衛になり、日本も自主防衛能力をつける必要にあることにも合致し
ている。

日本はエネルギー、食糧、資源を自給できないために、輸送路を確
保することが重要である。この「フロー」の中で生きるしかない。
それから抜け出すには「非地下資源系」が重要、あらゆる意味で「
ロジスティクス」が重要であると言うことだ。このため、24時間
空港と倉庫群が重要である。太平洋シーレーンなども重要さが、増
してくることになる。

このように今後の大戦略は普国強民か復国強民となった。

さあ、どうなりますか?

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