4017.全量買取法案について



「全量買取り制度(以下はフィードインタリフ:FITと省略)」に
ついて、現在、いくつかの団体が超党派で議員の署名を集めたり、
国民運動を起こしたり、メディアもこぞってこのFIT法案の行く末を
報道したりしています。

FIT法案では、何でも「経済産業大臣」(資源エネルギー庁)が定め
るとあります(第三条)。現状の方針としては、

1.太陽光発電(以下PVと略)以外の再生可能エネルギー発電:全
量買取りで、買取り期間は15〜20年、15円〜20円/kWhというかなり
曖昧なものです。 

2.住宅用PV:これまでの余剰電力買取り制度の延長で、余剰電力
を10年42円程度の条件からはじめるらしい。 

3.事業用PV:全量買取りで、買取り期間は15〜20年で、価格につ
いては不明。 

事業用PVについても40円/KWで菅首相と孫さんが手を打ったというが
定かではない。この価格では、事業化できるので、孫さんは事業化
に乗り出すとした。しかし、資源エネルギー庁の方針は未定ですよ。
菅首相が退陣した後は、どうなるか分からない。

ドイツなど多くの国々のFIT法では、法文に再生可能エネルギーから
の電力を「全量、優先的に、期限を区切らないで」電力系統事業者
が買取りることを義務化しているが、日本FIT法案(第五条)には、
以下の条件がある。

1.接続にかかる費用は、再生可能エネ発電者の負担。どこまで、
どれだけの明記がない。高圧送電線の設置を求めることが出来る。

2.安定供給支障のおそれがある場合は、接続義務の免除。つまり
「おそれ」とは何かの定義がないため、電力事業者にこの条文を利
用できる。 

3.「正当な理由」というのが繰り返されていますが、そもそも正
当な理由とは何かの定義も分かりません。 

というように、送電線問題、電力変動問題がある現状を考慮した条
項があり、欧州のような送電線が全土に張り巡らせたFIT法ではない
ことが分かります。

風力については、適地に設備を増設できない事態が、今後も継続し
て起こることが確実だ。太陽光もピーク電力でしかないので、原子
力発電のようなベース電力とは違うので、東電、関電では必要なの
でよいのでないですか?

このことで、法案の目的が原発の置き換えが出来ることではないこ
とが分かります。

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