4005.中国の脅威への対応



中国とフィリピン・ベトナムとの南シナ海での領土問題は、大きな
戦争の危険を帯びている。このため、アキノ大統領は、「わが国の
安全と主権が脅かされた時、米国と日本以上に頼りになる友はいな
い」と、領土紛争問題上の中国の脅威から日米両国が守ってほしい
と言っている。

しかし、日本では日米同盟での抑止力を快しとしない評論家副島G
とその信者たちがいて、南シナ海の現状を意図的に無視して中国の
脅威を過小評価している。

しかし、歴史を見ると日本はいつも得をしている。18世紀後半の
欧州からの侵略には、中国のアヘン戦争で気がつき、対応策として
明治維新を起こし西洋化をして侵略を免れた。

今後は、中国の近隣諸国への侵略を南シナ海で気がつき、日本は準
備をしないといけない。まだ、これに気がついていない日本国民が
多いし、中国の味方をして言論界で反米を旨とする評論家とその子
分たちが、若い世代を洗脳している。

沖縄県民は、昔は日本と中国の中間に位置していて、独裁国家・中
国の属国になりたいような人たちがいるために、正常な感覚を無く
している。中国の脅威をここでも過小評価している。

しかし、米国はベトナムとフィリピンを助けるために、ベトナムと
の関係を「次のレベル」に発展させるための関係強化に乗り出して
いるし、フィリピンについてもアキノ政権に積極的な軍事支援を開
始している。

そして、空母か大型揚陸艦をアジアに2隻派遣していて、1隻を南
シナ海に常時、貼り付けている。中国への抑止力を米国は懸命に維
持している。

フィリピン・パラワン島中央から西北西125カイリ(約232キ
ロ)のイロキス礁付近で先月、中国の海軍艦艇と海洋調査会社の船
が建設資材を下ろし、杭とブイの設置を始めたので、フィリピンは
同礁を自国の排他的経済水域(EEZ)内としており、「2002
年に中国と東南アジア諸国連合が南シナ海での新たな建設行為をし
ないと合意したことに反する行為だ」と中国を強く非難している。 

また、ベトナムの探査船のケーブルを中国の監視船が切断する事件
が起き、今回の海域はベトナムにかなり近く、中国が係争地にしよ
うと強引に事件を引き起こした可能性も指摘されている。

このため、ベトナム外務省は日曜日に異例の会見を行い、「ベトナ
ム海軍は主権と領土を守るために必要なことはすべて行う」と警告。
現場は完全に同国の排他的経済水域(EEZ)であると主張した。

米国は12年間で4000億ドル(約33兆円)の国防予算を削減
するため、米軍の規模縮小することで、陸海空海兵隊の部隊編成の
見直しに着手しているが、この地球規模の米軍再編・再配置でも「
北東アジアだけでなく、東南アジアにはこれまで以上に海軍の部隊
配備していくという(米国の)決意のメッセージを送る」と。

ゲーツ国防長官は、アジア安全保障会議で米海軍の同地域での強化
を表明するという。

また、東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議を開き、一部
加盟国と中国が領有権を争う南シナ海問題や防衛面での協力強化を
盛り込んだ共同宣言を採択した。このように中国の侵略がASEA
Nの重大なテーマになっている。

しかし、ASEANから西にあるパキスタンは、中国当局に対し、
海軍基地の建設への協力や、中国海軍の同基地での駐留などを要請
した。グワダル港の中国海軍の軍港化を認めて、米国からの離脱を
図るようである。インドは米国との同盟関係を強化しているので、
この地域の色分けが鮮明になってきた。

このように、シェールガス・オイル革命で米国本土で十分に石油が
算出できることで、石油の重要性が減少して中東への興味を失い、
ビンラディンを征伐したことで、そこからの撤退と東アジアでの中
国への脅威に対応する方向で、米軍は準備を進めている。

この時、日米同盟が重要な位置づけになるが、日本の政権基盤はシ
ッカリしていないことで、米国は戦略の基盤が定まらないことにな
っている。

日本とアジアの平和をどう担保するかを考えることである。

さあ、どうなりますか??
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米国:ベトナムを対中防波堤に…オバマ政権が位置付け

 【シンガポール矢野純一】南シナ海の実効支配を強めようと軍事
力増強を図る中国の同海域への進出を食い止めるため、中国の隣国
で「海域の玄関口」にあたるベトナムに対し、「(オバマ米政権が
)軍事面などで大きな役割を担う意思がある」とする報告書を米議
会調査局がまとめていたことが分かった。米国は、ベトナムと同様
に中国と南シナ海の領有権を争うフィリピンにも軍事支援を進めて
おり、ベトナムなどを“対中防波堤”に位置付けているとみられる。
海域を巡る軍拡競争がエスカレートする恐れがある。

 ◇議会調査局報告「軍事面で役割」
 シンガポールで3日始まった「アジア安全保障会議」でも、南シ
ナ海の領有を巡る問題が主要議題として取り上げられる。

 毎日新聞が入手した報告書(今年2月作成)によると、オバマ米
政権は中国に対する「戦略上の懸念」から、ベトナムとの関係を「
次のレベル」に発展させるため関係強化を進めている。

 ベトナム戦争の影響から、95年まで国交がなかった両国は、中
国の南シナ海への進出に対抗して関係を深め、07年には、それま
で禁じられていたベトナムへの武器売却を一部解禁。さらに、米国
の外国政府への主要な軍事援助の枠組みのひとつである対外軍事融
資を09年にスタート。融資額は、09年の50万ドルから10年
には135万ドルに急増した。

 軍事交流も活発化させ、昨年8月には、両国軍の次官級ハイレベ
ル協議を初開催。また、ベトナム戦争以降初めて、同国中部ダナン
沖に米第7艦隊の原子力空母や、イージス駆逐艦が停泊し、軍関係
者による交流も行われたという。

 報告書はまた、米の積極的な姿勢に対するベトナム側の反応につ
いても記載。米国と一層の関係強化を求めているとする一方、「ベ
トナムは、これまで関係の深かった中国と米国の間に張られたロー
プの上をつま先で歩かなければいけない」と話すベトナム指導者の
発言を引用し、ベトナムの外交政策の現状を分析している。

 ◇比とも戦略的関係強化
 米国はフィリピンに対し、中国寄りの姿勢を取っていた前大統領
から昨年、政権交代したアキノ政権に積極的な軍事支援を開始して
いる。米政府によると、米国の対外軍事融資額も09年2800万
ドルから10年に2900万ドルへ増額した。

 今年1月にフィリピンを訪問した米国のキャンベル国務次官補は
、中国を念頭に、フィリピンとの間で、安全保障分野で戦略的に関
係を強化することを表明。さらに5月には、南シナ海の警戒用に、
米国沿岸警備隊を退役した大型巡視船をフィリピンに売却した。

 一方、フィリピン国軍も、南シナ海の領海警備のため海軍力を増
強する方針を打ち出し、潜水艦の購入も計画している。

 軍事力の増強を進める中国は国産空母を建造中とされ、「空母キ
ラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル「東風21D」の配備を始めて
いる。同時に豊富な石油資源を埋蔵しているとされる南シナ海で、
石油探査活動を活発化。7月にも、中国で最大のオイルリグ(石油
掘削装置)を南シナ海に展開し、掘削を始めるとしており、地域の
緊張が高まっている。

 アジア安全保障会議を主催する英国際戦略研究所は会議を前に「
アジアの軍拡競争の抑制」と題する論文を発表。その中で「中国は
台湾問題だけでなく、南シナ海を念頭に置いている。東南アジア各
国は、米国の戦略的役割が将来、低下することへの懸念から、中国
の冒険主義を防ぐため、軍の近代化を進めている」と分析した。

 ◇アジア安全保障会議◇
 アジア太平洋地域の安全保障問題を議論する会議で、英国のシン
クタンク「英国際戦略研究所」が主催し、毎年1回、シンガポール
で開催している。各国の国防相クラスが参加し、講演を行うほか、
個別会談も実施。今年で10回目で、ゲーツ米国防長官や中国の梁
光烈国防相らが講演する。

毎日新聞 2011年6月4日 2時34分
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中国が南シナ海に建造物新設 フィリピンが抗議
2011年6月1日21時25分

 フィリピン外務省は1日、中国と領有権の主張が対立している南
シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で中国が建造物の新設を始めた
として、中国大使館員を5月31日に呼んで抗議したことを明らか
にした。 

 同省によると、フィリピン・パラワン島中央から西北西125カ
イリ(約232キロ)のイロキス礁付近で先月、中国の海軍艦艇と
海洋調査会社の船が建設資材を下ろし、杭とブイの設置を始めたの
が確認された。 

 フィリピンは同礁を自国の排他的経済水域(EEZ)内としてお
り、ロサリオ外相は「2002年に中国と東南アジア諸国連合が南
シナ海での新たな建設行為をしないと合意したことに反する行為だ
」と中国を強く非難した。 
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シナ海 中国が調査妨害
2011年6月1日 東京新聞朝刊

 【バンコク=杉谷剛】ベトナム東沖の南シナ海で、調査活動中の
同国探査船のケーブルを中国の監視船が切断する事件があり、ベト
ナムが中国を激しく非難、両国の緊張が高まっている。強大な軍事
力を背景に南シナ海での領有権拡大を図る中国は、主権を主張して
真っ向から反論しており、ベトナムは今後、国際社会に訴える構え
だ。

 ロイター通信などによると、ベトナム中部フーイエン省沖百二十
カイリ(約二百二十キロ)の海域で二十六日、国営石油会社ペトロ
ベトナムの探査船が水中にケーブルを伸ばしていたところ、近づい
てきた三隻の監視船の一隻がケーブルを切断した。

 同社のドー・バン・ホー副社長は「中国船は猛スピードで近づき
、われわれの警告を無視してケーブルを切断した」と批判。

 ベトナム外務省のグエン・フオン・ガー報道官も日曜日の二十九
日に異例の会見を行い、「ベトナム海軍は主権と領土を守るために
必要なことはすべて行う」と警告。現場は完全に同国の排他的経済
水域(EEZ)であると主張した。

 中国は南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の領有権をめ
ぐり、ベトナム、台湾、フィリピンなど沿岸五カ国と対立。西沙(
同パラセル)諸島ではベトナムと争っている。今回の海域は両諸島
よりもベトナムにかなり近く、中国が係争地にしようと強引に事件
を引き起こした可能性も指摘されている。

 南シナ海ではこれまでもベトナムの漁船が中国の監視船に拿捕(
だほ)され、中国の覇権主義への対抗は近年、東南アジア諸国連合
(ASEAN)の主要テーマの一つになっている。

 六月三日からはASEANと日米中の国防相らが参加する「アジ
ア安全保障会議」がシンガポールで開かれ、南シナ海問題が争点と
なりそうだ。
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米国防長官、東南アジアの米軍強化策発表へ
2011年6月1日12時21分

 キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は31日、ゲ
ーツ国防長官が3日からのシンガポール訪問で、東南アジアにおけ
る米軍のプレゼンスを強化するための具体策を示すことを明らかに
した。 

 ワシントン市内で講演したキャンベル氏は、国防総省が検討を進
めている地球規模の米軍再編・再配置で「北東アジアだけでなく、
東南アジアにはこれまで以上に、さらに地域全体に対して(米国の
)決意のメッセージを送る」と指摘。ゲーツ氏がシンガポール滞在
中に具体的構想のいくつかを公にする、と述べた。 

 国防総省高官によると、ゲーツ氏は「アジア安全保障会議」に出
席するためシンガポール入りし、3日に日本の北沢俊美防衛相、中
国の梁光烈国防相らと会談。米軍強化策は4日に予定されている講
演で話すとみられる。(ワシントン=村山祐介) 
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パキスタン、中国当局に海軍基地の建設を要請

【大紀元日本5月30日】パキスタンは中国当局に対し、海軍基地の建
設への協力や、中国海軍の同基地での駐留などを要請している。米
パ両国の関係が最近険悪ムードにある中で、パキスタンが中国当局
との同盟関係をさらに強化しようとしていると専門家は指摘してお
り、実現すればインド洋上の軍事力バランスが根底から変わるとい
う見解を示している。

 パキスタンのムフタル国防相はこのほど英フィナンシャル・タイ
ムズ紙に、国内のグワダル港の運営と、同港での海軍基地の建設な
どを中国当局に要請したことを明らかにし、ギラニ首相が先回、中
国を訪問した際、正式に中国当局に申し出たという。

 パキスタン南西部にあるグワダル港は2002年に着工、200
7年に開港し、パキスタンで唯一の大型貨物船に対応できる港とな
った。当初から中国当局が8割の建設資金を提供している。現在は
シンガポールの会社に管理を託しており、30余年後に契約満期を
迎える。一部の報道によれば、パキスタン政府は同管理契約の見直
しを検討しており、中国当局に管理契約を譲渡することを望んでい
るという。
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米軍規模縮小へ、部隊編成見直し…国防長官

 【ワシントン=小川聡】ゲーツ米国防長官は24日、ワシントン
市内で講演し、今後12年間で4000億ドル(約33兆円)の国
防予算を削減するとのオバマ政権の計画を達成するため、米軍の規
模縮小を念頭に、陸海空海兵隊の部隊編成の見直しに着手したこと
を明らかにした。

 長官はこの中で「財政圧力により米軍の規模を縮小しなければな
らないとしても、決定的に重要な国家安全保障上の要請を満たす軍
の能力を保つことが最も重要な目標だ」と述べた。具体例として最
新鋭ステルス戦闘機F35の配備などを挙げ、「ロシアと中国に対
する十分な優位性を確保する」と強調した。

 さらに「緊急性の低い任務を縮小・廃止する場合、世界各地での
軍事作戦にどのような影響があるかを意識しなければならない」と
指摘した。米議会には、予算削減のために沖縄を含む海外での米軍
展開を見直すべきだとの声があるが、長官は慎重に進める考えを示
したものとみられる。

(2011年5月25日10時55分 読売新聞)
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ASEAN:南シナ海問題で協力強化…国防相会議
 【ジャカルタ佐藤賢二郎】東南アジア諸国連合(ASEAN)は
19日、インドネシアのジャカルタで国防相会議を開き、一部加盟
国と中国が領有権を争う南シナ海問題や防衛面での協力強化を盛り
込んだ共同宣言を採択した。

 06年のASEAN国防相会議開始以来、共同宣言で南シナ海問
題に言及するのは初。同海域での「航行や上空飛行の自由」の重要
性を再確認する文章などを盛り込み、2国間交渉での解決を主張す
る中国をけん制した。

 また、会議では15年のASEAN共同体構築に向けた防衛面で
の協力などについても討議。平和維持活動の能力向上のための「A
SEAN平和維持センター・ネットワーク」構築を承認し、防衛産
業の連携を強化して軍事面での技術向上を目指すことでも合意した。

毎日新聞 2011年5月19日 21時00分
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米中両軍の制服組幹部が会談 中国総参謀長7年ぶり訪米
2011年5月18日10時16分

 訪米中の中国人民解放軍の陳炳徳・総参謀長は17日、米軍制服
組トップのマレン統合参謀本部議長とワシントン郊外の国防総省で
会談した。その後の共同会見は「協議を継続するため」(米当局者
)として急きょ延期されたが、軍事交流継続の重要性などを確認し
た模様だ。 



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