3998.東北復興について



東北復興案については、東日本大震災復興構想会議(議長・五百旗
頭(いおきべ)真防衛大学校校長)は、5月10日復興構想7原則
を決定している。
1.鎮魂の森、モニュメント、2.地域、コミニティの復興、3.
東北に技術革新を、4.災害に強い町つくり、5.復興と日本再生
の同時進行、6.原発事故の復興、7.国民全体で復興を支援

この7原則に沿って、3つの重点的な検討として、
・津波で被災した土地を国が一時的に買い上げる際の権利調整
・税制優遇や規制緩和を地域限定で進める「復興特区」
・被災地の子ども・弱者が安心して生活できるような環境整備

政策が注目される一つに「復興特区」においての税制優遇と規制緩
和などがあげられます。

この構想に対して、宮城県は震災からの県の復興計画案で、東北地
方への首都機能移転を国に求めていくとしている。まずは、国の機
関としての復興再生院を仙台に置くことを主張するようだ。

また、復興特区構想から、日本経団連は東日本大震災からの復興に
向けた提言「復興・創生マスタープラン」を発表し、その中で被災
地全域を「震災復興特区」に指定し、規制緩和や税制優遇措置を機
動的に講じるように提案した。

政治は、現地の被災者と他の国民や構想メンバーなどの議論の積重
ねが必要である。民主主義の政治では各段階の人たちの合意形成が
必要であり、そのためには時間が必要になる。

しかし、現時点では、国は早く被災者に金を渡す必要がある。この
ためにはガレキの整理作業がそろそろ終わるので、次の土木工事量
が大きい仕事を作り、土木作業員として漁民や農民を早く雇うこと
である。同時に進めら得ている仮設住宅の建設は大工の仕事であり
、地元民を多くは雇えない。

また、被災地の土地の買取を至急に進めて、キャシュフローを絶や
さずに二重ローンの問題を解消して、地元銀行の倒産を防ぐ必要も
ある。

また、農林省は、農林中央金庫に協力を求め、融資の焦げ付きなど
で経営が悪化した農協・漁協組合に資本を注入しやすくする案を持
っているが、これも早くすることである。これもキャシュフローを
絶やさない策として重要である。

早く被災地を国有地にして、そこを埋め立てして、風力発電や太陽
光発電を作ることはよいが、そこまでの送電線やバックアップ火力
発電所の建設をする必要がある。東北電力は需要電力が大きくない
ので、火力を大量に持つ需要が大きい東京電力管内に送ることが必
要になる。

しかし、東電は債務超過で余裕がないので、国が肩代わりで直流送
電線などを整備することが必要になる。いろいろな構想は詰めると
、次の問題点に突き当たることになる。

というように革新的な技術を導入するには、その周辺の整備も必要
になる。

同じように、宮城県は高性能の次世代送電網「スマートグリッド」
を使って自然エネルギーを供給する「エコタウン」構想を提唱する
方向で検討しているというが、その前にしておくことが多く問題が
あることを認識しておいたほうが良い。

また、環境省は東北地方を最先端の資源循環ビジネス拠点として再
生を図る東日本大震災復興方針を発表したが、国立公園化よりこち
らの方が産業規模が大きいので、地元民によってはありがたいはず
である。小坂にある同和鉱山にある資源回収工場を三陸地域にでき
れば、雇用人数が非常に大きいはずである。

もう1つ、藻からの石油やススキからのバイオエタノールなどの産
業を起こすと、経産省または文科省辺りから案が出てこないでしょ
うかね。期待したいが??
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東日本大震災:宮城県 首都機能の移転を国に求める方針 

 宮城県は、震災からの県の復興計画案で、東北地方への首都機能
移転を国に求めていく方針を固めた。 
都市構造を見直して災害に強い街を整備、首都直下地震などでは政
府の危機管理機能を代替する拠点としたい考えだ。 

 県は震災復興計画の策定に向け有識者会議「県震災復興会議」(
議長、小宮山宏・三菱総合研究所理事長)を発足。 
同会議委員の寺島実郎・日本総合研究所理事長は「副首都機能を東
北に作ることが将来の日本を考えると重要」と発言していた。 
村井嘉浩知事も政府の復興構想会議などで「首都圏から近い東北に
国の災害対策本部などを代替する拠点を設ける必要がある」と訴え
ていた。【宇多川はるか】 

毎日新聞20110525 
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ファイル:経団連が震災復興特区など提案
 日本経団連は27日、東日本大震災からの復興に向けた提言「復
興・創生マスタープラン」を発表した。被災地全域を「震災復興特
区」に指定し、規制緩和や税制優遇措置を機動的に講じるよう提案
した。政策の迅速な実現のため、「司令塔」となる組織の早急な設
置を求めた。法人税や固定資産税の減免で企業集積を図るほか、農
林水産業の競争力強化のため、大規模農地を運営する農業法人の設
立を促すことなどを求めた。被災者の住宅購入にかかる消費税の非
課税化、住宅や家電のエコポイント制度の拡充も要望した。

毎日新聞 2011年5月28日 東京朝刊
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復興エコタウンに次世代送電網
'11/5/24中国新聞

 宮城県が作成を進める東日本大震災からの復興計画に、高性能の
次世代送電網「スマートグリッド」を使って自然エネルギーを供給
する「エコタウン」構想を提唱する方向で検討していることが24日
、関係者への取材で分かった。災害に強いまちづくりを目指し、沿
岸部を3地域に区分。それぞれの地形にあった防災体制を構築する
案も盛り込む。

 2020年度を目標に復興を目指すとした県の復興基本方針に、
有識者で構成する「県震災復興会議」などで出たアイデアを加えた。
県は6月3日の次回会議までに素案をまとめ、同会議や県議会など
での意見を踏まえ、8月中の最終的な計画策定を目指す。
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「復興再生院」自民案丸のみへ 民主、自公と協議入り
2011年5月24日12時52分

 民主党の玄葉光一郎政調会長(国家戦略相)は24日の記者会見
で、東日本大震災の復興基本法案について、自民党が設置を求める
「復興再生院」を法案に取り込むなど、自民党案をほぼ丸のみする
方向で、自公両党と協議入りしたことを明らかにした。 

 玄葉氏は復興再生院の権限について「復興政策の企画立案に加え
、(自民党案の)実施まで含めてもよい。(官邸と)意思疎通して
いる」と述べ、自民党案に譲歩することで菅直人首相の了解を得て
いることも明らかにした。 

 菅内閣は全閣僚が参加し復興政策を企画・立案する「復興対策本
部」設置を復興基本法案に盛り込んだ。自民党案は各省庁の復興関
連の権限や人員を復興再生院に集約し復興策の策定から実施までを
担うと定め、最大の溝となっている。
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被災地の農協・漁協に資本注入 農水省が支援案
2011年5月22日5時30分

 農林水産省は、東日本大震災の被災地にある農業協同組合(農協
)や漁業協同組合(漁協)への支援策をまとめた。農林中央金庫に
協力を求め、融資の焦げ付きなどで経営が悪化した組合に資本を注
入しやすくする。同省は、関連法の改正案を今国会にも提出する方
針だ。 

 農地が浸水による塩害を受けたり、漁船が流されたりするなど、
農水産業の被害額は約1兆6500億円(19日現在)に上る。岩
手、宮城、福島3県の農漁協は、組合員に計8千億円程度を貸し出
している。だが、例えば、JAいしのまき(宮城県石巻市)では約
1万7千人の組合員のうち170人近くの死亡が確認され、多くが
避難所暮らしを続けるなど、被災地では今後、ローンを返せなくな
る組合員が多数出てくるとみられる。不良債権が膨らむのは必至だ。 

 このため、農水省は、国や農林中金などでつくる「農水産業協同
組合貯金保険機構」から、被災した農漁協にお金を注入できるよう
にする。 
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東北を資源循環ビジネス拠点として再生−環境省が方針
2011年05月18日 19時25分日刊工業

 環境省は18日、東北地方を最先端の資源循環ビジネス拠点とし
て再生を図る東日本大震災復興方針を発表した。廃棄物を排出する
工場を中心とした「動脈産業」と、廃棄物を受け入れて原料化や燃
料化、レアメタル(希少金属)のリサイクル処理などに取り組む「
静脈産業」をネットワーク化し、廃棄物を資源とする大胆な再生エ
ネルギー拠点を目指す。



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