3994.日本の滅亡にかかわるその時に



日本の滅亡にかかわるその時に 
                                 虚風老   2011/05/22

この、日本全体の生存・存亡にかかわる、その根底条件を覆しかね
ない、危機の時に、まだ、目先の利害の争い、主導権を巡る政争、
自己の保身に、政・官・財・マスコミ・学がうつつをぬかすのであ
ろうか。。。

すべてが、失われかねない時に、自分(や、その勢力)の利害闘争
にそれを利用しようというのであろうか、大型の船の底が破損し、
沈まんとするときに、ネズミ達は牙をむきだして、互いに争うのか?

まず、「福島原発で、冷却が行えなくなったら、どうなるか」を根
底におかなければ、ならない。
もう、誰もか知っており、理解もしているとおもうが、そうなれば
、メルトダウンした核燃料が高温になり、さらに高レベルの放射線
が発せられ、即時的な殺傷や・障害を受けるために致死性のため、
どんな作業員もちかずけなくなり、そのまま放置されたら、コンク
リートで覆おうとしても、いろんなところから、水が入り込むので
石棺化もできず、いくつもの大爆発(水素爆発や水蒸気爆発・再臨
界から核暴走など)がおこり、その爆発によって、高濃度の放射性
物質(プルトニウムを含む)が大量に何回も(爆発的に一瞬にして
)、東北・関東・中部・東海まで、降り注ぎ、拡散された放射能は
、日本全国のみならず韓国にもとどき、ジェット気流にのって、ア
メリカ、そして、世界へと広がるだろう。

もし、その影響が最小、東北・関東だけであっても、日本は多くの
穀倉・農業生産地を失い、水が飲料不可になるために、そこに住め
なくなり、産業がすべて崩壊し、そこに住む数千万の人が西日本や
、北海道へ行ったとしても、それを収容しきれないであろうし、
また産業が崩壊するので、外貨が稼げなくなるので、エネレギー(
石油や石炭・ガス)が購入できなくなり、円も紙切れになり、食料
の輸入もできなくなる。

つまり、福島原発を収束させることができなければ、日本の崩壊と
滅びを意味している。

もうひとつは、これからは、「放射能」ともずっと付き合わなけれ
ばならないということだ。理想的な低濃度の放射能(原発事故前の
日本)というわけには既にいかなくなっている。福島からはこれか
らも漏れ出していくだろうし、これが完全に遮断されるまでには、
純技術的に考えても、長い時間がかかる。あるレベルの放射能下で
暮らすことも、それが嫌であっても、覚悟しなくてはならないだろ
う。

原発での作業員の被爆はたいへんな問題だが、(それをキチンとし
ないと、10数年にわたるだろうといわれる作業人を確保できなく
なる)ここの処理はこれから、ブラックホールのように、これから
多量の資材や財源や人員を飲み込むであろう。しかし、だからとい
って、たとえそこで何人が死ぬことになってもやりとげなくてはな
らない。ここは、日本が負わされた十字架なのだ。

次に原子力発電であるが、これは高レベル放射性廃棄物(使用済み
燃料)も処理がもう袋小路に入ってしまっているので(また、政治
・経済的に新規原発などできっこないので)、これを拡大や長期に
継続することは不可能な選択になった。

であるから、今ある原発が可動している10年位の間に、急速に他
の自然エネルギーを中心に幅広く代替エネルギーへドラスチックに
転換しなければならなくなった。
(化石燃料はどんどん値上がりすることは目に見えておる)
そこに大量の資本と社会システムの変換が必要になる。

福島原発の10k内外は、国有地化するしかないであろう。今国内
にあるある高レベル放射性廃棄物は、どこかで集中管理しなければ
ならないので、結局ここにもっていくことになるだろう。(今まで
、そこに住んでいた住民の方々のことを思うとこころが傷むが)

東北地方の復興も、日本全体の力(経済力)があってこそ可能になる。

利害の争い、感情の憤懣、そんなことをしていては、日本は滅んで
しまう。あらゆる力と金を結集しなければならない。
利害を選んではいられない。

          虚風老


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