3974.福島第一原発地域の利用法



徐々に東日本大震災後の復興計画を立てる必要があるが、このまま
であると、後手後手に回っている感じがする。地元の要望を聞く復
興会議でないとおかしいし、水産加工の中小企業の苦境に資金手当
てもなく放置すると、岩手県・宮城県は就業できる地元企業がなく
なるような気がする。     津田より

0.はじめに
福島県の浜通りは、それより悲惨で、福島第一原発で立ち入りも出
来ない。冷温処置ができたら、この30KM範囲と飯館村の産業を興
す必要があるが、農業も水産業も放射線物質があるために、無理が
ある。

このため、孫さんは、太陽光発電を行うとか風力発電を行うとかの
提案をしているが、風力は飯館村の山間部に風の強い所があるが、
それ以外は4M/S以下の風であり、無理がある。水力発電も河川の
高低差がある所だけが可能である。

地熱発電も福島第一原発の30Km範囲には火山がないので、ほとん
ど無理である。

太陽光発電は、1kwhで8万円程度の補助金と48円/KWHで買い取
ることがないと、投資回収に10年程度掛かり、ビジネスとして成
り立たない。PCは10年も持たないし、東電の買取を1KWHを48円で
買い取ると、それは現状の電力料金でも世界一高いのに、それに上
乗せになり、また福島第一原発の賠償金も乗り、非常に高いことに
なり、それには反対である。

各家が少量の太陽光発電を行うための補助金と余剰電力買取では、
それほど東電は負担にはならないので、これは進めるべきであるが、
大々的に集中した太陽光発電を行うのは反対がある。

それではどうするか??
この人が住めない空間で有効なビジネスを探すことである。それも
100年程度の長期にわたり続くことを前提にすると、見えてくる
ことがある。

1つには、全国の原子力には使用済み燃料棒が多数あり、その保管
場所に困っている。この保管場所として、福島第一原発の隣接敷地
に大プールを作り、その利用料金を東電は他の電力会社から頂くこ
とで、その作業員の給与が稼げることになる。

福島第一、二原発も廃炉であろうから、電気を生み出すことはない
が、使用済み燃料棒であっても水での冷却が必要であり、作業員は
今後も常に必要になる。このコストを燃料棒保管ビジネスで生み出
すことである。

今後、福島第一原発の炉内からは燃料棒を取り出すことは出来ない
で、水での冷却を行う水棺にするのであるから、どうしても監視員
を置くことになる。それなら、全国の使用済み燃料棒も管理すれば
良いことになる。問題が出ても、どうせその地域に人がいないので
大きな問題にはならない。

浜岡原発を停止して、その後、燃料棒を福島第一原発に運び、管理
するしかない。燃料棒が浜岡からなくなるまでに数年かかるが、浜
岡を止めるためには、福島の地が必要なのである。

これだけでは、ビジネス規模が小さいので、これより大きなビジネ
スを見つける必要がある。願わくば、放射性物質の除去もできるビ
ジネスであってほしい。バイオレメディエーション、ファイトレメ
ディエーションである。

1.植生革命を福島から
人がいない大規模な土地がある。ここで育てるのは、ファイトレメ
ディエーションができるひまわりやイネがある。このひまわりから
エンタノールを作ることが考えられる。痩せた土地では、ススキを
栽培して、そこからエタノールを作ることを考える。

このできたエタノールを燃料とした火力発電所を作り、電気を東電
に売るか、東電が設備をして、発電するかをすれば、大産業になる。
エタノール工場も出来るが、汚染の少ない30KM当たりに工場と発
電所を作り、雇用を作ることである。

また、「オーランチオキトリウム」を培養して、石油を作る。この
時、水が汚染されていなければ、放射物質は付かない。ここでも石
油火力発電所を構築して、電気を作ることにする。バイオ燃料発電
の方が、太陽光発電や風力発電より、電気の質が高いし、コストも
結果的に少ない。

もう1つが、山間部などは森にして、100年杉を育てれば、セシ
ウムの半減期30年の3回で、12%程度に減っているので、その
後切り出せばよい。その間、間伐材からリグニンを取り、それを放
射性物質の吸収剤として使用することも考えられる。早期に土地を
クリーン化できる。

このように福島の浜通りは植生・エネルギー革命の最先端の位置に
なる。そうすれば、日本全体にとっても、非常に良いことになる。
この福島から日本が変わることが出来る。

2.日本の取り巻く環境
 今後、石油の時代から電気の時代になる。発展途上国や新興国の
経済発展で、需要が伸びる石油や食糧は価格が上昇してくる。この
とき、日本の食糧は国産にすることであり、エネルギー資源も日本
国産にしていく必要があった。

丁度その時に、福島第一原発が事故を起こし、その広大な土地が未
利用地域になる。ここはエネルギー植物の実験も兼ねた大産業を興
すチャンスに恵まれたように感じる。また、メタンハイドレードな
どが日本近海に発見されて、それを利用した燃料電池なども実用化
されるはずである。

このように、日本は次の時代を開く大きな機会を、この事故で開い
ている。日本全体を循環型社会にできるチャンスである。海外に工
場を日本企業は行うために、自動車やAVの部品輸出がなくなり、経
常収支は赤字になる。そうすると円安になり、海外からの輸入が高
価になり、できずらくなる。

このため、都市鉱山からメタル、レアメタルを生産することになる
し、コストを切り詰めるために農業も有機農法になるしかない。

日本のピンチをチャンスに置き換えるには、新しい指導者が、それ
なりの構想で国を作るしかない。

新しい指導者の出現を願いたい。

さあ、どうなりますか?

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