安心と安全が売りだった「メイド・イン・ジャパン」の信頼が大き く揺らでいる。放射能汚染という「風評被害阻止は可能か」という と無理とYSさんは論評している。電力不足まで追い討ちをかけるの で、企業は国外脱出を目指し、地震によって宙に舞ったタンポポの ように新天地を求めてさまようという。 財部誠一氏もこう書いている。「このままでは、産業の空洞化が恐 ろしい勢いで進むかもしれない。正直私は背筋に寒気を覚える。」 と。 最悪シナリオとして「タンポポ・ジャパン」や一年に一度は日本に 戻ってきてという「タナバタ・ジャパン」であるともいう。 しかし、その時に何が日本を支えるのであろうか?? 自動車やAVとその部品や素材産業が日本脱出し、製販一体型小売 (ニトリ、ユニクロなど)は半分海外に出ているが、日本市場より 世界市場に打って出ていく。 既に化学プラントのエンジニアリング会社である日揮や千代田化工 などは世界に出て、80%以上が海外ビジネスという所もあるが、 この会社で工程管理しているには、ほとんどが日本人社員とのこと。 日本文化の繊細さが日本企業のベースを支えている。今度の福島第 一原発事故でも、フクシマ50と言われたように、普通の日本人の 根性は他国人には無いものを持っている。 しかし、この日本文化は明示化されているかというと、されていな い。暗黙知の中で、日本という風土がその文化を育てているのであ る。 企業は世界に出て行くことは、これはショウガナイが、日本文化を 忘れないで、次世代の日本人を作るために、日本の風土を保持する ことが企業にとっても必要である。本社、研究所、教育機関、そし て老後の人生を日本の自然の中で送るような計画を立ててほしい。 ふるさと日本を忘れないで、3年に1回は社員を日本に戻して、日 本文化を取り戻させてほしいものである。師弟教育も日本で出来る ような体制をとってほしいとも思う。 日本はユダヤ人のイスラエルのように、骨休めに戻る場所としての 位置になることである。環境と観光と教育の国にするべきである。 その上で、世界に出て、世界に貢献するのが日本企業の使命である。