3947.想定外が多く、原発災害へ



「安全神話」で多重保護機能が脆弱になっていたことが明らかにな
り始めている。       Fより

東京電力福島第一原発の1、3号機で発生した水素爆発は、経済産
業省原子力安全・保安院が想定していない事態だったという。想定
外の事態と、また、ここでも言っている。何回想定外が続くのであ
ろうか??

津波に対して想定外なので、冷却用水プールの防備もしていないし
冷却水ポンプの保護はしないし、非常用電源がなくなることは想定
外で、そのような訓練もしていないというより、1970年代まで
は、非常用電源がなくなっても冷却できるように設計していたが、
コストが高くなると、非常用電源がなくなることはないという設計
基準に原子力安全委員会はしたという。また、使用済み燃料棒が再
臨界になる可能性も否定して、その可能性も想定外である。

人災というより、電力会社と結託した犯罪的な匂いがする。いくら
コストを削減しても、一回、このような重大事故を起こすと、その
補償費の方が高くなる。しかし、その補償費も国が肩代わりする法
律があり、電力会社は利益のために御用学者たちをそそのかして、
安全基準を不安全基準にしたようだ。

しかし、7日深夜に最大震度6強の余震でも、東北の原発や原子力
施設は大きな影響を受け、一部の原発で外部からの電力供給を断た
れたほか、外部電力の復旧後も非常用電源(ディーゼル発電機)が
故障したという。このように非常用電源がなくなることは確率的に
は高い。

このため、日本政府は想定以外としたいろいろな事象に対しても、
米国防総省、NRCは、福島原子力発電所事故に関し、あらゆるシ
ナリオに対処する能力を準備、維持しなければならないとの考えを
示した。日本の政府機関や東電は想定外として、事態自体を考えて
もいないために、このような異常事態になると、準備がないことに
なっている。このため、米国NRCやフランスアレバからのアドバ
イスによって、作業を行うしかないことになっている。

石橋神戸大学教授によると、現在、日本列島はほぼ全域で大地震の
活動期に入りつつある。東海地震は他のプレート地震と連動して、
長周期の強震動になり、それで大津波を引き起こすことが予想でき
ると。東海地震のその予想震源域という、地下で地震波を放出する
と考えられている領域の真上に中部電力の浜岡原子力発電所がある
と。

地震の場合は複数の要因の故障が起こる。現時点でも原子炉建屋は
耐震、防水性が高いが、タービン建屋は耐震・防水性が劣り、非常
発電機自体の耐震・防水性はそれより劣り、配管はもう少し劣る。
このため、7日深夜に最大震度6強の余震でも非常用電源がなくな
ることになる。止める機能は作動できるが、冷水機能が奪われる可
能性が高い。

ここは、原発を直ぐに廃止できないが、危険度の高い物から順に段
階的に縮小することを考えることが必要である。

さあ、どうなりますか??
==============================
7割「原発減らすべきだ」=民間調査

 30年後の発電源に占める原発の割合について、72%の人が現
在より低下するのが望ましいと考えていることが8日、環境関連セ
ミナーなどを手掛ける「イーズ」(東京)の調査で分かった。
 それによると、望ましい原発の構成比は「大きく減少」が28%
、「ゼロ」「やや減少」がそれぞれ22%だった。一方、太陽光や
水力など自然エネルギーは増加を望む意見が多かった。
 また、東日本大震災や福島第1原発の事故でエネルギーに対する
考えが「変わった」は74%。このうち47%が「原発の安全性に
対する信頼が揺らいだ」、24%が「節電・省エネ意識が高まった
」と回答した。
 調査は5、6の2日間、全国の成人男女を対象に実施。1045
人から回答を得た。(2011/04/08-21:04 時事)
==============================
東日本大震災:余震震度6強 原発、もろさ再び
 ◇女川、東通、六ケ所再処理工場で電源喪失
 7日深夜に最大震度6強を観測した東日本大震災の余震で、北海
道から東北の原発や原子力施設は大きな影響を受けた。一部の原発
で外部からの電力供給を断たれたほか、外部電力の復旧後も非常用
電源(ディーゼル発電機)が故障した。今のところ、東京電力福島
第1原発(福島県)のような深刻な事故にいたっていないが、今後
もマグニチュード7級の余震が起こる恐れがあり、経済産業省原子
力安全・保安院は「安全策をもっと担保する必要がある」と指摘す
る。地震国・日本で、原発の電力確保が「綱渡り」であることが改
めて浮き彫りになった。【足立旬子、平野光芳、西川拓、永山悦子】

毎日新聞 2011年4月9日 東京朝刊
==============================
水素爆発は想定外の事態だった…保安院認める

東京電力福島第一原発の1、3号機で発生した水素爆発は、経済産
業省原子力安全・保安院が想定していない事態だったことがわかっ
た。

 保安院が8日夜、記者会見で明らかにした。
 水素ガスは、原子炉内の水位が低下し、核燃料棒が水から露出し
て高温になると発生する。
 しかし、保安院によると、圧力容器を囲む原子炉格納容器には通
常、窒素を充満させており、水素と反応して爆発を引き起こす酸素
はほとんど存在しない。実際には、1号機で3月12日、3号機で
は同14日に、格納容器のさらに外側の原子炉建屋で、水素爆発が
起きた。

 保安院側は「設計上は格納容器から水素が漏れないようになって
いる。国の安全審査でも、漏れてしまったらどうするかという設計
上の手当てはされていない」と認めた。

(2011年4月8日22時27分 読売新聞)
==============================
トモダチ作戦、重点は原発事故に…米軍司令官
読売新聞 4月9日(土)3時19分配信

 東日本大震災で米軍が展開中の「TOMODACHI(トモダチ
)作戦」を指揮するパトリック・ウォルシュ米海軍太平洋艦隊司令
官(56)は8日、東京・米軍横田基地で、読売新聞などと会見し
、今後も作戦を継続する方針を明らかにした。

 ただ、今後は福島第一原子力発電所の事故への対応などに活動の
重点を移していく考えを示した。

 司令官は、原発事故への米軍の対応について、「課題はたくさん
あり、作戦を終了しようと(上司に)進言するつもりはない。日本
の危機が終わる日を見届けたい」と述べた。

 自衛隊との関係については、折木良一統合幕僚長と毎日30分以
上の電話会談を行い、「緊密な連携をとっている」とした。トモダ
チ作戦を「日米両国民の友情と緊密な連携の象徴」と位置づけ、「
日米両国がこの震災にベストの対応をしたことで、日米同盟がさら
に強くなったと思える日が来るかもしれない」と意義を強調した。

 原発事故に関する日本政府からの情報提供に関しては、「データ
は透明性が高く、重要なものだ」と評価した。米軍による今後の支
援については、「海軍の原子力技術者ら専門家が日本に駆けつけて
いる。個別の要望があれば、支援は惜しまない」と多方面で協力す
る考えを示した。
==============================
あらゆるシナリオに備えを=福島原発事故で米国防総省

 【ワシントン時事】米国防総省のモレル報道官は5日の記者会見
で、東日本大震災の被災地支援を通じて「日米同盟はより強固にな
った」と強調するとともに、福島原子力発電所事故に関し、あらゆ
るシナリオに対処する能力を準備、維持しなければならないとの考
えを示した。
 モレル報道官は、支援活動で兵力2万人と艦船20隻以上を投入
したことや、福島第1原発の問題で米海兵隊の化学・生物・放射線
・核(CBRN)対処部隊のほか多くの米専門家が日本に派遣され
ていることを挙げ、「日本の友人を助けるために深く関わり続ける
」と語った。
 また、福島原発の事態が予断を許さないことから、「さまざまな
方法で対応する能力を維持しなければならない」とした。
 米政府の暫定予算が8日に期限を迎えることについては、予算措
置が切れた場合でも「われわれは国家安全保障上、重要な活動を継
続できる権限と能力がある」と説明。アフガニスタンやイラク戦争
、リビアでの軍事作戦とともに日本への人道支援を例に挙げ、「任
務を維持できる」と述べた。(2011/04/06-11:40)



コラム目次に戻る
トップページに戻る