3944.哀しい桜



饗宴をやめて、花を見よ。

皆様

花見の自粛といいますが、花だけ見て、宴会を自粛すればよいので
はないでしょうか。震災復興といいますが、もはや消費社会を卒業
すべきではないでしょうか。そんなことを考えました。
得丸久文


饗宴をやめて、花を見よ。消費生活ではなく共同社会を復興せよ。
                         
 花見を自粛すべきかどうかの意見があるが、そこに花が咲いてい
る以上、じっくりと花を眺めればよい。酒盛りして大騒ぎする饗宴
をやめればよいのだと思う。

 世界が日本に義捐金を送ってきているときに、日本人が浮かれた
宴会している場合ではないが、花に心を寄せることは思う存分やれ
ばよい。

 今回の地震と津波が、大祓の祝詞に登場する祓戸の大神の御業で
あるならば、それは過剰な消費生活、過度の自然破壊を行なってき
た人類文明の驕慢を正すのが目的だったと考えられる。

 文明を反省せよ。エネルギー危機、食糧危機に苦しむこれからの
時代に、つましく、勤勉に、お互いに助け合って生きていけるよう
、新しい文明をつくりだせ。これが祓戸の大神の思し召しではない
だろうか。

 だとすれば、復興すべきは、今までのような街ではない。物をあ
まり所有しない、近所との間に垣根のない、江戸時代の長屋のよう
な生活ではないだろうか。今の避難所の生活は、とても大変だと思
うが、もしかしたらその大変さの中に、思いやりや喜びや生きがい
といった新しい価値が発見されているのではないだろうか。

 それらの価値を中核にして、復興を行えばよいと思う。それが世
界の人々に対する恩返しになるのではないだろうか。

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哀しい桜

今年の桜は遅いようです。

久しぶりに所用で出かけ、東横線の中目黒あたりで
車窓から見下ろす目黒川の五分咲きは、風に震えておりました。

深更に帰るさ 並木のご近所桜のようよう花をつけた見上げる枝も
哀切でした。眺めるがわの反映でしょうか。

  地震(なゐ)ふるも 桜はただに花ひらく
   見上ぐる情(こころ)哀しくあるらむ

  暗闇にさくらの花は ほのじろく
   しづかに咲けり 時過ぎゆくも

  この花も 筏となれり 水の面(も)に
   いかに眺めむ この桜花(さくらばな)

                  日比谷
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日比谷さん、

花に哀切を感じるのは我々の心が哀切なだけで、
今年の花が遅いことに、
国中で暖房を控えていることが影響しているだけなら、
花は遅咲きを喜んでいるかと思っていました。

でも実は花も地震や津波や放射能の異変を
感じているのかもしれませんね。

平年は花見客でにぎわうのに、
今年はいったいどうしてこんなに静かなのと
花は心を痛めているのかもしれませんね。

 花愛でる人の声なき宵闇は街ごと冷えておづおづと咲く

 酔客の声も愚行もなつかしき夜風冷たく幹を震わす

 文明はいまや滅びの真っ盛り散るを愛でよと花は咲くらむ

得丸久文
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深山に咲く山桜を愛でずして、桜を語るのは大和民族としては片手
落ち、倣岸に言い捨ておく、〇〇でした。

地下のマグマの動きによるのか、はたまた太陽の黒点の減少期との
関連か、赤壁の戦いに勝利の予言した男、森羅万象、孤において修
練成果の賜物、知恵現代の劉備玄徳は未だ現れず。

浅山
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日比谷さん

自粛の時こそ静かな花見が楽しめますね。

 提灯ものぼりもなくてなまめかし
  桜の幹に女神宿れり

 酔客の声も愚行も懐かしき
  人の楽しみ花は許せり

 文明の盛りはすでに過ぎさりて
  散るを愛でよと花は咲くらむ

 見るひとのなきこと寂し花の道
  鳥声ひびく後は任せよ

 東京の花は祈るやみちのくの
  潮をかぶりし桜の無事を

得丸


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