3929.昭和21年秋・チェルノブイリに学ぶこと



昭和21年秋
From: Eiichi Morino

震災から一週間。当日東京のはずれで地震に遭遇し、帰宅難民とな
って翌日昼過ぎにようやく家にたどりつくまで難儀を重ね疲労困憊
したこともありますが、こんな状況でネットに負荷をかけないため
にもネット利用は自粛していました。

思い返すべき時代はいよいよ石橋財政のころなのかなという感があ
りますね。産業基盤崩壊の供給ショックのなか「インフレ坊主」の
賛美者、批判者も輩出するでしょう。人によっては昭和初期の国家
紙幣の発行まで念頭に置かれるでしょう。

敗戦後の経済復興会議が自壊していった歴史も繰り返すでしょう。
政治家も官僚も経済界も当時と比べて劣化しきっていますし。
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高木仁三郎「科学は変わる」、「反核シスター、ロザリー・バーテ
ルの軌跡」、今朝の小出裕章
From: tokumaru
皆様、

福島第一で何がおきているのか、さっぱり伝わってきません。
それはそれで「情報」として価値があります。

「二階から目薬」の自衛隊ヘリによる散水は、誰が見ても「焼け石
に水」であり、それを何度も何度も報道するのは、おそらく時間稼
ぎをしているのでしょう。

関東から人々が逃げ出すと、大変な混乱が生じるから、情報を行動
に変換できる人だけが移動するための時間稼ぎかもしれません。

私はたまたま実家の父が入院したので、大分に帰ってきました。

すると、故・高木仁三郎さんが、スリーマイル島事件の前に、炉心
空焚き問題を指摘していた「科学は変わる」という本が本棚にあり
ました。

http://cnic.jp/takagi/life/index.html

http://www.sam.hi-ho.ne.jp/quimito/takagi.html

また、テレビで低容量被曝なら大丈夫という報道を見ていて、かつ
て東京にロザリー・バーテルがきて講演したときに、まるっきり逆
のことを言っていたことを思い出しました。

http://books.yahoo.co.jp/book_detail/AAT54130/

状況は深刻化しているのだと思います。

今朝の小出裕章さんのインタビューをお届けします。

とくまる
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福島原発事故/京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏電話インタビュー
2011年3月18日 ビデオニュース・ドットコム

青木理氏 
 17日午前、福島第一原発2、3、4号機で白煙が確認された。自衛隊
が空から放水するなど、冷却作業が続いている。
  
 福島原発事故の現状と今後想定される問題点について、京都大学
原子炉実験所助教の小出裕章氏に、ジャーナリストの青木理が聞い
た。
  
青木: 東京電力福島第一原子力発電所の状況が深刻化しています。
緊急性が高いニュースなので、京都大学原子炉実験所助教の小出裕
章さんにお話を伺おうと思います。小出さん、よろしくお願いします。
  
 まず、今最も懸念されているのは、「メルトダウン」がさらに進
むことだと思います。今、一部炉心溶融が起きている。ただし、一
般に言われている「メルトダウン」にはまだ達していないという認
識でよろしいでしょうか。
  
小出: 私もそう思います。
  
青木: 「メルトダウン」が起きれば、どういう状況になるのでし
ょうか。
  
小出: 皆さん、原爆はご存知だと思います。広島に落とされた原
爆で燃えたウランの量は800グラムでした。現在、私たちが使用して
いる原子力発電所は日本に54基あり、平均して1基につき100万キロ
ワットを発電します。100万キロワットの原発が1日稼動すると、ウ
ランを3キロ燃やします。つまり、広島型原爆3〜4発分のウランを燃
やすわけです。それによって作られたエネルギーの3分の1だけを電
気にして、3分の2は海に捨てるというのが原子力発電所という機械
です。
  
青木: 海に捨てるというのは、発熱したものを熱量として捨てる
ということですか。 
  
小出: そうです。1秒間に70トンの海水の温度を7度上げて、また
海に戻すという、なんとも言葉に尽くせないほどの膨大な環境汚染
をしながら発電する装置です。
  
青木: 今は、原子炉の燃料棒が冷やせない状態になり、その一部
に溶融が起きているというわけですね。確か、スリーマイル島原発
事故のときは燃料の45%くらいが溶けて下に落ちたと記憶していま
す。しかし、幸いにも底は抜けませんでした。福島原発では底が抜
ける可能性があるのでしょうか。
  
小出: スリーマイル島の事故のときは、電気が使えました。ポン
プも使えました。それでも事故になり、原子炉の半分近くが溶けて
しまいました。しかし、最終的にはポンプを回すことで原子炉を冷
やし、最悪の事態を免れたわけです。
  
 福島原発の場合は一切の電源がなく、ポンプも回らない状況です。
消防のポンプ車を使って冷却水を回す方法を思いつき、一気に破局
的な状況にいくのを食い止めているのが現状です。しかし、事態は
日が経つにつれて悪化しています。
  
青木: 政府や東京電力は「まだ大丈夫」と言っています。それが
嘘だとは言いませんが、事態はどんどん悪化しており、今後は最悪
のことも考えなければならないと思います。いわゆる「メルトダウ
ン」が起きると、格納容器に穴が開くのでしょうか。それとも爆発
するのでしょうか。
  
小出: 色々な可能性が考えられます。原子炉の燃料が存在してい
る場所を炉心と呼びます。炉心を包んでいるのは、鋼鉄の巨大な圧
力容器です。燃料が溶けるか「メルトダウン」してしまうと、圧力
容器の底に落ちます。その部分に水が残っていると、水蒸気爆発と
いう現象が起きます。爆発の規模にもよりますが、もし大きいと圧
力容器が壊れてしまうこともあります。
  
 原子炉圧力容器の外側には格納容器があります。原子炉圧力容器
が水蒸気爆発で破壊される事態になれば、格納容器もたぶん壊れて
しまいます。そうなると、放射能を閉じ込めるすべての容器が壊れ
てしまうことになってしまいます。
  
青木: 燃料が溶けることで床が抜ける可能性もあり、水がたまっ
ている場合は水蒸気と反応して爆発を起こし、最悪の場合は格納容
器も壊れてしまうということですね。
  
小出: 青木さんがおっしゃったように、水蒸気爆発をしなくても
、「メルトダウン」した炉心が圧力容器の底を抜く可能性はありま
す。炉心は2800度にならないと溶けません。しかし、圧力容器は鋼
鉄なので、1500度にもなれば溶けてしまいます。2800度の溶融体が
溶けて下に落ちれば、もちろん圧力容器も溶けてしまいます。その
外側の格納容器に水が残っていると、また水蒸気爆発をする可能性
があるわけです。
  
青木: 経産省原子力安全・保安院は、今回の事故を国際原子力機
関(IAEA)が定める8段階の国際原子力事象評価尺度で、「レベル4
」としています。
しかし、フランスなどは上から2番目の「レベル6」だと言っていま
す。スリーマイル島の事故は「レベル5」、チェルノブイリ事故は一
番上の「レベル7」ですが、この原子力安全・保安院の「レベル4」
という考えは論外なのでしょうか。
  
小出: 論外です。スリーマイル島の事故は越えています。
  
青木: 複数の原子炉が同時多発的に制御できなくなっている現状
を見ると、チェルノブイリ事故以上の事象と言えるのでしょうか。
  
小出: 最終的な結末はわかりませんが、いま炉心が溶ける危機に
直面している原発が1、2、3号機と3つあります。その出力を全部合
計すると、200万キロワットを超えます。チェルノブイリの原発はち
ょうど100万キロワットの出力でした。今回はその2倍に相当する放
射能と戦っているわけです。それが出てきてしまえば、チェルノブ
イリを超えてしまうわけです。
  
青木: ここから先は、ご覧になっている方にも冷静に考えていた
だきたいし、私もパニックを誘発したくはないですが、最悪のケー
スを想定する必要はあると思います。仮に原子炉が完全に「メルト
ダウン」した場合、首都圏への影響はどの程度あるのでしょうか。
  
小出: 風向きなどによると思います。西風がずっと吹いていれば
、出てきた放射能は太平洋の方にいくので東京は助かります。しか
し、現に今東京で放射能が検出されるように、風向きはころころ変
わるわけです。すべての放射能が海に流れるわけではありません。
東京にも当然届くかと思います。ただし、どのくらい届くかはわか
りません。
  
青木: 放射線は放射能物質とは違いますよね。放射線は原発から
離れれば離れるほど、弱くなると考えて良いのでしょうか。
  
小出: 放射線を放出する物質が、原発の中にある限りはそうです。
  
青木: それが、放射線物質として拡散してしまうとどうなるのでしょうか。
  
小出: 拡散して表に出てしまえば、拡散したもの自体が放射線を
出すので、どこにいてもだめです。
  
青木: 風向きが東京に向いていれば、東京の辺りでも相当な汚染
が広がる恐れがあるということでしょうか。
  
小出: たとえば、福島原発から東京までは200から250キロの距離
があります。チェルノブイリ事故のときどうだったかというと、ソ
連当局は30キロ圏内の住民を避難させて、無人地帯を作りました。
しかし、チェルノブイリの原発から200〜300キロ離れた彼方で、も
のすごい汚染を発見しました。なぜかというと、放射能を含んだ雲
が流れていき、その地域に雨が降ったからです。
  
 みなさんご存じだと思いますが、井伏鱒二さんという小説家が「
黒い雨」という小説を書きました。広島の原爆が落ちた時にきのこ
雲で死の灰が舞い上がりましたが、その時に雨が降りました。普通
の雨と違って黒く、町の白い土壁に黒い雨の筋が残るほどだったの
ですが、その雨に放射能が洗い落とされて混じっていたのですね。
その雨に打たれた被爆者たちが、さらに被爆したことをテーマにし
た小説です。放射能の雲が流れてきたときに、どこで雨が降るかが
決定的な問題になるわけです。
  
青木: その地域では、人体に直接影響のある汚染があったのでし
ょうか。
  
小出: 私はあったとは思いますが、放射線障害を診断するのは難
しいのです。亡くなったり、髪の毛が抜ければわかりますが、なか
なかわからないまま過ごしていたのだろうと思います。体の調子が
悪いと思いながら普通に生活していて、3ヶ月後にわかったといい
ます。
  
青木: 現在原発の周辺20キロが退避地域になっていますが、なん
とか現状で被害を抑えられた場合、この地域はどうなるのでしょう
か。
  
小出: 正確には答えにくいですが、東京にも放射能が拡散されて
いることが観測されているので、原発周辺は東京以上に汚れている
ことでしょう。その汚れがどの程度かという問題で、人々が住める
かどうかの判断をする必要があります。粗い推測ですが、現時点で
の汚染であれば、住民は戻ることができると思います。しかし、今
後さらに汚染が進むと、チェルノブイリのように封鎖しなければな
らなくなると思います。
  
青木: 現時点では、よく調べ除染すべきをすれば、住民が戻って
生活をできる可能性があるということですね。ただし、これ以上悪
化すれば、極端にいえば人が近づけないような状況にもなりかねな
いということですね。
  
小出: おっしゃる通りです。


出演者プロフィール

小出 裕章(こいで ・ひろあき)
京都大学原子炉実験所助教。1949年東京都生まれ。72年東北大学工
学部原子核工学卒業。74年東北大学学研究科原子核工学科修了。74
年から現職。伊方原発訴訟住民側証人。著書に『放射能汚染の現実
を超えて』、『隠される原子力 核の真実』、共著に『原子力と共
存できるか』など。
  
青木 理(あおき・おさむ)
ジャーナリスト。1966年長野県生まれ。90年慶應義塾大学文学部卒
業。同年共同通信社入社。大阪社会部、成田支局、東京社会部、外
信部、ソウル特派員などを経て06年退社。著書に『日本の公安警察
』、『国策捜査』、『絞首刑』など。

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20110318-01-0901.html
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チェルノブイリに学ぶこと
From: tokumaru

みなさま

何を信じてよいのかわからない、
危険なのか、安全なのか、

放射性物質がまき散らされているのかどうか
どれくらいの規模かのか、
どっちの方向に?

水源が汚染されることはあるのか
農地が、、、、

金曜日に小出さんたちが行った勉強会の資料がアップされて
いましたので、ご参考まで

チェルノブイリに学ぶことは多そうです

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

とくまる





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