3927.電源不足で国民総力戦に



福島第一原発事故は危機的な状況であり、それを乗り越えるのは、
自衛隊や消防庁、そして東電の現地要員やメーカ各社の要員であり
、国民は不安を抱えながらも見ているしかない。  津田より

0.はじめに
外野で応援しているしかないが、東電は、2火力発電所を4月まで
に再開し発電能力2割増の約4200万キロワットになるが、夏場での
5500万〜6000万キロワットの電力供給は無理という。このため、夏
には、東京都の千代田、中央、港の3区を除く23区も計画停電対象
になるという。

ここからは、原発や震災という危機状況から国民(東日本)や都民
総力戦に移行して、電気の製造は東電しかないという常識にとらわ
れない非常識的な解決方法を積極的に採用するしかない。

計画停電は、より広範囲地域で夏まで続くことになる。特に夏場は
冷房が効かないオフィスは居ることもできないほど暑くなるし、窓
も開かないので、風を入れることも出来ない。しかし、新宿副都心
や品川のビル群などは予備電源があるが、中小ビルには基本的には
ない。

森ビルは六本木ヒルズの予備のディーゼル発電機で生み出した電力
を東電に供給するというなら、これは大きなビルには予備電源のデ
ィーゼル発電機が普通はあるから、都心3区の予備電源があるビル
も発電して東電に電気を供給して、より広い範囲が停電しないよう
にする必要がある。

しかし、このような非常時であり電気が足りないのに、読売巨人は
東京ドームでナイターを強行するという。担当者によると、プロ野
球開催時の1日の電力消費量は5万〜6万キロワット時になる。こ
れは、一般家庭の平均電力使用量が1日あたり約10キロワット時
だから、約6千世帯分に相当する量になる。

そして、ドーム球場のため、ナイター(夜間試合)をデーゲーム(
日中試合)にしても、抜本的な対策とはならないという。ナイター
時間は一番電力を使う時間であり、この時間に一般家庭6千件分の
電力を使うなど正気の沙汰ではない。それでも、ナイターに読売が
固守するのは、TVのゴールデンタイムに中継したいからなのだ。儲
けの為には、関東の一般市民が困っても関係ないという態度である。

それだったら、関西や中部の他球場を使うべきである。60HZ地域
は電力不足はないから、照明を煌々と点けても文句はない。

横浜の本拠・横浜スタジアム(横浜市中区)は、1日の消費電力は
1試合平均で2万1千キロワット時。デーゲームにすれば、照明の
分だけ節電できるといい、デーゲームで対応するようである。
ヤクルトの本拠・神宮球場(東京都新宿区)は、ナイター開催時の
電力消費量は1日あたり7千〜8千キロワット時と少ない。これも
デーゲームに対応するようだ。

というように他球場はドームではないので、消費電力量は東京ドー
ムより大幅に少なく、かつデーゲームにすることで消費電力はより
少なく出来る。ということで、東京ドームを当分使用禁止にして、
電力消費量を0にするべきである。

もし、野球を東京ドームで読売巨人が実施するなら、国民はこれを
ボイコットし、見に行かないことと、TV中継を見ないことと、ス
ポンサーに抗議して、それでも実施するなら、スポンサー製品もボ
イコットしよう。東日本の国民総力戦に反した行動を取るなら、読
売を皆で倒産まで追いやるしかない。強い決意で、国民は読売を追
及していこう。あまりにも、身勝手すぎる。

西日本での開催は賛成であり、電力使用量が少ない球場での開催は
賛成であり、野球を止めろと言っていないことに注意してください。

1.原子力推進政策の見直
東電の電力不足は、相当長い時期続くと覚悟しておく必要がある。
電力供給に占める原子力発電は30%以上があり、福島第1・2と
柏崎刈羽の3つの原子力発電所が東電にはあるが、福島県は2度と
原発の運転を認めないでしょうし、他県も原発を中止する方向であ
ろう。

そして、枝野官房長官も、自民党の谷垣総裁が「原子力政策の推進
は難しい」との考え対して、「谷垣総裁の発言は至極当然だと思っ
ている」と述べ、原子力推進政策を見直すとした。

こうなると、日本のほとんどの電力会社は、原発にある程度依存し
ているので、日本全体が原発から通常の火力発電所に移行できるか
というと、無理である。

徐々に危ない原発から廃止していくしかない。この筆頭が、浜岡原
発である。浜岡原発は東海地震と20M以上の津波で大変なことに
なるというのに、中部電力は、県の危機管理監を丸め込んで、継続
使用しようとしている。15M程度の津波に対応しているというが
、それでは十分ではない。今回の事故の教訓は、過去の災害規模を
例として、今の設備が安全ということであり、想定を超えた災害規
模では重大事故になったことである。しかし、この教訓を中部電力
も静岡県も検討だにしていない。

これは危ない。今回の事故で分かったように沸騰水型原子炉自体の
欠陥があり、そしてその上に自然災害が想定以上であると、大変危
険な目に会うことになる。これを懲りない人たちがいることに脅威
を感じる。絶対になるべく早いうちに浜岡原発は廃炉するべきであ
る。

東海地震も、中南海、南海地震と連動して500KM以上の断層が
ずれて、大きなマクニチュードになる可能性が専門家の間に言われ
ている。しかし、この巨大と思われる規模が見えていない。ここは
大事を取るべきである。

2.日本の電力移行
そして、原子力から移行する方法は、日本の電力供給を自然エネル
ギーとスマートグリッド社会にすることである。太陽光エネルギー
+バッテリーを各家に置き、東電のエネルギーから自立することで
ある。小電力であれば、自立可能である。

しかし、一番良いのが水車を連想すると分かるが、マイクロ水力発
電である。この水力エネルギーは24時間発電してくれるために、
バッテリーが必要なしで、ある程度の家に給電できることである。

このマイクロ水力発電には、低落差発電と流水発電の2種類があり
、それぞれ適地が違うので、カバー範囲が広いことになる。これと
広域的なバッテリーの組み合わせを持つスマートグリッドを一番、
日本向きのような気がする。

風力発電も同様に24時間であるが、風力は大きな変動があるので
、これもバッテリーが必要である。

しかし、どちらにしても、石油エネルギーから自然エネルギーにシ
フトすることである。これも各家での設置になるので、国民総力戦
になる。その土地ごとで、最適な自然エネルギーは違うので、その
選択が重要になる。

3.もったいない精神
物質欲の社会から精神的な社会に移行する必要があるのだと見る。
使える物は徹底的に使うという戦後忘れたことを老人は思い出そう
であるし、若い人たちには「もったいない精神」の精神教育をする
ことである。

地産地消の社会を作ることである。物流でのエネルギーを最小にす
ることである。江戸ルネサンスに向けて、今、それを取り組む必要
があるのだ。

さあ、どうなりますか??

==============================
日経:東電、2火力発電所を4月までに再開 発電能力2割増の
約4200万キロワット− 夏場で5500万〜6000万キロワットの電力供
給力が必要。藤本副社長「夏には東京都の千代田、中央、港の3区
を除く23区も計画停電対象に」 
==============================
枝野長官、原子力推進政策を見直す可能性に言及
2011年3月18日11時35分

 枝野幸男官房長官は18日午前の記者会見で、自民党の谷垣禎一
総裁が「原子力政策の推進は難しい」との考えを示したことについ
て「政府としては現時点で確定的なことを申し上げるべきではない
が、谷垣総裁の発言は至極当然だと思っている」と述べ、原子力推
進政策を見直す可能性に言及した。 
==============================
東京ドームの巨人戦は4割節電、照明最小限に
読売新聞 3月19日(土)22時24分配信

 セ・リーグが大規模な節電策を講じることを受け、巨人と東京ド
ームは19日、当面の節電策を以下のように決めた。

 主な節電策は〈1〉グラウンドやスタンドの照明を試合及び観戦
に支障のないレベルまで落とす〈2〉ドーム内の冷暖房は当面使用
しない〈3〉ドームの外灯を消す〈4〉コンコースや外周通路の照
明を観客の安全確保が出来る最小限まで下げる〈5〉場内ショップ
の照明を最小限とする〈6〉大型スクリーン使用を可能な限り控え
る――など。

 東京ドームでは現在、巨人のナイター開催の際は練習が始まる午
後1時ごろから試合終了の午後10時ごろまでの間に約4万キロ・
ワット時の電力を使用している。グラウンドやスタンドの照明など
、検証が必要なものもあるが、これらの節電策により、約40%減
の2万3000〜2万4000キロ・ワット時まで減らせる見通し
という。

 巨人と東京ドームでは、さらに削減が可能かどうか検討する。
==============================
浜岡原発「福島とは対策違う」 中電、新たな津波対策も
2011年3月19日

 阪神大震災を上回る死者が確認された東日本大震災の発生から、
18日で1週間。福島第一原発は依然として危機的状況を脱してい
ない。東海地震の危険性を抱える県内にある浜岡原発は大丈夫なの
か。周辺自治体の不安が募るなか、中部電力は新たな津波対策に取
り組み始めている。 

■「10m以上の砂丘が津波防ぐ」 

 県の小林佐登志・危機管理監らが18日、浜岡原発を視察。福島
第一原発で、津波により作動しなくなったとされる海水ポンプや非
常用ディーゼル発電機を見て回った。 

 対応した水谷良亮・浜岡原子力総合事務所長らは「福島第一原発
とは地震対策が違う」と強調。図や写真を用いながら、二つの原発
の地震対策を比較してみせた。 

 中電によると、福島第一原発の津波対策は高さ5メートルまで。
一方、浜岡原発は海岸との間に高さ10〜15メートルの砂丘があ
り、この砂丘が津波を防ぐとした。また、非常用ディーゼル発電機
の設置場所について、福島第一原発はタービン建屋内だが、浜岡原
発は強固な構造で水を通さない原子炉建屋内にあると説明した。 

 小林危機管理監は「東海地震に備えて、地震対策はしっかりやっ
ているという印象を持った」と話すとともに、「あらゆる事態を想
定し、地震対策を見直して欲しい」と中電に要望した。 


コラム目次に戻る
トップページに戻る