3922.原子力発電の基礎と現状の状態



原子力発電の基礎と現状の状態

臨界状態とは、原子炉で、原子核分裂の連鎖反応が一定の割合で継
続している状態。この臨界状態が継続すると、反応が継続して、徐
々に反応量が増加して、温度が上がり、最終的には炉自体の5000度
以上の耐久温度を超える可能性や機器の損傷から一部損傷が起きる
可能性がある。これを心配しているのだ。炉破損が起きているので
一部、この状態になっている。

日本では1999年にJCOの臨界事故では、臨界管理を無視する方向
で仕事の効率化が図られたのが直接の事故の原因となった。中性子
の反射で量が増えていたが、300度以下程度でも臨界に達する可
能性があることを国民は知ったはずである。

このため、中性子を少なくして、温度を300度以下にする必要が
あるのだ。制御棒が下がっても、温度を300度以下に下げないと
反応が停止しない。このため、水を入れることになる。

このため、現在海水を入れようとしているのである。

海水の水位が上がらないのは、海水が蒸発しているか、海水が炉か
ら漏れ出しているかのどちらかであるが、漏れている可能性がある。

温度上昇での炉破壊が起こると、チェルノブイリと同程度の事故に
なる。100KM以内は立ち入り禁止にする必要があるし、250KM離れ
ている東京も風向きにより危険である。

また、中性子量を少なくするために、ホウ素を海水に入れているの
だ。

これを理解しないで、核爆発が起きないとか変な意見を有名人が発
言することに危機感を感じる。基本的な核反応の知識が必要である。

しかし、原子力発電が今ほど必要なことはない。東京の停電、交通
機関の乱れなど経済に大きな影響を受けている。

柏崎刈羽原子力発電所を全部動かしてしまうなどの手が必要かもし
れない。また、中部電力からの送電量を拡大することである。

それ以外では、時間がかかり過ぎる。個人宅では太陽光発電と蓄電
池が必要になる。

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福島原発2号機で爆発音 高濃度の放射性物質漏れた恐れ
2011年3月15日11時4分
     
 東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所(福
島県大熊町、双葉町)の2号機で15日午前6時14分ごろ、爆発
音があった。経済産業省原子力安全・保安院に、東京電力が報告し
た。格納容器につながる圧力抑制室(サプレッションプール)が損
傷した可能性があり、濃度の高い放射性物質が外部に漏れ出たおそ
れがある。2号機周辺の放射線量にも一時、上昇が見られた。 

 東電は、注水作業に直接関わらない作業員や社員を、原発の外に
退避させることを明らかにした。第一原発全体で50人の作業員が
残るという。 

 経済産業省原子力安全・保安院によれば、圧力抑制室は格納容器
の下部にあり、冷却水が張られた設備。原子炉圧力容器内の蒸気を
送り込んで冷やし、水に戻すことで、圧力容器内の圧力上昇を抑え
る。また、緊急炉心冷却システム(ECCS)の水源にもなる。 

 爆発後、圧力抑制室の気圧が通常の3気圧から、大気圧とほぼ同
じ1気圧まで急激に低くなった。このため、穴が開き、外気と通じ
るようになった可能性が高いという。圧力抑制室内にある、放射性
物質が高い濃度で含まれる水や蒸気が外気に漏れ出した可能性があ
る。 

 2号機の西南西にあるモニタリングポストの放射線量は15日午
前6時に毎時73.2マイクロシーベルトだったが、爆発音の後の
午前6時50分に毎時583.7マイクロシーベルト、さらに午前
7時には毎時965.5マイクロシーベルトまで上昇。正門前では
午前8時31分に毎時8217マイクロシーベルトまで上昇。その
後、下がっている。 

 午前8時31分現在の第一原発正門での風向きは北東から南西に
向け1.5メートル。 

 保安院はこれまで、原発から半径20キロ圏内の住民に避難を指
示していた。 

 2号機では14日になって炉心を冷やす水を循環させる仕組みが
働かなくなった。原子炉内の水位が下がり、燃料棒全体がすべて露
出。14日夕に2時間20分間、さらに14日深夜から6時間半に
わたり空だき状態が続き、炉心溶融が否定できない状態になってい
た。爆発音の後、水位はやや回復したが、燃料の一部が露出した状
態が続いている。 

 爆発音の原因は不明で、1、3号機と同様に原子炉内で発生した
水素が爆発した可能性もある。また、溶けた燃料が下部の水に落ち
、水蒸気爆発を起こした可能性も否定できないという。炉心が溶融
して圧力容器や格納容器に大きな損傷ができれば、大量の放射性物
質が大気中に拡散する可能性がある。 

 放射性物質を内部に閉じこめる機能が失われたとすれば、1986
年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故に匹敵する事故になるおそれが
ある。また、周囲に大量の放射性物質が飛び散れば、爆発を起こし
て冷却作業が続いている1、3号機などほかの作業にも支障が出る
可能性がある。 

 ただし、圧力抑制室と通じる格納容器の圧力には変化がなく、大
きく破損していない可能性も残るという。圧力抑制室が破損してい
たとしても、破損部分が上部であれば、これまでに実施した蒸気の
放出と同じ状態にとどまる。下部が破損していると、放射性物質を
含む水が漏れ出すおそれがある。 


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