3889.イスラエルと米国の確執がエジプト動乱へ



今回のエジプト動乱は、米国とイスラエル両国の確執も影響してい
るように感じる。   津田より

0.はじめに
右派リクードのネタニエフ首相は、米国を昔からイスラエルの要求
を聞く国と見なしているし、力で物事を行う性格で、かつ自分の仲
間であるエマニュエルが大統領補佐官に就任したことで、米国に無
理が利くと見なしたようである。このため、それまでの平和的な労
働党のシャロンやガティマのエフード・オルメルトとは違う路線に
あった。

ネタニエフ首相はパレスチナ和平に対して否定的であり、米国は再
三イスラエルのネタニエフ首相に交渉を要求していたが、聞き入れ
ないので、オバマ米国大統領は、イスラエルとの関係を冷ややかに
していた。オバマは2年間が経っているが、イスラエルでネタニエ
フ首相と首脳会談を持っていない。

そして、リクードとの関係があるイスラエルとの二重国籍のエマニ
ュエル大統領主席補佐官を2年で首にしている。この後、イスラエ
ルのネタニエフ首相も、これではまずいと和平交渉はしているが、
譲歩はほとんどしない。このため、この秘密交渉記録が暴露されて
パレスチナの自治政府のアッバス議長が窮地に追いやられている。

2009年5月におきたパレスチナ自治区ガザ地区へ向かっていた
支援船がイスラエル軍に襲撃され事件で、米国はイスラエルとの関
係でEUとトルコから大きく批判されたが、この事件も合法とイス
ラエルのネタニエフ政権は言うし、米国のオバマ政権にとっては、
どうしようもない問題国になっている。

イスラエルが、米国の言うことを聞かないのは昔からであるが、イ
スラエルに年間20億ドル以上の経済援助をしているのは米国であ
るし、米国の中東での行動はイスラエルに大きな影響を与えること
も確かである。その点をネタニエフ首相は、米国のオバマをバカし
ているために、少しおろそかにしていたように感じる。

1.チェニジアから始める民主化
そこに、チェニジアから始まる民主化の嵐がエジプトに押し寄せる
ことになる。イスラム教地域は、現在2つに大別できる。中東イス
ラム教地域と、アジア・イスラム教地域であるが、そのイスラム教
のあり方が大きく違う。

アジア・イスラム教地域では華僑やヒンズー教など多様性があり、
民主化で非宗教色の国家ができるが、中東イスラム教地域では、多
様性がないので宗教色の強い国家になってしまう。それでもスンニ
派とシーア派やクルド人という少数民族で多様性があるのがイラク
であり、そこで成功したことで米国は間違えた認識をしている。

米国は民主化で宗教色はあるが、対立する勢力もあり、非宗教的な
政治になると見ている。しかし、エジプトはスンニ派しかいないし
、少数のコプト教などの宗教もあるが、大多数が支持するのが、生
活全般に根ざした救済活動をするイスラム教原理主義のムスリム同
胞団である。

このイスラム教原理主義というのは、ワハーフ派のことであり、そ
の大親分は、サウジアラビアである。イラン以外の中東産油国の石
油代金5%の喜捨がこのイスラム教原理主義政党の原資になり、各
地でゲリラ活動や貧困救済など福祉活動を行っている。アルカイダ
の活動資金もこのワハープ派から出ていることは明らかであるが、
実体は把握できていない。

エジプトは与党以外の政治活動を認めていなかったが、宗教活動の
一環としての福祉活動は認めているので、同胞団が各地でそれなり
のネットワークを持っている。

2.米国の思惑
サウジのスンニ派とイランのシーア派との対決に持ち込むのが、米
国クリントン国務長官の考えであると見るが、パレスチナのハマス
は、シーア派のビズボラからの援助も受けているが、基本的にはム
スリム同胞団から出発しているから、パレスチナ問題を解決しない
とこの対決に持ち込めない。ガザのハマスとエジプトの現政権は敵
対的であり、武器などの支援をしていない。しかし、エジプトにム
スリム同胞団の政権が出来ると、イスラエルとエジプト+ハマスは
戦争の可能性も否定できないことになる。

このようにイスラエルにとって重大な危機になる。こうならないた
めに、米国はイスラエルにパレスチナ和平交渉を再三要求したので
あるが、ネタニエフ首相は無視した。このため、米国はイスラエル
を無視して、スンニ派勢力に塩を送ることになる。

米国の要請を受けて、最初、エルバラダイさんが、エジプトに帰還
したが、国際的には有名であるが、アラブ諸国でもエジプト国内で
も有名ではない。このため、民主化の担い手をアムル・ムーサ・ア
ラブ連盟事務局長に米国は差し替え始めている。

しかし、本命はムスリム同胞団であるが、案の定、1979年にイ
スラエルと締結した平和条約を破棄するほか、米国の援助拒否、シ
ャリア(イスラム法)導入など、政策の抜本的修正を目指す意向を
表明した。そして、新政権ではパレスチナ問題の解決が最重要外交
課題になるとした。

この表明を受けて、EU27カ国の首脳会議で、エジプトのムバラ
ク政権に対し、広く支持される政府への移行プロセスを今すぐ始め
るよう求める声明を出したが、ムバラク大統領の退陣までは求めな
いとした。

そして、クリントン米国務長官も、「民主主義への移行の過程では
、混乱や一時的な不安定化の恐れがあるほか、別の権威主義的な政
権が取って代わることもあり得る」と指摘し、ムスリム同胞団に警
戒感を表明した。当初の即座に辞任して選挙という主張から後退し
ている。

米国はエジプト軍に多額の援助と観光客などのために近代化を助け
ている。このため、米国はエジプト軍を押さえているので、ある程
度、米国の思い通りになると見ていたが、そうではないことを思い
知らされて、後退したようである。

3.今後の見通しはどうなるか??
イスラエルに激震が走っている。イスラエル政府高官は、エジプト
での根本的な政権交代は「イスラエルの安全保障政策の大転換を招
く」と深刻な懸念を表明している。エジプトにムスリム同胞団の政
権ができるとガザのハマスとの共闘ができる。

スンニ派とシーア派の対立前に、イスラエルが大幅譲歩したパレス
チナ和平をしないと、イスラエルが孤立してしまう。最悪は戦争に
なるが、この時、ミサイルなどの応酬になる。パルマゲドンでの戦
争になる可能性も出てくる。

さあ、どうなりますか??
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政権移行は慎重に=エジプト情勢で米国務長官
 【ミュンヘン時事】クリントン米国務長官は5日、ミュンヘン安
全保障会議で講演し、エジプト情勢について、政権移行プロセスは
混乱の拡大を避けるため、慎重に行う必要があると強調した。
 長官は「民主主義への移行の過程では、混乱や一時的な不安定化
の恐れがあるほか、別の権威主義的な政権が取って代わることもあ
り得る」と指摘。このような事態を避けるには、移行プロセスは慎
重かつ透明性を確保しながら実施すべきだと呼び掛けた。
(2011/02/05-23:49)
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エジプト野党の有力者、即時退陣求めず「挙国一致を」
2011年2月6日3時5分
.
 【カイロ=石合力】エジプト野党勢力の大統領候補として有力視
されるアムル・ムーサ元外相(アラブ連盟事務局長)が5日、朝日
新聞との単独会見に応じた。ムバラク大統領の即時辞任にこだわら
ず「与野党で政権移行のロードマップ(行程表)を作り、与党を含
む挙国一致政権を樹立すべきだ」との立場を示し、大統領選出馬の
意欲もみせた。 
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エジプトのデモ「退陣まで続ける」 政権側と持久戦
2011年2月5日10時45分

 【カイロ=貫洞欣寛】ムバラク大統領の即時退陣を求める民衆デ
モ「追放の金曜日」が開かれた4日、カイロ中心部のタハリール広
場では真夜中を過ぎても数万人規模の市民が残り、夜を徹してデモ
を続けた。野党勢力側は退陣までデモ継続の構えで、政権側との持
久戦が続きそうだ。 

 4日の日中のデモには、ロイター通信の推定で20万人が参加し
た。軍が緩衝地帯を設けてムバラク支持派と分離し、カイロ西部な
どで開かれたムバラク支持集会のタハリール広場方面への移動を禁
じたため、懸念された衝突は起きなかった。タハリール広場は4日
夜になっても大勢の市民でごった返し、「政権打倒」「ムバラクや
めろ」などとシュプレヒコールを繰り返した。デモを主導する市民
団体「4月6日運動」とムスリム同胞団は「デモを大統領退陣まで
続ける」としている。 
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ムバラク大統領の退陣は求めず EU27カ国首脳会議
2011年2月5日3時29分

 【ブリュッセル=井田香奈子】欧州連合(EU)27カ国の首脳
会議が4日、ブリュッセルで開かれ、エジプトのムバラク政権に対
し、広く支持される政府への移行プロセスを今すぐ始めるよう求め
る声明を出した。ムバラク大統領の退陣までは求めていない。 

 声明では、「デモ参加者やメディアへの攻撃は受け入れがたい」
と強く批判した。 

 首脳会議に先立ち、キャメロン英首相は記者団に対し、「政府の
支援による暴力がこのまま続けば、現政権は国際的な信頼性を失う
だろう」と話した。メルケル独首相は「エジプト治安当局は抗議行
動が自由に平和的に行われることを保障しなければならない」と述
べた。 
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ムバラク氏「大統領飽きたが、今去れば混乱」 米TVに
2011年2月4日12時34分

 【カイロ=貫洞欣寛】エジプトのムバラク大統領は3日、カイロ
の大統領府で米ABCテレビとのインタビューに応じ、いま辞任す
れば「(最大野党勢力の)ムスリム同胞団が権力を掌握し、エジプ
トが混乱に陥る」と述べて、改めて即時辞任しない考えを示した。
同時に、次期大統領選で次男ガマル氏を後継者にする考えがないと
言明した。一方、スレイマン副大統領は同日夜、国営テレビを通じ
て、野党勢力との対話を進めたい考えを示した。 
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エジプトの激変 イスラム原理主義台頭、脅威
産経新聞 2月4日(金)7時57分配信

 ■イスラエル危機感
 【カイロ=黒沢潤】エジプトのムバラク大統領が9月に予定され
る大統領選への不出馬を表明したことで、イスラエルに激震が走っ
ている。エジプトは、アラブ圏内でイスラエルと「平和条約」を締
結している数少ない国家で、イスラエルにとって重要な役割を果た
してきた。それだけに、エジプトにイスラム原理主義勢力が台頭す
れば、地域情勢は激変する。イスラエル政府高官は、エジプトでの
根本的な政権交代は「イスラエルの安全保障政策の大転換を招く」
と深刻な懸念を表明している。
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米、エジプト側と即時退陣・暫定政権を協議 米紙報道
2011年2月4日11時52分

 【ワシントン=望月洋嗣】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は
3日、オバマ米政権が、ムバラク大統領の即時退陣とスレイマン副
大統領が率いる暫定政権の発足をエジプト政府側と協議している、
と報じた。暫定政権にはムスリム同胞団を含む野党勢力の幅広い参
加を求め、9月の大統領選に向けて、憲法改正などを進める構想と
いう。 
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「イスラエルとの平和条約破棄」=新政権主導へ意欲−エジプト・
ムスリム同胞団
 【カイロ時事】エジプト最大のイスラム原理主義勢力、ムスリム
同胞団の最高幹部の一人でカイロ大学教授のラシャド・バイユーミ
氏は2日までに、ムバラク大統領退陣後の政権で主導権を握ること
に強い意欲を示し、エジプトが1979年にイスラエルと締結した
平和条約を破棄するほか、米国の援助拒否、シャリア(イスラム法
)導入など、政策の抜本的修正を目指す意向を表明した。バイユー
ミ氏は同胞団内で最高指導者に次ぐ幹部3人の1人。時事通信のイ
ンタビューに対し、同胞団の一致した見解として明らかにした。
 欧米諸国は親米ムバラク政権の退陣後のイスラム勢力台頭を懸念
しており、バイユーミ氏の発言は欧米側を一層警戒させる材料にな
りそうだ。
 同氏は「最高憲法裁判所長官と協議し、暫定政権を設け、民主選
挙を容認する憲法改正などを経た後、大統領選や議会選に候補を立
てる」と言明。改憲については、大統領再選回数の制限のほか、宗
教政党容認、シャリアに基づく犯罪処罰規則の導入を求める考えを
示した。
 さらに、イスラエルとの平和条約を「平和的な条約ではなく、エ
ジプトにとって降伏条約だ」と批判。「新政権ではパレスチナ問題
の解決が最重要外交課題になる」と語った。
 米政府の巨額の対エジプト援助に関しては「米国は中東諸国を破
壊する敵だ。援助を受ければ米国の意向に従う必要がある」とし、
新政権入りすれば援助を拒否する姿勢を明確にした。ムスリム同胞
団を弾圧してきたムバラク大統領については、退陣後に「不正蓄財
や政治犯弾圧、デモ参加者殺害などの犯罪行為での訴追を求める」
と述べた。(2011/02/02-18:08)
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ムバラク大統領が引退表明 オバマ氏は即時退陣促す
2011年2月2日11時44分

 数十万人のデモ隊から即時退陣要求を突きつけられたエジプトの
ムバラク大統領は1日夜(日本時間2日朝)、9月の次期大統領選
に出馬しない考えを示した。任期中は大統領職にとどまる意向を示
し、即時退陣は拒否した。これを受けて、オバマ米大統領は「秩序
ある移行を今、始めなければならない」とする声明を発表し、ムバ
ラク氏に即時退陣を促した。米国がムバラク氏に対し、改めて「引
導」を渡した形だ。 
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米、ムバラク政権離れ 「新政府移行を支持」表明
2011年1月31日11時28分

 【ワシントン=望月洋嗣】エジプト情勢をめぐり、オバマ米大統
領はトルコ、イスラエル、サウジアラビア、英国の首脳と電話で会
談し、「エジプト国民の願望に応じる新政府への秩序ある移行」を
支持する考えを伝え、協力を求めた。ホワイトハウスが30日に発
表した。一連の事態で、米政府が新たな政治体制への「移行」の支
持を表明したのは初めて。 
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エジプト、事実上の無政府状態 軍が治安維持にあたらず
2011年1月30日1時18分

 【カイロ=貫洞欣寛、石合力】ムバラク大統領の辞任を求めてエ
ジプト全土に広がっている民衆デモは29日、政府の外出禁止令を
無視する形で継続、首都カイロでは略奪が起きるなど、事実上無政
府状態に陥った。カイロ中心部などには、軍兵士が戦車などととも
に多数配置されているが、治安維持には当たっていない。 
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エジプト大統領、全閣僚の更迭を表明 テレビで演説
2011年1月29日7時45分

 【カイロ=貫洞欣寛】各地で大規模な反政府デモが続いているエ
ジプトのムバラク大統領は29日午前0時10分(日本時間同7時
10分)すぎ、およそ8分間テレビ演説し、「内閣の全閣僚を更迭
する。新内閣はあす発表する」と述べた。 
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新政権刷新求め数千人デモ=チュニジア首相、選挙後の引退表明

 【チュニス時事】ベンアリ独裁政権が崩壊したチュニジアで、新
政権の刷新を求める数千人のデモが22日、首都チュニス中心部で
行われた。新政権のガンヌーシ首相は地元テレビに「次期政権に交
代したら政界から引退する」と語るなど民主化を確約しているが、
ベンアリ前大統領の与党・立憲民主連合(RCD)の完全排除を求
める声は衰えていない。
 デモを主導する同国最大の労組、チュニジア労働総同盟(UGT
T)は、新政権にはRCD色が残っているとして、新政権の解散と
「救国政権」の樹立を要求。デモで参加者は「RCDの完全排除を
」などと叫んでいる。(2011/01/22-20:59)
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チュニジア大統領が国外脱出 アルジャジーラ報道
2011年1月15日2時53分
  
 【カイロ=石合力】中東の衛星放送アルジャジーラは14日夕(
日本時間15日未明)、大規模なデモや暴動が相次ぐチュニジアで
、ベンアリ大統領が国外脱出したと報じた。1987年以来、強権
的な手法で同国を支配してきたベンアリ体制が崩壊した。チュニジ
ア軍はチュニス空港を占拠、治安維持に当たっている。ガンヌーシ
首相は国営テレビを通じて緊急会見し、職務を当面代行すると語っ
た。 
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<ガザ支援船襲撃>イスラエル調査委「国際法に合致」と結論
毎日新聞 1月24日(月)20時28分配信

 【エルサレム花岡洋二】昨年5月、パレスチナ自治区ガザ地区へ
向かっていた支援船がイスラエル軍に襲撃され、トルコ人活動家9
人が死亡した事件で、イスラエル政府設置の調査委員会は23日、
報告書を発表。公海上での拿捕(だほ)と船上の武力行使を「国際
法に照らして適法だった」と結論付けた。
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イスラエル首相、信頼醸成措置を約束=ガザや東エルサレムのイン
フラ整備
時事通信 2月5日(土)8時11分配信

【エルサレム時事】イスラエルのネタニヤフ首相は4日、中東和平を
仲介する米国、ロシア、欧州連合(EU)、国連の4者を代表する中東
特使のブレア元英首相と会談し、パレスチナに対する信頼醸成措置
を実施することで合意した。
 実施するのは▽発電所などパレスチナ自治区ガザのインフラ整備
支援▽ヨルダン川西岸でパレスチナ自治政府の治安部隊が展開でき
る地域の拡大▽東エルサレムのパレスチナ人向けインフラの向上―
の3点。実現すればパレスチナ自治区の経済発展を推進するための措
置となる。 
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<パレスチナ>外交文書流出 自治政府は鎮静化に動き出す
毎日新聞 1月24日(月)20時42分配信

 【エルサレム花岡洋二】中東和平交渉でパレスチナ自治政府が08
年、「首都」として国家樹立を目指しているはずの東エルサレムで
、ユダヤ人入植地を容認するなど、対立するイスラエルに大幅に譲
歩する案を示していたことが23日明らかになり、自治政府は事態
の鎮静化に動き出した。

 中東の衛星放送アルジャジーラが複数の情報源から1600件以
上の外交文書を入手し、報じ始めた。

 これに対し、自治政府のアッバス議長は「アラブの兄弟国には何
ら隠し事をしていない」と釈明。パレスチナ解放機構(PLO)幹
部のアベドラボ氏は24日、交渉当局を代表して記者会見。中東和
平交渉は「透明に行われてきた」と強調した。また、報じられた文
書の一部は「交渉で提出されたものではない」と主張し、全文書の
真偽を調査する委員会を設置する意向を明らかにした。

 一方、自治区ガザ地区を実効支配しながら、和平交渉から排除さ
れているイスラム原理主義組織ハマスのハムダン報道官は「(イス
ラエルへの大幅妥協は)パレスチナ人への裏切り行為だ」と訴え、
反自治政府運動を強化することを示唆した。
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エマニュエル米首席補佐官が辞任 後任にラウス上級顧問
2010年10月2日0時59分

 【ワシントン=伊藤宏】オバマ米大統領は1日、ホワイトハウス
で、ラーム・エマニュエル大統領首席補佐官が辞任し、後任にピー
ト・ラウス上級顧問をあてる人事を発表した。エマニュエル氏は、
オバマ氏の最側近の1人で、政権の司令塔の役割を果たしてきたが
、来年2月に行われるシカゴ市長選に出馬するため、退任すること
になった。 
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ラーム・エマニュエル

1959年イリノイ州シカゴで生まれる。彼の父は、イスラエルのエル
サレム出身のユダヤ人小児科医。
1991年の湾岸戦争では、イスラエル国防軍に民間ボランティアの資
格で参加し、イスラエル北部の基地でトラックのブレーキ修理をし
ていた。つまり、 イスラエルとの二重国籍を持ったシオニストで、
自他共に認めるユダヤ・ロビーの一人である。

2002年にイリノイ州選出の連邦下院議員となり、2006年には選挙対
策委員長として、民主党の過半数獲得に尽力。
2009年発足のバラク・オバマ政権下で大統領首席補佐官に就任。
2010年10月2日付で大統領首席補佐官を辞任。

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