3857.「りぐぱる」



2010年11月7日放送の「夢の扉」で、プラスティックのようでもあり
木材のようでもある新しい新素材、「りぐぱる」を開発した、三重
大学・生物資源学部・木質分子素材制御学研究室の舩岡正光教授が
紹介されていた。   Fより

この素材、すごい。材料は段ボールや古新聞などの古紙なのですが、
これが木材よりも強度があって、プラスティックのように自由自在
な形状に作れる。しかも、強度があり車のボディとしても使え、愛
知・地球博でもトヨタの一人乗りの未来の車として紹介されたほど
だ。

そして注目したいのは、1回きりで使うのではなく、何度でもリサ
イクル可能であり、木材のようにノコギリで加工したり、釘を打っ
たりすることもできるために、木材としても利用できる。

プラスティックは石油から作られるが、りぐぱるは石油を使わない
ので石油依存から一歩脱却できる。使い勝手はプラスチックと同じ
ように成型できる。

あと40年で枯渇すると言われ続けている石油であるが、その生産
のピークが過ぎたといわれ、今後、徐々に高騰することが予測され
ている。
このため、石油に代わる代替物を用意しなければならないが、この
「りぐぱる」はその一つとなる可能性が高い。

そして、たとえシュレッダーで細かく刻まれた紙でも、もはやゴミ
ではなく、りっぱな資源となる。それは、りぐぱるでは紙の繊維に
「リグニン」という樹木の成分を加えることで作られるからだ。

リグニンは繊維同士を固めて強度を高める働きがあって、木が立っ
ていられるのも、切り倒されても強度を維持しているのも、このリ
グニンのおかげなのだ。

ただし、リグニンだけを取り出すのは非常に難解で、舩岡先生が世
界で初めて取り出しに成功したという。

紙を水で溶かし、型に流し込んで固めて水分を抜くと板状になるが
、それをリグニンを溶かした液体に漬け込むと、りぐぱるが出来上
がる。

現在、舩岡先生はりぐぱるの実用化に向けて、リグニンの生産プラ
ントの建設を林業の盛んな自治体と計画し、そこで出る木屑が「リ
グニン」の原料になるし、間伐材が大きな原料になるという。

既に商品化を検討している会社もあり、この技術が大きくなると、
日本のシーレーン防衛はかなり楽になるような気がする。

そして、いち早く実用化してほしい技術だと見る。国家が支援する
べき事業であると思う。次世代の日本の基幹技術の1つになるはず。


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