3855.いよいよクライマックスか?



いよいよクライマックスか?


皆様

新年おめでとうございます
本年もよろしく御願いいたします

言葉がデジタルであるということは、言葉は情報であるということ
で、耳や目に入った言葉は、それぞれ、意味があるかないか、
重要か重要でないか、正しいか正しくないか、と自分なりに判断し
ているのだと思います。

忘年会のときに、南さんから、アメリカの通販業者は客が買ったも
のを、使ったにもかかわらず、返品して代金を返金することを承知
の上で売り上げ(見かけ上の)を伸ばしているという話がありまし
た。

年末の竹下さんのメールでは、中国の人民の購買意欲がますます高
まっていることを感じました

生産も、消費も、地球上ではもうどうにも止まらないのでしょう。
後は野となれ山となれというところでしょうか。

普段、私があまり気に留めていない石原慎太郎が、今朝の産経新聞
で、30年前に聞いたホーキングの講演会のときのことを書いてい
ました。

それが妙に同感できるので、一部紹介します。
立場も経験も考えも違う石原慎太郎と、私が同じようなことを考え
ること自体、世の中の流れのおかしさを物語っているような気がし
ます。

文明が滅びるのは宇宙時間の一瞬であり、それは地球時間では
100年であるとホーキング博士が語ったそうです。

中国人民の購買意欲や、ブラジルやロシアの森林破壊、豊かさへの
夢を捨てない先進国住民などの影響によって、それは50年くらい
に短縮しているのかもしれません。

そして、その50年が始まったのは、1985〜6年のことではな
いでしょうか。

文明が滅びきるまでには長くてあと25年、そう思って間違いない
のではないかと思いました。

そろそろ新しい文明の準備が必要かもしれません。

得丸久文


http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/110103/acd1101030316000-n1.htm

私は三十年ほど前に東京で聞いた、ブラックホールの発見者、
天才的な宇宙物理学者ホーキングの講演を思いおこさずには
いられない。

彼は講演の後に許された質問に答えて、「この宇宙には、地
球並みの文明をそなえた惑星は二百万はあろう」といい、さ
らに、ならばなぜ我々は実際にその星からの宇宙人を実際に
目にすることがないのかという問いには、「地球並みの文明
を持った星は自然の循環が狂ってきて、宇宙時間からすると
瞬間的に自滅してしまうから、他の惑星まで出かける暇は有
り得ない」と答えた。

そこで私が挙手し、「宇宙時間で瞬間的というのは、この地
球時間で何年ほどか」と質したら彼は即座に「百年」と答え
たものだった。

それからすでに三十年の月日が過ぎた今、この地球は地球規
模の異常気象に晒されている。毎年行われる世界の最高首脳
たちによるサミット会議でもこの問題は論じられてはいるが、
人類が本気でこの問題に立ち向かう気配は一向に感じられな
い。会議の度この問題に関する各国の姿勢は毎年、半歩前進
したと。四年かかってわずか二歩前進では、この深刻かつ危
険な問題が解決の端緒にすらつくことはおよそ不可能だろう。


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岩田誠著「臨床医が語る脳とコトバの話」

岩田誠著「臨床医が語る脳とコトバの話」(日本評論社、2005年、1900円)

私のデジタル言語研究は、去年正月以来苦労してなんとか読みこなした
パブロフの『大脳半球の働きについて』,ピアジェの『知能の心理
学』,そして情報理論の本当の創始者であるらしいフォン・ノイマ
ンのイリノイ大学講義録,時實利彦の入門書で紹介されていたペン
フィールドの大脳皮質の電極刺激実験の本、時實の弟子であった塚
原仲晃の本、、、などなど、読書会で培った読書力で隠れた古典と
の出会いに満ちた非常に豊かな読書体験でした。

おかげで研究会・学会での発表は一年で23回に及び、二回に一回は
大受け、残りはドッ白ケの反応でしたが、それでも徐々にデジタル
言語学というものが、記憶、構文、発話、伝送、聴覚、復元、意味
という大きな流れに沿って姿を現してきました。

ご紹介するのは、来年2月に東京言語研究所で講演会が開かれる岩田
誠先生の『臨床医が語る脳とコトバの話』です。

http://www.tokyo-gengo.gr.jp/20110226.pdf

本の内容は読んでいただくのが一番よいですが、私が一番驚いたの
は、失語症患者の多くがリハビリをしたがらないということです。

以下は私の推理ですが、失語症になっても、アナログな喜怒哀楽、
空腹や疲れや感動、愛情や悲しみ、思考や推理といったこともでき
ることがわかると、言葉という余計なものがないほうが、よほど気
楽で静かに生きていけるということがわかるのでしょうか。

脳の言語機能を喪失することによって、禅者が厳しい修行の末にた
どりつくコトバ以前の世界に住めるようになるわけで、何もわざわ
ざ好き好んで言語機能を回復するには及ばないと思うのではないで
しょうか。

コトバとは何か、コトバを使いこなすことの難しさ、そういったこ
とを考えるにはとてもいい一冊だと思います。2月の講演会に申し込
まれた方にはお勧めの予習本ですのでご紹介いたします。

得丸久文





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