3854.「国民生活と安全」の旗に保守結集を



■「国民生活と安全」の旗に保守結集を
   −「消費税増税大連立」を阻止せよ

◆田原氏の珍言◆
評論家の田原総一郎は、昨年12月15日付け朝日新聞朝刊紙上で
次のように発言している。

「菅首相は夏の参院選で消費税率10%に言及したが、支持率が急
落し、全く口に出さなくなった。選挙が、国民が怖いからだ。だが
、大連立なら選挙が怖いなどと言い逃れはできない。」

今、この発言に代表されるように、政界やマスコミに消費税増税を
大義に掲げた大連立構想が跋扈しており、朝日新聞始め大マスコミ
は連日消費税増税の大キャンペーンを繰り広げ、菅政権や自民党政
調会長の石破茂等も大体似たようなことを考えている。

彼らに共通するのは、勇気を振り絞って消費税増税を敢行すれば、
日本の経済・国民生活は概ね好転して行くと考えていることだ。

だが、日米開戦を決断した第二次大戦当時の政府のように、もとよ
り具体的なプロセスや勝算あってのことではない。

ただ、閉塞感を破って行けば何とかなると考えているだけであり、
そこから増税すれば景気は良くなるといった類の倒錯した珍説も登
場する。だが珍説を笑ってばかりはいられない。

政権にしがみ付く事を第一義とする首相の菅直人は、この消費税増
税大連立に邁進するしか打ち手が無い。読売新聞会長の渡辺恒雄や
財界もこれを後押しするし、自民党総裁の谷垣は慎重だが賛成派の
石破等が党を割って出て来ることも考えられる上、公明は本より日
和見だ。

◆保守は義務を果たせ◆
年金財源等のために、消費税増税は何れは必要だ。

だが、それは無駄を徹底的に削るとともに、未来に向けての成長分
野への投資・規制緩和を含め練り上げた手を打ち、少なくとも名目
3%以上の経済成長を数年間安定的に続けた後での課題だ。

それは昨年6月に閣議決定したばかりの「新成長戦略」にも政府自
ら示したことではないか。さもなくば、増税による可処分所得縮小
により、日本経済は失速し再びメタメタの状況がやってくる。

そもそも、政治の目的は何であろうか?

第一には、国民の生命・財産・安全を守ること、次に国民生活を保
障し進んでは豊かにして行くことに他ならない。

前者に関しては、尖閣諸島中国漁船衝突事件で船長釈放を決めなが
ら指揮権発動の非難を恐れて那覇地検に責任を押し付けるような菅
政権に、国民を守ることは出来ない。

主体性が欠落しているのだ。また、主体性を持っていれば、自らが
マニフェストで約束した国民生活を後回しにして、外圧と官僚のシ
ナリオに乗った消費税増税優先策を採ることも絶対に出て来ないで
あろう。保守は、本義に帰れ。

リベラル・革新勢力の役割を否定する訳ではないが、国が危機にあ
る時には保守勢力が結集し中心に成らなければ滅ぶ。

ある意味、親米・反米の違い等は小さなことだ。
残念ながら、中国・北朝鮮同盟が事実上の仮想敵国であるのは明白
である。

主体性を持って自主防衛を中心に据え、現時点でよりマシな米国の
方との同盟を強化すると言うのは当たり前のことだ。

真の保守勢力は、小異を捨て国民生活と安全を守る義旗に結集し、
野合「消費税増税大連立」の翼賛体制を断固阻止粉砕し、この合従
連衡の戦いで大義を果たす義務があると筆者は考える。

保守を自称する各位には、どちらに付くにせよ今一度己の政治的立
場・旗色を理念に基いて早期に明確化することが求められる。

(敬称略)
                    以上
佐藤 鴻全


コラム目次に戻る
トップページに戻る