3833.日本企業が世界一になる



日本企業は、手持ち資金が多いが、国内での投資は需要減少であり
積極的ではない。新興国への工場投資や世界に販路を持つ欧米企業
のM&Aには投資している。

今までで有名なのが日本板硝子であり、ビルキントンを買収して、
特殊ガラスの世界トップメーカになり、かつ英国ビルキントンの社
長を日本板硝子の社長にして、経営方法も英国流にした。しかし、
その社長は日本流の家庭を犠牲にしてまで仕事する意識になじめず
、たかだか2年で辞任した。その後の社長も米国人というように日
本企業が世界化している。

日産もゴーン社長で世界化しているし、ダスキンも現在トップのキ
ヤリアを押さえて世界トップになるために世界3位のグッドマン・
グローバルを買収する。そして、アドバンテストは、世界3位の米
ベリジーを買収して、米テラダインを押さえて世界トップになる。

つい最近ではNTTデータが、米キーンを買収し、NTTがディメ
ンジョン・デーアを買収している。三菱UFJがRBSの開発部門
を買収している。とうように日本企業が世界企業化する方向である。

今後も、日本企業は欧米企業を買収して世界化する事例が増える。
キャノンも世界化するとき、欧米の販社を買収している。

製薬会社の武田も米国のベンチャーを買収し、第一三共はインドの
会社を買収している。日本企業の世界化が進んでいることがいろい
ろに出ている。

日米欧の経済圏が一体化してきて、企業もそれに合せて巨大化して
くる。このとき、中心になるのが日本企業という事例が多くなるよ
うに思う。人に配慮するという日本人の性格が、企業文化として持
つために、働きやすいからである。

しかし、日本人は昔に比べて自信がなくなっているようだ。哲学が
ないことが原因であり、私利私欲が正しいという欧米思想が日本の
他利優先という思想を圧倒したことによると見る。

伊藤肇の帝王学や安岡先生の語録のようなことを言う人がいなくな
っている。しかし、その内、日本古来の思想が復活するはずである。


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ダイキン工業:米社買収を検討 3000億円規模
 ダイキン工業が米国テキサス州の空調機器大手、グッドマン・グ
ローバルを買収する方向で検討を進めていることが7日、わかった。
買収額は3000億円規模とみられる。実現すれば、米国キャリア
社を抜き、売上高で世界トップの空調機器メーカーになる。

 ダイキンは国内や欧州で高価格帯の空調機器を販売し収益力を高
める一方、中国などアジアでの販路開拓を加速。新興国市場に基盤
を築いた。しかし、部屋ごとに空調機器を置く日本や欧州と異なり
、1台で建物全体の空調を管理するダクト式が主流の北米ではシェ
アを広げられず、ダイキンはM&A(企業の合併・買収)を検討し
ていた。【清水直樹】

毎日新聞 2010年12月8日 東京朝刊


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