俗論を撃つ!といいながら垂れ流される俗論 From: Hidekazu Aoki 高橋洋一氏のダイヤモンドオンラインに寄稿されたコラムに意見す る。 高橋氏にとって“QE2”は、最先端の世界標準の「金融政策」と いうことなんでしょう。 「予想インフレ率」ですか… でも図をよく見ると、どの国のそれも銀行が、リスクテークしても 引き合う貸出金利水準(国債金利+1%程度でしょう)まではぜん ぜん到達していないことがわかります。 むしろ、こんなに大々的に「量的緩和」しても、この程度にしか物 価水準が上がらなかった、と見るべきではないでしょうか。 フィッシャーの交換方程式を持ち出していますが、私なら、Mの量 を増やしても(名目)GDPが一定なら、むしろV(流通速度)を 下げてしまい、貨幣の「退蔵」を促進してしまうと考えます。 それにしても、一度「有名」になると、どんなド法螺を吹いても、 この国のマスコミは有り難く請け売りしちゃうんですね。 ============================== From: Eiichi Morino まったくおお法螺で、QE2には、米国においてさえ、各種の、最近 ではバッシングとさえ表現されるほど、強烈な批判が浴びせられて おり、それこそ早いとこ、この元財務官僚だったか(?)の お方も「世界標準」に近づいてもらいたいもんですね。もっとも **サイドのエコノミストのなかには、あそこには悪質な人、多い しねといわれるようなところのお方だったから、都合悪い現実や議 論は無視なんでしょうが。 そもそも量的緩和をして景気がよくなるなら世話はないし、量的緩 和を採ることで、日本タイプの停滞に入っていくと心配する人間さ え米国にはいるのにね。 貨幣の数量方程式は状態を示すものです。Mを増やしたら、産出高 や物価がどう変化するかは、それだけでは解けないんですね。 それに、貨幣はいまストライキ中で、いくら増やしてもストライキ に参加する数量が増えるだけ、投資需要も消費需要も出てきません。 企業にキャッシュはうなっていのに、動きません。 今日のデータでも、機械受注はまた下落しましたし。 ============================== 人的資本投資としてのベーシック・インカムの可能性について From: Eiichi Morino 参考まで。:-) http://www.nli-research.co.jp/report/research_paper/2010/rp10_004.html ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人的資本投資としてのベーシック・インカムの可能性について No.10-004 要 旨 1 最近、すべての個人に対して無条件かつ定期的に所得を給付するベ ーシック・インカム(基本所得)が注目を集めている。日本ではシビ ル・ミニマムを保障する政策として生活保護等がある。しかし日本の 制度は受給者に対しては比較的手厚いが、受給者の範囲が狭く貧困 家庭の捕捉漏れがあるとの批判がかねてよりあった。雇用形態の変 化やワーキング・プア問題が顕在化し、従来の制度の綻びが目立つ ようになってきたことが、ベーシック・インカムが注目されている背 景にある。 2 ベーシック・インカムの歴史は長いため、政治思想的側面だけでなく 制度論としても議論されてきた。従来からある批判の主だったもの は、「働かざるもの食うべからず」「何もしないでも金がもらえる のならば誰も働かなくなる」「なぜ金持ちにまで支給するのか」「 莫大な財源が必要で非現実的だ」といった根源的なものが多い。し かし、このような基本的問題に関しては議論されてきたものの、政 治的立場が異なる人達を完全に納得させるには至っていない。 3 本稿では、従来の議論では副次的効果とされてきた生き方や働き方 の多様化を前面に出し、低所得層への生活支援を反射的効果とする ことによって、人的資本投資の観点からベーシック・インカムの再構 築を行い、イデオロギー色を薄めることを試みた。さらに、ベーシ ック・インカムの難点と言える財源問題についても、人的資本投資と しての位置付けと整合性を保ちつつ、定率所得税と死亡時一括払い 世代別人頭税の併用によって、非現実的と批判を浴びがちだった従 来の議論に見られた高率の所得税率や消費税率を回避できる可能性 を示唆した。 遅澤 秀一 ============================== 白崎です。 死亡時一括払い世代別人頭税というアイディアは一考に値しますね。 お世話になった「世の中」にお返しするということですが、お返し のやりかたを「税」というかたちだけにするのか?それとも、それ 以外のことも考えるのか?このあたりは、いろいろ考えてみたいと ころです。 ============================== From: Eiichi Morino :) 保険屋さんの考えそうなことですが、長期にわたるマクロ経済 の運営のよろしきが前提でしょうね。 それが、リッパなこの国でできるのかどうか。:-)