3811.「自然は自然を以って制す」へのコメント



「自然は自然を以って制す」へのコメントについて

                  平成22年(2010)11月11日(木)
               「地球に謙虚に運動」代表 仲津 英治

 去る10月25日、「自然は自然を以って制す」と題して発信しましたところ、
13人の方々から、公開OKのコメントを頂きました。「地球に謙虚に運動」の
ホームページの代表発信欄とメッセージ欄にそれぞれ掲載しております。
ご覧になって頂くと幸甚です。



 コメントには賛成論の方が多い中、もちろん多くの異論、反対論もありま
した。

 私が「オオカミの復活論」を提案する気持ちになりましたのは、以下の3段
階を経ております。
 
 日本野鳥の会誌など読み、探鳥会に参加しつつ、野鳥でも急増するあるいは
急減する主たる原因は餌の出来、不出来によるもので、また絶対数は同時に
食物連鎖により一定の範囲内に収まると見聞きしていました。

 そうした時にアメリカの西部開拓時代のある実話を読んだのです。それはあ
る地区で鹿が棲息していたが、天敵のオオカミにより、一定以上増えないと
判断した開拓人が、オオカミさえいなくなれば、もっと食料になる鹿が増え
ると考え、オオカミを駆除したのです。しばらくすると鹿は徐々に増加し、
開拓人たちは豊富な鹿肉を享受できたのですが、ある段階から鹿が急増し、
山地の草木を食べつくし、遂にはその付近の鹿は絶滅したという話です。時
と場所を思い出しえませんが、確かな話です。

参考
 米国のイエローストーン国立公園では、増えすぎた鹿対策のため、狼を導入
しています。そして再導入によって生物多様性が増えたことが報告されてい
ます。


 次は台湾での経験談です。「人口安定の島、自給自足の島」と題した台湾の
南東部に浮かぶ離島蘭嶼島でのヤギ=山羊の話です。「地球に謙虚に運動」ホーム
ページにも掲載しています。


 小豆島程度の面積で緑豊かな蘭嶼島には人間が飼ってはいるが、半分野生化
した山羊が人口以上に棲息していました。儀式のおりにその山羊を捕獲し、ヤ
ギ肉は祝いの食膳を飾り、近所にも振舞うのです。そして案内してくれたタク
シーの運転手は、もし我々が山羊を食料にしないと狭い緑の島は裸になってし
まうとも言いました。草食動物は、天敵の肉食動物がいないと、餌の草木があ
る限り、自らブレーキを掛けることなく、急増し、草木を食いつくして自滅の
道に至るというのです。羊、鹿も同様です。草木が喪失すれば、野鳥を初め
生物の多様性は失われます。

 そして平成22年(2010)の春、滋賀県の湖西北部朽木地区で、森林の貧相化と
いう事態を見て、鹿は行きつくところまで行くのかなと思ったのです。

 今回も何人かの方が沖縄のハブ対策にマングースを放ったが、ハブよりも捕
食し易いイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナをマングースが襲うので、失敗
例として挙げられています。しかし、元々沖縄にいなかったマングースを放っ
たことが問題で、日本狼が滅んだとは言え、オオカミは元々日本列島に生息し
ていたのです。

 また下記のような記事にも接しました。
西日本新聞 平成22年(2010)10月29日

有害獣駆除 オオカミにお願い 大分県豊後大野市が輸入構想
 
 農作物を食い荒らすシカやイノシシなどの有害鳥獣を駆除するため、大分県
豊後大野市が外国からオオカミを輸入し、山林に放つ構想を進めている。オオ
カミの習性や適性を調べようと、来年度予算に研究機関設置の調査費を盛り込
む方針。被害に苦しむ農家の期待は高いものの、大胆なアイデアに「オオカミ
を山に放して大丈夫か」と、安全性や生態系に及ぼす影響を危ぶむ声もあり、
論議を呼びそうだ。 
              (以上西日本新聞記事)
色んな意見があるようです。
オオカミ再導入 日本オオカミ協会 賛成

 
オオカミ再導入 Wolf Network Japan 反対


皆様、如何でしょうか。        御付き合い、有難うございました。

                          以上

「地球に謙虚に運動」代表


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