3807.ブラジルの貧困削減とベーシック・インカム



ブラジルの貧困削減とベーシック・インカム

足立です。
現在日本では、失業、貧困、格差が広がるなかで、ベーシック・インカムをめ
ぐる議論が盛んになってきています。ブラジルは世界で唯一、ベーシック・イ
ンカムを法制化している国です。
法制化に触発されて、草の根レベルでいくつかの興味深い運動が現れています。
そのうちの一つが、NPOヘシビタスによる農村コミュニティにおける部分的な
ベーシック・インカム給付です。これは二つの特徴をもっています。一つは、
ベーシック・インカムの効果を予測するための社会実験としての側面です。も
う一つはこのNPOが、単なる社会実験を超えて、継続的な給付を志向している
点です。今回、ブラジルにおける給付実践の現場からの報告を、ラテンアメリ
カとベーシック・インカムに関心をもつ研究者と市民がともに共有し、その意
義と文脈、可能性と限界などについて意見交換することは、学際的、政策的な
議論を生み出し、ベーシック・インカム研究と実践の地平を刷新するものと思
います。
●日時:2010年11月29日(月)午後5時30分〜7時30分
●場所:上智大学中央図書館8階821会議室
●参加費:無料(事前予約不要)
●使用言語:日本語・ポルトガル語(日本語逐次通訳あり)
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ブラジルでBIが法制化されているとは知りませんでした。
from Hidekazu Aoki 
でも「部分的なベーシック・インカム給付」という意味がよく分か
りません。
東京方面にお住まいの方で、情報収集に行かれる余裕のある方はい
ませんか?
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From:     Eiichi Morino
こんにちは

ここまでくると、言葉の濫用ですかね。
よく国民配当とか万人への配当をいうダグラス支持の方々が
文句をいわないものですね。

貧困者に必要な支援や給付をする考えをみなベーシック・インカム
というなら、世界中に見つけることができるかもしれません。

その特色として、BIには無差別・無条件という思考が歴史的に付着
してきました。

ですから粗雑なヘリマネ論者や政治家に貨幣発行の万能を付与する
考え方などとも融合してきたわけでしょう。

部分的なという言い方は全体的なということがあって、その関係が
定まるものです。ひとを愚弄しているのでなければ、なんなのです
かね。
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フードスタンプ
From: Eiichi Morino

米国農務省によるフードスタンプ(Supplemental Nutrition Assistance Program)の
受給者は米経済の状況を反映して増え続けていますが、非営利団体やボランティア
の活動に支えられているということです。

そのうち、こういうのも「部分的な」、現物支給による、ベーシック・インカム
なんて言い出す人が出てくるかもしれませんね。これもまた貧困者支援のひとつの
カタチ、取り組み方です。

http://www.querschuesse.de/erstmals-uber-42-millionen-food-stamps-bezieher/

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亀井です。(^-^)/

又聞きの話題ですから、ブラジルでどのような形で行われているの
か気になりますね。

情報元のNGO、NPOがごっちゃになっているのもどうなんだろうと思
うけど、日本のNGO、NPOの概念は国際的な基準とはまるでかけ離れ
た独自解釈で成り立っていると聞きますし。

イタリアの社会的共同組合制度も昨年、共同連でお聴きしましたが、
通訳を介してのシンポジウムはやはり判りにくかったです。

世界の実践事例から日本で活用出来る仕組みを模索することは意義あると思うけど
ドイツの失敗例をわざわざ日本に持ってきたといわれる介護保険制度のような
愚考は避けたいですけども。
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From kazuhihi

どちらかの会には行ってみようと思うのですが、山森さんの情報だ
と、ブラジルは、日本のような「現物給付」の福祉制度がととのっ
てはいないようですから、地域限定の、以前(もう、忘れましたが・苦笑)
麻生政権のときの「定額給付金」のような感じみたいですね。これ
をBIというのかどうか?
議論のあるところだと思います。また、パウロ・フレイレの識字教
育運動や解放の神学とどのように相互影響しているのか、そのあた
りも聞いてみたいところです。

また、何か、わかりましたらご報告いたします。
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白崎です。

ブラジルは、以前にBIの国としての法律は定められているのです
。ただ、これが、実施はされていないようなので、現在、その法律
とのからみのところも聞いてみたいところです。
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トービン税
From: Eiichi Morino

米国のQE2によるドル安の押しつけで、過剰ドルの流入と自国通貨高を
警戒する新興国は金融取引やその収益に課税することで、対抗して来て
いますが(ブラジルなどはそのさきがけ)、我が国も、愚かな為替
介入などせずに、一国でトービンタックスを導入したらどうかという
冗談をさる席でいたしました。

その税収は、グローバル化のひずみである国内貧困層の救済と国内購買力
の追加による内需主導の経済構造革新にも、国際不均衡の解決にも資する
もので、決して通貨操作ではないという口実をその他世界に向けて言いふらし、
国内向けには円安の誘導が日本企業の海外流出を思いとどまらせ、国内の
産業と雇用を保障するくらいの耳にここちよいことを言ったりする(それく
らいの人の悪さは昨今のポピュリストなら演技できるかな)。

ずいぶん前にこのMLでもATTACの金融取引に関する課税について議論した
記憶があるけれど、もう10年くらい前のこと。

たとえばベーシック云々で財源論がでるなら少しは思い出してもいいのかも
しれない。QE2による資産バブルが実体経済の回復につながらないのはなぜか、
トービンのqが1を上回るのに、投資需要が出てこない経済状況とはなにか
という話のついでにトービン税に触れただけだったけれど、忘れっぽいのは
ヤメにして、10年前くらいの議論を思い返す時期かなとの雑感を持った。


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