3798.露大統領北方領訪問問題について



露大統領北方領訪問問題について
fj197099さんのツイッターをまとめる。  F

露大統領の北方領土訪問、佐藤が持っている情報だけでも「訪問は
露にメリット小」として菅政権は楽観視していた向きがある。他方
露側は、菅政権はこの外交政治問題を露への経済協力と絡めること
はできないと尖閣事件後の菅首相対応を見て判断したのかも?弱腰
を見抜かれているのかな? SatoMasahisa

読売:日米・日中・日露まで…菅外交「八方ふさがり」−自民党の
小野寺五典外交部会長は終了後、記者団に「日本の尖閣問題での弱
腰姿勢を見て、ロシアは強硬な対応に移った」と指摘。 
http://bit.ly/d5oeIH  YS_KARASU 

露大統領の北方領土訪問について。言うまでもなく日本固有の領土
である国後島への大統領の訪問は露の不法占拠を既成事実化するも
ので、重大な挑発行為であり日本として看過できない。これまでの
交渉成果を無にするという意味において、外交上の影響も大きいも
のだろう。しかし他の見方も可能だ。.fj197099

つまり、最初から露には日本が受け入れ可能な形で北方領土を日本
側に返還する意思はまるでなく、日ロ協調の「機会の窓」は全く開
いていなかったと考えるのであれば、露側がこのような挑発行為に
出たことに驚く必要は全くないということになろう。すなわち、日
本が今更失望する必要もないと言う訳だ。 fj197099

北方領土については特に1993年の東京宣言や97年のクラスノヤルス
ク会談等で日本側が解決の見通しに希望を持ったことがあった。当
時のエリツィン大統領が「2000年までの領土問題解決」に合意した
かのような発言を行ったからだ。しかしプーチン大統領になってそ
うした希望は殆どなくなった。 fj197099

露側の強硬姿勢への回帰に伴って日本側ではあろうことか四島返還
という外交方針の基本を問い直すかの如き動きが生じてきた。それ
が二島先行返還論や面積二等分論だった訳だが、これらはいずれも
四島返還の要求堅持よりも日本側の要求水準を下げる事で対ロ関係
の改善を優先させるもので、問題があった。fj197099

メドヴェージェフ政権になって比較的、露の「露骨さ」が目立たな
くなったせいか、ここ数年は特に日本側で「領土問題を動かさなけ
ればならない」という動きが強まっていた。これは自民党・民主党
の政権に関係なく、例えば昨年の麻生政権は露の提案した「独創的
アプローチ」なるものに合意していた。 fj197099

しかし露の態度は1956年の日ソ共同宣言に基づき歯舞・色丹の二島
返還でこの問題を最終決着するという姿勢に何ら変化はなかった。
すなわち「独創的アプローチ」とはこの二島返還をもって日本に国
後択捉の要求を諦めさせようとする露側に有利な提案だったのであ
るが、日本はそれに乗りかけたのだ。 fj197099

麻生政権にも危うさがあったが、この点で特に危険だったのは鳩山
政権であり、鳩山首相(当時)は今年5月に鈴木宗男元議員をロシア
に送り込んで9月の訪ロでのメドヴェージェフ大統領との会談を調整
させたと言われる。鳩山は普天間での失敗を対ロ関係改善という冒
険主義で取り返すつもりだったのだ。 fj197099

露側は鳩山の日本の国益を無視した対ロ宥和姿勢にほくそ笑んでい
たに違いないのだが、その鳩山は普天間問題で6月に突然辞任。露側
の思惑は崩れた。そして9月の代表選で菅首相が再選され、国交相時
代に露の態度を「不法占拠」と断言した前原氏が外相になるに至っ
て、露側の不安は高まったに違いない。 fj197099

そして9月の尖閣沖での漁船衝突事件で日本が示した露にとって「意
外な」程の日本の領土に対する強硬姿勢(船長逮捕)は露の不安感
をさらに高めたに違いない。露側としては国後・択捉の実効支配の
既成事実化を強化しなければと考えたのであろう。それが露大統領
の国後島訪問に繋がったと考えられる。 fj197099

無論、これまで二島先行返還論の旗振り役だった鈴木宗男元議員が
有罪確定で失職したことも理由の一つになるのだろう。露側が日本
に影響を与えるパイプの一つが失われたという訳である。こういう
諸々の事情を考慮すれば、実は露側が今の段階で焦って北方領土訪
問をするという事情はよく分かるのである。 fj197099

長くなったが、何を言いたいかといえば、露大統領の国後島訪問は
日本が特に驚くべき話ではなく、経緯を踏まえれば当然そうなるで
あろうと理解できる現象であるということだ。それは日ロ間に領土
問題を巡り双方が受け入れ可能な解決の機運が最初から存在しなか
った事を単に確認するだけの話なのである。 fj197099

二島先行返還論や面積二等分論のような日本外交の基軸たる四島返
還論(ただし帰属が確認されれば実際の返還の対応は柔軟に対処す
る)と相容れない解決法を提唱したきた論者は、露側の態度が変わ
らないことを見て判断を改めるべきであろう。そもそもが領土を犠
牲にする二国間関係の改善などありえない。 fj197099

日ロ間の領土問題を小手先の思いつきで解決することは不可能であ
る。戦争によって奪われた領土は究極的には戦争のみで取り返すこ
とができるであろう。アルザス・ロレーヌと同じだ。だが日本側が
戦争をしかける必要はない。単に外交でこの問題を解決するのは不
可能に近いと思った方がよいという話だ。 fj197099

日ロ間は国交は正常化したが平和条約はないという不安定な状況で
あり、それは予見可能な将来には変わるまい。明言するか否かに係
らず、露は日本にとっての仮想敵である。現在進行中で我が国固有
の領土を不法占拠しているのだ。露を簡単に日本の味方に出来ると
いう思い込みからは早く脱却すべきである。 fj197099

外務省の元「ラスプーチン」、佐藤優氏の産経のコラム
(http://bit.ly/aYTEsj)。氏は鈴木宗男元議員と極めて親密で二
島先行返還論者でもあり、正直言えば私は氏の議論には賛同しかね
るが、このコラムの末尾、日本は駐ロ大使を呼び戻す位の決意を示
すべきとの指摘には賛同できる。.fj197099

北方領土に対する露大統領の訪問に怒りを感じるのは当然だが、敵
から学ぶ事も忘れてはなるまい。つまりは領土に絡む問題で決意を
示すというのはそういう事なのだ。ビデオの一般公開はもちろんの
こと、菅首相が尖閣を訪れるというアイデアもあるのではないか。
APEC後にはなろうが考慮の価値はある。.fj197099
2
前原外相が河野駐ロ大使の一時召還を決定との報道
(http://bit.ly/dfnIXa)。結構だが、問題はAPECでの日ロ首脳会
談をどうするかであろう。どの道、如何なる宥和ももはや困難だか
ら、露大統領とは会わないというのも一つの選択肢だ。日本も決意
表明をする潮時と言えよう。.fj197099

中ロの反発、米国との協調など現在の政治状況は殆ど「前原外相一
人勝ち」と言っても良い形ではないかと思う。日米・日中の外相会
談・TPP参加を巡る国内論争・駐ロシア大使一時帰国の方針表明等、
前原外相が注目されない日がない。領土や国益について筋を貫く姿
勢は国民に好感されているようである。.fj197099

それが先の産経世論調査等での首相に相応しい人物でトップになる
という結果に表れているのだと思う。実は日本を取り巻く国際環境
の悪化は前原外相にとって絶好の「腕の見せ所」となっているので
ある。前原外相の外交理念が極めてクリアで分かりやすいというこ
とも関係しているのだろう。 .fj197099

それはすなわち、中ロ等の不当な行動には断固たる姿勢を貫く、逆
に米国との関係改善には積極的に取り組む、TPPのような貿易自由化
にも国益の観点から積極的に応じてゆく、などの姿勢を意味してい
る。何のことはない、「正しい事を言えば相手を傷つける」という
愚かしい鳩山路線の裏返しに過ぎない。 .fj197099

領土や国益に係る問題では「相手を傷つけても正しい事を言う」の
を恐れないという姿勢が評価されているのだと思われる。しかしそ
れは国益を巡る争いの舞台である外交の世界では余りにも当たり前
のことで、今迄それがないがしろにされてきたことがむしろ信じら
れない状況だっただけである。 .fj197099

このまま民主党が公明党との連携ができなければ、来年三月の予算
編成で菅政権は殆ど確実に行き詰る。再び代表選で今度は前原首相
誕生、という結果になるかもしれない。それを考えると中ロの行動
は正に自滅的であると思えるのである。何しろ前原外相を個人攻撃
することで彼の人気を高めているのだから。 .fj197099

前原氏がちと心配。中間選挙後に米国の態度がコロッと変わるかも。 
                           YS_KARASU

露大統領の北方領土訪問を別の角度から見るとどうなるか。という
のは要するにこれは対中牽制政策の採用に当たって露との協力が困
難になったことを意味するからだ。露は近年、急速な発展を続ける
中国への警戒心を強めていたが、同時に中国との関係強化を深める
志向も見せていた。 .fj197099

今回の露の暴挙は露が直ちに対中傾斜することを意味する訳ではな
い(その証拠に露は対中牽制のため印との関係強化も進めている)
が、しかし連携のパートナーとして日本を選択しない意思は明瞭に
したと言えよう。領土問題で先鋭に対立する国家同士が中国の覇権
阻止のため連携できるはずもない。 .fj197099

領土問題で露に付け入らせる隙を与えたのは明らかに外交で国益に
反する振る舞いを繰り返した前鳩山政権の責任が大きい(現政権の
責任もないとは言えない)が、しかし重要なことはそもそも露は頼
むに値するパートナーではないという事だ。露は真剣に日ロ間の懸
案を解決しようとしていた訳ではなかった。 .fj197099

その観点から言えば日ロ間の関係冷却化はいわば規定路線であり、
それほど驚く程のことでもない。むしろ日本としてはこれでアジア
太平洋地域の勢力構図が明確になったことを評価すべきかもしれな
い。すなわち一方に日米間の強固な結束があり、他方に中ロ間の緊
張を孕む緩い連携があるのだ。 .fj197099

日本としては、むしろこのチャンスで日米同盟を軍事的に強化し、
拡大抑止の信頼性を高めることに注力すべきであろう。米国は今や
同盟国日本を重視する姿勢に明確に転換している。日本も自身の国
益のためそれに積極的に答えるべきだ。結局、日本の連携相手は米
国以外にあり得ないことが今や自明である。 .fj197099

NATOは、ロシアにアフガンでの戦闘に参加を要請して、ロシアは作
戦には約70人の将校らと複数のヘリが参加した。ロシアはNATO、
インドとの友好関係で北方4島での日本の譲歩を引き出すつもりで
ある。ロシアとの関係改善がないと日本が孤立する。日本が選択を
迫られている。孤立か同盟か 。.strategycolum

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河野駐ロ大使、3日に一時帰国=事実上の対抗措置
時事
 政府は2日、ロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問を受け
、河野雅治駐ロ大使を一時帰国させる方針を決めた。前原誠司外相
が午後の記者会見で発表した。「訪問に関するロシアの事情を聞く
ため」としているが、同大統領が日本の中止要請を無視して訪問に
踏み切ったことへの事実上の対抗措置とみられる。河野大使は3日
昼ごろ帰国する予定。
 菅直人首相は2日昼、首相官邸で前原外相、仙谷由人官房長官ら
と会い、今後の対応を協議。首相は席上、「大使を一時帰国させよ
う」と指示。同日夜、記者団に「まずは(大使の)話を聞きたいと
いうことだ」と語った。
 外相は会見で、河野大使が日本にとどまる期間について「まだ決
めていない」と述べ、ロシア側の出方を見極めつつ判断する考えを
示した。さらなる対抗措置については「まずは大使から話を聞いて
みてしっかり考えたい」と述べた。今後もロシアに対し「言うべき
ことは言う」とする一方、「領土問題を解決して平和条約を締結し
、日ロ関係を強化する方向性は全く変わっていない」と強調した。
 日ロ両政府は、13、14両日に横浜市で開かれるアジア太平洋
経済協力会議(APEC)首脳会議の際に、首脳会談を行う方向で
調整している。仙谷長官は2日午後の会見で「予定通りだ」と述べ
、実現するとの見通しを示した。 (2010/11/02-20:11
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(Fのコメント)
このコラムでは、中国との戦いが近い将来起きる可能性があるため
に、日露友好条約を結び、領土問題も面積半分など受け入れ可能な
条件で早く解決するべきと、5年前以上から主張している。

前原外相は、中国との戦いを有利にする外交をしないと、日本は孤
立して、勝てないことになるという当然のことを分かるべきである。

あまりに戦略的な思考がない。反省をしてほしい。


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