3779.中国が世界的為替介入の原因



中国共産党中央委員会全国会議に向けて、国内では民主化を巡る権
力闘争で揺れている。これは習近平の軍事委員会入りはないですね。

それに対する太子党の反撃であるが、それにより、民主化要求が強
くなり、逆効果を生んでいる。温家宝首相や周小川人民銀行総裁な
どの国際派がある程度、国内で盛り返したようである。

しかし、今後は米国の為替介入に対する対応策が焦点になる。
親中派と見られているガイトナー米財務長官までが、「中国が自国
通貨を押し下げる中、新興市場国の通貨が上昇し、中国に対して不
公平な不利益を受けないように懸命に努力しなければならないとい
う状況が起きている」と世界の混乱は中国が生み出しているとした。

実際、ブラジルや韓国、タイは、ここ数週間に自国通貨売りを実施。
また、韓国や台湾、ブラジル、コロンビア、ロシアは通貨変動抑制
に向け資金流入規制を強化している。 

そして、米上院も対中制裁法案を下院に続き可決する方向のようだ。
G20に向けて、中国バッシングが続くことになる。

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米上院、対中制裁法案を下院に続き可決へ=財政委員長
2010年 10月 14日 07:10 JST

 [ワシントン 13日 ロイター] 米上院は、下院に続き、人
民元の上昇を容認するよう中国に圧力をかける法案を可決する見通
し。上院財政委員会のボーカス委員長(民主党、モンタナ州)が
13日、明らかにした。

 同委員長は北京での講演原稿の中で「中国の政策は米国に大きな
影響を及ぼす。エコノミストは人民元が20―40%過小評価され
ていると推定している。この不均衡が是正されれば米国で最大50
万人の雇用が創出される可能性がある」と指摘。

 「米下院は最近、この不均衡是正に向けた法案を可決した。上院
もこれに続く」と語った。

 上院財政委員会は通商問題を管轄する。

 下院は前月、人民元切り上げを促すための対中制裁法案を可決し
た。

 数日後には米財務省が半年に一度の為替報告で、中国を「為替操
作国」に正式認定するかどうかを決定しなければならない。

 同省の報道官は、15日に提出期限を迎える為替報告書が予定通
り公表されるかどうかについてコメントを控えた。

 ガイトナー財務長官は、中国に為替改革で時間的な余裕を与える
ため、4月15日期限の為替報告書の提出を2カ月以上延期した。
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米財務長官:中国が世界的為替介入の原因と批判−「全世界的問題」 

10月13日(ブルームバーグ):ガイトナー米財務長官は人民元の上
昇を抑制する中国の政策が、新興市場国による一連の資本管理と為
替介入をもたらしたと批判した。 

同長官は12日放送のPBSの番組「チャーリー・ローズ」でのイン
タビューで、「中国が自国通貨を押し下げる中、新興市場国の通貨
が上昇し、中国に対して不公平な不利益を受けないように懸命に努
力しなければならないという状況が起きている」と語った。同イン
タビューはブルームバーグテレビジョンで13日に放映。 

  ブラジルや韓国、タイは輸出の伸びを妨げ、景気減速につなが
る恐れがある通貨高を抑制するため、ここ数週間に自国通貨売りを
実施。また、韓国や台湾、ブラジル、コロンビア、ロシアは通貨変
動抑制に向け資金流入規制を強化している。 

  ガイトナー長官は「この問題は、米国だけが固執していると定
義したがる人がいるが、実際は世界にとってより重要で、全世界の
問題だ」と述べた。 

  同長官はまた、人民元は「大幅に過小評価されている」とし、
一方で世界的な「通貨戦争」のリスクはないとの認識を示した。過
去6週間に中国は元の「非常に大幅な」上昇を容認したとし、より
長期的には一段の上昇をおそらく認めるだろうと話した。 

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