3765.名目金利をマイナスに



名目金利をマイナスに

日銀法、貨幣法を改正して、各都道府県に中銀を作れ(笑)。
日銀は内国版、国際清算同盟のようにして、各都道府県中銀口座
がプラスの場合はマイナス金利を適用し、名地方間の不均衡を
解消しろ(笑)。

↑の森野さんの提案は、じつはユーロ危機に対する唯一の処方箋なん
だよな(笑)

↑ The Economistも同じようなことを指摘している。

 http://www.economist.com/node/17093331?story_id=17093331&fsrc=scn/tw/te/rss/pe

注にある* “John Maynard Keynes: Fighting for Britain
1937-1946” (Macmillan, 2000)を読んでみたくなりました。

260兆円もの国際収支黒字を溜め込んでいるわが国が、その黒字を赤字国に向けて吐き
出さないかぎり、じつは外国為替全体の「安定」はないということも示唆していますね。

にもかかわらず、実際にやられているのは、正反対の自国通貨「安」を狙った単独の「
円売り介入」なんですから。

しかも国のなかでは脳天気な連中が相変わらず「経済成長」一点張りでほざいている。

それも単純なヘリマネ論によるリフレ、インタゲ論で、その粗雑さは目を覆いますよ。

ゲゼリアンのように、名目金利をマイナスにして実質金利を引き下げ(
デフレを解消し)、実質金利水準に均等な安定した成長を考えろとまで
はいいませんが、エコだ、定常経済だと叫んでいたかとおもうと、ヘリ
マネでマクロバランスが回復するかのごときご議論をなさる。エコとネ
オリベラルの奇妙な混成物が仕上がっているのは、知的無責任さを感じ
させられます。

ドットコムバブルが02年11月に崩壊した直後、ヘリコプター・ベン
(バーナンキ)はスピーチをしていましたが、「デフレ、ここでは起き
ないことを確認する」という論題であった(笑)。日本にも言及し、
デフレを回避する手段はある。日本の場合、うまくいかないのは政治的
制約があるからだと指摘し、我々は違うと自身満々だった。

↑
連銀のサイトにあった。

FEDでのバーナンキスピーチ、2002年11月21日
http://www.federalreserve.gov/BOARDDOCS/SPEECHES/2002/20021121/default.htm


それがいま再び量的緩和しなくちゃならん状態で、マネーはじゃぶじゃぶ
の状態だが、デフレリスクに言及せざるをえなくなっている。現実をみれば、
金回りがほんとうにタイトだとの声がある。他方で米経済インフレへとばく
進しているという声もある。かなり前から米国のホンネ、ドル安と言ってき
たけど、当時はみかけの強いドルの演出でみな聞いてくれんかった。

外国を踏み台にして自国の成長をはかるのは破滅への道。しかしリフレ
で通貨安のようなヤクザな議論が多いです。

カネを撒け、カネをくれ〜の大合唱ですからね、ネットは。

名目金利をマイナスにすれば(課税貨幣を導入すれば)、円はいまの
ように買われなくなりますよ。安定した実需の水準に決まる。なにしろ
減価するんですから。

それにマネーを単に撒くような手法とちがって、消費性向や投資誘因に
影響するので、実需につながります。Mを増やせばマクロバランス
が回復するなら、世話はないですね。

まあデフレ危機はいずれインフレ危機に変わります。そうして最初に、
そして最大の被害を被るのは勤労階級です。

何をかいわんやです。

それにしても、円高介入という2兆円の(輸出)補助金を受けながら
、賃金は引き下げ、派遣は打ち切り、下請けは値切り、そのうえさら
に競争力維持を名目にした法人税減税の大合唱。こんなんだったら
企業経営は誰だってできますよ。

↑の本、アマゾンの米国サイトに中古品を注文してみました。
    青木
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ぐんまのしらかわです。
経済のことには無学なのですが、260兆円もの貯め金があるんで
すか。国内の構造改革、福祉、教育、文化面の強化もしてほしいで
す。群馬の方は不況状態はかわらずです。  しらかわ
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From:青木
ドルの現ナマがあるわけではありません。

260兆円のうち、110兆円くらいは政府が財務省短期証券(3ヶ月償還の超超短期
国債)を発行して横取りした国民の貯金でドル現金を購入(←これを財政及び国際金融
用語では「介入」といいます)して、これをドル債(大方は米国債と住宅証券)に代え
て「資産」として持っています。

残りの150兆円くらいは、企業の内部留保ですが、これもドルの現金か預金かドル債
で持たれています。

じつは「円」として使えるお金はどこにもありません。残念というか当たり前というか
、なんですが。
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From: Eiichi Morino 
そうですね、昔の金本位制のころですと、誰の目にも、事態が
見やすかったんですが。ある国が貿易黒字をため込むと、金が
流入し、カネの量が国内に増えるので、景気がよくなり、そう
なると外国からの輸入が増え、金が海外に流出し、国内のカネ
の量が減るので、景気が悪くなり、そうすると輸入が減り、
輸出が増え・・・繰りかえし・・・
というものでしたが、昨今はそうは素朴ではないのですね。

通貨はヘゲモニーでもあり、不換のマネーとなっており、
それ特有の諸問題があります。しかしかつて金本位制のときの、
それはそれで特有の問題があったのですが、国際的不均衡(
貿易において勝ち負けが行きすぎ、固定され、・・・)の解消
とは異なった仕組みが必要になっています。

勝ち組はいつも勝者で負け組がいつも敗者であり、その差が
拡大し続けていくと、ゲームはどこかで終わります(危機を
迎えます)。

黒字国は黒字をはき出す国内経済運営をしなければならないん
ですね。しかしこれは一国だけでは無理がある側面もあるので
国際的なアプローチも必要です。

まあ、カネが余っているんなら外国から買ってやれよ、その代金
でこんどは外国がうちの製品を買ってくれるだろう、と考える
のは自然ですね。しかしそう考える国や国民ばかりではないのが
難しいところでしょう。


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