もう靖国に行きましたか？
From: 得丸公明
皆様、
蔡さんの薦められた靖国神社には参拝されましたか。
私は通勤路線が九段下を通ることもあり、数回参拝してきました。
実は先週金曜日も、お参りしようかと思ったのですが、ふと気が変
わって、九段下にある「しょうけい館」を訪れ、育英会の先輩の歌
集を探しました。
http://www.shokeikan.go.jp/
私はいま、奨学金財団の会報の編集長をしておりまして、その関係
で昭和10年代の会報を読むことがあり、そこで面白い記事を書いて
おられた先輩の歌集が、しょうけい館に蔵書されていたのでした。
東大の医学部で研究をしておられたところをビルマ戦線に送られ、
戦死率６７％の３３師団で軍医をしておられた方でした。
歌集を読むと、我々がマスコミや戦後教育で教えられたことが間違
っていたのではないかと思えます。蔡さんの言葉どおりに、靖国に
おまいりしなくてはという気持ちがわいてきます。
得丸
森田丈夫著「認識票 ー 軍医のビルマ戦線歌日記」より１４首
ビルマ方面（厚生省援護局調査昭和27年発表）
総員303,501 戦没185,149 (戦死率61.0%）
第33師団（同）総員22,316 戦没15,022 （戦死率67.3%)
兵吾等祖国の為と疑はず戦ひたりき戦ひ死にき
撤退に棄つと決まりしリンゲルをむさぼりて飲む甘露の味して
19年7月13日早朝 ライマナイ
後送の象より降ろす重症者息既に絶え遺体の重さ
19年7月 チッカ患者集合所長
雨の道たどり来たれば木下闇(こしたやみ）辺りを籠めて屍臭漂ふ
19年7月 雨季の撤退「白骨街道」
廃屋の屍臭に馴れて見廻せばいまだ息ある兵の眼に遭ふ
19年7月「白骨街道」
凭（もた）れゐて帽子と服を着けし屍（し）の眼と口の穴に蛆（うじ）はうごめく
19年7月 「白骨街道」
道の辺の草むす屍（かばね）見つつ来て明日も生きむとわれは思はず
19年7月 「白骨街道」
斃（たお）れたる馬の肉をば揚げゐつつ明日（あした）の糧（かて）の冥福祈る
19年8月 トンザン野戦病院
夜は更けてマラリア患者診廻ると雨の流るる林に迷ふ アナクィン野戦病院
相共に百人一首を憶（おも）ひ出しカルタを作るすべて叶ひぬ 21年1月 ナコンパトン
民族の経験として惨烈の記憶も永遠（とは）に生き行くべきか 戦後詠
戦記をば読みつつ想ふ前線の悲惨は吾に幾倍したるを 戦後詠
誠実に生きし茂吉の戦時詠石もて打ちうる何人ありや
ひめゆり隊は無駄死といふ純粋に国に殉ぜしを賢しらに言ふな