3743.米国の最終警告



サマーズの中国訪問は、米国の最終警告である。中国を為替操作国
認定を10月に行うが、良いかと言ったはずである。また、ドニロ
ン大統領副補佐官(国家安全保障担当)はつい最近の南シナ海、東
シナ海の中国の行動を警告した。

このため、ビックリした温家宝首相は、米中友好関係維持を胡錦濤
国家主席に進言した。しかし、このまま、中国軍部が黙っているか
どうかは分からない。

これと同期を合せて、日本動向を探りに中国は漁船を尖閣列島に侵
入させた。これを日本は拿捕したことで、中国は日本の裏にいる米
国との交渉上、身動きが取れない。中国国民の批判を避ける外交的
なアクションを取るが、大きな問題にしないで解決するしかない。

さあ、どうなりますか??
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中国漁船船長逮捕「外交的配慮なし」 仙谷官房長官
2010年9月9日2時27分
     
 仙谷由人官房長官は8日午前の記者会見で、中国漁船船長の逮捕
について「外交的な配慮はなかった。粛々と手続きを進めた。そも
そも尖閣諸島には領土問題は存在しないというのが日本の立場なの
で、日本の国内法で対処していく」と説明した。 

 逮捕に対する中国側の反発で東シナ海ガス田の共同開発をめぐる
交渉が停滞する可能性については、「影響が出るとは考えていない
」との見方を示した。その上で「事態をエスカレートさせないよう
にしようということが中国大使らとの話し合いで出ている。日本国
内でもヒートアップせず、冷静に対処していくことが必要」と語っ
た。 
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外交部、丹羽大使を呼び日本に違法な妨害活動の停止を要求
2010/09/09(木) 10:16サーチナ
 
  中国の漁船が9月7日午前、尖閣諸島(中国名:釣魚島)の周辺
海域で2隻の日本の巡視船と接触した。中国外交部副部長は、在中国
日本大使を外交部に呼び、日本側に違法な妨害活動の停止を要求し
た。日本の海上保安庁は7日夜、公務執行妨害容疑で中国漁船の船長
を逮捕し、漁業法違反容疑で漁船を調査することを決定した。中国
網日本語版(チャイナネット)が伝えた。

  日本メディアは7日、海上保安庁が同日、尖閣諸島の周辺海域で
操業していた中国漁船の船長を逮捕し、船長の身柄を沖縄県石垣市
に移送することを決定したと報じた。

  7日10時15分頃、乗組員15人が乗った中国のトロール漁船が尖閣
諸島の周辺海域で操業をしているところに、日本の海上保安庁の巡
視船が駆けつけ、漁船と衝突した。日本側はその後、さらに2隻の巡
視船を派遣し漁船を追跡した。13時頃、日本の巡視船に乗っていた
22人の海上保安官は航行中の中国漁船に乗り込み、停船を命じ、日
本の漁業法違反で漁船を調査すると宣告した。

  中国外交部の宋涛副部長は同日に命を受け、丹羽宇一郎駐中国
大使と会見し、日本の海上保安庁の巡視船が尖閣諸島の周辺海域で
中国漁船を防御したとして厳正な交渉を申し入れ、日本側に違法な
防御活動の停止を要求する方針。

  外交部の姜瑜報道官は同日、「中国側は日本の巡視船が釣魚島
海域で中国の漁船と接触したことに重大な関心を寄せ、日本側に厳
正な交渉を申し入れた」と発表した。

  姜瑜報道官は定例記者会見で関連の質問に対し、「釣魚島とそ
の周辺の島は昔から中国の領土であり、中国側は日本の巡視船が釣
魚島の周辺海域でいわゆる『権益保護』活動を行わないよう要求し
、中国の漁船や人員の安全をおびやかすいかなる行為も行わないよ
う要求する」と強調した。また、中国側は事態の発展に注目し、さ
らなる行動を起こす権利を留保すると表明した。
(編集担当:米原裕子)
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中国外務省のコワモテ報道官異動 秦剛氏、英公使に
2010年9月7日22時39分

 【北京=坂尻信義】中国外務省報道官の一人、秦剛副報道局長
(44)が近く英国公使に転出する。時には応答要領の枠を超え、
感情もあらわに中国脅威論など国際社会の対中批判に反発してみせ
た秦氏の異動に対し、中国内では惜しむ声も寄せられている。 

 中国の国防費の不透明性について聞かれた2007年3月の定例
会見。秦氏は「誰かがあなたの下着をまくり上げて中はどんなモノ
なのか見せろと言ったら、どう思う」と記者席に問いかけた。南京
大虐殺に絡み、当時の写真を両手に掲げて「証拠は確実」と語気を
強めたこともあった。 

 険しい表情を崩さず、受け手によっては高圧的に聞こえることも
あった「秦剛語録」に対し、海外メディアの受けは必ずしも良くな
かった。だが、6日付の北京の大衆紙・新京報は「機知に富んだ言
葉を連発した」と評価。ネット上でも「大国の威厳」や「敵に対す
る不屈の気概」を示したと賛辞が寄せられた。 
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胡主席、米高官2人と会談 「米中関係、健全に発展」
2010年9月8日19時51分
     
 【北京=坂尻信義】中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は
8日、北京の人民大会堂でオバマ米政権のドニロン大統領副補佐官
(国家安全保障担当)、サマーズ国家経済会議議長と会談した。胡
主席は両氏の訪問は「両国の意思疎通と相互信頼の強化」に寄与す
ると評価。「オバマ大統領が就任して以来、中国と米国の関係は双
方の努力で健全に発展している」とも指摘した。 

 両氏に対しては同日、中国の徐才厚・中央軍事委員会副主席も会
談し、米中関係を「世界で最も重要な2国間関係のひとつ」と指摘
。そのうえで「両軍関係の健全で安定した発展に米国側と共に努力
していきたい」とも語った。 

 中国軍の制服組ナンバー2の徐氏が米軍との関係修復に意欲を示
したことで、今年に入って中断した米中軍事交流が再開に向けて動
き出す可能性が高くなった。交流再開については、8日付の香港紙
サウスチャイナ・モーニング・ポストが、来年1月をめどに調整が
進む胡主席の訪米前に実現する見通しだと報じた。 
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「米との軍事交流望む」と中国・中央軍事委副主席
2010.9.6 22:44サンケイ
 新華社電によると、中国の徐才厚中央軍事委員会副主席は6日、
訪中した米戦略国際研究センター(CSIS)のジョン・ヘームリ
所長と会談し、中断している両軍の交流について「中国側は米側と
の交流を維持し、相互信頼を深め、両軍関係を発展させることを望
んでいる」と語った。

 一方で副主席は「両軍関係の安定的な発展の鍵は互いに核心的な
利益と重要な関心事を尊重することなどにある」と指摘し、1月に
対台湾武器売却方針を発表した米側に交流中断の原因があるとの認
識を示した。

 副主席は両国の学術レベルの交流を強化するよう提案した。(共同)
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米中、緊張緩和へ動く 訪中の米高官、要人と相次ぎ会談
2010年9月8日1時59分

 【北京=坂尻信義】年初から関係が険悪化していた米中両国が、
緊張緩和へと動き出した。訪中した米国のサマーズ国家経済会議議
長とドニロン大統領副補佐官(国家安全保障担当)が、中国共産党
・政府の要人と相次いで会談。両国は胡錦濤(フー・チンタオ)国
家主席の年内訪米実現に向けて関係の修復を急ぐが、なお険しい道
のりが待ち受けている。 

 サマーズ氏らは7日、温家宝(ウェン・チアパオ)首相や外交を
担当する戴秉国・国務委員(副首相級)と会談した。中国中央テレ
ビなどによると、オバマ政権は米中関係を非常に重視していると語
ったサマーズ氏に対し、温首相は両国が「内政不干渉」に徹するべ
きだとクギを刺しつつ、安定した両国関係を構築することが「時代
の要求」と指摘。戴氏は高官交流を活発化させる用意がある、と応
じた。サマーズ氏は6日、胡主席の次回の訪米を米国側が重視して
いる、と記者団に語っている。 

 サマーズ氏らは同日、党人事を担う李源潮・党組織部長とも会談
した。李氏は胡主席の信任が厚く、次期指導部入りが有力な実力者
。安全保障や経済など幅広い分野での長期的な関係構築を狙った会
談とみられる。 

 米中は今年、米国の台湾への武器売却決定に始まり、オバマ大統
領とチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世との会談、米イン
ターネット検索最大手グーグルの撤退問題などで対立。7月の東南
アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムでは、クリントン米
国務長官が南シナ海における航行の自由は「米国の権益」と明言、
中国の楊潔チー(ヤン・チエチー、チーは竹かんむりに褫のつくり
)外相が激高する一幕もあった。 

 中国側からは、前向きなシグナルも出始めている。中央軍事委員
会の徐才厚副主席は6日、ハムレ米戦略国際問題研究所長との会談
で、台湾への武器売却決定に反発した中国側が一方的に中断した米
中軍事交流に絡み、「米国との交流を維持し、両軍関係を発展させ
たい」と語った。 

 ただ、不安定要素は残る。米軍は8月にベトナム軍との軍事交流
で、中国やベトナムなどが領有権を争う南シナ海の西沙(パラセル
)諸島に原子力空母を派遣したのに続き、近く黄海で米韓軍事演習
を予定。中国は神経をとがらせている。北朝鮮問題でも、金正日(
キム・ジョンイル)総書記の今年2度目の訪中を受け入れた中国と
、対北朝鮮追加制裁を発動した米国の隔たりは大きい。 

 中国人民大学の時殷弘教授は、サマーズ、ドニロン両氏の訪中を
「緊張緩和への第一歩」と位置づける。だが、「中国の世論に反米
感情が強いなかで(指導部は)対米関係の修復を急ぎにくい」とし
、胡主席の訪米については「年明け以降にずれ込むのではないか」
と指摘している。 

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