3724.米景気下降で米中関係破綻



米国経済指標が下降してきて、世界的な通貨切り下げ競争が起きて
いる。この中で日本はヘッジファンドの良い餌食になっている。 
8月12日には円相場は一時、1ドル=84円70銭台まで上昇した。
1995年7月以来、約15年ぶりの円高水準になった。この状況
はどうなるのか検討しよう。
                   Fより

米国4─6月期の破産申請件数は42万2061件で、2005年
以来の高水準となった。ローゼンバーグ氏は、現在の状況は米国が
戦後初めて体験する状況で、米国の景気が二番底に陥る確率は確実
に5割を超え、今年中に再び経済が収縮するとした。そして、こうい
った状況では投資家にとって最適の選択肢は国債や社債になるとし
た。このため、米国債の長期金利は、歴史的な低水準になっている。

また、中国は記録的な額の日本国債を購入した。しかし、日本国債
を買った理由は、少なくとも短期的には米国債よりもリスクが低い
ためのようである。反対に米国債保有は240億ドル減の8437億ドルと
、2カ月連続で減少となっている。

中国が米国国債を買わないため、NY連銀は、連邦公開市場委員会
(FOMC)の決定を受けて、米国債180億ドル(約1兆5300億円)
を購入する。米国は日本にも米国債購入を働きかけている。

中国は自国通貨の人民元を低め誘導をし始めた。中国人民銀行は、
6月19日に弾力化方針を発表して以降、当初は人民元相場の値上
がりぶりが目立った。しかし、8月10日以降は4日続落。

8月19日の基準値は1ドル=6.7898元である。6月19日からの
上昇率は0.33%とわずかになっている。

中国経済の高成長ぶりを考えれば、米景気の先行き懸念拡大を受け
て人民元高が進んでもおかしくない状況である。市場では「中国は
成長の柱の輸出減速を避けようと、元高阻止を図っている」との見
方も出ている。

中国は第2位の経済大国なり、世界経済でもその役割が大きくなっ
ているが、自国経済優先の為替政策を取っている。10月に米国は
中国を為替操作国認定をする可能性が増している。

この中で、8月20日のNY外国為替市場では、ドルが主要通貨に対し
て上昇した。世界経済をめぐる懸念が強まったことや株価が下落し
たことを受けてドルに逃避買いが入ったのだ。

しかし、日本の円はこのドルに対しても円高であり、資金の退避先
と見なされている。このため、円高になり、政府・日銀は金融緩和
も円介入もしないために、円高放置状態である。

恐らく、為替介入をしても、米政府が見て見ぬふりをして口をつぐ
んだままになるはずである。それは、中国が米国国債を売りに出し
始め、それでのドル暴落を止めるには、NY連銀だけではなく、日
本も米国債を買ってほしいためである。

そして、10月に中国への人民元対抗関税同盟が世界的にできて、
中国からの貿易品排除体制ができるはず。日本を味方につけるため
にも日本の行動を黙認するはずである。

米中は、経済的にも競合相手となり、東・南シナ海でも米中はにら
み合うことになる。経済・安保両面で、米中関係は大変なことにな
ると見ている。この時、日本は欧米サイドにいるしかない。

さあ、どうなりますか??

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ドルが上昇、世界経済めぐる懸念強まる=NY市場
2010年 08月 21日 08:27 JST

 [ニューヨーク 20日 ロイター] 20日のニューヨーク外
国為替市場では、ドルが主要通貨に対して上昇した。世界経済をめ
ぐる懸念が強まったことや株価が下落したことを受けてドルに逃避
買いが入った。
 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウェーバー独連銀総裁
は、ECBは銀行への無制限の流動性供給を来年に入っても続ける
べきと発言。これを受けてユーロ圏の景気見通しに対する警戒感が
高まり、ユーロ/ドルは約5週間ぶりの安値をつけた。

 第2・四半期に始まった米経済の減速により世界経済が再び落ち
込む恐れがあるとの見方から、株や商品を売り安全資産として米国
債を買う動きが強まった。
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追加金融緩和で、米国債買い取り
NY連銀、総額2180億円
 【ニューヨーク=小谷野太郎】米連邦準備制度理事会(FRB)
傘下のニューヨーク連邦準備銀行は17日、総額25億5100万
ドル(約2180億円)の米国債を金融機関から買い取ったと発表
した。

 FRBは2008年秋の金融危機に対処するため、MBSや長期
国債などを約2兆ドル規模で買い入れ、市場に資金を供給してきた
。9月13日以降も購入を続ける方針で、再投資の規模は年
1000億〜2400億ドルになるとみられる。

(2010年8月19日 読売新聞)
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人民元の対ドル基準値、1ドル6.7898元=中国人民銀行
2010年 08月 19日 10:25 JST

 [上海 19日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)は19
日の人民元CNY=CFXSCNY=SAECの基準値を1ドル=6.7898元と
発表した。
 前営業日の基準値は6.7895元、市場終値は6.7917元
だった。

 人民銀行は6月19日に人民元相場の弾力性拡大方針を表明した
。弾力化方針表明から直近までの上昇率は0.33%となっている。
 人民元の対ドルでの1日の許容変動幅は、基準値の上下0.5%。

 *基準値を含めた詳細は、中国為替取引システム(CFETS)
のホームページでご覧になれます。
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4─6月の米破産申請件数、ほぼ5年ぶりの高水準
2010年 08月 18日 10:52 JST

 [ニューヨーク 17日 ロイター] 米裁判所事務総局が発表
した4─6月期の破産申請件数は42万2061件で、2005年
以来の高水準となった。

 4─6月期の申請件数は前期の38万8148件から9%、前年
同期の38万1073件から11%、それぞれ増加した。

 四半期の申請件数が40万件を超えたのは、過去最高の66万
7431件を記録した2005年第4・四半期以来。

 オハイオ大学の社会学准教授デボラ・ソーン氏は、破産の理由と
して失業や住宅差し押さえなどの問題を挙げ、こうした問題に対処
するまで破産件数は増加を続けるとの見方を示した。
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6月対米証券投資は5カ月ぶり売り越し、中国の財務省証券保有が減少
2010年 08月 17日 01:29 JST

[ワシントン 16日 ロイター] 米財務省が発表した6月の海
外投資家による対米証券投資は67億ドルの売り越しとなり、前月
の171億ドルの買い越しから売り越しに転じた。売り越しは5カ
月ぶり。

 一方、長期有価証券(株式スワップ等除く)は444億ドルの買
い越しとなり、前月の同353億ドルから買い越し額が拡大した。

 国別の財務省証券保有は、中国の保有額が240億ドル減の
8437億ドルと、2カ月連続で減少。一方、第2位の日本は
169億ドル増の8036億ドルだった。
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【ブログ】二番底の確率は5割超=エコノミスト見解
2010年 8月 16日 13:58 JST 
WSJ
 カナダに拠点を置くグラスキン・シェフ&アソシエーツのチーフ
エコノミスト、デビッド・ローゼンバーグ氏は13日、米国の景気が
二番底に陥る確率は確実に5割を超え、今年中に再び経済が収縮する
との見方を示した。 

 ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)のビデオインタビ
ューに応じた同氏は、景気後退は昨年収束しなかった可能性がある
と述べ、現在の状況は米国が戦後初めて体験する状況だとコメント
した。 

 ローゼンバーグ氏は数カ月にわたって、景気回復が勢いを失い、
株式市場が失速する可能性があると警告してきた。このシナリオは
最近になって一層現実味を帯びている。米商務省によると、GDP
は第1四半期(1−3月期)の年率3.7%から減速し、4−6月期は2.4
%。さらに最新のデータによると、この数値は下方修正され、わず
か1%程度になる可能性がある。 
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2010/8/13 19:10.米国の意向に左右される日本の外為市場介入
WSJ
日本が円の上昇を抑制するための「口先介入」を強化するなか、米
国の反応にそろそろ注目すべきだ。

外為市場への介入により円の対ドル相場を押し下げる試みに対し、
米政府が公式に反対の姿勢を表明すれば、日本はこれを回避するか
もしれない。

カナダ・トロントでのG20サミットで会談する野田財務相とガイ
トナー米財務長官(6月27日)通貨当局の動向に詳しい関係筋による
と、日本の当局は伝統的に介入を決定する際、「米政府が沈黙を維
持するかどうか」を重要視する。自由市場経済の擁護者である米政
府は、介入に不快感を示すかもしれない。一方、米政府が見て見ぬ
ふりをして口をつぐんだままであれば、日本は介入のゴーサインを
得たことになる。

米政府が反対のサインを送れば、日本の円売り・ドル買い介入の効
果は大きく減少する可能性がある。米国は、日本を支えるためのド
ル買いを行わないとの確証をトレーダーに与えるためだ。協調介入
の可能性がほとんどない場合、日本は円の買い手を追い払うのに苦
労するだろう。

米政府が日本の市場介入に反対するコメントを発表すれば、日本が
円を売っていても、一部のトレーダーは直感的に円を買う可能性が
ある。また、日本の単独介入に限界があるとみて、日本の決意を試
しつつ、余興半分に円を買うトレーダーもいるかもしれない。

実際、米政府にとって、日本による市場介入を容認するのは困難だ
ろう。ドルの対円相場が下落すれば、国内の輸出業者は日本の同業
者よりも優位に立ち、この結果、減速しつつある景気が支えられる
からだ。ドルは11日、15年ぶりの安値となる84.72円を付け、その後
86円付近まで回復した。

日本の野田佳彦財務相が円高に対して「適切に対応していきたい」
と話した後も、アナリストの多くは日本が目先、介入を実施すると
はみていない。JPモルガンのシニア外為ストラテジストの棚瀬順
哉氏は、日本の通貨当局が円売り介入を実施する可能性は低い、と
のわれわれの見方に変化はない、と述べた。

一方、日本国内で円売り介入を求める声は強まっている。13日付の
読売新聞は社説で、政府と日銀は円高を阻止するため、外為市場で
の介入をちゅうちょすべきでない、との見解を表明した。円高は、
日本の減速しつつある輸出主導型の成長に深刻な脅威をもたらす。

市場介入の可能性を憶測するのであれば、日本政府の要請に米国が
どのように応じるかを注意深く観察することだ。
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NY連銀、180億ドルの国債購入計画発表
2010年 8月 12日 10:18 JST
WSJ 
 ニューヨーク連銀は11日、連邦公開市場委員会(FOMC)の前
日の決定を受けて、9月半ばまでに公開市場操作により米国債180億
ドル(約1兆5300億円)を購入すると発表した。 
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人民元:4日続落 当局介入の見方
2010/08/14 毎日 
人民元相場の推移 中国の人民元相場が足元で大幅に下落している
。中国人民銀行(中央銀行)が6月19日に弾力化方針を発表して
以降、当初は人民元相場の値上がりぶりが目立ったが、8月10日
以降は4日続落、弾力化後の上昇幅の半分程度が吹き飛んだ格好だ
。中国経済の高成長ぶりを考えれば、米景気の先行き懸念拡大を受
けて人民元高が進んでもおかしくない状況。市場では「中国当局は
成長の柱の輸出減速を避けようと、元高阻止を図っているのでは」
との見方も出ている。

 弾力化後、人民元相場は8月はじめまでおおむね上昇傾向で推移
。9日には終値が弾力化開始前に比べて0.87%上昇の
1ドル=6.7671元と過去最高値を更新した。しかし、相場を
管理する人民銀が10日以降、上海外国為替市場での取引の変動幅
の中心値(基準値)を4日連続で前日より低く設定。この結果、
13日の人民元の終値は1ドル=6.7957元と4日連続で下落
し、1カ月半ぶりの安値となった。
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ドル84.70円台 15年ぶり高値 日米金利差縮小
2010年8月12日1時17分

 11日の外国為替市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が追
加金融緩和に向けて一歩踏み出す姿勢を示したことを受けて円高ド
ル安が進み、円相場は一時、1ドル=84円70銭台まで上昇。
1995年7月以来、約15年ぶりの円高水準になった。株価も全
面安となり、日経平均株価は約3週間ぶりに9200円台に下落し
た。 
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中国の日本国債購入、米国債より安全との見方反映=シンクタンク
8月11日21時43分配信 ロイター

 [北京 11日 ロイター] 中国の政府系シンクタンクである
社会科学院のエコノミスト、Zhang Ming氏は、中国が記録的な額の
日本国債を購入した理由は、少なくとも短期的には米国債よりもリ
スクが低いためだ、との認識を示した。

 同氏は、社会科学院が11日公表したリポートの中で、日本国債
は大半が日本国内で消化されており、円相場も上昇トレンドが続い
ているため、米国債よりも安全な投資先だと指摘、「(日米の)利
回り格差は大きいが、中国は米国債投資をやめ、日本国債を買い入
れた。このことは、米国債のリスクが日本国債よりもはるかに大き
いことをわれわれが考えていることを示している」と述べた。

 また、米連邦準備理事会(FRB)がモーゲージ債の満期償還資
金で米国債を買い入れる決定をしたことについて「FRBの目的は
米国の景気を支えることで、それはポジティブだ」と述べた。


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