3720.鮎が登った 続き



  鮎が登った 続き
                   平成22年(2010)8月10日(月)
               「地球に謙虚に」運動代表 仲津 英治

 残暑お見舞い申し上げます。日本でも猛暑が続いていますが、暦の上
では8月7日の立秋が過ぎ、今朝方、琵琶湖の湖西は小野の里の裏山では
ツクツクボウシが鳴き始めました。野生は季節の巡りを知らせてくれま
すね。

 3年前、「鮎が登った」と題して、和邇の里を流れる小さな清流の喜撰川
に設けた間伐材魚道を登る鮎のことを発信させて頂きました。今も「地球
に謙虚に運動」のホームページには掲載しております。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kenkyoni/biwakopro/8-biwakoprojekt070813ayu.pdf 
また、詳しくはびわ湖自然環境ネットワークのホームページにも掲載
されています。
http://flb-shiga.net/

 2年を費やして鮎の遡上を確認でき、その後順調に毎年鮎等魚類の遡上
が見られています。しかし今年の梅雨は大雨をもたらし、7月14日洪水
のため、魚道は捻じ曲げられ、魚道の一部の箱は流されてしまいました。

 平成17年(2005)6月に初めて魚道を設置して以降、修復と改良を重ねてき
ましたが、今回のような大雨による一部流出と、途中で折れ曲がる事態
は初めてのことです。7月19日、5名が集まって何とか修復しましたが、
一番下段の箱は水面よりかなり高く、鮎のジャンプ力をもってしても超
えられない高さでした。段を補なう箱を新たに製作することにしました。

 残っていた魚道の箱は5年経っても予想以上にしっかりしており、まだ
まだ使えそうです。また箱の水をかい出したとき、鮎が3匹と数匹のゴリ
とヨシノボリを確認し、魚道としての機能は生きていることも確認でき
ました。流失した2箱は、喜撰川河口周辺も調べましたが、見当たりま
せんでした。後日北側の浜辺で地元の人が1箱を発見してくれ、びわ湖
自然環境ネットワーク代表の寺川氏が回収しました。十分これからも
使える状態だったそうです。

 8月7日、新しく製作された魚道の2箱を設置する作業にかかりました。
大工並みの腕を持つびわ湖自然環境ネットワークの会員の作品です。

 私はこの日、他用があり、作業は土嚢袋に砂・土を詰める作業しか手伝
えなかったのですが、残った4人で15時ころまで掛けて仕上げてくれま
した。

 この魚道は、間伐材で作った臨時のものですが、鮎の遡上に役立つなど
十分にその機能を発揮してくれています。自然の循環を戻すささやか
な市民の試みです。堰の上流ではこれまでに遡上した鮎が泳ぎまわる
群れを確認できたとのことです。あと、再度流されないための杭打ち
など行なうことを検討しています。


「地球に謙虚に運動」代表


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