3719.中国拡大で米国と激突近し



ウォルトが4月に中国新戦略で、米中は激突すると予測していたが
、その後の動きを見ていると、その予測通りに米中軍部の対立は拡
大されて、戻ることが出来ない点まで来たような感じを受ける。

このため、暗い未来を見てしまう状態にある。特に中国近傍にいる
日本の未来は、政治家がよほど有能でないと国民を失う危険がある。
幕末の日本とそういう意味では同様な状態にある。長州藩の中国と
江戸幕府の米国が今、戦おうとしている。日本は米国につく佐幕藩
である。この選択で間違いないが、米中戦争になると日本に中国の
核ミサイルが打ち込まれる可能性がある。これをどう回避するかが
日本の命題であるが、非常に難しい。
             津田より

0.はじめに
 今までも参考資料にある通り、1月に地形学的な見地から中国海
軍力の増強で、インド洋、西太平洋は遠からずに中国海軍が制海権
を持つ可能性あり、そのため、今までのマハンやスパイクスマンの
ハートランドとリムランドの戦いという地政学が崩れると述べた。

地域分割のバランス・オブ・パワーに基づくドイツ地政学の時代が
来ると述べた。ハウスホーファーの生存圏という考え方になる。生
存圏とは、何かというと、資源・エネルギー・食料の供給先とその
物資を運ぶルート、そして自国が生産する製品の市場である。

中国はアフリカ、イラン、中東が供給先であり、そのルートを守る
海軍兵力を拡充している。それはルート周辺諸国との生存圏範囲が
重なり、摩擦を呼ぶことになる。

その後、その見解を追従してウォルトやカプラン、ケーガンなど欧
米の学者・評論家が同じ観点の意見を出している。

ロバート・カプラン氏によると、
米海軍は今までは大西洋と太平洋の2洋に展開していたが、今後は
太平洋とインド洋に展開する方向でシフトしている。ロシアも味方
になり大西洋には、大きな脅威が無くなっている。

このため、環ユーラシア大陸の海の重要性が増してくる。この海と
はアフリカから日本海までの海である。このため、インド洋に米軍
はフォーカスすることになる。

多極的な世界、グレートパワーがない世界は不安定になる。米軍の
艦艇は600隻から350隻になり、オバマ政権では250隻に減
少する。米海軍の能力が削減したことで、環ユーラシア大陸への支
配を目指さない軍事力となっている。

中国の軍部Zhu Chenghu少将が「空母を開発するから、太平洋のハワ
イから東部を米国がとり、西部を中国がとるというのはどうか」――。
米太平洋軍のキーティング司令官は11日の上院軍事委員会で、中
国軍幹部からこんな「提案」があったことを明らかにした。キーテ
ィング氏は「冗談とはいえ、中国軍の戦略的考え方を示唆している
」と語った。 2008年03月12日18時58分asahi
と言ったが、中国は着実に軍拡を進めて、その実現を目の前にして
いる。

これでは米海軍は単独では世界の海上覇権を維持できない。インド
も同様にインド洋に多数存在する中国海軍艦艇や海軍基地の中国海
軍に対抗して増強している。インド海軍艦艇は140隻で2隻の空母を
所有するが、単独では中国海軍に対抗できない。このため、中国海
軍力に対抗する勢力と中国同盟国とに2分され始めているように感
じる。

中国は自国軍事拡張を正当化するために、新しい地政学である「海
陸和合論」が提案されているが、海上権力の増強で、この理論も中
国は修正することになる。中国一国で世界の広範な安全保障を行う
ことができる海軍力になり、和合理論ではおかしいことになってい
る。(有料版には参考記事がある)

ネオコンであるロバート・ケーガン氏によると、
大国間での競争とイデオロギー論争が、歴史上ではいつの時代も起
こっている。世界観が違う大国同士は違う政治をすることになり、
世界の動向は、この大国の政治によりどうなるかが決まり、どのよ
うに秩序が保たれるのかが決まる。世界政治は日本の勝手にはなら
ない。

この大国間の競争が今なくなっていると認識されているが、これと
同じような時代が歴史的にあった。20世紀始めで1910年から
第一次大戦前までである。

大国間の紛争が去ったとチャーチルまで言っていた。仏独を中心と
した欧州での大戦が30年間も無くなり、通信が発展して世界の距
離が短縮された。知識人の間では国際紛争は無くなり、グローバル
経済になったと評論されていた。

しかし、この後に人類史上、最悪な第一次大戦になるのである。グ
ローバル経済は、戦争を無くすというのは知識人の錯覚であった。

フランシス福山の「歴史の終焉」も同じで冷戦の終焉を受けて、大
国間競争は無くなったとした。
冷戦後のコンセンサスとして、1.大国間の競争がなくなり、2.
地政学から地経学へというように、国の力は経済にシフトしたとし
た。そして、グローバル経済になったと。

しかし、それはまた、間違いであったことが明確になっている。
中国は19世紀後半から今まで屈辱を受けたと思っている。この屈
辱を晴らし、19世紀以前の世界の大国に復帰するという。

そして、専制国家が民主国家群から圧力を受けていると捉えている。
中国は専制国家の方が力があり、良いと考えている。経済成長で成
功したと中国は認識し、また国民は生活水準が上昇した。経済的な
自由で、政治的には不自由という体制を多くの国民が受け入れてい
る。

このような中で中国も民主化にいつかなるという希望はダメである。
専制主義が相当長期につづき、強く生き残ることになる。

このような中国が中小国に影響することになる。ファシズムが戦前
、力があり、戦後共産主義のモデルがよいとなり、多くの国が共産
主義になった様にである。

このため、中国の専制主義モデルが良いとなると、真似して増加す
ることになる。ベネズエラ、イラン、ミャンマーなどが追従してい
る。

そして、現在、専制国家と民主国家の対立が起きている。しかし、
見逃されている。このため、民主国家はこのままでよいという安心
感を持ってはいけない。民主国家は連帯を強めることが必要である。
それが弱い民主国家を支えることになる。

米国を中心として、バランスオブパワーを復活させて、専制国との
間で力の均衡を再度構築することである。

それでは中国軍の状況、米中関係、南シナ海をめぐる動き、米国の
対応策などを見よう。

参考資料
3588.大国政治の復活とリベラル民主主義の将来
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L2/220331.htm
3572.米海軍力減少で地政学が変化へ
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L2/220314.htm
3571.インド洋をめぐる地政学
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L2/220313.htm
3512.地政学から見た将来
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L2/220103.htm

1.中国軍の状況
2009年10月1日に北京の国慶節の軍事パレードで、軍事専門家らは
、米全土への核攻撃が可能な移動式大陸間弾道ミサイル「東風31
A」中距離弾道ミサイル「東風21C」と対地巡航ミサイル「長剣
10」の公開など、中国のミサイル戦略が新たな段階を迎えたこと
に注目していた。在日米軍基地を含む日本、インドといった中国の
周辺に対しても、「攻撃手段の多様化」が進展していることが明ら
かになった。 

また、米議会の中国の航空宇宙軍事能力に関する公聴会で、米空軍
高官は中国軍がグアム島の米軍基地を直撃できる長距離爆撃機とし
て現有のB6爆撃機の長距離改良型を開発中であることや、次世代
(第五世代)のステルレス戦闘機は2018年には実戦配備できる
見通しや、福建省周辺に配備した1千基以上の弾道ミサイルで台湾
や日本を含む西太平洋の全域を攻撃可能にしていることを明らかに
した。また、「東風21D」の対艦弾道ミサイルも開発中であり、
実戦配備間近であるとした。

中国空軍筋は6月15日、中国人民解放軍が将来の宇宙軍拡競争に備え
、空軍と宇宙開発を統合した「空天一体」戦略を策定し「宇宙軍」
創設へ向け準備を本格化させていると述べた。宇宙制圧を目指して
中国は体制を強化している。

中国軍が、遼寧省興城市と陝西省西安市に空母に搭載する戦闘機の
発着訓練飛行場を建設していることがわかった。二つの飛行場とも
滑走路は国産空母と同じ長さで、実際に使う管制システムや発着用
の装置が備えられており、建造の本格化が裏付けられた。また、遼
寧省大連市で改修している旧ソ連軍のワリャーク(6万トン級)が
実戦演習に移るという。そして、この情報から空母2隻が整備・建
造されているようだ。

中国軍の内部報告書で、中国の10年度の「軍事費」は、公表の「
国防費」5321億元(約6兆9千億円)の約1・5倍に上る
7880億元(約10兆2千億円)と明記していることが分かった
というように、完全に中国は第2位の軍事大国である。

2010年6月から、中国では記録破りとなった原油輸入量は、政
府が戦略石油備蓄を増加させるためのようだ。石油備蓄は戦争や紛
争に備える意味がある。

楊毅少将は8月7日までに、中国メディアに対し「中国の海洋進出は
必然で、どんな包囲網も海軍の歩みを阻止できない」と述べ、沖縄
、台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」に沿った米軍による海上
包囲網を突破する考えを明確にした。

中国軍の海軍力拡大で、沖縄など第1列島線上の基地は安全ではなく
なり、今後、「米海軍力の拠点としてのオセアニア」がますます重
要になってくるだろうとロバート・カプランが論じている。

このような状況から、日中世論調査の結果によると、中国人の83
%が2050年の中国経済について、中国は米国を抜くか、米国と
競い合う経済政治大国になると予測していることが分かった。

2.米中関係
北京で米中戦略・経済対話は5月25日、主要議題だった通貨や通商
問題で中国側が大幅な譲歩を示さないまま閉幕した。米中の対立を
隠して終わった。

過去20〜30年間にわたり、中国が力と富を増すことは米国にとって
好ましいという意見を繰り広げてきたのが、米国の多国籍企業だっ
た。しかし、中国の通商・経済政策が米国企業に不利に働くような
国家主義的な方向に向かっている。30年間に及ぶ高度成長を経て、
中国が今、外資を歓迎する姿勢を後退させ、自国を代表する企業の
育成に専念できると考えているようだ。

しかし、現在、中国が人民元の対ドル相場の大幅上昇を認めないこ
とに対抗して、中国製品に貿易制裁を課すことを求める米議会の動
きが出ている。これまでは、米国企業が米国内での中国叩きを抑制
する唯一最大の勢力となってきた。

しかし、GEやグーグル、ゴールドマンのような多国籍企業が中国を
支持する姿勢を修正したり、意見を差し控えるようになったりすれ
ば、保護主義の流れは加速していくことになる。

このような議会の動きに対して、オバマ大統領も中国の切り上げ姿
勢が「3か月ではっきり分かる」として、10月までの期限を明示
した上で中国側に対応を迫っている。しかし、中国対応を見ると、
切り上げペースが不十分で為替操作国に認定することになりそうで
ある。経済的にも米中関係は大きな障害にぶつかることになりそう
である。

ゲーツ米国防長官は、6月3日ゲーツ長官の訪中を中国軍が阻止した
ことで「中国人民解放軍は、中国の政治指導者よりも、関係構築に
対して著しく関心が低い」とシンガポールの「アジア安全保障会議
」(英国際戦略研究所主催)前に述べた。

しかし、中国軍の羅援少将は、韓国哨戒艦沈没事件を受けて計画さ
れている米韓合同軍事演習などを挙げ、「中国への敵意を含む行動
には対抗措置が必要だ」との見解を示した。

羅少将は、軍幹部を務めた父を持ち、軍内部で影響力を持つとされ
る。同少将の発言は、米韓演習をけん制する動きを強める中国軍部
の声を「代弁」している可能性もある。

このような情勢で、中国の胡錦濤国家主席の米国訪問が、米中関係
の悪化を受けて延期となった模様だと8月10日に香港紙に報じられた。

経済・安全保障の両面で米中関係は大変なことになりそうである。

3.南シナ海をめぐる動き
クリントン国務長官は7月23日、ベトナム・ハノイで開かれたASE
AN地域フォーラム(ARF)で演説し、「南シナ海周辺国の領有権紛
争解決が同地域の安全保障と外交の中心的な問題となった」と指摘
し、その上で、「米国はアジアの公海上で航行の自由という国益が
あり、南シナ海での国際法を尊重する」と述べた。その上で、「中
国も海洋法と国連規約を守るべきだ」と重ねて要求した。

中国政府は今年3月、米政府に対し、「南シナ海問題は中国の主権
、領土の保全など重要な利害がかかわる問題だ」と通告している。
中国は南シナ海での支配力強化を図ろうとする米国の動きに公式に
反発し、今後もそうした動きを座視しない姿勢を強調した。

この反発の第1弾として、中国やマレーシアなど6か国・地域が領有
権を主張する南沙(スプラトリー)諸島などを抱える南シナ海で、
中国は7月下旬、海軍による大規模な実弾演習を行うなど軍事力を
誇示した。

羅少将は、他国と領有権を争う南シナ海の島嶼(とうしょ)につい
て、観測や通信の軍事施設を設けるなどして中国の主権を明確に示
すべきだと提案している。

そして、南シナ海対応として、広東省韶関に新基地を建設し、弾道
ミサイル「東風−21C」と巡航ミサイル「CJ−10」が配備さ
れる。将来的には「東風ー21D」対艦ミサイルも配備予定である。
これにより、台湾全域と領土紛争地域である南沙(英語名スプラト
リー)諸島や西沙(パラセル)諸島など南シナ海の70%を射程に
入れることになる。

これに対して、東南アジア諸国連合(ASEAN)は7月17日に、
ASEANと日中韓、インドなど計16カ国で構成する東アジアサミ
ットは、来年から米ロを加えた18カ国体制となることになった。
これは中国の領土拡張に対して、米国・ロシアも参加してもらい、
中国をけん制するためである。

また、米越軍事同盟のために、米国とベトナムが原子力燃料・技術
の協力に関する原子力協力協定の交渉を進めていることを明らかに
した。そして、米原子力空母ジョージ・ワシントンが8月8日、ベト
ナム中部ダナン沖合に到着し、南シナ海で8月12日、越国と米国の両
海軍による合同訓練に参加した。

これに対して、楊毅少将は、米国とベトナムが海軍の合同訓練を実
施するなど接近していることについて、「ベトナムは将来、後悔す
ることになるだろう」と警告した。

しかし、一方で東南アジアで中国から武器を調達する動きが広がり
つつある。インドネシアのプルノモ国防相は5月末、中国から短距
離対艦誘導ミサイル「C―802」を購入する考えを明らかにした。
また、マレーシアも最近、中国製の携行式地対空ミサイル「FN―
6」を購入するなど建国以来初の中国からの武器輸入に踏み切った。

4.米国の対応策
グレグソン米国防次官補(アジア・太平洋担当)は5月6日、米アジ
アの安定のため米軍が前方展開する決意を示すとともに、「対等な
パートナーシップには責任の分担が必要」と、同盟国に一層の負担
を求めていくとした。アジアの民主国家と連帯を強めることが対中
戦略上必要と述べたようだ。

しかし、米オバマ政権は新国家安全保障戦略を発表した。軍事力を
安全保障上の礎石としつつも、国際協調主義と外交的関与による解
決を優先する姿勢を示した。軍事力の削減をしたいオバマ大統領と
しては、外交優先と言うしかない。

そして、軍事費削減の第1弾として、ゲーツ米国防長官は8月9日、米
軍変革のための計画立案などにあたってきた「統合戦力軍」を廃止
することなどを柱にした米軍・国防総省の大幅なリストラ案を発表
した。

また、ゲーツ米国防長官は8月12日、海兵隊の運用の現状や脅威の多
様化を踏まえ、海兵隊の体制を見直すことを明らかにした。

これは、中国の新型対艦ミサイルを警戒するために、海兵隊員を乗
せた艦船は上陸する海岸から最大100キロ以上離れた地点まで後
退しなければならないために、上陸戦が出来ない可能性を指摘して
いるためだ。

軍事費削減から、同盟国や潜在的な中国敵対国なとと大連合を組み
中国に対応する戦略で、インドに対して、米オバマ大統領は「米印
両国は世界の二大民主主義国、多様性に富んだ国として共通の利益
、価値を共有している。(訪印で)両国の協力関係を前進させるこ
とを楽しみにしている」と11月訪問するとして、隠れた米印同盟構
築を目指すようである。

米露首脳会談を6月24日に行い、軍事・経済関係の強化を協議した。
このため、G8では北朝鮮を名指して哨戒艦沈没攻撃批判の共同声明
ができた。そして、その後のイラン問題でも米国との関係を重視し
た対応をしている。米国が中国包囲のために、着々と手を打ってい
るようである。

米中激突時代を迎えて、日本の動きは難しくなってきた。
さあ、どうなりますか??
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中国人83%「米抜く・競う」=米中時代到来と予測−世論調査
時事
 日本の民間団体「言論NPO」と中国紙チャイナ・デーリーによ
る日中世論調査の結果によると、中国人の83%が2050年の中
国経済について、中国は米国を抜くか、米国と競い合う経済大国に
なると予測していることが分かった。
 「これからの世界政治をリードしていく国・地域」との設問に対
し、中国人の49.7%が「中国」と回答。トップの「米国」
(55.3%)に迫り、「大国」としての自信をのぞかせた。
(2010/08/14-22:48)
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海兵隊体制見直し指示=上陸戦限界、中国意識も−米国防長官
 【ワシントン時事】ゲーツ米国防長官は12日、カリフォルニア
州で演説し、海兵隊の運用の現状や脅威の多様化を踏まえ、海兵隊
の体制を見直すよう、メイバス海軍長官らに指示したことを明らか
にした。将来の在沖縄海兵隊の体制にも影響を与える可能性がある。
 ゲーツ長官は見直しの理由として、海上から敵地に上陸する伝統
的な海兵隊の作戦が、対艦ミサイルの拡散により通用しなくなる恐
れがあることや、海兵隊の展開地域がアフガニスタンやイラクなど
内陸部に拡大、部隊も肥大化していることを挙げた。
 同長官は新型対艦ミサイルを警戒するために、海兵隊員を乗せた
艦船は上陸する海岸から最大100キロ以上離れた地点まで後退し
なければならない可能性も指摘した。
 長官は「今後数年から数十年後を見据えた脅威に対処できるよう
にしなければならない」と表明。中国が台湾有事や、権益を主張す
る南シナ海などへの米空母・強襲揚陸艦の接近を阻止するため、
より高性能な対艦弾道ミサイルを開発中であることも意識している
とみられる。 
 国防総省はここ数年、イラク、アフガン戦争で海兵隊の規模を
17万5000人から20万人に増員したが、ゲーツ長官は海兵隊
の人員削減も示唆した。(2010/08/13-16:53
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「ベトナムは後悔するだろう」=対米接近に警告−中国軍高官
 【香港時事】13日付の香港紙サウス・チャイナ・モーニング・
ポストなどによると、中国軍少将で元国防大学戦略研究所長の楊毅
氏はこのほど、香港のテレビ番組で、米国とベトナムが海軍の合同
訓練を実施するなど接近していることについて、「ベトナムは将来
、後悔することになるだろう」と警告した。
 楊少将は、ベトナムが米中を競わせることで利益を得ようとする
「危険なゲーム」をしていると指摘。米国はベトナムを一時的に利
用しているだけであり、ベトナムは最終的には米国に見放されると
の見方を示した。(2010/08/13-16:36)
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南シナ海で合同訓練始まる=米越海軍、中国刺激も
 【バンコク時事】ベトナム中部ダナン沖の南シナ海で12日、同
国と米国の両海軍による合同訓練が始まった。海上救難活動など非
軍事の演習としているが、同海域で南沙、西沙両諸島の領有権を争
う中国を刺激する可能性もある。
 訓練は米越両国の国交正常化15周年を記念する行事の一環で、
14日までの予定。米海軍からはイージス艦「ジョン・S・マケイ
ン」や原子力空母「ジョージ・ワシントン」が参加した。
 南シナ海をめぐっては、権益確保に努める中国に対し、ベトナム
などが反発。7月にハノイで開かれた東南アジア諸国連合(ASE
AN)外相会議は同海域に関し、関係国の自制と信頼醸成を促す共
同宣言を出して中国をけん制した。(2010/08/12-17:12)
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中国が南シナ海射程の新ミサイル基地建設、「空母キラー」弾道ミ
サイル配備か 
AUGUST 09, 2010 06:46 japanese.donga

人民解放軍のミサイル部隊である第2砲兵は、人民解放軍創設記念
日(8月1日)を数週後に控えて、広東省韶関に新基地を建設し、
戦略ミサイル部隊である96166部隊を配置したと、香港紙サウ
スチャイナ・モーニング・ポストが8日付で報じた。第2砲兵は、
空軍や海軍のように独立した軍組織として大陸間弾道弾などを専門
的に取り扱う中国の戦略部隊だ。 

同紙は、地元紙の韶関日報と現地政府サイトの情報を引用してこの
ように伝えた。同基地には、弾道ミサイル「東風−21C」と巡航
ミサイル「CJ−10」が配備されると見られている。同紙は、こ
のミサイルの射程は2000キロ以上で、台湾全域と領土紛争地域
である南沙(英語名スプラトリー)諸島や西沙(パラセル)諸島な
ど南シナ海の70%を射程に入れることになると書いた。 

同紙は、また先週、米ワシントンのシンクタンク「プロジェクト
2049研究所」が出した報告書を引用し、韶関基地に中国が現在
開発中の「東風−21D」弾道ミサイルを配備することになるだろ
うと見通しを伝えた。「空母キラー」と呼ばれている同ミサイルは
、中国初の対艦弾道ミサイル(ASBM=Anti-ship ballistic 
missile)。
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米軍・国防総省の大リストラ案 5年で8兆円以上削減
2010年8月10日14時1分

 【ワシントン=村山祐介】ゲーツ米国防長官は9日、米軍変革の
ための計画立案などにあたってきた「統合戦力軍」を廃止すること
などを柱にした米軍・国防総省の大幅なリストラ案を発表した。ア
フガニスタン増派などで膨張が続く国防予算を、今後5年で1千億
ドル(約8兆6千億円)以上削減するための具体策として打ち出し
た。 

 アフガニスタンとイラクで二つの戦争を続ける米国の国防費はこ
の10年で倍増し、2011会計年度(10年10月〜11年9月
)の当初予算では7千億ドル(約60兆円)を超え、米国史上最悪
の財政赤字の大きな要因とされている。 

 廃止対象に挙げられた統合戦力軍は、太平洋軍や中央軍などと同
様に、10ある統合軍の一つだが、特定の担当地域を持たず、予備
役の訓練や戦術の立案・評価などを担ってきた。現在は軍人と文民
、民間請負業者を合わせて約6千人が働いているが、ゲーツ氏は「
必ずしも独立の部隊である必要はない」と語り、今後半年から1年
の間に廃止する方針を示した。 
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中国:胡主席の訪米延期か 米中関係悪化受け…香港紙報道
 【北京・米村耕一】来月を念頭に調整中だった中国の胡錦濤国家
主席の米国訪問が、米空母の演習や南シナ海を巡る米中関係の悪化
を受けて延期となった模様だと10日付の香港の英字紙サウスチャ
イナ・モーニング・ポストが報じた。

 同紙は「訪米準備のための米中間の事務レベル協議が予定通り進
んでいない」との中国外交官の発言を引用。「胡主席の訪米が近く
実現する可能性は低い」との分析を伝えた。
毎日新聞 2010年8月10日 20時15分
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中国が空母発着訓練施設建設 艦載戦闘機を国産開発へ
2010年8月11日3時0分

 【北京=峯村健司】中国軍が、遼寧省興城市と陝西省西安市に空
母に搭載する戦闘機の発着訓練飛行場を建設していることがわかっ
た。香港在住の軍事評論家、平可夫氏が中国軍関係者の証言と衛星
写真から確認した。さらに搭載用戦闘機を国産で開発していること
も新たに判明。近く試験飛行が始まる見通しだ。 

 軍関係者によると、国家中央軍事委員会は昨年4月、初の国産空
母建造を内部決定したが、公表していない。二つの飛行場とも滑走
路は国産空母と同じ長さで、実際に使う管制システムや発着用の装
置が備えられており、建造の本格化が裏付けられた。 

 戦闘機は「殲(せん)15」と名付けられ、遼寧省瀋陽市にある
中国軍系の会社が昨年秋、試作機を製造した。空母に搭載できるよ
うに、折りたためる主翼や水平尾翼を持つ。ロシア製戦闘機スホイ
33に外見が似ており、ウクライナから購入した同機のテスト機を
もとに開発した可能性が高い。 

 陸上での発着訓練を終えると、ウクライナから購入し、訓練用空
母として遼寧省大連市で改修している旧ソ連軍のワリャーク(6万
トン級)での実戦演習に移る。平氏は「空母用戦闘機の飛行場を同
時に二つも設けた例は旧ソ連や米国でもない。急ピッチで建造を進
めていることがうかがえる」としている。 
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中国軍、第1列島線突破を断言 海上摩擦増加も
 【北京共同】中国国防大学の戦略研究所所長を務める楊毅少将は
7日までに、中国メディアに対し「中国の海洋進出は必然で、どん
な包囲網も海軍の歩みを阻止できない」と述べ、沖縄、台湾、フィ
リピンを結ぶ「第1列島線」に沿った米軍による海上包囲網を突破
する考えを明確にした。

 同紙は、中国海軍艦隊が3、4月に沖縄と宮古島の間の宮古水道
を通過し、軍事演習を実施したのは「日米に対し中国海軍に列島線
の概念はないことを示す狙いがある」と解説した。
2010/08/07 19:33共同通信
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米空母がベトナム沖合に 南シナ海、中国を刺激

 【ハノイ共同】AP通信によると、米海軍横須賀基地配備の米原
子力空母ジョージ・ワシントンが8日、ベトナム中部ダナン沖合の
南シナ海に到着した。南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)、西
沙(同パラセル)両諸島の領有権をめぐってベトナムと対立する中
国を強く刺激しそうだ。
2010/08/08 16:03共同通信
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越と原子力協定交渉=ウラン濃縮容認の報道も−米
 【ワシントン時事】クローリー米国務次官補(広報担当)は5日
の記者会見で、米国とベトナムが原子力燃料・技術の協力に関する
原子力協力協定の交渉を進めていることを明らかにした。ただ、ベ
トナムに独自のウラン濃縮を認めるかどうかについては「交渉中」
として確認を避けた。
(2010/08/06-14:12)
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6月の中国原油輸入量大幅増、戦略備蓄強化か? 
2010/07/23 新華社ニュース(新華通信ネットジャパン) 

【新華社北京】 2010年6月、中国では記録破りとなった原油
輸入量は、政府が戦略石油備蓄を増加させるものだとする見方をは
じめ、さまざまな憶測を呼んでいる。中国エネルギー戦略研究セン
ターの郭海濤主任補佐は、1バレル当たり70ドル前後の原油価格
は、輸入業者にとって手ごろであり、仕入れとして良いタイミング
だとの感想を語った。石油製品定価メカニズム改革後、製油所は大
きな利益を手に入れており、輸入業者も積極的だ。 

 税関総署の統計によると、6月の原油輸入量は前年同期比34%
増の2227万トンとなっている。09年12月以来、2000万
トンを突破した4回目となる月間輸入量だ。金融危機以降、中国の
原油輸入は09年4月に反発し、第2四半期(4−6月)からこれ
まで大量輸入を維持し、09年12月には2126万トンの月間最
高を記録している。 

 原油輸入の増加は、戦略石油備蓄計画の推進に関係がある。戦略
石油備蓄計画は03年発足した。15年をメドに三期に分けて石油
備蓄基地建設を完成する目標が掲げられた。一期として4つの戦略
石油備蓄基地は、浙江舟山、鎮海、遼寧大連、山東黄島に置かれ、
08年には全面的に稼動し、備蓄総量は1ヵ月分の原油輸入量に相
当する。 
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東南ア、中国から武器調達の動き 中国も影響力強化狙う
2010年8月2日4時41分
  
 【シンガポール=塚本和人】東南アジアで中国から武器を調達す
る動きが広がりつつある。経済成長が続く東南アジアの新興国は国
防力の拡充を図っており、経済的な結びつきが先行する中国と、安
全保障面でも関係強化に動き出したかたちだ。中国にも戦略的重要
性が増す東南アジアを自国の安全保障戦略に組み込む思惑が透けて
みえる。 

 インドネシアのプルノモ国防相は5月末、同国を訪問した中国人
民解放軍幹部と会談。プルノモ氏は朝日新聞の取材に対し、中国か
ら短距離対艦誘導ミサイル「C―802」を購入する考えを明らか
にした。同氏によれば、中国以外からもオファーがあったが、イン
ドネシアが製造する軍服や軍靴などの軍用品を中国軍に売り込みた
い意向もあって中国との取引を進める方針をとったという。さらに
、インドネシア側はこのミサイルを国内で中国側と共同生産するこ
とも期待している。 

 マレーシアも最近、中国製の携行式地対空ミサイル「FN―6」
を購入するなど建国以来初の中国からの武器輸入に踏み切った。ザ
ヒド国防相は地元メディアに「急成長している中国の国防技術を評
価すべきだ」と述べ、今後は中国が有力な兵器調達先の一つになる
との考えを示した。 

 インドネシアとマレーシアは国内に中国系住民(華人)を抱え、
中国との関係強化は多数派の非華人住民の反発を呼びかねない。そ
れでも中国に接近する背景には、近年の中国台頭で変化した経済事
情がある。両国は金融危機後の景気浮揚を中国との貿易拡大などで
乗り切ろうとしており、「中国の成長が東南アジアの成長につなが
る」(インドネシア外交筋)とするほど関係が強まっている。 
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南シナ海で中国海軍演習、米・ASEANけん制
 【北京=佐伯聡士】中国やマレーシアなど6か国・地域が領有権
を主張する南沙(スプラトリー)諸島などを抱える南シナ海で、中
国の胡錦濤政権が7月下旬、海軍による大規模な実弾演習を行うな
ど軍事力を誇示した。

 先の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF
)で南シナ海問題に結束して対処する方針を打ち出したASEAN
や、関与姿勢を強めている米国をけん制する狙いがあるとみられる。

 人民解放軍機関紙「解放軍報」などによると、海軍は26日、南
海、北海、東海の3艦隊が南シナ海で合同演習を実施、陳炳徳・総
参謀長が視察した。南海艦隊が中心となり、敵の電磁波妨害があっ
たとの想定下で、ミサイル駆逐艦が対空、対艦ミサイルを発射した。
多数のフリゲート艦やミサイル艇、海軍航空隊も参加した。
(2010年7月31日21時51分 読売新聞)
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米中、南シナ海の領有権問題で「戦線拡大」
 中国と周辺5カ国が領有権を争う南シナ海の問題が、米中間の新た
な対立点として浮上している。クリントン米国務長官は、「南シナ
海問題は米国の利害に直結するものだ」と述べ、領有権問題への介
入と通航の自由確保を主張し、中国が反発している。南シナ海では
、中国が大部分を自国の領海だと主張しているほか、ベトナム、マ
レーシア、フィリピン、ブルネイ、インドネシアも一部を領海だと
主張しており、関係国の利害が鋭く対立している。

■クリントンの一撃
 クリントン国務長官は23日、ベトナム・ハノイで開かれた東南ア
ジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で演説し、「南シナ
海周辺国の領有権紛争解決が同地域の安全保障と外交の中心的な問
題となった」と指摘した。その上で、「米国はアジアの公海上で航
行の自由という国益があり、南シナ海での国際法を尊重する」と述
べた。その上で、「中国も海洋法と国連規約を守るべきだ」と重ね
て要求した。

 今回の演説に対し、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポス
トは25日、「米国が中国の裏庭に奇襲攻撃をかけた」と分析した。
同紙はクリントン国務長官の発言について、南沙諸島(スプラトリ
ー諸島)、西沙諸島(パラセル諸島)の領有権を主張するベトナム
、マレーシア、フィリピンなど周辺国を喜ばせる一方で、中国の楊
潔チ外相ら中国政府を激怒させたと報じた。

 中国政府は今年3月、米政府に対し、「南シナ海問題は中国の主権
、領土の保全など重要な利害がかかわる問題だ」と通告している。
中国は南シナ海での支配力強化を図ろうとする米国の動きに公式に
反発し、今後もそうした動きを座視しない姿勢を強調した形だ。

■中国の反撃
 クリントン国務長官の演説について、楊潔チ外相は顔を真っ赤に
して現れ、「正当に見えるクリントン国務長官の発言は、中国に対
する事実上の攻撃だ。南シナ海は現在、平和的な地域であり、ASEAN
が南シナ海の領有権紛争を解決するのにふさわしい場でもない」と
反論した。ARFに出席した外交官によると、楊外相は「米国が事前に
準備し、意図的に問題を取り上げた」と感情的な言葉で不快感を表
明したという。

 二日後の25日にも、中国外務省は楊外相名義の声明を発表し、「
南シナ海問題が国際化されれば、どんな結果を招くか。問題を悪化
させ、解決をさらに難しくするだけだ。国際的慣行では、こうした
紛争を解決する上で最善の方法は関係国が直接2国間協議を行うこと
だ」と指摘した。中国は米国が太平洋越しに介入すべき問題ではな
いと反発した格好だ。

 香港の外交アナリストは「クリントン長官による南シナ海問題の
提起は、米中の神経戦が東シナ海から南シナ海にも拡大するきっか
けとなった。今後の米中関係に大きな変化が訪れるのではないか」
と指摘した。
香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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中国への熱意を失い始めた米国企業 7月14日 英フィナンシャ
ル・タイムズ紙jbpress

大方の左派からすると、多国籍企業には今も漠然と邪悪なイメージ
がつきまとう。だが、こうした企業は平和と繁栄、国際協力を強力
に推進する世界屈指の勢力だ。

 大企業の力がなければ、米中関係は何年も前に悪化していたかも
しれない。太平洋の両側には、より敵対的な関係を望む勢力がいる。
中国の国家主義者、米国の労働組合、両国の軍事機構といった存在
である。

 過去20〜30年間にわたり、中国が力と富を増すことは米国にとっ
て好ましいという反論を繰り広げてきたのが、米国の多国籍企業だ
った。このため、米国の経済界が中国に幻滅する様子を見せ始めた
ことは、企業だけでなく国際政治にとっても不吉な兆候だ。(中略)

◆米国企業に不利な通商・経済政策へのシフト

 しかし、グーグル、ゴールドマン、GEが同時に窮地に陥った今、
より大きなトレンドが進行していることは明白だろう。

 米国の政府高官らはしばらく前から内々に、中国の通商・経済政
策が米国企業に不利に働くような国家主義的な方向に向かっている
ことを心配してきた。30年間に及ぶ高度成長を経て、中国が今、外
資を歓迎する姿勢を後退させ、自国を代表する企業の育成に専念で
きると考えているのではないか、と懸念している。

米国企業と中国の関係悪化は、両国関係にとって極めてまずいタイ
ミングで生じることになる。というのも、「グレートリセッション
」と呼ばれる大不況のせいで、米国ではグローバル化を支持する姿
勢が衰え始めている。

 米国の失業率が10%に近い水準で高止まりし、急増する財政赤字
と軍事的な挫折によって世界を形作る米国の力が試されている今、
米国の政治家と学者は次第に、米国は中国の台頭を歓迎すべきなの
かという疑念を強めている。

◆高まる反中感情、米国で保護貿易の流れが加速する恐れも

 こうした反中感情は、中国が人民元の対ドル相場の大幅上昇を認
めないことに対抗して、中国製品に貿易制裁を課すことを求める米
議会の動きにも表れている。

 これまでは、米国企業が米国内での中国叩きを抑制する唯一最大
の勢力となってきた。もしGEやグーグル、ゴールドマンのような企
業が中国を支持する姿勢を修正したり、意見を差し控えるようにな
ったりすれば、保護主義の流れは加速していく。

 もちろん、中国政府は愚かではない。中国は米国、そして世界全
般と対処していく自信を深めながらも、対立の回避を望む慎重な姿
勢を崩していない。

 問題がグーグルであれ通貨であれ、戦略的に重要な局面では、中
国政府は害をもたらす米国との対立を避けるために計算ずくで譲歩
するだろう。だが、米国企業と米国民が次第に苛立ちを強めている
中、誤算が生じるリスクが高まっている。
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米韓演習に対抗措置を=南シナ海、主権明示も提言―中国軍将官
7月18日22時57分配信 時事通信

 【北京時事】18日付中国紙・広州日報によると、中国軍系の学術
団体・軍事科学学会の副秘書長、羅援少将はこのほど、韓国哨戒艦
沈没事件を受けて計画されている米韓合同軍事演習などを挙げ、「
中国への敵意を含む行動には対抗措置が必要だ」との見解を示した。
 羅少将は、共産党機関紙・人民日報のウェブサイト「人民網」の
ユーザーとの交流で発言。軍幹部を務めた父を持ち、軍内部で影響
力を持つとされる同少将の発言は、米韓演習をけん制する動きを強
める中国軍部の声を「代弁」している可能性もある。
 羅少将はまた、他国と領有権を争う南シナ海の島嶼(とうしょ)
について、観測や通信の軍事施設を設けるなどして中国の主権を明
確に示すべきだとも提案。南シナ海の権益保護をめぐる中国軍の活
動活発化を警戒する米軍を意識した主張とみられる。
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米、来年から東アジアサミットへ ロも加え18カ国体制に
 【ハノイ共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)外交筋は17
日、オバマ米大統領が2011年から東アジアサミットに毎年出席
するとの意向を米国がASEAN側に伝えたと語った。同日ハノイ
で開かれたASEAN外相会議の高級事務レベル協議では、米国の
意向を受け、米国とロシアをサミットに正式参加させる方向で一致
したという。

 ロシアは以前から東アジアサミット参加希望を表明しており、
ASEANと日中韓、インドなど計16カ国で構成するサミットは
、来年から米ロを加えた18カ国体制となることがほぼ確実になっ
た。
2010/07/17 20:36共同通信 
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米、中国の為替操作 10月再判断
人民元切り上げへ駆け引き
 【ワシントン=岡田章裕】米財務省は8日、主要な貿易相手国・
地域の為替政策に関する為替政策報告書を公表し、人民元相場の弾
力化方針を評価した上で、中国の為替操作国への認定は見送った。
ただ、「注意深く定期的に人民元の切り上げを監視していく」とし
、引き続き、中国の為替政策を注視する考えを示した。

 オバマ大統領は6月下旬の主要20か国・地域(G20)サミッ
ト(首脳会議)後の記者会見で、中国の切り上げ姿勢は、「3か月
ではっきり分かる」として、期限を明示した上で中国側に対応を迫
っている。10月の次回の報告書発表までの人民元相場の動きを見
定めた上で、切り上げペースが不十分なら、為替操作国に認定する
ことも辞さない構えとみられる。
(2010年7月10日 読売新聞)
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中国軍事費は公表の1・5倍 軍幹部、初めて認める
 中国人民解放軍の幹部が昨年秋にまとめた内部報告書で、中国の
10年度の「軍事費」は、公表の「国防費」5321億元(約6兆
9千億円)の約1・5倍に上る7880億元(約10兆2千億円)
と明記していることが分かった。中国筋が8日、明らかにした。ま
た報告書は「軍事費」が10年後にほぼ倍増、20年後には3倍増
となると予測している。

 中国の軍事予算については兵器開発費などが含まれておらず、公
表額より多いと国外からたびたび指摘されてきたが、中国軍幹部が
これを認めていることが明らかになったのは初めて。軍内には、
「国防費」とは異なる「軍事費」の概念があることが裏付けられた
。どちらも世界では米国に次いで2位の規模。軍事費には、国防費
に算入されない兵器開発費や一部の兵器購入費が含まれているとみ
られる。

 同筋によると、この報告書は「軍の後方勤務」に関する内容で、
まとめたのは国防大学教官を務める幹部。「軍事費」の規模につい
て「国内総生産(GDP)の約2・5%」としているが、中国の表
向きの「国防費」は近年「GDPの1・4%程度」(全国人民代表
大会の李肇星スポークスマン)で推移している。(共同)

2010/07/08 10:24 【共同通信】
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G2として歩調を合わせられない米中両軍の間に大きな不信感
2010.06.18(Fri) Financial TimesJBpress 

世界は少しの間、「G2」という考え方に夢中になった。この考え方
は、疲れた米国と蘇った中国が、これまで以上に緊密に協力して最
も解決困難な地球規模の問題に取り組むというものだった。

 バラク・オバマ大統領は、昨年11月に中国を訪問した際、両国が
2国間関係の「新時代」を宣言する共同文書への調印を確実にするこ
とに大きな重点を置いていた。

 両国は「2国間の戦略的信頼を醸成し深化させる」ことを約束し、
「世界の安定と繁栄に関する多くの重要課題に対し、重要性を増す
共通責任」を共有していると述べた。

 同様に、毎年1回行われる米中戦略・経済対話は、米政府が台頭す
る超大国中国と組織化されたハイレベルの議論を確立するために、
どれほどのことをする用意があるのかをはっきりと示している。

米中両軍の高官が会議で公然と衝突
 だが、米中の共同主権という考え方に浮かれる前に、両国の軍事
関係を厳しく見つめ直すべきだ。ここに見て取れる不信に満ちた雰
囲気は、両国が緊密になるという話が、よくて時期尚早であること
を示している。

 相互不信は、今月シンガポールで行われた英国際戦略研究所
(IISS)主宰のアジア安全保障会議ではっきりと表れた。数百人の
代表者が出席する中で、ロバート・ゲーツ国防長官と人民解放軍の
馬暁天副総参謀長が極めて公然と衝突したのである。

 両者の議論の焦点は、米国が今年1月に64億ドル相当の武器を台湾
に売却したことを受けて、両国の軍高官の接触を中国政府が一方的
に中断したことだった。

 シンガポールへの長旅の途中に中国に立ち寄りたいと思っていた
ゲーツ長官自身、訪問は「不方便(都合が悪い)」といううんざり
する理由で断られた。

 さらに、定期的な接触を「政治状況」の人質に取ることで、中国
は潜在的に危険な軍事的判断ミスを防止する貴重なメカニズムを危
険にさらしていると述べたうえ、一部地域が近隣諸国との領土紛争
の対象になっている南シナ海で中国が徐々に緊張を高めていると批
判した。

中国の軍備増強を不安視する米国、強硬姿勢を崩さない中国
 中国の軍事態勢に対してゲーツ長官が抱く不安は、最近、米下院
軍事委員会で、中国の急激な軍備増強は平和と安定を醸成するとい
う中国の公式目標と一致させるのが難しいと語った米太平洋軍司令
官ロバート・ウィラード海軍大将の発言を踏襲したものだ。

結局は、今も互いに向けてミサイルを構えた国同士
 別の軍高官、朱成虎少将は、米国は中国を「敵のように」扱って
いると述べた。

 ある中国の代表は非公開会議で、中国の軍事支出が公表された金
額の2〜3倍ではないかという米国政府の疑念について言及し、「中
国の兵士として、私はそれが本当であることを望む」と述べた。
これは米国の不安を和らげるよう計算された言葉ではない。

 それでも、G2の出現や米中協調の素晴らしさについて今度興奮し
た話を聞いた時には、両国が今でも互いに向けたミサイルを保有し
ていること、そして少なくとも今のところは両国の軍部が話をする
ような間柄でないことを思い出すべきである。
By David Pilling 
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大中国圏の形成と海軍力増強
 2010年06月16日フォーリン・アフェアーズ  6月号掲載:
中国は東半球で覇権を確立しつつある
ロバート・カプラン/アトランティック誌記者
大中国圏が、中央アジア、インド洋、東南アジア、そして西太平洋
で政治的、経済的、軍事的に姿を現しつつある。

陸上の国境線を安定化させ、画定しつつある中国は、いまや次第に
外に目を向け始めている。
中国を突き動かしているのは、民衆の生活レベルの持続的改善を支
えていくのに必要な、エネルギー資源、金属、戦略的鉱物資源を確
保することだ。
だが、その結果、モンゴルや極東ロシアに始まり、東南アジア、朝
鮮半島までもが中国の影響圏に組み込まれ、いまや大中国圏が形成
され始めている。
そして、影響圏形成の鍵を握っているのが中国の海軍力だ。

北京は、米海軍が東シナ海その他の中国沿海に入るのを阻止するた
めの非対称戦略を遂行するための能力を整備しようとしている。北
京は海軍力を用いて、国益を擁護するのに軍事力を使用する必要が
ないほどに、圧倒的に有利なパワーバランスを作り出したいと考え
ているようだ。
しかし、中国の影響圏の拡大は、インドやロシアとの境界、そして
米軍の活動圏と不安定な形で接触するようになる。現状に対するバ
ランスをとっていく上で、今後、「米海軍力の拠点としてのオセア
ニア」がますます重要になってくるだろう。

(オセアニア) 
グァム、カロリン諸島、マーシャル群島、北マリアナ諸島、ソロモ
ン諸島はすべて米領で、アメリカと防衛取り決めを交わしているし
、周辺の独立国がアメリカとの軍事協調に同意すれば、戦略状況は
大きく変化する。
東アジアに比較的近い上に、アメリカの戦艦が立ち入れないように
したいと中国が考えている海域の外側にあるだけに、今後、オセア
ニアの価値はますます高まっていくだろう。
グァムから北朝鮮まで飛行機でわずか4時間だし、台湾にも船で二
日の距離だ。
アメリカにとって、日本、韓国、フィリピンに部隊駐留を続けるよ
りも、オセアニアに基地を持つほうが、とかくホスト国を刺激せず
にすむ。
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中国「宇宙軍」創設へ本格化 空軍主導で兵士養成も

 【北京共同】中国人民解放軍が将来の宇宙軍拡競争に備え、空軍
と宇宙開発を統合した「空天一体」戦略を策定し「宇宙軍」創設へ
向け準備を本格化させていることが分かった。宇宙軍の兵士養成も
計画している。中国空軍筋が15日、明らかにした。

 中国の宇宙軍構想の概要が明らかになったのは初めて。米国は
1985年に宇宙軍を設立したが、2002年に戦略軍に統合され
、敵のミサイル攻撃の防御や戦略核兵器などを担当。ロシアも宇宙
軍を創設している。

 中国政府は有人宇宙船打ち上げなどの宇宙開発の目的を「平和利
用」と説明しているが、「制天(宇宙)権」確保へ長期戦略を進め
ていることが明確になった。
2010/06/15 17:04 【共同通信】
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米露首脳会談:24日に 経済関係の強化を協議
毎日
 【モスクワ大木俊治】ロシア大統領府は11日、メドベージェフ
大統領が22〜24日に米国を訪問し、24日にオバマ大統領と会
談すると発表した。
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中国軍、米中軍の関係改善に向けた努力を阻害=米国防長官
2010年 06月 4日 11:39 JST

[シンガポール 3日 ロイター] ゲーツ米国防長官は3日、中
国軍は米中軍同士の関係改善に向けた取り組みを阻害しているとの
見方を示した。
 安全保障に関する会議に出席するためシンガポールに向かう飛行
機の中で、記者団に対し述べた。

 中国は、米政府による台湾への武器輸出の決定を受けて、米国と
の軍事関係を縮小。また、今週のゲーツ長官のアジア訪問にあわせ
た中国訪問の提案も拒否した。

 長官は米中関係はほぼすべての点に関して前進しているにもかか
わらず、米中の軍関係は例外と指摘。「中国人民解放軍は、中国の
政治指導者よりも、関係構築に対して著しく関心が低い」と述べた。

 またゲーツ長官も人民解放軍の意図を読むことは困難との認識を
示すなど、米国は長年、機密情報収集において中国を「難しい相手
」とみており、長官をはじめ米当局者は、米中両国の敵対を招く恐
れのある誤解や事故を防ぐためにも、軍同士の交流継続を中国側に
要請している。
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米大統領、11月に訪印 「両国関係を前進」
2010年6月4日 東京新聞夕刊

 【ワシントン=岩田仲弘】オバマ米大統領は三日、国務省で開か
れた米印戦略対話の歓迎会で演説し、今年十一月初旬にインドを訪
問する意向を明らかにした。

 大統領は「米印両国は世界の二大民主主義国、多様性に富んだ国
として共通の利益、価値を共有している。(訪印で)両国の協力関
係を前進させることを楽しみにしている」と強調した。

 両政府はこれに先立ち初の外相級戦略対話を開き、テロ対策、核
軍縮・不拡散、貿易経済関係、気候変動・エネルギー政策などにお
ける協力強化をうたった共同声明を発表した。
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「軍事より外交的解決を優先」 米、新安保戦略を発表
2010年5月28日1時4分

 【ワシントン=望月洋嗣】米オバマ政権は27日、軍事、外交政
策の指針となる文書、国家安全保障戦略を政権発足後初めて発表し
た。軍事力を安全保障上の礎石としつつも、国際協調主義と外交的
関与による解決を優先する方針を明確にし、ブッシュ前政権の単独
行動主義や先制攻撃論などと一線を画す姿勢を示した。 

 同戦略の本文は52ページ。オバマ大統領は前文で、米国が「広
く影響力のある暴力のネットワークと、10年近く戦争状態にある
」とし、国際テロ組織アルカイダとその関連組織が米国の敵だと位
置づけた。さらに、米国は破綻(はたん)国家や敵対的な国家から
の複数の脅威にさらされているとし、米国の軍事力の優越性を保つ
意向を確認した。 

 また、「米国の強さと影響力の基盤を再生する戦略を追求すべき
だ」とし、「経済成長と財政赤字削減」の戦略上の重要性を強調し
た。 

 核開発問題で国際社会と対立する北朝鮮やイランに対しては、対
話を基軸とする米国の関与を受け入れるか、深い孤立を選ぶかの選
択を迫った。両国が外交的解決の道を無視した場合は「米国は両国
の孤立に向けた複数の手段を追求し、国際的な不拡散体制を順守さ
せる」としている。 

 国際的な課題の解決に向けた原則として、多国間主義の重要性を
強調。「国際機関の強化や集団的な行動の活性化」によって、過激
主義の撲滅、核拡散の防止、安定した経済成長、気候変動などに取
り組む。中国、インド、ロシアなどの新興国との協力を強める方針
を示している。 

 以前からの同盟・友好国との関係を再強化する方針も示し、日本
と韓国について「地域と世界の課題に対処するうえで指導力の重要
性が増している」と言及。「21世紀の安全保障の課題に対処する
ため、両国との関係を近代化していく」とうたった。 
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米中対話、相違が浮き彫りに
2010年 5月 26日 9:16 JST 
WSJ
 【北京】北京で2日間の日程で開かれていた米中の主要閣僚による
米中戦略・経済対話は25日、主要議題だった通貨や通商問題で中国
側が大幅な譲歩を示さないまま閉幕した。韓国の哨戒艦沈没事件を
受けた北朝鮮への対応では、立場の相違の大きさが浮き彫りになっ
た。 

 中国は人民元の切り上げ問題について、漸進的に改革を進めるこ
とを約束したものの、そのスケジュールは示さなかった。中国の国
内特許優遇措置に関しては、中国側は世界貿易機関(WTO)の枠
組みで解決を図りたいとの立場を堅持した。また、北朝鮮問題でも
、中国は米国など関係国と協力すると表明したが、具体論には踏み
込まなかった。 

 アナリストの間では、米側の楽観的なコメントはいら立ちを覆い
隠すものとみられている。ガイトナー長官は人民元問題で中国から
耳障りの好い言葉だけしか得られなかったことから、米議会からの
圧力が高まる可能性が大きい。議会は当面は、欧州の債務危機やユ
ーロ安のため状況を見守るとみられるが、中国が切り上げに動かな
ければ、中国を為替操作国と認定するよう同長官に迫る公算が大き
い。 
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中国、グアム米軍基地を攻撃可能な爆撃機を開発中
2010/05/21 19:27更新IZA
 【ワシントン=古森義久】米国議会の政策諮問機関「米中経済安
保調査委員会」が20日に開いた中国の航空宇宙軍事能力に関する
公聴会で、米空軍高官は中国軍がグアム島の米軍基地を直撃できる
長距離爆撃機を開発中であることや、福建省周辺に配備した1千基
以上の弾道ミサイルで台湾や日本を含む西太平洋の全域を攻撃可能
にしていることを明らかにした。

 公聴会で米空軍のブルース・レムキン次官代理とウェイン・ウル
マン中国問題部長は、中国空軍が(1)西太平洋で制空権を持つ米
軍の拠点としてのグアム島を航空機で攻撃する能力は現在は限られ
ているが、現有のB6爆撃機の長距離改良型を開発しており、この
改良型は搭載の空対地巡航ミサイルでグアム島の米軍基地を攻撃で
きる(2)国産戦闘機の開発を本格的に進めており、次世代(第五
世代)の戦闘機は2018年には実戦配備できる見通しだ−などと
証言した。

 さらに中国軍は遠距離攻撃の手段としてミサイルにも依存してい
るとして、「中国南東部(福建省周辺)に短距離と中距離の弾道ミ
サイル1000基以上をすでに配備したが、その弾頭は空港滑走路
破壊用、敵レーダー攻撃用、対艦攻撃用など多様であり、巡航ミサ
イルと合わせれば、西太平洋地域のほぼいかなる目標をも攻撃でき
る態勢にある」と証言した。
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グレグソン米国防次官補:アジアの安定のため、一層の負担を同盟
国に要求
毎日2010/05/08
 【ワシントン古本陽荘】グレグソン米国防次官補(アジア・太平
洋担当)は6日、ワシントン市内で米アジア政策の将来について講
演した。アジアの安定のため米軍が前方展開する決意を示すととも
に、「対等なパートナーシップには責任の分担が必要」と、同盟国
に一層の負担を求めていく考えを強調した。

 地域情勢に関しては、不透明な形で軍拡を続ける中国と北朝鮮を
名指しし、「核とミサイルの脅威は明白で、しかも高まっている」
と指摘。その上で、米国が「核の傘」も含めた抑止力を提供し続け
る方針を強調した。
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中国建国60年 日米MD突破可能 ミサイル戦略、進化明らか 
2009/10/02 産経新聞 東京朝刊 

 【ワシントン=山本秀也】北京で1日に行われた国慶節の軍事パ
レードについて、米国の軍事専門家らは、米全土への核攻撃が可能
な移動式大陸間弾道ミサイル「東風31A」の公開など、中国のミ
サイル戦略が新たな段階を迎えたことに注目している。在日米軍基
地を含む日本、インドといった中国の周辺に対しても、ミサイル防
衛(MD)網を突破する「攻撃手段の多様化」が進展していること
が明らかになった。 

 今回登場した弾道・巡航ミサイルは5種類。台湾を狙う短距離型
(東風11Aなど2種)のほか、中距離弾道ミサイル「東風21C
」と対地巡航ミサイル「長剣10」が、東風31Aとともに「ミサ
イル戦略の柱」として米国で関心を集めた。 

 中国のミサイル戦力について、ジアラ氏は、「米中の軍事構図は
、台湾問題をはさんで向き合った状況から、米中の直接対峙(たい
じ)へと転換しつつある」と、状況の変化を指摘。異なる射程や多
弾頭化など、多様な選択肢を備えた中国が、攻撃目標の距離や形態
を問わない「全方位的な作戦能力」を目指しているとして、日米同
盟が中国の軍事的な脅威に正面から対処する枠組みを持たないこと
に強い懸念を示した。 
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China's new strategy
中国の新戦略
Posted By Stephen M. Walt Monday, April 26, 2010 - 9:27 AM FP

For the past fifteen years or so, there's been a continuing 
debate on the likelihood of a serious rivalry between 
the United States and China. 
On one side are realists who believe that if China continues 
to increase its economic power, then significant security competition 
between the two countries is virtually inevitable. 
On the other side are those (mostly liberal) theorists who believe 
that the potential for trouble will be muted 
by economic interdependence and the socializing effects 
of China's growing participation in various international institutions. 
(This was Bill Clinton's rationale for getting China into the World Trade 
Organization, for example). 
And if China were to make a gradual transition to democracy, 
so the argument runs, then democratic peace theory will kick in 
and there's nothing to worry about. 

On Saturday, the New York Times published an important story 
supporting the realist view. It described the rapid expansion 
of China's naval capabilities (a classic manifestation of great 
power status), as well as the more ambitious new strategy 
that this growing capacity is designed to serve. Briefly, 
as China's economic power and dependence on overseas raw materials 
(e.g., oil) has grown, it is seeking to acquire the ability 
to protect its access. In practice, China's new strategy 
of "far sea defense" means acquiring the ability to project 
naval power into key ocean areas (including the Indian Ocean 
and Persian Gulf), while denying other naval powers the ability 
to operate with impunity in areas close to China. 

Needless to say, this is precisely what realism would predict, 
and some prominent realists (e.g., my co-author John Mearsheimer) 
have already explained the logic behind this prediction very clearly. 
And the one country that shouldn't be at all surprised is 
the United States, because China appears to be doing something akin 
to what we did during the latter part of the 19th century. 
To be specific: Beijing is seeking to build its economy, 
then expand its military capacity, achieve a position 
of regional dominance, and then exclude other major powers 
from its immediate neighborhood. 
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「海陸和合論」― 新地政学への模索 
             清華大学国際問題研究所教授 劉江永
http://www.peopleschina.com/maindoc/html/fangtan/200607.htm

1.時代遅れの地政学戦略思想
 西側の伝統的な地政学戦略の学説は、その多くが、歴史と地理的
観点から、いかにして世界に覇を称えるかを論じている。19世紀末
の「海の覇権論」も、20世紀初めの「陸の覇権論」も、人類の歴史
を、陸と海の勢力の争う歴史とみなしている。

 しかし、その後の世界の歴史はそうではなかった。例えば2回の世
界大戦においては、「陸の国家」間の戦争もあれば、「海洋国家」
間の戦争もあったのである。戦争の禍機は、帝国主義国家の植民地
と世界の覇権をめぐる争奪から始まり、戦争の結果は、侵略者の徹
底的な失敗に終わった。

 1930年代のドイツ地政学は、ヒットラーがいわゆる「生存空間論
」を提起したように、ただ戦争の発動の口実として利用されたに過
ぎない。そのころ、日本の地政学は「皇道」と「八紘一宇」を「指
導理念」として、大日本帝国の侵略戦争を正当化しようとしたもの
であった。戦後、平和主義が優勢だった日本では、経済地理学の研
究はあるが、伝統的な地政学は、国際政治学界で、いかなる地位も
占めることができなかった。
 
 しかし、現在、伝統的な地政学戦略論は、依然として、米国のグ
ローバルな戦略を策定する上で、重要な拠り所となっている。米国
の一部の人はいまも、米国、日本、オーストラリアなど「海洋国家
」が手を結んで、中国を抑えこむべきだと主張している。
 
 日本でも最近、自国が「海洋国家」であることをあまりにも強調
して、国家戦略を論ずる人が増えているようである。その中には、
日本は「海洋国家」として、日米同盟を強化すると同時に、アジア
太平洋地域の海の国々と緩やかな「海洋連邦」を結成して、「大陸
国家」である中国を牽制し、それによって、日本は「太平洋統合体
のリーダー」になるベきだと主張している人もいるほどである。
 
 これは、時代遅れの「海陸対立論」から来るのであり、中米、中
日の間に地政学的戦略的対抗を生み出すだけで、有害無益である。
したがって、国家の政策決定を誤らず、時代の潮流に順応するため
に、「海洋国家」と「大陸国家」が平和的に協力する「海陸和合論
」を提起することは、特に重要な現実的意義と理論的価値がある。
その理由は、次の通りである。
 
 第1に、「地は政の本なり」と管子が言うように、21世紀の経済の
グローバル化と地域経済統合という趨勢の下で、正しい地政学の樹
立は、まず植民地主義時代の発想の束縛から、脱却しなければなら
ないからである。
 
 第2に、21世紀においては、「海陸対立」より「海陸和合」こそ、
時代の流れである。統計によれば、17世紀から19世紀にかけて商業
のシーレーンなどを巡る戦争は、当時の戦争全体の36%以上を占め
たのに対して、それが20世紀から現在にいたるまで、3%にもなって
いないのである。
 
 第3に、東アジアは、「海洋国家」と「大陸国家」からなってい
るので、「海陸和合」がなければ、いわゆる「東アジア共同体」の
設立は、机上の空論になってしまうからである。実際に、「海陸対
立論」の視点から、「東アジア共同体」構想に反対する人も、日本
国内にいる。だが、このような方々が、「海陸和合」の必要性に少
しでも耳を傾けて下されば幸いである。
 
 第4に、「海陸和合」は、主観的願望や理念であるばかりでなく、
海と陸の国家間に客観的に存在する地理的な経済の相互補完性にも
合致するからである。21世紀においては、平和と協力があってこそ
はじめて、海と陸の国家に持続可能な共同繁栄と共同発展をもたら
すことができるのである。

2.「海陸和合」のあり方と役割
 「海陸和合論」の実質は、平和的なやり方で、海と陸の国家間の
地政学的関係をうまく管理し、利用し、それによってその国や、そ
の地域、また世界の恒久平和と安全、発展と繁栄を促進することに
ある。
 
 その基本的な内容と、追求する基本的な目標は、次のことを含む
ベきであると思う。
 
 第1に、海と陸の国は、互いに侵犯せず、相互に武力行使や武力に
よる威嚇をせず、相互に内政干渉せずに、平和共存を目指すこと。
 
 第2に、海と陸の国は、それぞれ、それ自身の持つ地理的な経済の
優位性を発揮し、平等互恵の経済協力と相互信頼の安全協力を展開
すること。
 
 第3に、海と陸の国は、相互に開放し合い、相手側の発展と相互協
力のために、地理的に有利な条件を提供し、政治対話と話し合いを
通じて、両者の間に存在する矛盾や問題を解決すること。
 
 第4に、海の国と陸の国は、海と陸で線を引いて敵や味方を作るこ
とをせず、平和と協力を共同の目標として、「海陸の調和」の実現
を目指すこと。
 
 第5に、海と陸の国は、「海陸和合」の実現に努力するだけでなく
、さらに「海洋国家」間の「海海和合」も、「大陸国家」間の「陸
陸和合」も、同時に追求しなければならないこと。
 
 「海陸和合」は、アジアの地理的経済関係によって決定されるもの
である。アジア諸国は、山河が相連なり、海洋の島国もあれば内陸国も
あり、また海と陸の両方の特徴を持つ国もある。関係諸国は、互いに隣
り合う地理的な経済の優位性を利用し、海運や空輸、鉄道、高速道路網
を通じて、いくつかの地域経済圏をつなぐアジア広域経済圏を形成す
ることができる。
 
 報道によれば、中韓両国の地方政府は、中国の山東省煙台市と韓
国の仁川との間に、列車を乗せて海を渡るフェリーを就航させよう
と計画している。これによって、オランダのロッテルダムから来た
列車が、海を渡って直接、日本の東京に到着できるようになる。た
だ、この計画の実現は、もし「海陸和合」の国際環境がなければ、
想像することもできない。
 
 「海陸和合」は、海と陸の国の共通利益と相互補完性を体現してい
る。アジアには、中国、日本、韓国などの石油・天然ガスの輸入国もあ
れば、ロシアや中東、中央アジアの多くの産油国もあり、海運やパイプ
ラインの設置で、エネルギーを安定的に輸送して、相互利益をもたら
すエネルギー需給ネットワークが形成できる。
 
 「海陸和合」は、安全保障の分野で、海と陸のエネルギールート
の安全を確保するために、これまでになかった各種の新な脅威と挑
戦に対応するうえで必要である。現在は、アジアの「大陸国家」も
、マラッカ海峡やペルシャ湾を通過して、 原油を輸入し、海運を利
用して、国際貿易に従事しているので、シーレーンの安全保障は、
すでに、海の国家と陸の国家の共同の利益となっている。
 
 安全保障の概念は、すでに伝統的な安全保障の概念を超えている。
海の国でも、陸の国でも単独でテロや海賊を含む国境を越えた犯罪
、生態環境の破壊など、非伝統的な安全保障分野での挑戦に対応し
きれない。国境を越えた協力によってのみ、それに有効に備え、対
処することができるのであろう。
 
 「海陸和合」は、「良好な二国間関係プラス平和的多国間主義」
の道を避けて通れないと思う。アジアにおける「海陸和合」のモデ
ルの一つは、東南アジア諸国連合(ASEAN)10の成功した実践である。
それに、ASEANと中国(10+1)、ASEANと中日韓(10+3)の協力
メカニズムの発展も、「平和的多国間主義」の流れにつながってい
る。それと同時に、なお困難があるにもかかわらず、「6者協議」は
、平和的対話を通して朝鮮半島の非核化を実現する唯一の道であろ
う。
 
 今年4月、中国の温家宝総理がオーストラリア、フィジー、ニュー
ジーランド、カンボジアを訪問し、さらに第1回「中国―太平洋島嶼
国の経済発展協力フォーラム」に出席したことは、「海陸和合」の
新たな一ページを開くものとなった。これに引き続き、中国の胡錦
涛国家主席の米国訪問も、太平洋両岸の2つの大国間の「海陸和合」
を増進した。

3.「海陸和合」と中日米の関係
 「海陸和合」は、「海陸対立」を避け、「海陸のウィン・ウィン
」を実現するうえで必然的な選択であり、中日関係がとるべき方向
でもある。歴史の経験が繰り返し証明しているように、平和と協力
があってこそ、それぞれの国にとって有利である。海と陸で線を引
いて敵や味方をつくり、人為的に「脅威」と「対抗」を作り出すよ
うなやり方では、結局、その国にとって不利になる。
 
 中日両国は、「海陸和合」を追求してこそはじめて、アジアの地
理的経済の巨大な潜在能力を十分に発揮し、中日両国の子孫に幸せ
をもたらすことができる。現在、統計から見る香港を含む中国は、
すでに日本の最大の貿易相手国となっている。日本は「海洋国家」
としても、そのエネルギー、資源、市場は、中国、ロシア、中東国
家などを含む「陸の国家」と切り離すことはできない。したがって
、「海陸和合」の実現は、日本の国益にもっとも合致するのである。
 
 中日両国が、もし交渉を通じて東中国海の係争海域にある石油・
天然ガス資源の共同開発を実現できれば、中日関係史上、初めての
事業となるであろう。両国政府が『国連海洋法条約』の精神に基づ
いて、対立を協力に変え、係争海域で共同開発を実現することを、
私は心から期待している。
 
 現在、日米の一部の人が「中国脅威論」を持っている。それは、
中国の軍事力の増強について、大袈裟な話を真に受けていることか
ら来ている。しかし、中国の経済の速い成長に伴う物価上昇幅がか
なり大きい状況の下で、名目上、毎年2桁の国防費の支出増加率は、
隣国に対する脅威にはまったくならない。実際には、1955年から
1980年までの25年間で、日本の防衛費は17倍に増加し、年平均の増
加率は、2桁以上になった経緯もある。
 
 中日両国が「海陸和合」を実現することは、日米関係を損なうど
ころか、かえって、中日米の3カ国関係の協調的な発展にとって一筋
の活路となることができるであろう。「海陸和合論」は、日米間の
「海海和合」をも提唱しているからである。
 
 米国はいまもなお、中ロを地政学的な戦略競争と警戒の相手とし
ている。しかしもう一方では、「9・11 」(米国の同時多発テロ事
件)以来、かつてなかった安全保障分野から来る圧力などによって
、米国政府は、中ロがテロなど安全保障面での挑戦に、共同対応す
るパートナーとなるよう、促すようになった。
 
 中国の台湾問題について、米国当局は、それを中米関係の戦略的
枠組みの中で、利害をはかりながら、処理しているように思われる。
要するに、未来を展望すれば、中米、中日の間で、長期にわたり、
平和共存と協力拡大ができるかどうかは、アジア太平洋における
「海陸和合」の成敗に関わるキーポイントとなるであろう。
(2006年7月号より)

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