3705.「みんなを幸せにするおカネの話」のご紹介



小冊子「みんなを幸せにするおカネの話」のご紹介
From: Eiichi Morino

青木さんへの返信:

> ↓のような小冊子が発行されているようです。
> ダグラスの考え方も少々紹介されています。

あ〜、そうですか。じゃあわざわざこちらが言及してさしあげる
必要もないですね。戦前の英国、ニューエイジ誌にあるような
議論はまだまだ、ご信心がお好きな方々に広まっていくんでしょうね。
ダグラスに言及するとすぐそれについてお尋ねの方がくる、ナチス
のフェダーについてもそう。そういう方々は少しは減るかな。
しかし、下記のようなパンフレットを手に取る方はケインズの
『貨幣改革論』や『貨幣論』などは日本語になっているのに読みさえ
しないんでしょうね。ましてやゲゼルは。

かつて高見順は『いやな感じ』という作品を書きましたが、そんな
感じを時代にもちます。

まあこちとらは、江戸の童が唄った童歌の一節、
「鉦を叩いて仏にならば、神田鍛冶町はみな仏」
とでも口ずさんでいるほかないでしょうか。

我がジャパン、生前にお望みの境遇を選んだお人も
いるようですから懸念する必要もございません。
世の中にカネを寄越せとベーシックインカムなどを
遺産相続要求をなさる方は生前にスピリチュアルな
ご教義をご存じなかったんでしょうかね(笑)。

> 
> >「みんなを幸せにするおカネの話」(みんなの幸せプロジェクト 編)
> >(株)トータルヘルスデザイン 発行 58ページ 381円+税
> >http://docs.google.com/fileview?id=0B4dzg79VUa4HNWFkODMxODgtY2FlNy00MGEwLWFlZ
> mItY2NiNWVmZjIwYzNj&hl=en
> ↑
> URLは一行です。3MbのPDFファイルです。
> 
==============================
From: "青木
森野さん どーも

>> ↓のような小冊子が発行されているようです。
>> ダグラスの考え方も少々紹介されています。
>
>あ〜、そうですか。じゃあわざわざこちらが言及してさしあげる
>必要もないですね。戦前の英国、ニューエイジ誌にあるような
>議論はまだまだ、ご信心がお好きな方々に広まっていくんでしょうね。
>ダグラスに言及するとすぐそれについてお尋ねの方がくる、ナチス
>のフェダーについてもそう。そういう方々は少しは減るかな。
>しかし、下記のようなパンフレットを手に取る方はケインズの
>『貨幣改革論』や『貨幣論』などは日本語になっているのに読みさえ
>しないんでしょうね。ましてやゲゼルは。

くだんの小冊子もゲゼルの考えを紹介しています。

ただそれに続けてダグラスの「国民配当」が出てきて「おやおや?」となる
のですが。

「収益」から「経費」を引いた残りが「利益」で、その利益を出資に応じて
配分するのが「配当」という行為なのだから、「国民配当」という以上その
原資となる「利益」は何かということをきちんと説明しなければいけないの
ではないでしょうか。

サイバネティックスとアカウンティングの知識に長けたダグラスがそのこと
を知らないはずはなかったと思われるのですが、彼の議論はそこが暈かされ
ていますね。

さらにダグラス型の国民配当とBIが一緒くたに論じられるなると、もはや
お手上げですね。

>
>かつて高見順は『いやな感じ』という作品を書きましたが、そんな
>感じを時代にもちます。

もちろん時代の趨勢というのもあるのでしょうが、こういう状況になる前か
ら基礎所得や国民配当をしっかり研究していた人が、はたしてどれだけいる
のか。

しかし、お金持ちにまでお金を配るという主張では、いまのこの国ではかつ
ての地域通貨並みのブームになるのもちょっと難しいかもしれません。

>
>まあこちとらは、江戸の童が唄った童歌の一節、
>「鉦を叩いて仏にならば、神田鍛冶町はみな仏」
>とでも口ずさんでいるほかないでしょうか。
>
>我がジャパン、生前にお望みの境遇を選んだお人も
>いるようですから懸念する必要もございません。
>世の中にカネを寄越せとベーシックインカムなどを
>遺産相続要求をなさる方は生前にスピリチュアルな
>ご教義をご存じなかったんでしょうかね(笑)。
>

だぶん、そうなんでしょうね。

バランスシートを考えれば直ぐに分かることなんですが、社会的に
みれば、金融資産だけを相続することは原理的にあり得ません。


借方(左側)に資産が立っていれば、貸方(右側)に同額の負債が
立っていなければなりません。そもそも信用創造というのは、右側
の負債を積み増すことで左側の資産を増やす行為です。

ソディがいみじくも指摘したように、金融資産(Vitual Wealth)と
負債(Debt)は一組の概念(Vitual Wealth and Debt)として理解し
なければなりません。

だから誰かが資産を相続すれば、それに相応する負債の担い手も必ず
いるということになります。

このへんのところが基礎所得の議論から抜け落ちてしまっている気が
します。
==============================
From: Eiichi Morino 

青木 への返信:
> 森野さん どーも

こんばんは。

> 
> >> ↓のような小冊子が発行されているようです。
> >> ダグラスの考え方も少々紹介されています。
> >
> >あ〜、そうですか。じゃあわざわざこちらが言及してさしあげる
> >必要もないですね。戦前の英国、ニューエイジ誌にあるような
> >議論はまだまだ、ご信心がお好きな方々に広まっていくんでしょうね。
> >ダグラスに言及するとすぐそれについてお尋ねの方がくる、ナチス
> >のフェダーについてもそう。そういう方々は少しは減るかな。
> >しかし、下記のようなパンフレットを手に取る方はケインズの
> >『貨幣改革論』や『貨幣論』などは日本語になっているのに読みさえ
> >しないんでしょうね。ましてやゲゼルは。
> 
> くだんの小冊子もゲゼルの考えを紹介しています。
> 
> ただそれに続けてダグラスの「国民配当」が出てきて「おやおや?」となる
> のですが。

まあ、ダグラスのA+Bの定理にしてもJust Price(適正価格)に
しても、実際それで計算してごらんなさい、という程度のもの
です。
それを現在主張するひとがおるなら、たとえば、原価の算定で
我が国で言えば戦前、物価統制令を施行し敗戦後解除するまで
商工省はかなりがんばりましたが、うまくいきませんでした。
商工省のレベルなんて論外としているのでしょうから、じぶん
たちでそれを示して見せてくれなければなりません。

この時代計量経済学が発展し始める時期ですから、その
計量モデルを知りたいところですね(笑)。

> 「収益」から「経費」を引いた残りが「利益」で、その利益を出資に応じて
> 配分するのが「配当」という行為なのだから、「国民配当」という以上その
> 原資となる「利益」は何かということをきちんと説明しなければいけないの
> ではないでしょうか。
> 
> サイバネティックスとアカウンティングの知識に長けたダグラスがそのこと
> を知らないはずはなかったと思われるのですが、彼の議論はそこが暈かされ
> ていますね。

彼の会計学の知識はかなり**といわれていますね。
批判を受けるたびにご自身の主張を「微調整」する
のも当時からよく知られていました。

> 
> さらにダグラス型の国民配当とBIが一緒くたに論じられるなると、もはや
> お手上げですね。
> 
> >
> >かつて高見順は『いやな感じ』という作品を書きましたが、そんな
> >感じを時代にもちます。
> 
> もちろん時代の趨勢というのもあるのでしょうが、こういう状況になる前か
> ら基礎所得や国民配当をしっかり研究していた人が、はたしてどれだけいる
> のか。

おらんでしょうね。70年代に「しっかり」研究していたのは実は、
左翼的な論客でした(カナダでは70年代あたりに左翼的な研究者に
よるダグラス主義研究が何冊か出たと記憶しています)。しかしこれ
はまたイデオロギー色があってねえ(笑)。その理論の研究は戦後、
少なかったですね。それで、いくつかある研究からマイヤーズのそれを
ゲゼル研究会では紹介してきたわけです。90年代はじめです。戦前
ダグラス主義を宣伝した方もいらっしゃいますが、学生時代、主に
雑誌で雑文を書き飛ばしていた土田杏村のような人間の文章を探して
きては読みましたが、まあ当時の各方面の杏村評(笑)を確かめるこ
とができたような水準ですね。

基礎所得との関連では、ごたごたにしているところがいいんでしょうね。
戦前も、ニューエイジに集まる人々によってはダグラス自身いやな思い
をすることさえあったようで、論理の一貫性や経済の分析などに熱意
があったようにはみえません。

それにダグラスの見解もあちこちから集めてきた知見の
ダグラスなりの消化にすぎませんから、たとえば、マクミラン
委員会で彼が証言したような銀行の信用創造の過度な単純化
など、実際の銀行業務の分析に降りていけないようなもの
で、でも、彼らのイデオロギー上の要求を満たせばよかった
のですから、金融システムを攻撃できればそれでよかったのか
もしれません。

サイバネティクス云々の議論は、誉めすぎでしょうね。
ソディのように自然科学の研究で成果を上げたわけではない
ですから。

ケインズはたしか、貨幣改革論を書いたので彼をじぶんたちの
仲間のごとく宣伝し始めたダグラス主義を念頭において、彼ら
とはあからさまに言ってはいませんが、間違いが明らかにされ
ても信念を曲げることがないというような意味の発言をしてい
たのを読んだ記憶があります。

彼らが大衆を扇動しようとしているとき、実は、ゲゼリアンの
クリステンの仕事を始まりとする貨幣購買力や物価指数、合成
商品の経済学的・統計的研究は20年代、30年代ずいぶん進
捗しました。
クリステンの交換方程式のコアはゲゼルの『自然的経済秩序』
の第一版には付録で収録されていましたが、それをふまえた
フィッシャーの『貨幣の購買力』さえ日本では邦訳されてい
ません。しかしケインズの貨幣論での主要なテーマの一つです。
ソディも物価指数の重要性を指摘していますが、彼の場合は
そう述べただけで、なんらの研究をしたわけではありません。
フィッシャーの研究を追認していたのでしょう。

ゲゼリアンの指数通貨論は意外に英米の主流の経済学の
黄金時代に関連をもっているのですね。

いま振り返るべきはこちらのほうですかね。

> しかし、お金持ちにまでお金を配るという主張では、いまのこの国ではかつ
> ての地域通貨並みのブームになるのもちょっと難しいかもしれません。

まあ、主張なさる方々はお金持ちなのでしょう。あるいはその遺産相続人
かな。

結局社会経済のことはその財源探しでアプローチされることになりますね。
逆立ちしていますね。

> 
> >
> >まあこちとらは、江戸の童が唄った童歌の一節、
> >「鉦を叩いて仏にならば、神田鍛冶町はみな仏」
> >とでも口ずさんでいるほかないでしょうか。
> >
> >我がジャパン、生前にお望みの境遇を選んだお人も
> >いるようですから懸念する必要もございません。
> >世の中にカネを寄越せとベーシックインカムなどを
> >遺産相続要求をなさる方は生前にスピリチュアルな
> >ご教義をご存じなかったんでしょうかね(笑)。
> >
> 
> だぶん、そうなんでしょうね。
> 
> バランスシートを考えれば直ぐに分かることなんですが、社会的に
> みれば、金融資産だけを相続することは原理的あり得ません。
> 
> 借方(左側)に資産が立っていれば、貸方(右側)に同額の負債が
> 立っていなければなりません。そもそも信用創造というのは、右側
> の負債を積み増すことで左側の資産を増やす行為です。
> 
> ソディがいみじくも指摘したように、金融資産(Vitual Wealth)と
> 負債(Debt)は一組の概念(Vitual Wealth and Debt)として理解し
> なければなりません。
> 
> だから誰かが資産を相続すれば、それに相応する負債の担い手も必ず
> いるということになります。

当時、会計学の視点からダグラス説に批判を投げ与えた人は
けっこういるんですが、へとも思わなかったようですね。
信念の方々ですから。彼らの議論は、反ユダヤ的な陰謀
理論に今日でも栄養を与えつづけていますね。
その陰謀説も昔からのものの蒸し返しで、変わらぬ道具立て
で、ネットを通じて流布してますし、現実に人の囲い込み
も始めているようです。
私のところにも資料が送られてきました(笑)。

> 
> このへんのところが基礎所得の議論から抜け落ちてしまって気がしま
> す。

そうです。それは、配当を金融資産でするのか実物資産で
すべきかについての理論的混乱が戦前から揶揄されていながら、
経済組織は分配システムであり、これを切符にて行うとの
レベルの議論しかない実情から明らかですね。
貨幣理論における表券主義の発展など消化する気はなかった
ようです。
==============================
From: 白崎

青木さん、森野さん。白崎です。

PDF資料お送りいただいてありがとうございます。

> >「収益」から「経費」を引いた残りが「利益」で、そ
の利益を出資に応じて
> >配分するのが「配当」という行為なのだから、「国民
配当」という以上その
> >原資となる「利益」は何かということをきちんと説明
しなければいけないの
> >ではないでしょうか。
> >

はい。ダグラスがどうこういうのではなくて、ベーシッ
クインカム推進派の私としては(笑)、青木さんの問題
提起を重要とうけとめます。で、これは、議論がかみあ
うかどうか自信はありませんが、
すこし、論点をわたしなりに、変換してみます。
ディラードが「ケインズの経済学」のなかで、なんども
、有効需要理論の重要性にふれ、「過剰のなかの貧困」
そして、資本主義の歴史のなかでの「生産能力はつねに
消費能力を上回る」という論点がだされています。この
あたりのギャップ論ですね。ここにBI(分配)の根拠
があるんではないかとーー考えていますがーーー、いか
がでしょうか?

私も信心深いのは、とても、苦手(苦笑)なので、
いささか違った角度からのご質問です。
==============================
From: Eiichi Morino 

白崎さんへの返信
GTの22章23章をお読みになられましたか。

あるいは過少消費説に関するケインズの議論を読めば
有効需要の外部注入がすぐに分配論とイコールにならない
ことはあきらかのように思えますが。

ティンバーゲンのモデルや昨今のポストケインジアンの
公的部門による需要創造でさえ、あるいはマネタリスト
のヘリコプターでさえ、BIを配るための施策ではないんじゃな
いですか。購買力外部注入による需要喚起策ですが、BIと
イコールじゃあないですし、BIをするためにそれが必要で
あるということではないように思えますね。

また、需給ギャップはBIで埋められるのであれば、この間の
イージーマネー政策でなぜ埋まらなかったのでしょうか。

あの横井小楠の福井藩札でさえ、藩による有効需要喚起の
ために貸し出されています。これが功を奏して福井藩の
金蔵は正金で返済されたカネで蔵の底が抜けるほどうまく
いったわけですね。藩民に配ったわけじゃあありません。
これを踏まえて、由利公正は全国的にこれを行うために
万石万両の方針のもと税収見積もりに基づき太政官札を
出したわけです。これは国家の事業に(戊辰戦争)使われる
かたちで流通に投ぜられましたね。BIを配らないのになぜ
福井藩では過剰労働力が吸収されたんでしょう。

ダグラス派による過小消費説の利用は、そのスコットランド
提案によく現れていますが、政治的人気取りが先行して
いますね。それはマクロ経済モデルの提起を欠いている
ことに現れているんじゃないでしょうか。

基礎所得支給の根拠を求めるためには、他の国家による
社会政策を廃止することも提案されているわけですから、
まずそれを公的部門も含めた経済モデルで提起していただ
かないと困ります。あのダグラスを持ち上げていらっしゃる
先生は、ゲゼルの議論はマクロ経済になっていない「困った」
もんだとおっしゃっていましたね。そういうからには、
ご自身のモデルを提起してください。

当然JustPriceを計量されて価格補正もするんでしょうから、
補正分も配当と別に国家が貨幣を刷って支給するわけですね。
基礎所得で支給した国家マネーの消却はどうなりますか。
我が国で言えば毎年100兆円の国家マネー支出が市中に
Mの残高として累積していくのですか。

過剰のなかの貧困という表現はダグラス派がうまく政治的
に使いましたが、これが含意しているのは、資本が蓄積
するに従い投資機会が減少し、期待収益率が低落する傾向
を抱えた「陰鬱な科学」としての古典派的な定常性に向かう
経済をどうするか多くの人が課題としていた時代の空気
を表現していたということですね。
ケインズが1930年に「我が孫たちの経済的可能性」を
書いていますね。
未来のこどもたちはいま発言できなくてもいずれ発言を
始める時期を迎えます。先人が基礎所得と称して「協同
関係の増分」(ダグラス)をカネのかたちでほしいままに
したことになんというでしょうかね。

完全雇用水準に届かない状態での経済政策として有効需要
論は各種の政策展開をみせましたが、基礎所得論の場合は
これまでの有効需要論の展開をどう評価されますか。
それに問題ありなんで、基礎所得なんでしょう。

そこに各種の瑕疵が認められるから基礎所得を提起される
んでしょうから、それを出してくださらねば、なぜこれま
での手法でだめで、基礎所得かがわかりません。同時、その
ほうがこれだけ経済政策的に優れているのだということを
示してください。過少消費だから基礎所得で需要喚起という
には論理の道筋にいくつも無視なされていることがあるんじゃあ
ないでしょうか。ダグラス派そうした手法が得意でしたが、
只今それを言うのであれば、その後、各国で採られた政策の
評価をお下しになってからがよいと思います。

ゲゼリアンの場合は、格差を維持しながら頭数で定額を
支給する考えに否定的な人間が多いです。格差の程度に
応じて消費性向や限界消費性向は異なります。他方で
金融政策が採られても流動性のわなを回避できません。
Mを量的に増やしても同様です。
需要が伴わず経済がふるわないときであるほど、現金
選好を強まります。そうした状況では投資誘因も働き
ません。

基礎所得、有効需要直結というのなら、基礎所得で
支給されたマネーが100%需要に廻る経路と理由
が示される必要があるでしょう。

ビル・ゲイツのような金持ちの限界的な所得1単位増
がかならず消費にまわることの論証が必要ですね。
教えていただけますか。

また経済社会の投資誘因の決定には金利水準が大きく
影響するとゲゼリアンは考えていますが、単純な基礎
所得として所得の外部注入がどのように投資需要の
増加につながるのか、それも示していただく必要が
ありますね。

私たちは古臭いようですが、より資産・所得格差が
解消されながら消費・投資需要が喚起され供給サイド
の遊休状態が解消されるモデルを考えています。

公正さを信仰しているとお笑いでしょうね。

しかし信仰を抜きにしても、今般の経済状況から
脱出する経路につき、代表的なゲゼリアンは英米でも
以前連銀にいたマービン・グッドフレンドや
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのブイター
らが明瞭な議論を展開していますね(ゲゼル研究会の
雑誌、「人間の経済」で、ブイターの論文は邦訳して
あります)。
==============================
From: 青木

白崎さんへの返信

言いたかったのは、ダグラスの考え方を採用するとしても、
われわれが先達から受け継いだ「財産」は、プラスの価値を
持つものばかりだろうか?マイナスの価値を持つものもある
のではないだろうか?ということです。

現代でいえば、核兵器や核廃物なんていうのは典型的な負の
遺産といえるでしょう。

ダグラスが活躍した時代であっても、戦争(第1次大戦)の
残した負の遺産は十二分にあったはずで、ダグラス派はそこ
をどういうふうに解釈していたのか、疑問に思った次第です。

>私も信心深いのは、とても、苦手(苦笑)なので、
>いささか違った角度からのご質問です。

私も虐待を受けている子どもさんに向かって「あなたが選んだ
親なんだから」とはとても言えませんね。おっとこれは横道に
逸れました(苦笑)

==============================
目減りする通貨で 世の中を変えよう   内藤
From: Eiichi Morino
                
内藤さんへの返信

戦前、フィッシャーが活躍していた時代、
邦訳がいくつかは刊行されましたが、昭和
恐慌期の歴史を調べますと、私の印象では
市場関係者がいちばんよく読んでいたのでは
ないかと思えます。

フィッシャー、70歳の誕生日を記念して
編纂された論文集には世界各国の経済学者が
寄稿していますが、日本からは、日銀総裁を
経験したことがある、

Eigo Fukaiが
近年日本の通貨政策(The Recent Monetary Policy of Japan)
を寄稿しています。

この論文集にケインズが寄稿した論文、「利子率の理論」は
人をして瞠目させるものがあります。英国からのHawtrey
の「信用デッドロック」を始め今日の状況を考えるさいに
参照にされるべき論文が多数集まっていておどろかされます。

もちろんこの記念論集でまずは人目をひくのは、連銀議長
であり米国の金融システムに批判的見地を維持していた
マリナー・エクルズの「ブームと景気後退をコントロールする」
という論文ですが。

> 内藤さんのメール
> 目減りする通貨で 世の中を変えよう 
>    目減りする通貨で 経済を立て直そう 
> Irving Fisher (1867〜1947)
> 1930年代、
> アメリカ・イェール大学のフィッシャー教授は、
> 『目減りする通貨』・
> オーストリア・ヴェルグルの方式が、不況克服の為に、
> 有効であると確信し、連邦政府に進言したが、
> 銀行団の反対で、実現しなかった。
> この時、既に、3000余の地域通貨が、アメリカ国内で、
> 人々の生活を守っていたのだが。
> 
> 悲しい事に、アメリカ連邦政府は、銀行の為の政府であって、
> 人民の政府では、なかった。
> 1861〜1865年、アメリカは、南北戦争を戦い、
> 連邦政府は、銀行から、莫大な借金を背負い込んだ。
> 
> 連邦政府は、銀行団から、人材を送り込まれ、銀行に乗っ取られて仕舞った。
> 有名なリンカーンの、演説は、人民の為の政府が、素晴らしいと言うのでは、なくて、 
> 
> 人民の政府が、危ないと言う、演説なのだ。
> 
> 戊辰戦争で、日本は、江戸の町を焼け野原にして、
> 英仏の植民地に成る悲運を、免れたが、
> アメリカには、全体の利益を考える人間が、居なくて、
> アメリカ人民は、銀行団の植民地にされて仕舞った。
> 
> 『目減りする通貨』は、銀行の影響力の外で、人々の生活を守る。
> ドルも円も、銀行も、大切だが、万能ではない。
> ドル・円・銀行には、経済危機を招く、欠陥がある。 
> 
==============================
流動性のわな乃至ゼロ金利制約
From: Eiichi Morino

このMLもずいぶんな寿命(10年以上経つか・・・)
となっていますが、以前参加されていた元日銀にいらっ
しゃった岩村さんが岩波から出された『新しい物価理論』
で、流動性のわなからの脱出条件を探っています。

そこでは、ゼロ金利でゼロインフレなのになにゆえ
貯蓄過剰に陥ってしまうか、いわゆる名目金利をゼロ
にまで引き下げても貯蓄超過が発生する流動性の罠
をいかにするかというゲゼリアン的命題を、いわゆる
クルーグマン仮説から始めています。

基礎所得論者が需要が出てこないならカネをヤレ
と仰る根拠もBI万歳の方々がお教えくださるでしょうから、
少しこのへん議論してみたいですね。

本MLも立ち上がった初期には経済学サイドの方も
多かったのですが、地域通貨の実践の話題にずれ
てしまったので、多くの方はいなくなってしまった
ようです。

しかし経済状況がこんな状況ですから、そちらのほうにシフ
トさせますかね。




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