3700.欧米経済下降で世界が変わる



世界が、その様相を変え始めている。中国の主張が通り、米国は中
国に相当な気を使うようになっている。これを明確化したのが、韓
国哨戒艇沈没事件からである。しかし、中国の傲慢さは、APEC
「地域フォーラム」(ARF)でも発揮して、南シナ海全体が中国
の領土と宣言し、勝手にこれらの海域を自国領に編入して軍隊を派
遣し、中国が軍事占領を続けたままになっていることで分かる。
             津田より

0.はじめに
米財政赤字は、2010年度は約128兆円で、2011年度は約123兆円の赤
字と当分、財政再建はできないし、そのため国債を大量に発行し続
けないといけない。この国債を買えるのは中国しかない。

また、7月23日に米国内で今年破綻した金融機関の数は計103
行となり、100行の大台を突破し、08年秋の金融危機の影響で
米国景気に急ブレーキがかかった09年と比較しても約3カ月早い
ペースである。このように米国経済はまだ立ち上がっていない。

このため、米上院民主党は、温室効果ガスの削減目標などを盛り込
んだ包括的な温暖化対策・エネルギー法案の審議入りを断念する方
針とした。米国は、この分野での指導的な立場を放棄した。

欧州は非常に甘い基準でのストレステストの結果を公表し、91行
のうち7行が損失を補うための資本が不足すると判定され、「不合
格」になったが、今後、2番底に欧州経済はなることを想定してい
る。

しかし、中国の経済成長が10%になり、今後米国と初め先進諸国
は1%〜2%成長しか期待できず、EUはマイナス0.4%成長に
なるという。このため、欧米諸国が中国への輸出を期待して、あま
り中国のお気に召さないことを言わなくなっている。

中国も米国の意向に従うような素振りをときどき見せて、米国の反
発を抑えている。たとえば、人民元の上昇容認などであるが、実際
は1ケ月で0.8%上昇と30%程度安いと評価されているのに比べると
対応がほんの少しである。一方、米国の貿易赤字は過去最高になり
、特に対中赤字が膨らみ赤字額を押し上げている。益々、米議員は
中国への対応を要求することになる。

しかし、米ガイドナー財務長官は、中国語ができ北京に居たことも
あり、中国の意向に従ったような言動が大きい。そして、オバマ大
統領もガイドナー氏の影響からか21世紀は、中国と米国で作ると
いうように中国との連携で世界秩序を守るとしているが、韓国哨戒
艇沈没事件では中国は協力的ではないし、北朝鮮への圧力で行う
米韓合同演習にも反対している。

このような状況の中、ハノイのARF会場・侵略したベトナム国で
、中国は「南シナ海は中国の領海だ」と長々の演説をはじめた。中
国の無法とも言える傲慢さに堪忍袋の緒を切った米国クリントン国
務長官は、「南シナ海には米国も関心がある」と爆弾発言を展開し
た。

「主権に関しての中核の問題」とするクリントンは「国際法の遵守
」を楯に名指しこそしないまでも正面から中国を批判した。この記
事は欧米メディアは取り上げているが、日本のマスコミは無視した
が、米国の重要な中国政策の転換点になる情報である。どうも日本
の報道機関は中国に弱いようだ。宮崎正弘さんとTHE DIPLOMATの記
事を乗せる。(有料版のみ)

そして、ASEAN諸国連合も東アジアサミットに米国とロシアの
2ケ国を加えて18ケ国にすることにした。中国とのバランスを取
るために米国の参加が必要という立場である。

1.中国の意図と反発
 中国経済も下り坂である。欧米諸国への輸出が大きな部分を占め
ている。欧米から発展途上国へ輸出先を転換しているが、それでも
大きな部分は欧米である。輸出が落ちていることが、商品の暴落気
味な価格や在庫量が膨らんでいることから分かる。

中国の統計は、恣意的な場合がある。省政府は、中央政府の指示に
従う必要があり、過大な目標に対して、実行できなくても目標数値
ができた報告をしがちである。それを示す格言がある。上に指示あ
れば、下に対応有である。

このため、市場数値であるバルチック指数や商品価格などを見る必
要がある。特に景気後退期にはその傾向が強いので注意が必要であ
る。

中国の懸念である軍部は政府を動かし始めている。羅援少将が米韓
合同演習を猛烈に批判した上で、「中国は対抗するために準備をし
なければならない」と強調した。羅少将は中国の海上主権を示すた
め従来の外交交渉重視の方針を改めた強硬策「四つの提案」も同時
に発表しており、「中国の外洋戦略転換のメッセージ」などと受け
止められて、かつ軍部が外交政策に介入してきたことを意味してい
る。

そして、政府の外務部長も世界に軍部の意見を表明し始めている。
国家体制として、国務院の方が軍部よりランクが低く、そのため軍
部の政治力の方が国務院(内閣)より強いのだ。

太子党である習近平が中国のトップになると、太子党の多い軍部が
益々力を持つと思われている。このため、米国の中国に対応する政
策も変えざるを得ないようだ。ロバート・カプランのCFRの記事
やロバート・ケーガンなどが心配していた中国の台頭でアジアのバ
ランスオブパワーが中国に傾いて、米国はアジアから追い出される
ことになるというシナリオになってきた。

反対にASEAN・インドなども中国の台頭で、自国領海が中国に
奪われる可能性が出てきて、米国の軍事力の価値が増している。日
本は専守防衛で、アジア諸国からは頼りにされなくなる。軍事と経
済は密接な関係があることで、ベトナムの原子力もロシアに取られ
ることになる。

また、今回の労働ストも外資を狙い撃ちしている。このため、米国
の経済界が中国に幻滅する様子を見せ始めた。今まで、米国企業が
中国を擁護していたが、その企業が外資を追い出し始めた中国政府
に反発している。このため、企業だけでなく国際政治にとっても不
吉な兆候が出てきた。

米国の軍事関係者、国際戦略家たちは、中国の危険を述べている。
その意見が米国内で通り始めたことが次の動きを引き出すことにな
ると見る。

2.国家資本主義へ
 経済成長は、中国だけではなくシンガポールもGDP成長率を13
-15%に上方修正している。韓国も同様に6%程度と上方修正をして
いる。このアジア地域の経済成長が高いのは、1つに新興国である
ことと、もう1つが国家が経済に介入して、国家指導で企業育成を
しているからである。特にシンガポール・モデルは民主主義と市場
経済と国家のモデルを表している。

日本も1990年より前は国家指導で経済発展をしていたが、米国
との貿易摩擦から、それを止めた経緯がある。しかし、国の経済が
おかしくなっているのに、円だけが高騰するなどヘッジファンドの
力が強いために、大きな混乱が起きている。

その面、管理為替制度を採るシンガポールなどは、安定的な為替に
なっている。日本も完全民間主導ではなく、国家資本主義も取り入
れる必要があると見る。

特に、為替は管理しないと混乱を増すことになる。特にヘッジファ
ンドによる急激な変化が起きる可能性がどんどん、大きくなってい
る。実体経済より金融経済の方が数十倍も大きな世界では、金融管
理は、するべきである。安定的な変化は必要であるが、投機的な動
きは抑えるべきである。

3.温暖化問題の復権
BPの原理流出事故以来、深海での原油開発に大きなリスクがある
ことを世界に知らしめた。このため、多くの規制が掛かり、今度原
油コストが上がることが予想できる。

このため、温暖化問題をクライムゲート事件で詐欺としていたが、
徐々に世界の論調は変化している。石油元売が環境系NGOに資金
を提供してきているが、その論調が変化したのは、石油元売の姿勢
が変化してきたことによる。BPはすぎなど石油代換エネルギーの
研究に多額の費用を提供しているし、石油元売は穀物ではなく安い
エタノール生産を目指して研究が積みあがり、それに目処がついた
ことで再度BP事故を契機に温暖化問題を解禁したようである。

英イースト・アングリア大学の気候研究ユニット(CRU)が地球
温暖化に関するデータを改ざんしていたとされる問題について、同
大の要請を受けて調査を行った外部科学者のチームは7日公表した
リポートで、温暖化の原因が人間だとする証拠を誇張するために
科学をわい曲した事実はなかったとの結論を示した。温暖化を詐欺
としたのも英国であり、正しいとしたのも英国ということは、如何
にBPの事故が影響しているかが分かる。

英国は、深海石油開発が無理であることから、次の石油代換エネル
ギーにシフトすることを意味する。温暖化問題は再度始まることに
なる。この動向を見て中国が出てきた。

 IEAによると、中国のエネルギー消費量は米国を4%上回り、世
界一となったが、同時に「再生エネルギーにおいて世界的リーダー
のひとつである」とした。米国が放棄した温暖化対応の指導国に躍
り出るためと、2020年までにGDP当たりのCO2排出量を
05年比で40〜45%削減するため、第12次5カ年計画(11〜
15年)の期間中にCO2の排出権取引制度を導入するという。

米国は自国深海石油開発は禁止して、世界の深海開発に技術者を送
り出すことになる。深海の石油開発は米国企業が最先端技術を持っ
ているためであり、まだ、米国石油業界は脱石油に向かっていない。

4.さいごに
日本はこのような動向を受けて、行動する必要がある。脱石油の環
境系を志向するべきである。特に次世代電池は日本のお家芸とする
必要がある。金属空気電池などの新しい電池を開発することである。

また、軍事技術を輸出するべきである。もう日本の輸出品が少なく
なっているので、武器市場も狙うべきである。それと為替管理をす
るべきである。急激な変化を受け入れられるほど、日本の競争力は
強くない。競争力がないときに、ヘッジファンドをバックにした英
米政府の言うことを聞いてはいけない。

基本的には日米関係は重要であるが、為替の自由化から管理にシフ
トするべきであると見る。円安にして輸出しか、当分日本経済は維
持できない。

さあ、どうなりますか??
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中国の経済数字が極端なでこぼこを描き出した
GDP成長なのに商品価格は軒並み暴落気味、在庫が膨らんでいる
が。。。。「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」通巻3028号

 GMが中国で販売したクルマは2009年に120万台。これは
本国アメリカのそれより多い。米中のGM営業数字が逆転したので
ある。
十年前、上海にGMを扱う販売店は五店舗しかなかった。現在27
店舗。2010年に150万台を売ると強気の見通しを語る。

 エネルギー消費で、中国は米国を抜いて世界一となった。GDP
速報値は10・3%成長(7月15日)。つまりGDPで中国は日
本を抜いていることになる(まだ正式発表がないのが不思議)。

 まったく逆の見通しを予測する数字がある。
 鉄鉱石は世界全体の66%を中国が輸入した。ところが鋼材の価
格は15%下落した。石炭の輸入は30%落ち込み、原材料の対中
輸出に依存する豪州やカナダが神経質な金融政策を展開している。

 「同様にアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケルは世界消費の40%
が中国だが、価格はそれぞれが18%、14%、19%、27%下
落した」(ウォールストリートジャーナル、7月23日)。

 中国政府はあらためて不動産価格の投機熱を抑止するための金融
引き締め政策を続けると言明した。
セメントなど建材の在庫は膨らんでいる上、鉄鋼価格が下落し、輸
入量が激減しているのは直近の貿易数字でも顕著になりつつある。
 このアンバランスの謎を解く鍵は奈辺にあるか。
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米国、南シナ海の領有論争に突如、参入してきた
APEC「地域フォーラム」(ARF)でクリントン国務長官が
「米国も関心」
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」通巻3029号

日本のマスコミはハノイで開催された「APEC・地域フォーラム
閣僚会議」(ARF)で、韓国哨戒艦撃沈事件での北朝鮮制裁をめ
ぐり、北は「あれは創作劇」とすっとぼけ、日米韓は北朝鮮制裁を
強化、中国はそらっとぼけて制裁にもっとも消極的という概括を報
じた。
 
「北朝鮮は国際社会の懸念を受け止めるべきだ」(岡田外相)
「半島が爆発前夜の様相となった責任を負うべき」(ユ・ミョンフ
ァン韓国外相)
 対して朴宣春・北朝鮮外層は「哨戒艦撃沈は(米韓の)創作劇で
あり、北朝鮮批判を謝罪せよ」と開き直り、国際社会を唖然とさせ
る。

 中国はまったく態度不鮮明のまま、北朝鮮を非難もせず、むしろ
米韓軍事演習を非難した。増長した傲岸不遜な態度はさらに続く。
 南シナ海には二百余の島々があるが、代表的な南沙(スプラトリ
ー)、西砂(パラセル)諸島には原油、ガスの埋蔵が確認されて以
来、海軍力を凄まじい勢いで増強してきた中国は勝手にこれらの海
域を自国領に編入して軍隊を派遣し、白昼堂々と「侵略」した。

このためベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、インドネ
シア、台湾と主権をめぐる衝突を繰り返し、1988年には中越戦
争の海上戦が行われた。ベトナムが敗退し、南沙諸島は強圧的に中
国が軍事占領を続けたままになった。
ARF会場はハノイである。いわば侵略した相手国で、中国は「南
シナ海は中国の領海だ」と長々の演説をはじめた(2010年7月
23日)。

無法とも言える傲慢さに堪忍袋の緒を切った米国クリントン国務長
官は、「南シナ海には米国も関心がある」と爆弾発言を展開した。 
「主権に関しての中核の問題」とするクリントンは「国際法の遵守
」を楯に名指しこそしないまでも正面から中国を批判したのだ。
人権、ダライラマ問題、グーグル以来、米国の中国批判は久々であ
る。 

 「『南シナ海の諸島の領有権をめぐる、ややこしい論争に米国は
介入する用意がある』と発言したことは米中の潜在的摩擦の新しい
幕開けである」とニューヨーク・タイムズ(7月24日付け)は大
書した。

 アジア加盟国は、この米国の介入発言に小躍りした。
ところが、日本は尖閣諸島の領有を主張する絶好の機会でもあった
のに、岡田外相がどう反応したか報道がない。
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米財政赤字、128兆円に=過去最悪、10年度見通し
7月24日7時29分配信 時事通信

 【ワシントン時事】米政府は23日発表した年央財政見通しで、
2010年度(09年10月〜10年9月)の財政赤字が1兆4710億ドル(約128
兆円)になるとの予想を明らかにした。2月の予算教書の予想
(1兆5560億ドル)は下回るものの、前年度(1兆4130億ドル)を抜
き、過去最悪を更新する。
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米財政赤字、11年度も削減困難 景気回復遅れ歳入減
2010年7月24日21時37分

 米政府は23日、2011会計年度(10年10月〜11年9月
)の予算教書を改定したと発表した。財政赤字は1兆4160億ド
ル(約123兆円)と、2月発表の赤字額から1490億ドル悪化
すると予測。景気回復の遅れで歳入が減少するためで、オバマ大統
領が11年度から取り組むとしている財政再建は困難な情勢だ。 
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温暖化法案の審議入り断念=世界の取り組みに影響も−米上院
 【ワシントン時事】米上院のリード民主党院内総務は22日、温
室効果ガスの削減目標などを盛り込んだ包括的な温暖化対策・エネ
ルギー法案の審議入りを断念する方針を表明した。共和党議員の支
持を全く得られておらず、成立の見込みが立たないため。米国のみ
ならず、世界の温暖化問題への取り組みに影響が出る可能性もあり
そうだ。
 包括法案はケリー上院外交委員長(民主)が5月に発表。2020
年までに温室効果ガスを05年比で17%削減することや、排出量
取引の導入などが柱だ。オバマ大統領は内政の最重要課題の一つと
して後押ししてきた。
 リード院内総務は22日、ケリー委員長らと会見し、「(包括法
案可決の)目標達成のために行動する共和党議員は現時点で一人も
いない」とした上で、メキシコ湾の原油流出事故の対応策や天然ガ
ス車の生産拡大策などに限定した法案を数日中に提案すると語った。
(2010/07/23-16:42)
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欧州銀行検査、91行中7行「不合格」 資本不足の懸念
2010年7月24日1時32分

 【ロンドン=有田哲文】欧州連合(EU)は23日、欧州の銀行
の経営体力を調べる特別検査(ストレステスト)の結果を公表した。
検査対象になった91行のうち7行が、不況が続いた場合に生じる
損失を補うための資本が不足すると判定され、「不合格」になった。 

 ロイター通信などによると、主要な銀行は合格した。不合格にな
ったのは、ドイツのハイポ・リアル・エステートやギリシャのAT
E銀行と、スペインの5行という。フランスやポルトガルの銀行は
すべて合格した。 

 EU全体の国内総生産(GDP)が2010〜11年に、従来の
予想より3%幅落ち込んだ場合を想定して検査した。欧州の景気が
二番底に陥り、銀行の貸し倒れなどが増えるシナリオだ。財政危機
をふまえて、欧州の国債の返済が滞ったり、大きく値下がりしたり
して損失が出た場合も想定に加えた。ギリシャ国債は2割程度、ス
ペインやポルトガルの国債も1割以上の損失を見込んだ模様だ。
ただ、満期まで持つつもりなら免除されるとみられる。 
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世界一のエネルギー消費国・中国、再生エネルギーを追求
2010年7月22日 01:33IBtimes

国際エネルギー機関(IEA)は、中国のエネルギー消費量が米国を
4%上回り、世界一となったと発表した。ただ同時に、中国が「再生
エネルギーにおいて世界的リーダーのひとつである」とも指摘した。

IEAのデータによると、2009年の中国のエネルギー消費量は石油
換算で22億5,200万トンとなり、米国の21億6,900万トンを上回った
という。また2000年時の中国と比べ、2009年の中国エネルギー消費
量は約2倍に増加したとも指摘された。
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中国、今後5年で人民元変動幅を段階的に拡大すべき=人民銀行研究員
2010年 07月 22日 12:33 JST 
 [北京 22日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)の地方
当局者は、人民元の変動幅を今後5年間で段階的に拡大すべきとの
見方を示した。
 河南省にある中銀養成機関のWang Yong研究員は22日付の上海証
券報に掲載された記事で、人民元相場が許容幅を超えて変動しない
限り、人民銀行は市場介入を縮小すべきとも指摘した。

 人民元相場は現在、人民銀行が毎朝設定する基準値の上下0.5
%まで変動が認められているが、限界値付近まで変動したことはほ
とんどない。人民銀行が6月19日に人民元弾力化の方針を発表し
て以来の上昇率は約0.8%にとどまっている。
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今年の中国経済成長率は約9.5%の見通し=国家情報センター
2010年 07月 22日 08:57 JST

[上海 22日 ロイター] 中国の政府系シンクタンクである国
家情報センターは、今年の中国の国内総生産(GDP)伸び率が約
9.5%になるとの見通しを示した。国営メディアが22日、同セ
ンターのリポートを報じた。
 リポートはGDP伸び率について、過去30年間の平均に近く、
中国の適度な成長力を反映していると指摘している。

 中国国家統計局が15日に発表した第2・四半期のGDP伸び率
は前年比10.3%で、第1・四半期の11.9%からやや鈍化し
た。
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CO2排出権取引制度を導入へ=15年までに−中国
 【北京時事】22日付の中国英字紙チャイナ・デーリーによると
、中国政府はこのほど、2020年までに国内総生産(GDP)当
たりの二酸化炭素(CO2)排出量を05年比で40〜45%削減
する目標を達成するため、第12次5カ年計画(11〜15年)の
期間中にCO2の排出権取引制度を導入する方針を固めた。
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東アジア会合に米ロの参加容認 ASEAN外相会議
2010年7月20日23時45分

 【ハノイ=四倉幹木】東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相
会議が20日、ベトナムの首都ハノイで開かれ、米国とロシアに、
東アジアサミット(EAS)への参加を認めることなどを盛り込ん
だ共同声明を採択した。韓国の哨戒艦沈没事件やミャンマー(ビル
マ)の民主化については大きく踏み込まなかった。 

 ASEAN諸国と日中韓など16カ国が加わる東アジアサミット
へは、米国とロシアも参加する意向を示していた。米国の参加は、
同盟国の日本にとってもプラスだ。 

 ASEANも、地域で強まる中国とインドの影響力に対し、バラ
ンスをとるために両国の参加を歓迎。10月のASEAN首脳会議
に提案された上で、正式に決まる見通し。米ロは来年、インドネシ
アで予定されるEASへの参加が見込まれる。 
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中国軍将校が米韓軍事演習で強硬発言、外洋戦略転換のメッセージか
7月18日20時5分配信 産経新聞

 【北京=矢板明夫】米韓両国が朝鮮半島周辺で予定している合同
軍事演習について、中国軍事科学学会の副秘書長、羅援少将が米国
を猛烈に批判した上で、「中国は対抗するために準備をしなければ
ならない」と強調した。羅少将は中国の海上主権を示すため従来の
外交交渉重視の方針を改めた強硬策「四つの提案」も同時に発表し
ており、「中国の外洋戦略転換のメッセージ」などと受け止められ
ている。

 18日付の中国紙「広州日報」(電子版)などによると、羅少将
は13日、大手サイト「人民ネット」のユーザーとの交流の中で、
「米韓演習の予定地は北京から約500キロしかなく、中国の心臓
部の安全を脅かしている。歴史上、外国軍が侵略する際、黄海から
入ってきたことは何度もある」と述べ、対抗的な軍事演習を行う必
要性を強調した。

 米韓軍事演習について、中国外務省は正式に反対を表明している
が、少将の発言はさらに踏み込んでおり、中国軍指導者の意見を反
映している可能性もある。

 羅少将は、外国との領有権争いをしている南シナ海の島嶼につい
ても、「中国は外交交渉を通じて平和的な解決を目指してきたが、
主権を放棄していると外国に勘違いされている」と主張。これから
は主権を示すため、(1)島嶼が所属する省、市の管理権を明確に
示し、担当行政官僚も任命(2)地図の表記が不明瞭だった領海線
を明確化(3)これらの島嶼に観測所などの軍事施設を建設、軍も
配置(4)メディアを活用し海上主権を守る世論を喚起ーすべきだ
と提案した。中国軍人が政府の外交政策に具体的な提案をするのは
異例だ。

 ネットで熱烈な支持を受ける羅少将は建国初期の軍指導者、羅青
長氏を父に持ち、高級幹部の子弟で作る「太子党」の一員。軍の中
では大きな影響力を持つといわれている。一連の発言は、近年自信
を深めた中国軍部の考え方を反映しているとみられる。
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米国:銀行破綻、100行突破 昨年よりも3カ月早く
 【ワシントン斉藤信宏】米連邦預金保険公社(FDIC)は23
日、フロリダ州の地銀など計7銀行が経営破綻(はたん)したと発
表した。これで米国内で今年破綻した金融機関の数は計103行と
なり、100行の大台を突破した。08年秋の金融危機の影響で米
国景気に急ブレーキがかかった09年と比較しても約3カ月早いペ
ースで、地方の中小金融機関を中心に、米国の金融機関の苦境が続
いていることを改めて浮き彫りにした。
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5月米貿易赤字は08年11月以来の大きさ、対中赤字膨らむ
2010年 07月 14日 01:10 

[ワシントン 13日 ロイター] 米商務省が13日発表した5
月の貿易赤字は前月比4.8%増の422億7000万ドルと、予
想外に拡大し、2008年11月以来の大きさとなった。

 市場では、赤字が前月の403億2000万ドルから390億ド
ルに縮小すると予想されていた。

 輸出が08年9月以来の水準に増加する一方、対中赤字が膨らみ
赤字額を押し上げた。

 輸入の増加が内需の底堅さを示す半面、需要の多くが海外製品に
向かった。
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シンガポールGDP、2010度成長率15%に上方修正
2010年07月14日 11:33更新

 シンガポール政府は14日、2010年国内総生産(GDP)成長率見通しを
従来予想の7-9%から13-15%に上方修正した。

 また同国政府は14日、4-6月(第2四半期)GDP成長率が季節調整済
み前期比年率で26.0%となり、市場予想の中央値である20.6%を上回
ったと発表した。

 同国は世界でも富裕層の割合が最も高いことで知られている。第2
四半期成長率の市場予想を上回る上昇で、同国が昨年の世界景気後
退から強い回復軌道を辿っていることが示された。
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米、中国の為替操作 10月再判断
人民元切り上げへ駆け引き
 【ワシントン=岡田章裕】米財務省は8日、主要な貿易相手国・
地域の為替政策に関する為替政策報告書を公表し、人民元相場の弾
力化方針を評価した上で、中国の為替操作国への認定は見送った。
ただ、「注意深く定期的に人民元の切り上げを監視していく」とし
、引き続き、中国の為替政策を注視する考えを示した。

 オバマ大統領は6月下旬の主要20か国・地域(G20)サミッ
ト(首脳会議)後の記者会見で、中国の切り上げ姿勢は、「3か月
ではっきり分かる」として、期限を明示した上で中国側に対応を迫
っている。10月の次回の報告書発表までの人民元相場の動きを見
定めた上で、切り上げペースが不十分なら、為替操作国に認定する
ことも辞さない構えとみられる。
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英大学の温暖化研究、わい曲ではない=外部調査
2010年 7月 8日 18:12 JST 
WSJ
 英イースト・アングリア大学の気候研究ユニット(CRU)が地
球温暖化に関するデータを改ざんしていたとされる問題について、
同大の要請を受けて調査を行った外部科学者のチームは7日公表し
たリポートで、温暖化の原因が人間だとする証拠を誇張するために
科学をわい曲した事実はなかったとの結論を示した。ただ、データ
を開示しなかったり、「誤解を招く恐れのある」方法で情報を開示
したとして批判している。 

 この問題については、以前に2つのリポートが公表されている。 

 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2007年、温暖
化が起こっていることは「明白」であり、人類の行動が原因である
「可能性が非常に高い」とする見解を示しているが、3つのリポート
は全体としてこれに合致する。ただ、科学者に対し、批判への対応
や手法の説明で透明性を高めるよう警告もしている。また、最新の
リポートでは、気象科学全般を評価しているわけではないとしてい
る。 
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中国への熱意を失い始めた米国企業 
7月14日 英FT紙 JBtimes

大方の左派からすると、多国籍企業には今も漠然と邪悪なイメージ
がつきまとう。だが、こうした企業は平和と繁栄、国際協力を強力
に推進する世界屈指の勢力だ。

 大企業の力がなければ、米中関係は何年も前に悪化していたかも
しれない。太平洋の両側には、より敵対的な関係を望む勢力がいる。
中国の国家主義者、米国の労働組合、両国の軍事機構といった存在
である。

 過去20〜30年間にわたり、中国が力と富を増すことは米国にとっ
て好ましいという反論を繰り広げてきたのが、米国の多国籍企業だ
った。このため、米国の経済界が中国に幻滅する様子を見せ始めた
ことは、企業だけでなく国際政治にとっても不吉な兆候だ。
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オバマ氏は社会主義」 米政権批判、目立つフレーズ
2010年7月16日7時22分

 「オバマ大統領は社会主義者だ」。米国では昨年来、そんな言い
回しの政権批判が続いている。新医療保険制度も自動車大手支援も
社会主義者の政策だから断固反対、という理屈だ。背景を探ると、
社会主義者がひどく異端視されてきた米国ならではの事情に行きつ
く。 

 元下院議長ニュート・ギングリッチ氏は5月刊行の自著で「オバ
マ政権の本質は社会主義だ」と批判した。「経営に失敗した企業は
市場から退場するという資本主義の鉄則をねじまげ、ゼネラル・モ
ーターズ(GM)など自動車産業の株を政府が支配した」と指摘。
「金融機関トップの高給を取り締まる仕事に政府が着手し、ジャグ
ジー風呂業界の規制にまで乗り出すオバマ政権は、社会主義以外の
何ものでもない」と訴える。 

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国家資本主義

国家資本主義(こっかしほんしゅぎ、英:state capitalism)は、
学者や立場によって、異なった色々な意味で使用されている。通常
は国家が資本主義に介入し管理するもの(修正資本主義)、国家が
資本主義を推進するもの(開発独裁など)などを指す。

1929年からの世界恐慌により、自由放任型の自由市場経済には限界
があると考えられ、各種の混合経済的な政策や体制が進められた。

アメリカではニューディール政策など、国家や政府が資本主義に介
入して有効需要の創出や需給管理が進められた(ケインズ主義)。

ドイツやイタリアではファシズムが普及し、集産主義による自由主
義の制限やインフラの整備、労働条件の整備が進められた。

第二次世界大戦後の西ヨーロッパ、特に北欧では社会民主主義が普
及した。戦後日本の規制政策なども含めて呼ばれる事もある(比喩
的に日本型社会主義とも呼ばれることもある)。
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China’s Dangerous Arrogance
中国の危険な横暴  クローニン
July 23, 2010THE DIPLOMAT
An increasingly assertive China is creating its own 
Monroe Doctrine for Asia’s seas 
and threatening longstanding freedoms.

China’s rising-power exuberance is becoming a problem.

There’s long been bipartisan policy support in the United States 
for emphasizing cooperation with China 
while minimizing competition. 
President Barack Obama, who has said that Sino-American relations 
would ‘shape the 21st Century,’ subscribes to this precept. 
But it was also generally assumed that a re-emerging China would be 
intelligent and self-interested. Instead, China’s recent diplomatic 
and military assertiveness, apparently fuelled by overconfidence, 
is creating consternation?especially over freedom of the seas.

It’s logical that Chinese leaders would want a protracted period 
of quiescence rather than to draw attention to a gradual military build-up. 
China’s long history has focused on continental power and China’s eager, 
‘let’s-do-business’ attitude has been successful around the globe.

But as China has become more influential, it has also become 
uncharacteristically assertive in the diplomatic arena. 
This assertiveness is nowhere more evident than with its naval power, 
and is prompting many to ask if it is now verging on the reckless, 
particularly over the South China Sea.

Consider four separate points that on the surface seem unrelated 
but which all point to China’s insatiable expectations?if not 
an actual ‘string of pearls’ strategy?in the maritime sea lanes 
of the Pacific and Indian Oceans.

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