3693.中国に覇権はいくか



今後の韓国哨戒艇沈没で見せた中国の対応は、米国を仰臥していた
。韓国は外交の失敗となり、北朝鮮の勝利となった。このように中
国に覇権が米国から移動しているよう見える。米国の影響力が徐々
に衰退する方向を示している。日本にも米国の衰退と中国の隆盛は
大きな影響を持つので、注視する必要がある。
                津田より

0.はじめに
 哨戒艦事件では、中国は北朝鮮の代弁を勤め、韓国は米国に代行
を依頼した。しかし、国連安保理議長声明は、中国の主張を大幅に
取り入れ、米国は中国との調整を済ませた後、韓国に見せたという。
その中には北朝鮮の攻撃も謝罪もないという議長声明であり、韓国
の外交的な失敗と見られた。

また、中国は、韓国が目指した軍事境界線近くの対北朝鮮軍事放送
の再開や、米原子力空母が参加して事件の現場海域に近い黄海で米
韓合同軍事演習を実施することに強い難色を示したのに対して、米
国は今月末に日本海で行う米韓合同軍事演習に空母を参加させるこ
とで決着させた。 

その上、韓国は軍事放送再開のために拡声機を設置したが、北朝鮮
から新たな挑発がない限り、当面再開を保留すると米中の圧力でそ
うせざるを負えないようだ。 

韓国は当初、米国に対して事件を根拠とした北朝鮮へのテロ支援国
家の再指定ができないかどうか非公式に打診したが、再指定は難し
いと、6者協議を行おうとしている中国と対応した米国は韓国に宣
言している。このように、この事件で米国は北朝鮮に新たな制裁処
置をしていない。

というように、米国は韓国より中国の意向を色濃く聞いて対応した
ことが分かる。そういえば、G20サミットで、中国の胡錦濤国家
主席は「お互いが最近行った努力により、米中関係が実質的に前進
したことを喜ばしく思っている。われわれはこの精神を維持する必
要がある。また、主要な地域および国際問題に関して、米国との対
話や協力関係を強化したいと思っている」と述べた。この意味は米
国は中国に大きく譲歩をするべきであるということだったのだ。

中国のリーダがいうことばには、深い意味がある。

現時点、バルチック海運指数が35日続落して、15年で最長の長さに
なっている。中国の年間の鉄鉱石輸入が1998年以降で初めて減少す
るとの見通しで、中国への鉄鉱石輸送の占める割合が大きいことで
そうなっている。中国が減速していることがこれで分かる。

また、6月の米消費者物価指数は、前月比で0.1%下落し、3カ
月連続のマイナスになり、FRBも日本の失われた10年と同じよ
うなデフレなう可能性を心配し始めている。米国も景気息切れが明
確になってきている。

その上に、欧州中央銀行(ECB)は、銀行ストレステスト(健全
性審査)の結果公表は市場の沈静化を助けるとの見方を示し、ユー
ロ圏は加盟国が債務不履行(デフォルト)に陥ることを容認しない
とした。このため、ギリシャ財政再建が行われるが、ギリシャ以外
もEU諸国の多くで財政再建過程に入るためにEU全体の経済減速
は、今後強まるとIMFでは見ている。

G20サミットでも、先進国が2013年までに財政赤字を少なく
とも半減させる、との目標を盛り込んだ宣言を発表しているので、
財政再建は欧米諸国で始まる。益々世界の経済減速は強まることに
なる。

中国は減速したといっても10%程度の経済成長をしている。この
中国に世界が頼り始めている。

1.中国頼みへ
 これから、先進諸国の経済は減速する。それは財政出動で今まで
は景気を維持していたが、財政支出を絞ることで、景気を維持する
方法は金融政策しかない。このため、新興国、特に中国経済の成長
に期待することになる。

このため、先進諸国は中国の需要を取り込もうとして、中国詣を行
い始めた。最初に行ったのが日本で、中国人観光客を増やすため、
個人観光ビザの要件を緩和した。これにより、観光客を2倍以上増
やしたようだ。

また、中国企業が出資する日本企業の数は今年6月時点で611社
と、5年前の2.6倍に増加し、日本の活性化を側面からサポート
し始めている。

そして、今年に入り、中国が日本国債への投資を大幅に増やしてい
る。証券買い越し額は1〜5月計で1兆2762億円(速報値)と
、統計開始以来最高だった2005年通年の5倍になったというよ
うに日本経済を底支えしてくれている。

世界の2009年の富裕層は、米国が470万世帯で首位。これに
日本が2位、ついで中国が3位である。欧州より金持ちが多くなっ
ている。

米国の有識者への調査でも米国にとってのアジアでの最重要パート
ナーは、中国と答えたのは56%。日本と答えたのは過去最低の
36%である。米国でも中国重視になる理由である。

日本に続けと、英国ヘイグ外相が訪中し、両国の協力関係を重視す
るとした。続いてドイツのメルケル首相が訪中し、北京で温家宝首
相と会談し、10分野で44億ドル(約3840億円)以上の経済
協力を行うことで合意。両国は貿易や外交分野での協力関係の強化
するという。

欧米諸国は、自国の経済規模維持を中国への輸出で行う方向であり
、特にユーロが安値であるユーロ圏、ポンドが安い英国は今が中国
貿易に一番良いと思っているようである。

2.人民元の動向
 G20サミット前に人民元相場の弾力性を高めると中国人民銀行
は発表したことで、7月の中国の為替操作国への認定は見送ったが
、オバマ大統領は中国の切り上げ姿勢を、「3か月ではっきり分か
る」として、期限を明示した。10月の報告書で為替操作国に認定
することも辞さない構えのようだ。

これに対して、人民元を国際化するために、人民元建て貿易決済を
大幅に拡大し、香港やマカオ、東南アジア諸国連合(ASEAN)
各国との貿易のみ認められていた人民元建て決済がすべての取引相
手国に適用できるようにした。

これにより、中国は地域基軸通貨としてその範囲を広げる方向であ
る。

この中国は、民衆の生活レベルの持続的改善を支えていくのに必要
な、エネルギー資源、金属、戦略的鉱物資源を継続的に確保するこ
とが重要で、アフリカやアジアに影響範囲を広げている。この決済
を自国通貨でできることは魅力になる。このため、中国の影響範囲
が広くなるとともに、人民元が使われる範囲が広くなるようだ。

中国の四大国有商業銀行の一つ、中国農業銀行が香港証券取引所に
株式上場し、市場での資金調達額は計約192億ドル(約1兆
6800億円)で、新規株式公開(IPO)による調達額としては
NTTドコモを上回り、世界3位となった。中国の国有銀行は、不
良債権が大量に発生しているという噂を聞くが、資金は潤沢に調達
できる環境にあり、当分、バブル崩壊はないように感じる。

3.今後の中国
温家宝首相は、6年前に法治政府の構築という目標を打ち出した。
これは民主政治の整備を強化し、法治を推進する重要なステップだ
った。毎年法治行政の全局に関わる重点的取り組みについて計画を
立てたが、まだ十分ではないので、法治行政を遂行してほしいとい
う。

しかし、共産党中央宣伝部は報道各社に対する規制について「我々
には中央の報道機関が正しい宣伝活動と世論誘導をするように指導
する責任がある」と述べ、事実上報道統制をしているとした。民主
政治と報道統制は共産党では一緒のことのようである。

しかし、中国共産党が経済成長を促し、社会的な安定を維持してい
くことを今後も望むのであれば、民主化(政治改革)を進める以外
に道はないことも確かであり、北京市内の農村で行われた村民委員
会主任(村長)選挙(任期3年)を外国記者に公開した。末端行政
での民主主義の浸透をアピールする狙いのようだ。

徐々に民主化を進めるというが、経済発展での格差拡大に社会が持
つかどうかでしょうね。

ルイス転換点に来て、労働賃金が上昇したことで民衆に権利意識が
出て来ている。民主化しないと、混乱を起こす可能性があるが??

3.東アジアへ向く
しかし、高度成長が著しい中国を含む東・東南アジアに世界の目が
集まっている。その中、オバマ米大統領が2011年から東アジア
サミットに毎年出席するとの意向で、米国とロシアをサミットに正
式参加させることになった。このため、東アジアサミットは18ケ
国での議論の場になる。

中国・シンガポール経済成長に見るように、「国家資本主義」モデ
ルがうまくいくので、日本も成長戦略で、国家資本主義の亜種モデ
ルを試す方向にある。日本がこうであるから、多くの世界の国は中
国・シンガポールの真似をすることになる。どちらにしても、欧米
モデルの市場資本主義から、アジア・モデルの国家資本主義の時代
が来たようである。

4.覇権の交代か
米国は軍事費を今後5年で9兆円節減するという。これに対して中
国は空母を2020年までに6隻体制にして、第2列島線まで中国
の制海権を確保すると軍備拡張モードである。しかし、現時点で、
中国は米国の1/3であり、そう簡単には追いつけないが、徐々に
海軍力としては追いついてきている。

中国はアフリカなど影響力の地理的な範囲が広がり、その広がった
地域のシーレーン防衛のために、大海軍を構築している。この海軍
力を侮ることはできない。

特に日本は中国の近傍に位置しているので、影響力はまともに受け
ることになる。

さあ、どうなりますか??
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米中、韓国に自制求める 哨戒艦事件巡る報復措置に難色
2010年7月18日3時1分

 【ソウル=牧野愛博】韓国哨戒艦沈没事件を巡り、中国が米国に
対し、韓国に軍事宣伝放送や軍事演習の自制を求めるよう非公式に
働きかけていた。韓国政府関係者らが明らかにした。米中による封
じ込めで報復措置の大幅な変更を余儀なくされたとも言える結果に
、韓国政府内からは「外交的に敗北した」との声が出ている。 

 韓国政府関係者らによれば、中国政府は、韓国が事件を「北朝鮮
製魚雷による沈没」と結論づけた5月末から外交チャンネルなどを
通じて米国に「北朝鮮による新たな軍事挑発の発生を懸念している
」と表明。「韓国に挑発的な行動の自制と冷静な態度を求めてほし
い」と訴えた。 

 そのうえで、中国は、韓国が目指した軍事境界線近くの対北朝鮮
軍事放送の再開や、米原子力空母が参加して事件の現場海域に近い
黄海で米韓合同軍事演習を実施することに強い難色を示したという。 

 在韓米軍は当初、韓国軍との間で6月初めに空母も参加した軍事
演習を黄海で実施する方向で調整したが、米政府の許可が下りず、
実施時期を今月中旬に変更。最終的に今月末に日本海で行う演習に
空母を参加させることで決着した。 

 また、韓国政府は軍事放送再開のために拡声機を11カ所に設置
したが、米中両国が難色を示したことから方針を変更。北朝鮮から
新たな挑発がない限り、当面再開を保留する方針を固めた。 

 外交筋によれば、事件を巡る国連安保理の協議でも、米国のライ
ス国連大使が他の理事国に「中国に拒否権を行使させるわけにはい
かない」と語る一方、北朝鮮に対する非難決議を求めた韓国の姿勢
に困惑する反応を示した。 
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中国、6者協議の早期再開を呼びかけ
2010年7月10日11時12分

 【北京=古谷浩一】中国外務省の秦剛副報道局長は9日夜、韓国
の哨戒艦沈没に関する国連安全保障理事会の議長声明について「関
係各国が引き続き冷静さと抑制を維持し、これを機に、できるだけ
早く事件を乗り越えることを望む」との談話を発表した。議長声明
の採択をもって事態を収束させたいとの中国側の姿勢を示すものだ。
秦副局長はそのうえで、6者協議の早期再開を呼びかけた。 
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バルチック海運指数:35日続落、15年で最長−中国の鉄鉱石需要鈍化 

7月15日(ブルームバーグ):商品運搬コストの指標となるバルチ
ック・ドライ指数が、約15年で最長の下落となっている。船舶数が
増加するなか、鉄鉱石需要の減退で船舶の供給過剰が悪化している。 

  船舶ブローカー最大手、英クラークソンによると、鉄鉱石や石
炭などばら積み商品の積載能力は今年、16%拡大すると予想される
。金属調査会社マイスチール・リサーチ・インスティチュートは、
中国の年間の鉄鉱石輸入が1998年以降で初めて減少するとの見通し
を示した。中国は世界最大の鉄鉱石消費国。 

  バルチック取引所(ロンドン)によると、バルチック・ドライ
指数は前日比9ポイント(0.5%)低下し1700ポイント。35営業日続
落は95年11月以来。ケープ型船舶の1日当たりの用船レートは1.7%
下落し1万2073ドルと、2009年1月以来の低水準となった。 
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中独44億ドルの経済協力合意 戦略的パートナー関係構築へ
2010.7.17 05:00サンケイ
 中国を訪問したドイツのメルケル首相は16日、北京で温家宝首
相と会談し、10分野で44億ドル(約3840億円)以上の経済
協力を行うことで合意した。両国は貿易や外交分野での協力関係の
強化を模索している。

 中国国営の新華社通信によれば、独電機大手シーメンスは、中国
の大型機械設備メーカー、上海電気集団と、蒸気・ガスタービンの
35億ドルの研究開発に向けて協力文書に調印したほか、欧州トラ
ック最大手、独ダイムラーは中国の同業、北汽福田汽車と
63億5000万元(約818億円)の契約を結んだ。

 温首相は北京での合同記者会見で、両国が包括的な戦略的パート
ナーとしての関係の構築を目指していると述べた。中国にとってド
イツは欧州最大の貿易相手国で、輸出は1カ月当たり38億ドル、
輸入は同33億ドル。
(ブルームバーグ Yidi Zhao)
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米、来年から東アジアサミットへ ロも加え18カ国体制に
 【ハノイ共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)外交筋は17
日、オバマ米大統領が2011年から東アジアサミットに毎年出席
するとの意向を米国がASEAN側に伝えたと語った。同日ハノイ
で開かれたASEAN外相会議の高級事務レベル協議では、米国の
意向を受け、米国とロシアをサミットに正式参加させる方向で一致
したという。

 ロシアは以前から東アジアサミット参加希望を表明しており、
ASEANと日中韓、インドなど計16カ国で構成するサミットは
、来年から米ロを加えた18カ国体制となることがほぼ確実になっ
た。
2010/07/17 20:36共同通信
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ギリシャ財政再建は進展=経済減速は今後強まる―IMF
7月17日6時6分配信 時事通信

 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は16日、財政再建中のギ
リシャについての暫定報告を発表した。それによると、同国政府に
よる財政の持続性確保への取り組みには「進展がみられる」と指摘
した。一方、政府支出の削減による経済活動の減速は「予想通り」
とした上で、今後さらに落ち込みは激しくなるとの見解を示した。
 暫定報告は、6月中旬のIMFとギリシャ政府、中央銀行との協議を
受けてまとめられた。
 報告ではギリシャによる財政再建策についておおむね順調に進ん
でいると評価する一方、公立病院や社会保障基金、公営企業体など
政府による直接的な予算管理が及ばない分野にリスクがあると指摘。
間接税の引き上げなどの影響でインフレ率は予想より上昇している
ほか、金融機関は流動性の逼迫(ひっぱく)状況が続いているとし
た。 
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6月の米消費者物価、3カ月連続のマイナス
2010年7月16日22時26分

 【ワシントン=尾形聡彦】米労働省が16日発表した6月の米消
費者物価指数(CPI)は、前月比で0.1%下落し、3カ月連続
のマイナスになった。エネルギー価格が同2.9%下落したのが主
因だ。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア(中核)指数は
、前月比0.2%上昇し、2カ月連続のプラスだった。 
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中国、日本国債投資を拡大 欧州危機で外貨準備振り替え
2010年7月17日1時42分

 今年に入り、中国が日本国債への投資を大幅に増やしている。財
務省の国際収支統計によると、証券投資で購入から売却を引いた買
い越し額は1〜5月計で1兆2762億円(速報値)と、統計開始
以来最高だった2005年通年の5倍になった。欧州の財政不安と
ユーロ安を受け、中国当局が外貨準備を日本国債に振り向けている
ためとみられる。 
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中国農業銀が香港で株式上場 資金調達額は世界3位
 【上海共同】中国の四大国有商業銀行の一つ、中国農業銀行が
16日、香港証券取引所に株式上場した。15日には上海市場に上
場し、両市場での資金調達額は計約192億ドル(約1兆6800
億円)で、ロイター通信などによると、新規株式公開(IPO)に
よる調達額としてはNTTドコモを上回り、世界3位。
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中国外交部「他国はチベット独立分子に舞台を提供すべきでない」
2010/07/15(木) 11:30 サーチナ

  中国外交部の楊潔〓部長(外相)は14日、中国を訪問中のヘイ
グ英外相と会談し、両国の協力関係を重視するとの意見で一致した。
一方、「チベット独立分子に舞台を提供すべきでない」と発言し、
他国によるチベット独立派の支援の動きをけん制した。中国網など
が伝えた。(〓は竹かんむりに厂(がんだれ)、下に「虎」)

  今回の英中外相会談では主に、英国における対中輸出の拡大な
どについて議論された。ヘイグ英外相は、対中政策について「前進
あるのみ」と語り、両国における今後の関係強化に積極姿勢を示し
、中国も賛同した。
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米、中国の為替操作 10月再判断
人民元切り上げへ駆け引き
 【ワシントン=岡田章裕】米財務省は8日、主要な貿易相手国・
地域の為替政策に関する為替政策報告書を公表し、人民元相場の弾
力化方針を評価した上で、中国の為替操作国への認定は見送った。
ただ、「注意深く定期的に人民元の切り上げを監視していく」とし
、引き続き、中国の為替政策を注視する考えを示した。

 オバマ大統領は6月下旬の主要20か国・地域(G20)サミッ
ト(首脳会議)後の記者会見で、中国の切り上げ姿勢は、「3か月
ではっきり分かる」として、期限を明示した上で中国側に対応を迫
っている。10月の次回の報告書発表までの人民元相場の動きを見
定めた上で、切り上げペースが不十分なら、為替操作国に認定する
ことも辞さない構えとみられる。
(2010年7月10日 読売新聞)
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中国人の個人観光ビザ、発給ペースが倍増
 日本を訪れる中国人観光客を増やすため、政府が今月1日から要
件を緩和した個人観光ビザの中国国内での申請・発給件数が、先月
に比べて倍のペースで急増していることが9日、明らかになった。
(2010年7月10日03時03分 読売新聞)
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中国の日本企業出資、5年で2.6倍=ブランドや技術が狙い
−帝国データ
時事
 帝国データバンクが8日発表した調査によると、中国企業が出資
する日本企業の数は今年6月時点で611社と、5年前の2.6倍
に増加したことが分かった。昨年8月の家電量販店のラオックスに
続き、今月30日には老舗アパレルのレナウンも出資を受けるなど
、日本に投資する中国企業の動きが目立っている。
 帝国データは「日本企業の持つブランドや技術は希少価値がある
。日本にとっても中国の資金力と販路は魅力的」と指摘。人民元切
り上げなどでこうした動きが加速する可能性もあるとしている。
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ストレステスト結果公表、市場の沈静化助ける=ECB専務理事
2010年 07月 3日 01:57 JST

[ラコルナ(スペイン) 2日 ロイター] 欧州中央銀行(EC
B)のゴンサレスパラモ専務理事は2日、銀行ストレステスト(健
全性審査)の結果公表は市場の沈静化を助けるとの見方を示した。
また、ユーロ圏は加盟国が債務不履行(デフォルト)に陥ることを
容認しないと述べた。
 専務理事は記者団に対し、月内に予定されている銀行のストレス
テスト結果公表を歓迎し「(結果)公表の決定は欧州レベルでは歓
迎すべきニュースだ。何よりも投資家に対し銀行の実態を明らかに
することになる」と述べた。
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中国共産党幹部、報道規制を公言「世論を正しく誘導」
2010年7月1日1時38分

 【北京=峯村健司】中国メディアを統括する共産党中央宣伝部の
李偉・報道官が30日、記者会見し、報道各社に対する規制につい
て「我々には中央の報道機関が正しい宣伝活動と世論誘導をするよ
うに指導する責任がある」と述べた。中央宣伝部幹部が公の場で報
道規制を認めるのはきわめて異例。 
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「13年までに財政赤字半減」 G20閉幕、日本は例外
2010年6月28日11時9分

 【トロント(カナダ)=琴寄辰男、有田哲文】トロントで開かれ
ていた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は27日午後(
日本時間28日朝)、先進国が2013年までに財政赤字を少なく
とも半減させる、との目標を盛り込んだ首脳宣言をまとめて閉幕し
た。ただし、日本については、経済規模に対する債務残高が飛び抜
けて大きいが、そのほとんどが国内の貯蓄に支えられているため、
例外的に目標を守らなくてもよいことにした。
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中国の胡錦濤国家主席、米国との関係強化望む意向表明
6月27日8時35分配信 ロイター

 [トロント 26日 ロイター] 中国の胡錦濤国家主席は26
日、20カ国・地域(G20)首脳会議の合間にオバマ米大統領と
会談し、米国との関係を一段と強化したいとの考えを示した。
 国家主席は記者団に「お互いが最近行った努力により、米中関係
が実質的に前進したことを喜ばしく思っている。われわれはこの精
神を維持する必要がある。また、主要な地域および国際問題に関し
て、米国との対話や協力関係を強化したいと思っている」と述べた。
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水説:国家資本主義の採用=潮田道夫
 <sui−setsu>

 米アップル社の新情報端末「アイパッド」が大変な人気である。
しかし、面白からざることに、アイパッドの部品はほとんどがサム
スンなど韓国製か台湾製だと言う。

 これまでのアップル社の製品、アイポッドやアイフォーンでは部
品の過半を日本製が占めてきた。日本は「単体には強いがシステム
で弱い」といわれながらも、まあ、この十数年、部品や素材で食っ
てきた。そのビジネスモデルが崩れかかっている。

 政府が先ごろ出した「成長戦略」の背景にあるのが、「これから
何で食っていけばいいのか分からなくなった」という危機感である。
そこで政府は思い切った政策転換に踏み出した。絶滅したはずの「
産業政策」を復活させ、あまつさえ「官主導」で海外市場を分捕る
、というのだ。

 差し障りがあるから名を秘すが「企業経営者のシリをけっ飛ばし
たい」とさる政府高官は言った。要するに、経営者が全然リスクを
とらなくなった。放っておくと、日本経済は地盤沈下する一方だ。
仕方なく官が「損失保証」して投資させる。乱暴に言えば、そうい
うことである。

 政府が「成長産業」として環境や医療などを指定、重点的にてこ
入れする。主流派経済学で無効と宣言された「ターゲティング政策
」の堂々の復活。さらに、原発、水道、高速鉄道など世界の何兆円
ものインフラビジネスを官営銀行の超低利ジャパンマネーを使って
落札する。

 地政学的リスク分析を業とする米ユーラシア・グループという名
前をご記憶だろうか。先ごろ「2010年の世界10大リスク」を
発表し、第5位に日本をランクして話題になった。日本は新たな「
失われた10年」に突入した疑いがあり実に危険な存在らしい。

 そこのイアン・ブレマー代表が「自由市場の終焉(しゅうえん)
−−勝つのは国家か企業か」という本を出して欧米論壇で評判にな
っている。中国に代表される「国家資本主義」モデル。それに米国
は勝てるか、がテーマだ。

 自由な資本主義の優位は明らかなはずだ。市場が政治に仕える存
在なら、それだけで効率が低下する。理屈ではそうだが、なぜか中
国は破竹の快進撃だ。まねる国が続出している。非民主主義国では
社会に「信頼」が欠如しているので、国家が介入するモデルのほう
がうまくいく。そう説明されている。

 日本はそういう国々とは様相を異にするはずだが、今回の成長戦
略は国家資本主義の亜種である。時代への順応なのか、歴史への逆
行なのか。やって確かめてみるしかあるまい。(専門編集委員)

毎日新聞 2010年6月23日 東京朝刊
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中国政府、法治行政をさらに推進へ
2010-06-24 15:22:16 

温家宝総理の招集する国務院常務会議は23日、法治行政のさらなる
推進について検討を行った。

会議は「国務院は04年3月に『法治行政全面推進実施綱要』を制定・
施行し、法治政府の構築という目標を打ち出した。これは民主政治
の整備を強化し、法治を推進する重要なステップだった。それから
6年間、国務院は毎年法治行政の全局に関わる重点的取り組みについ
て計画を立て、各地区・部門はこれを実際と結びつけて貫徹実施し
、法治行政の取り組みは重要な進展を遂げた」と指摘。
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人民元切り上げへ 相場を再び弾力化

 【北京共同】中国人民銀行(中央銀行)は19日、人民元相場の
弾力性を高めるとの談話を発表した。カナダ・トロントで26日か
ら開かれる20カ国・地域(G20)の首脳会議(金融サミット)
を控え、改革努力をアピールする狙いがある。元は2008年夏以
降、2年近くドルに対し固定されてきたが、週明けの21日以降、
管理された変動相場制に戻し徐々に切り上げる方針とみられる。
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軍事費5年で9兆円節減=同盟国、駐留費分担影響も−米国防総省
 【ワシントン時事】ゲーツ米国防長官は16日までに、今後5年
で国防予算計約1000億ドル(約9兆円)を節減し、その分を戦
略上優先順位の高い即応態勢強化などの経費に充てるよう指示した。
各軍は7月末までに節減案を提示する。
 ゲーツ長官は「米国が困難な経済情勢に直面し、国家財政が厳し
さを増す中で、経費節減の努力をせずに予算要求を続けることはで
きない」としている。国防総省は米軍駐留経費など、同盟国に安全
保障上の分担を求める姿勢を一段と強めるとみられる。
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中国が人民元建て貿易決済拡大へ
2010年 06月 18日 02:12 JST

[北京 17日 ロイター] 中国政府は、これまで限定的にしか
認めなかった人民元建て貿易決済の試験プログラムを大幅に拡大す
る。国営ラジオが17日、中国国務院(内閣に相当)の決定として
報じた。
 人民元の世界的な信認を高める狙いがあるとみられている。

 具体的には、これまで香港やマカオ、東南アジア諸国連合(AS
EAN)各国との貿易のみ認められていた人民元建て決済がすべて
の取引相手国に適用される。
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北京の農村で村長選挙を公開 直接選挙拡大が課題

 【北京共同】中国外務省は18日、北京市内の農村で行われた村
民委員会主任(村長)選挙(任期3年)を外国記者に公開した。末
端行政での民主主義の浸透をアピールする狙いだが、共産党の一党
支配が続く中国では県や市など、より高いレベルでの直接選挙導入
が大きな課題だ。
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大中国圏の形成と海軍力増強
http://www.foreignaffairsj.co.jp/
2010年06月16日フォーリン・アフェアーズ
6月号掲載:中国は東半球で覇権を確立しつつある
ロバート・カプラン/アトランティック誌記者

アメリカが太平洋で圧倒的な軍事的地位を維持しているのは、第二
次世界大戦の遺産、つまり、半世紀前に終わった戦争で中国、日本
、フィリピンが戦争で非常に大きなダメージを受けたことの名残だ。
朝鮮半島における米軍のプレゼンスも永続的に続くことはあり得ない。
大中国圏が、中央アジア、インド洋、東南アジア、そして西太平洋
で政治的、経済的、軍事的に姿を現しつつある。

陸上の国境線を安定化させ、画定しつつある中国は、いまや次第に
外に目を向け始めている。
中国を突き動かしているのは、民衆の生活レベルの持続的改善を支
えていくのに必要な、エネルギー資源、金属、戦略的鉱物資源を確
保することだ。
だが、その結果、モンゴルや極東ロシアに始まり、東南アジア、朝
鮮半島までもが中国の影響圏に組み込まれ、いまや大中国圏が形成
され始めている。
そして、影響圏形成の鍵を握っているのが中国の海軍力だ。

北京は、米海軍が東シナ海その他の中国沿海に入るのを阻止するた
めの非対称戦略を遂行するための能力を整備しようとしている。北
京は海軍力を用いて、国益を擁護するのに軍事力を使用する必要が
ないほどに、圧倒的に有利なパワーバランスを作り出したいと考え
ているようだ。
しかし、中国の影響圏の拡大は、インドやロシアとの境界、そして
米軍の活動圏と不安定な形で接触するようになる。現状に対するバ
ランスをとっていく上で、今後、「米海軍力の拠点としてのオセア
ニア」がますます重要になってくるだろう。

(朝鮮半島) 
中国に幾分傾斜し、日本からは距離を置く統一朝鮮にとって、駐留
米軍を受け入れ続ける必然性はもちろんない。
別の言い方をすれば、将来的に朝鮮半島が中国の影響圏に入ると考
えてもおかしくはないし、その時には、北東アジアにおける米軍の
陸上でのプレゼンスは大きく低下する。

(オセアニア) 
グァム、カロリン諸島、マーシャル群島、北マリアナ諸島、ソロモ
ン諸島はすべて米領で、アメリカと防衛取り決めを交わしているし
、周辺の独立国がアメリカとの軍事協調に同意すれば、戦略状況は
大きく変化する。
東アジアに比較的近い上に、アメリカの戦艦が立ち入れないように
したいと中国が考えている海域の外側にあるだけに、今後、オセア
ニアの価値はますます高まっていくだろう。
グァムから北朝鮮まで飛行機でわずか4時間だし、台湾にも船で二
日の距離だ。
アメリカにとって、日本、韓国、フィリピンに部隊駐留を続けるよ
りも、オセアニアに基地を持つほうが、とかくホスト国を刺激せず
にすむ。
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世界の富裕層14%増 09年、日本は2位
 米コンサルタント会社ボストンコンサルティンググループは11
日までに、世界の2009年の富裕層が前年比約14%増の1120
万世帯に上り、資産総額はリーマン・ショック前年の07年に迫る
111兆5千億ドル(約1京200兆円)に回復したとの調査結果
を発表した。国別では、米国が470万世帯で首位。これに日本、
中国、英国、ドイツが続いた。
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ソロス氏:「危機の第2幕が始まったところ」−30年代を想起

 6月10日(ブルームバーグ):資産家のジョージ・ソロス氏は、
欧州の財政問題の深刻化で各国政府が赤字抑制を強いられることか
ら、世界経済は再びリセッション(景気後退)に陥る恐れがあると
指摘、「危機の第2幕が始まったところだ」との認識を示した。 

  ソロス氏は10日、ウィーンでの会合で「われわれの知る金融シ
ステムの崩壊は現実だ。危機は終わりには程遠い」と語り、「実際
、ドラマの第2幕に入ったところだ」とした。 

  ソロス氏(79)は現在の状況について、景気回復が弱い中で各
国政府が財政赤字の縮小を迫られた1930年代を「不気味なほど」思
い起こさせると述べた。 
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中国で賃上げ続出−消費型経済への移行促進
2010年 6月 9日 13:04 JST 
WSJ
 【北京】中国では一部大手メーカーで、労働者のストにより賃上
げや労働条件が改善されるケースが相次いでいる。労働者の所得が
増加すれば、同国が消費主導型経済への移行が加速するとの期待の
声も出ている。 

 ホンダにマフラーを供給する系列部品メーカーで、労働者が7日賃
上げを求めてストに入り、8日もストは続行された。ホンダは、これ
とは別の部品工場のストが収拾したばかり。このストで、同社は中
国での操業が10日間にわたってマヒし、最終的に24%の賃金・手当
引き上げを受け入れた。 
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歴史は繰り返す(ウォール街ラウンドアップ) 
2009/11/21日経
 ハーバード大のケネス・ロゴフ教授は「金融危機の後にはこうし
た現象が典型的にみられる」と指摘する。大幅な金融緩和で短期金
利は下がり、巨額の財政出動で長期債の需給は悪化する。その後は
、インフレ懸念が強まるにつれ、通常の国債から物価連動債へと需
要がシフトしてゆくのがセオリーだ。 

 ロゴフ教授らが過去800年の金融史を調べた研究によると、政
府債務が持続不可能なレベルに達した国家は急激な金利上昇に見舞
われ、高い確率でデフォルト(債務不履行)か高インフレによる実
質的な借金棒引きに追い込まれる。 

 歴史上、多くの主要国が何度もこのコースをたどり、例えばスペ
インは過去に13回デフォルトを起こした。国家のデフォルトは決
して珍しい出来事ではなく、むしろ「周期的に頻発する現象」であ
る。 
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ブータンに学ぶ「幸福」の定義−経済危機はGDP重視経済見直す
好機 

6月7日(ブルームバーグ):世界的な経済危機は先進国に経済的
成功の尺度を見直す機会を与えた。ブータンのジグメ・ティンレイ
首相が述べた。 

中国とインドの間に位置する人口70万人足らずのブータンは、「国
民総幸福量(GNH)」を経済政策の基準としている。ティンレイ
首相によると、先進国が採用する財やサービスの価値の総計である
国民総生産(GDP)は非持続的な発展を促す。 

ティンレイ首相は5日にイタリアのトレントでインタビューに応じ
、「世界的な経済危機により、西側諸国の経済成長モデルの手法や
目標に関する議論が再燃している」と指摘。「GDPモデルに基づ
く国民の生活様式は明らかに持続不可能だ。私たちの子供のそのま
た子供の世代から、彼らが当然受け取るべき天然資源を奪っている
のと同じことだ」と語った。
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米印、対テロ協力強化で一致 初の戦略対話
2010年6月4日21時23分

 【ワシントン=村山祐介】米国とインドが地域情勢や経済など幅
広い問題を話し合う初の米印戦略対話の全体会合が3日、ワシント
ンの国務省内で開かれた。クリントン国務長官はインドのクリシュ
ナ外相との会談で、対テロ協力を強化することで一致。オバマ大統
領が11月上旬に初訪印することを明らかにした。 

 対話には両政府の多数の閣僚、次官らが参加。オバマ氏は3日夜
の歓迎式典で、アフガニスタン問題や核物質の拡散防止などでの共
同歩調を強調した。 
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「米のパートナー」中国が日本上回る 外務省が米で調査
2010年6月2日8時8分

 米国にとってアジアでの最重要パートナーは中国――。外務省が
米国で行った対日感情についての世論調査で、有識者の56%がそ
う答えた。日本と答えたのは過去最低の36%で、中国が日本を上
回ったのは1985年以来25年ぶり。中国と日本の差の20ポイ
ントは、この質問を始めた75年の調査以来最大となった。
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西アフリカの資源地帯も破天荒に掻き乱すチャイナ・マネー
ナイジェリアの油田開発に230億ドル、ガーナとケニアにも触手
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」通巻2968号

 ナイジェリアと言えば、英国から見ればビアフラ戦争の悲惨な想
い出。欧米メジャーから見れば、これまでの特権的利権がゲリラの
油田襲撃によって危ぶまれる危険地帯。つねに部族対立が尾を引い
て統治の難しい国である。

 だが中国にとっては戦争であれ、内乱であれ、部族衝突であれ、
ゲリラ討伐であれ、社会騒擾であれ、カネが儲かると聞けば構わない。
 どこへでも進出する逞しさは、韓国民も同じだが、規模が異なる。
ひ弱になった日本人は逆立ちしても、このエネルギーには適(かな
)わないだろう。

 ナイジェリア・デルタは湿地帯。小舟にロケット・ランチャーを
積んだ反政府ゲリラは葦の影をすいすいとボートを漕いで目標に接
近し、欧米メジャーの精油所を襲撃し、爆破を繰り返した。
ほとほと嫌気がさした欧米企業は大規模に撤退した。

いまもナイジェリアに残るイタリアの石油会社もエンジニアの誘拐
を懼れ、高い塀で囲まれた施設に暮らしている。

 そこへ中国がやってきた。
 欧米も見て見ぬふりをするようになった。なにせIMF増資にポ
ンと500億ドル、アジア通貨基金に380億ドルを拠金したた中
国はカネにあかせて“アジアの盟主”顔をしはじめる。
「ロシアには石油代金を250億ドル前払いという気前の良さ。合
計300億ドルを豪州の資源鉱区開発に投下し、ナイジェリアとガ
ーナとケニアにこれから投下する金額は合計で700億ドルに達す
る」(ウォールストリートジャーナル、5月15日付け)。
 中国とナイジェリアは「資源パートナーシップ」を締結し、三つ
の精油所を建設することに合意した。投資金額は230億ドル。

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