3678.2番底への不安



欧州の危機が、世界に波及している。その検討。  Fより

G8、G20ともに、成長目標に注力しながらも財政緊縮化に取り
組むことで合意という財政健全化と経済成長の両立という玉虫色の
合意内容であった。

しかし、中国など新興国の経済成長があれば、この合意はなんら問
題がないが、中国の6月製造業購買担当者指数(PMI)が前月よ
り1.8ポイント低下して52.1%となったことを明らかになっ
た。PMI指数が前月比を下回ったのは2カ月連続である。

このため、世界的な景気回復のエンジンが減速し、新たなリセッシ
ョン(景気後退)を引き起こすことに警戒感を強めていたら、米国
の指標も低下が確認された。

米国の6月製造業景気指数は56.2となり、前月の59.7から
低下した。低下は2カ月連続で、6月の指数は6カ月ぶりの低水準
となり、かつ、米6月雇用統計は、国勢調査実施に絡む臨時雇用が
終了したことを背景に非農業部門雇用者数が前月比12万5000
人減少した。今年初めて減少に転じ、減少幅は2009年10月以
来の大きさとなった。

また、EU発表したユーロ圏16カ国の5月の失業率は、10.0
%で、米国の9.7%をわずかに上回り、高めの水準が続いている。

また、5月の日本の鉱工業生産指数は、乗用車などの生産減少が響
き、前月比で3カ月ぶりにマイナスになったなど低調になっている。

このような経済指標を受けて、NY株は7日続落でダウ平均は前日
比46.05ドル(0.47%)安の9686.48ドルで取引を
終えた。 日本の日経平均も9200円台と低調である。

このため、「フーバー・モーメント」再現が心配になっている状態
だ。政府歳出の割合があまりに早急に低下すれば需要が減少し、成
長が損われる上、景気が二番底に陥る懸念が強まる。関係者はこう
した状況を、フーバー、フランクリン・ルーズベルト両大統領が30
年代に採用し、大恐慌を長びかせたと批判される早過ぎる財政引き
締めになぞらえて「フーバー・モーメント」と呼ぶ。

その再来を欧州など先進諸国が実行し始めたことで、再現するので
はないかと投資家が心配して、NY株など世界の株価を押し下げ始
めている状態である。 

中国は労働争議の多発で労働賃金が上昇し、かつ人民元のドルペッ
グ制緩和で元高に推移して、海外企業の流出が起き、産業構造の変
革に取り組みだしている。そのパートナーとして台湾とのFTAを
結んだ。

しかし、当面は外国企業の流出が続くことになるので、内需拡大を
進めて流出分を埋め合わせるしかない。世界経済がどうなるか中国
がキーを握っているようである。

さあ、どうなりますか??
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NY株7日続落、終値9686ドル 年初来安値を更新
2010年7月3日5時38分

 【ニューヨーク=山川一基】2日のニューヨーク株式市場は、6
月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想以上に減ったた
め、米景気回復への懸念が広がり7日続落。大企業で構成するダウ
工業株平均は前日比46.05ドル(0.47%)安の9686.
48ドルで取引を終えた。 

 ダウ平均の終値としては年初来最安値を更新し、昨年10月5日
以来約9カ月ぶりの安値水準となった。
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ユーロ圏16カ国、5月の失業率10% 高水準が続く
2010年7月2日21時8分

 【ロンドン=有田哲文】欧州連合(EU)統計局が2日発表した
ユーロ圏16カ国の5月の失業率は、前月から横ばいの10.0%
だった。米国の9.7%をわずかに上回り、高めの水準が続いてい
る。EU加盟27カ国では9.6%。 

 国別では、財政と金融の不安が指摘されるスペインが前月より
0.2%上昇して19.9%。輸出が好調なドイツは3カ月連続で
低下して7.0%となった。 
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6月米非農業部門雇用者数は12.5万人減、半年ぶり減少
2010年 07月 3日 00:38 JST

 [ワシントン 2日 ロイター] 米労働省が2日発表した6月
の雇用統計は、国勢調査実施に絡む臨時雇用が終了したことを背景
に非農業部門雇用者数が前月比12万5000人減少した。今年初
めて減少に転じ、減少幅は2009年10月以来の大きさとなった。
 民間部門は前月比8万3000人増と予想を下回る伸びとなった
。前月は3万3000人増だった。

 国勢調査実施に絡む雇用は22万5000人減少した。

 BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニアエコノミス
ト、ジェニファー・リー氏は「企業は採用を継続しているが、雇用
創出ペースが遅く十分な水準ではない」と述べた。
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6月の米ISM製造業景気指数は低下、半年ぶり低水準
2010年 07月 2日 05:39 JST

 [ワシントン/ニューヨーク 1日 ロイター] 米供給管理協
会(ISM)が1日発表した6月の製造業景気指数は56.2とな
り、前月の59.7から低下した。低下は2カ月連続で、6月の指
数は6カ月ぶりの低水準となった。
 ただ、景気を見極めるうえでの分岐点となる50は、11カ月連
続で上回っている。

 ロイターがまとめたエコノミスト72人の予想中央値は59.0
だった。

 雇用指数は57.8と、前月の59.8から悪化。新規受注指数
は58.5と、前月の65.7から低下した。
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中国6月のPMI、1.8ポイント低下
2010年7月2日16時7分

 中国物流購買連合会は1日、6月の製造業購買担当者指数(PM
I)が前月より1.8ポイント低下して52.1%となったことを
明らかにした。PMI指数が前月比を下回ったのは2カ月連続。中
国物流購買連合会の専属アナリスト、張立群氏は「PMI指数の低
下は中国経済の伸びが着実に鈍化していることを示しているかもし
れない。これは経済成長の安定性・持続可能性の向上につながる」
との見方を示した。 

 11の構成指数から見ると、前月比を上回ったのは完成品在庫指
数のみで1.5ポイントの上昇。その他の指数はいずれも低下した。
うち低下幅が最も大きいのは購買価格指数で7.6ポイント下回っ
た。低下幅が小さいのは輸入指数とサプライヤー納期指数で、いず
れも1ポイント以内に収まっている。張氏は「新規輸出受注指数の
低下は対外貿易輸出の伸びが鈍化していることを示しており、購買
価格指数の低下は企業のコスト圧力が低下していることを示してい
る」と指摘。「総合的に見ると、中国経済は成長から安定に向かう
正念場にあり、次の持続可能な成長に向けた基盤が作られつつある。
ただ今後はさらなる基盤固めが必要だ」と語った。 
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中国経済の軟着陸、世界景気には懸念材料か−回復のエンジン失う
恐れ 

  7月1日(ブルームバーグ):中国が景気の過熱抑制の成果を
示したことで、投資家は世界的な景気回復のエンジンが減速し、新
たなリセッション(景気後退)を引き起こすことに警戒感を強めて
いる。

  1日に発表された中国の6月の製造業購買担当者指数(PMI
)は、拡大ペースが市場予想を下回った。米民間調査機関コンファ
レンス・ボードが6月29日に4月の中国景気先行指数を下方に訂正
した際は世界的な株安を招いた。 

  ゴールドマン・サックス・グループは、中国経済について、成
長率が4ポイント余り低下している途上で、過熱を回避するのに「
良い減速だ」と指摘した。ただ、欧州が財政を引き締め、米失業率
が10%近くで高止まりする中、中国の成長鈍化は投資家の意欲を奪
いかねない。米国と日本の株価指数は今週、ともに年初来安値を更
新した。 

  ドイツ銀行の中国担当チーフエコノミスト、馬駿氏(香港在勤)
は、「中国経済は健全なソフトランディング(軟着陸)に向かって
過熱感が抑えられつつある」とした上で、「不確実な世界経済見通
しを背景に、悲観論が金融市場に広がりやすい状況にある」と分析
した。 
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中台、経済協力協定を締結 自由貿易圏づくりへ前進
2010年6月30日0時49分

 【重慶=村上太輝夫】中国と台湾が29日、中国・重慶で中台経
済協力枠組み協定(ECFA)を締結した。事実上の自由貿易協定
(FTA)で、輸入関税を引き下げ、市場の開放を進め、貿易と投
資を活発化させる狙いだ。台湾は日本や韓国に先行し、中国との自
由貿易圏づくりに一歩駒を進めた。双方の交渉窓口である中国側の
陳雲林・海峡両岸関係協会会長と、台湾側の江丙坤・海峡交流基金
会理事長が協定に署名した。 
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5月鉱工業生産、3カ月ぶりマイナス−4−6月は伸び鈍化へ

  6月29 日(ブルームバーグ):5月の日本の鉱工業生産指数は
、乗用車などの生産減少が響き、前月比で3カ月ぶりにマイナスに
なった。下げ幅は小幅で、ほぼ予想の範囲内だった。生産をけん引
してきた輸出の伸びの鈍化に加え、エコポイント制度などの政策効
果が一巡し、4−6月期の生産の伸びは1−3月期と比べ緩やかに
なる公算が大きい。
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G8首脳、成長と財政緊縮の均衡で大方合意=米政府高官
2010年 06月 26日 08:50 JST

 [ハンツビル(加オンタリオ州) 25日 ロイター] 米政府
高官は25日、主要8カ国(G8)首脳は、成長目標に注力しなが
らも財政緊縮化に取り組むことで合意したと述べた。
 同高官は記者団に対し「これから20カ国・地域(G20)首脳会
議に臨むG8首脳の間で、持続可能な成長を維持する方策、および
将来的に財政を緊縮させるとの共通のコミットメントについて、広
範な合意もしくは意見の集束が得られた」と述べた。


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